1.投資信託の選び方 -投資目的・運用期間・投資額を明らかにする
運用計画を考える
投資目的・運用期間・投資額を明らかにする
投資目的を設定する
投資信託を始めるにあたって、まずは投資目的を明確にしましょう。目的が明確になれば、投資額や方法、期間、リスク許容度などが明確になり、適切なファンド選びや資産管理に役立ちます。
運用期間はライフイベントに合わせて
結婚、マイホーム購入、セカンドライフなど、人生にはさまざまなライフイベントがあり、そのための資金づくりが必要です。一般的に、結婚資金なら比較的短期間での資金づくりになりますが、セカンドライフの資金なら運用は長期にわたることが多いでしょう。
投資信託には、長期保有により以下の3つの効果があるといわれています。
- 短期保有に比べて値動きの振れ幅が小さくなり、安定的な収益が期待できる
- 分配金を再投資した場合は、複利効果が期待できる
- 購入時手数料の1年あたりの負担率を軽減させる
ライフイベントの時期に合わせて運用期間を決めるとともに、早くから投資を始めて長期保有することが大切です。
ライフイベントにかかる費用とその発生時期(イメージ)
総支出額(*1) | 575.7万円 |
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婚約(*2) | 84.7万円 |
挙式・披露宴 | 357.5万円 |
新婚旅行 | 61.2万円 |
新生活の準備 (家具や電化製品等) |
72.3万円 |
出典/リクルートブライダル総研「ゼクシィ結婚トレンド調査2018」、同「新生活準備調査2016」
- 総支出額については、「ゼクシィ結婚トレンド調査2018」、「新生活準備調査2016」を基に、三菱UFJ銀行にて算出
- 結納式、両家の顔合わせ、婚約指輪、結婚指輪(2人分)の総額
マンション | 約4,348万円 |
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一戸建て | 約4,039万円 |
出典/独立行政法人住宅金融支援機構「2017年度フラット35利用者調査」
区分 | 幼稚園 | 小学校 | 中学校 | 高等学校 | 大学 | 合計 |
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私立(文系) | 約145万円 | 約917万円 | 約398万円 | 約312万円 | 約738万円 | 約2,510万円 |
私立(理系) | 約808万円 | 約2,580万円 | ||||
すべて公立 | 約70万円 | 約193万円 | 約144万円 | 約135万円 | 約503万円 | 約1,045万円 |
- 【幼稚園~高校】金額は、学校教育費、学校給食費と学校外活動費の合計
出典/【幼稚園~高校】文部科学省「平成28年度子供の学習費調査」、【大学】株式会社 日本政策金融公庫 平成29年度「教育費負担の実態調査結果」
ゆとりあるセカンドライフのための生活費 | 毎月 34.8万円 |
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夫婦2人の必要最低生活費 | 毎月 22.0万円 |
ゆとりのための追加資金 | 毎月 12.8万円 |
出典/生命保険文化センター「平成28年度生活保障に関する調査(速報版)」
投資期間別の収益率
長期間の投資は、短期間の投資とくらべて1年あたりの収益の振れ幅が平均化し、安定的なものになります。
投資期間1年
収益率のブレが大きくなることが、たびたびあります。

最大リターン
32.7%
(2013年5月末)
最小リターン
-30.3%
(2008年10月末)
投資期間5年
収益率のブレはあるものの、安定してきています。

最大リターン
13.3%
(2016年12月末)
最小リターン
-8.2%
(2012年5月末)
投資期間10年
ブレがおさまり、収益率が安定してきます。

最大リターン
8.2%
(2018年11月末)
最小リターン
-0.6%
(2009年3月末)
出典/三菱UFJ国際投信にて作成
- 6資産分散とは、国内株式・国内債券・外国株式・外国債券・国内リート・外国リート。6資産を均等割りし組み合わせたバランス型のモデル・ポートフォリオに投資したものとして算出しています。
- 本数値は、信頼できると思われる各種データに基づいて作成していますが、過去の実績を示すものであり、将来実現することを保証するものではありません。
投資額を決める
投資信託で運用する金額を考えるときは、まず、現在の自分のお金を把握することから始めます。次に、お金を3つに色分けしましょう。「生活費やいざというときのお金」「目的に向けて確保しておくお金」をのぞく、「当面使う予定のない将来にそなえるお金」のなかから投資信託で運用する金額を決定します。
自分のお金を3つに色分けしてみる
一括購入とつみたて購入
投資信託の購入方法には、一括購入とつみたて購入(投信つみたて(継続購入プラン))があります。
投信つみたてには、「少額から始められる・毎月自動的につみたてされるため購入のタイミングに悩む必要がない・毎月決まった金額を長期的に購入するため平均購入単価を安定させる効果が期待できる(ドル・コスト平均法)」、といった特徴があります。
仮に、日経平均株価(日経225)を投資信託の価格(基準価額)とした場合、基準価額の変動によって、両者の運用実績にどのような違いが出るかを比較してみましょう。
下図グラフ①は、つみたてで毎月1万円ずつ2007年9月末から2018年6月末まで購入したケースです(つみたて合計額:130万円)。下図グラフ②は、つみたて開始と同じ日に、つみたて合計額にあたる130万円を一括購入したケースで、その時の日経平均株価は16,785.69円です。その後、日経平均株価は大きく下落(2009年2月末7,568.42円)しましたが、2012年後半から上昇に転じ、2018年6月末に22,304.51円となりました。一括購入後の日経平均株価下落が投資信託の運用にマイナスの影響を与えたため、この2つの比較では、つみたて購入(下図グラフ①)の方が良い結果となりました。
一方、下図グラフ③はシミュレーション期間中、日経平均株価が一番安い2009年2月末に130万円を一括購入したケースで、つみたて購入(下図グラフ①)を大きく上回る結果になっています。一括購入後の日経平均株価が、購入時の日経平均株価を下回ることなく推移し、その後に大幅に上昇したためです。
このように、つみたて購入は一括購入よりも常に良い運用成果を得られるわけではありませんが、将来の日経平均株価等の値動きを当てることはできませんし、一括購入のタイミングを計ることは極めて難しいことです。長期投資による安定的な運用成果を期待するのであれば、つみたて購入が適していると考えられます。
一括購入とつみたて購入した場合のシミュレーション
- 日本の代表的な株価指数である日経平均株価(日経225)を購入したと仮定して計算しています。同指数を実際に購入することはできませんので、同指数のパフォーマンスを享受するには、同指数のインデックスファンドを購入する必要があります。ファンドを購入する際には、購入時手数料、信託報酬(運用管理費用)等が必要になる場合がありますので、ファンドのパフォーマンスは上記とは異なります。
- 過去の値動きを基にしたシミュレーションであり、将来の運用成果を示唆・保証するものではありません。
①:2007年9月末から2018年6月末まで、つみたてにより毎月1万円ずつ購入した場合(つみたて合計額:130万円)
②:2007年9月末に、一括で130万円購入し、2018年6月末まで保有した場合
③:2009年2月末に、一括で130万円購入し、2018年6月末まで保有した場合
【日経平均株価(日経225)の推移】(単位:円)
2007/9末 | 2009/2末 | 2018/6末 |
---|---|---|
16,785.69 | 7,568.42 | 22,304.51 |
投資信託の費用
投資信託を売買する際には、さまざまな費用がかかります。費用も投資信託を選ぶ際のポイントの1つです。購入前にしっかり確認しましょう。
投資信託にかかる主な費用
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購入時手数料
商品や投資環境に関する情報提供および購入に関する事務手続きの対価として、販売会社に支払う手数料。ファンドによってかかるものとかからないものがある。
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信託財産留保額
ファンドの追加設定や解約によりファンドに組み入れられる有価証券の購入・売却費用について、投資家間の公平性を図るための費用。ファンドによってかかるものとかからないものがある。
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換金(解約)手数料
投資信託を解約する際に支払う手数料で、ファンドによってかかるものとかからないものがある。
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運用管理費用(信託報酬)
運用に必要な経費や運用報告書の作成・送付等の事務作業に充てられるもので、ファンドの純資産総額から差し引かれる。
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監査報酬
投資信託は決算ごとに原則として監査を受ける必要があり、その監査にかかる費用。
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為替手数料
外貨建てファンドの購入や解約の際にかかる手数料。円貨から外貨、外貨から円貨へ交換する際に費用が発生する。
上記の費用に加え、分配金・売却代金などの受取りの際には税金が差し引かれる場合があります。
- 税制改正により課税対象等が変更となる場合があります。
- それぞれの費用等はファンドごとに異なります。くわしくは、各ファンドの契約締結前交付書面(目論見書および目論見書補完書面)・販売用資料・ホームページ等の「お申込メモ」をご確認ください。
知らない言葉が出てきたら、基礎用語集でご確認ください。
- 1.投資信託の選び方
運用計画を考える
ファンド選びの考え方
ファンド選びの注目ポイント
- 2.投資信託購入後のチェックポイント
投資信託保有期間中のチェックポイント
投資信託の見直し
- 3.目論見書・報告書の見方・読み方
購入時に確認する書類
取引内容を確認する書類
保有期間中に確認する書類
(2019年11月29日現在)