初心者でもわかる!外貨預金で大切な計算式
外貨預金での資産運用をお考えの方のなかには、どのようにして外貨預金では損益の確認や計算をすれば良いか、気になっている方もいるのではないでしょうか。
三菱UFJ銀行では、インターネットバンキングを利用することで、保有している外貨預金の円ベースでの評価金額、つまり現在の価値が一目でわかるようになっています。
そのため、日本円でいくら預け入れをしたか分かれば、いくら利益や損失が出ているかを確認することができます。
外貨預金について調べていると損益分岐点や為替差損益等、色々な用語が使用されていて、良く分からない、何だか難しそうと感じることはありませんか。
本記事では、外貨預金をより理解するために損益分岐点や為替差損益についてご説明するとともに、その計算について解説します。
用語の意味や基本的な計算方法を知ることで、外貨預金を保有する際の不安を軽減し、考えを整理できるようになるでしょう。
外貨預金をより理解するための用語とは
まず外貨預金で使われる用語について、わかりやすくご説明します。
損益分岐点
損益分岐点とは利益と損失の境目の水準を示しています。損益分岐点はブレークイーブンポイントとも呼ばれており、この言葉も覚えておくといいでしょう。
外貨預金の場合、利益と損失の境目となる為替レートの水準を指します。損益分岐点を把握することで、為替レートの変動から生じる為替差損益を計算することもできます。
為替差損益
為替差損益とは、為替差益と為替差損を組み合わせた言葉です。
為替差益は、外貨預金で外貨を保有した後に為替レートの変動によって利益となった部分の金額、為替差損は損失となった部分の金額を意味しています。
為替レートの水準によってどれくらい為替差損益が発生するのか、計算する方法は後ほどご説明します。
外貨預金の損益分岐点の計算方法
次に、損益分岐点の計算方法についてご説明します。
外貨預金で損益分岐点を計算する際は、TTSやTTB、TTMといった銀行が定めるレートを用いて計算をします。
- TTSは顧客が円貨から外貨預金に預け入れる際の為替レート。Telegraphic Transfer Selling rateの略です。
- TTBは顧客が外貨預金から円貨で引き出す際の為替レート。Telegraphic Transfer Buying rateの略です。
- TTMはTTSとTTBの平均値となる為替レート。Telegraphic Transfer Middle rateの略です。
このとき、外貨預金に100米ドルを預け入れるには10,100円(100米ドル×101円)が必要になります。
100米ドルを預け入れた場合、損益分岐点の為替レートは101円となりますが、預け入れた外貨を円貨に戻す際にはTTBが適用されます。
そのため、為替レートが変わらずTTM=100円のときに円に戻してしまうと、9,900円(100米ドル×99円)となり、損失が発生してしまいます。
上記のケースでは、TTBが101円まで上昇しないと損益は±0になりません。
次に毎月100米ドルを3回に分けて預け入れした場合、損益分岐点の計算はどのようになるのか説明します。
3回それぞれのTTSが以下の場合を例に計算します。
1回目:100円
2回目:100.50円
3回目:101円
この場合、各回に必要な日本円の換算金額は
1回目:100円×100米ドル=10,000円
2回目: 100.50円×100米ドル=10,050円
3回目: 101円×100米ドル=10,100円
となります。
損益分岐点の為替レートの計算は「預け入れた日本円の総額÷保有外貨の数量」です。
10,000円(1回目)+10,050円(2回目)+10,100円(3回目)=30,150円
30,150円÷300米ドル=100.50円
となり、1米ドル=100.50円が損益分岐点の為替レートになります。
この計算式では、預金金利や税金は勘案しておりません。
損益分岐点の計算をする際は、厳密には預金金利で増加する外貨の数量も加味して計算しますが、ここでは損益分岐点の計算を理解しやすいように説明上割愛しています。
外貨預金の為替差損益の計算方法
次に外貨預金の為替差損益の計算方法について説明します。
為替差損益は、為替レートの変動によって利益もしくは損失となった部分の金額です。
正確な損益を把握するには、為替レートのほかに利息や税金といった要素を細かく確認しなければならないため、算出が難しい場合もあります。しかし、本記事でご説明する計算式を理解すれば、大体の利益や損失を計算できるようになるため、参考にしていただくと良いでしょう。
外貨預金を3回に分けて預け入れした場合を例に考えてみましょう。各レートは1米ドル=98円、100円、102円で、20,000円ずつ預け入れしており、結果的に600米ドル保有しているものとします(ここでは金利や税金は考慮していません)。
現在の為替レートが1米ドル=110円の場合、以下のような計算方法で為替差損益を計算します。
- 20,000円×3回=60,000円が投資額
- 110円×600米ドル=66,000円
- 66,000円-60,000円=6,000円が利益
大体どのくらい損益や損失が発生するのかを把握するためにも、計算の流れを覚えておくと便利でしょう。
外貨預金シミュレーションで自動計算が可能
三菱UFJ銀行ではシミュレーションツールを提供しており、米ドル、ユーロ、豪ドル等の通貨で外貨定期預金を保有した場合の満期時の受取額や為替差損益、利回りの目安を把握できます。
また損益分岐点について、外貨建ての利息金額を勘案して計算してくれるため、期間に応じた損益分岐点の為替レートを把握することが可能です。
例えば、5円円安に推移した場合にどの程度の為替差益が発生するのか、または5円円高に推移した場合にどの程度為替差損が発生するのかも自動計算してくれます。いつ円に戻せばいいのかという目安として利用することができるでしょう。
このように便利なツールを利用しながら外貨預金で必要な計算式や理解しておくべきポイントを勉強すると良いのではないでしょうか。
三菱UFJ銀行で外貨預金を始める方法
外貨預金についてもっと知る
円安、円高になったらどうなるのか、リスクやメリットについてのくわしい情報、預け入れや引き出しのタイミングについてなど、外貨預金についてもっとくわしく知りたい方に向けてのコンテンツをご用意しました。
- 本記事は当行が信頼できると判断した外部執筆者に執筆を依頼したものです。本記事は情報提供を目的としており、投資等の勧誘目的で作成したものではありません。商品の購入時にはお客さまご自身でご判断ください。本記事の情報は、当行が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その情報源の確実性を保証したものではありません。本記事の記載内容に関するご質問・ご照会等には一切お答えしかねますので予めご了承ください。また、本記事の記載内容は、予告なしに変更することがあります。
外貨預金をお申し込みの際は、次の点にご注意ください。
- 外貨預金は預金保険制度の対象ではありません。
- 為替相場の変動により、円貨を外貨にする際(預入時)の為替相場に比べ、外貨を円貨にする際(引出時)の相場が円高になると引出円貨額が預入円貨額を下回る場合があります。
- 円貨を外貨にする際および外貨を円貨にする際に手数料がかかるため、為替相場に変動がない場合でも、引出円貨額が預入円貨額を下回る場合があります。
- 新興国通貨は先進国通貨に比べて大きなリスク(カントリーリスク等)があります。流動性や市場機能の低下、および大幅な為替変動により、場合によってはお取引を即時停止することがあります。
- お申込前に必ず最新の契約締結前交付書面・説明書をご確認ください。
株式会社 三菱UFJ銀行