住宅ローン審査の流れを紹介。審査に通らない理由を知って十分な対策を!
- 2022年11月7日
- 2023年6月12日
この記事では、審査に必要な書類や手続きについて学びながら、審査に通らない理由はなぜか、通りやすい条件はあるのかなど、審査前に感じる疑問点の解消に向けて、基本的な知識を解説します。
住宅ローンの審査とは
マイホームの購入をするために、住宅ローンを利用したいと思う人は多いでしょう。しかし、住宅ローンは誰もが組めるわけではありません。
住宅ローンの申し込みをすると、金融機関は審査を行います。住宅ローン審査にはどのような書類が必要なのかを見ていきましょう。
住宅ローンの審査は事前に必要書類を揃えて申し込みを
住宅ローン審査にはいくつか必要な書類がありますので、事前に確認して不備のないように揃えておくと手続きがスムーズになります。
住宅ローンの審査は、事前審査と本審査の2段階に分かれている
住宅ローン審査は、事前審査と本審査の2段階あります。
事前審査は、住宅ローンを借りることができるかどうかという簡易的な審査です。
金融機関によってはオンラインで申し込めるケースも増えています。事前審査を通過すると、よりくわしい審査が行われる本審査を申し込むことができ、必要書類も事前審査よりも多くなります。
住宅ローンの事前審査の申し込みに必要な情報一覧
事前審査の申し込みには、一般的に以下のような内容が必要になります。
また、事前審査の段階で必要書類の提出を求められることもあるので、申し込みをする金融機関に確認すると良いでしょう。
項目 | 内容 |
---|---|
住宅ローンの申請 | 希望する借入金額や金利タイプ、物件の所在地など |
利用者 | 氏名、住所、生年月日、連絡先など |
勤務先 | 正式名称、住所 |
収入 | 給与収入、その他の収入 |
その他 | ほかの借入状況など |
住宅ローンの本審査の申し込みに必要な書類一覧
本審査の申し込みでは、一般的に以下の書類などが必要になります。
対象者 | 必要書類 | 入手先 |
---|---|---|
全員 | 運転免許証または個人番号(マイナンバー)カード どちらもない場合、パスポート(所持人の記載欄があるもの) |
― |
健康保険証 | 勤務先・市区町村 | |
住民票の写し (家族全員の記載あり、本籍地・マイナンバー記載なし、発行後3ヵ月以内) |
市区町村役場 | |
紙面申込者 | 印鑑登録証明書(発行後3ヵ月以内) | 市区町村役場 |
実印 | ― |
対象者 | 必要書類 | 入手先 |
---|---|---|
給与所得者 | 源泉徴収票(前年分) | 勤務先 |
住民税決定通知書(直近分) | 勤務先・市区町村 | |
確定申告者(*) | 確定申告書と付表(直近3期分) | 本人控え |
納税証明書その1・その2(ともに直近3期分) | 税務署 | |
会社役員(*) | 法人の決算書・付属明細(ともに直近3期分) | 勤務先 |
- 給与所得者でもある場合は、給与所得者としての書類も必要
必要書類 | 入手先 |
---|---|
借入内容の確認資料(償還予定表・残高証明書など) | 借入中の金融機関 |
書類 | 入手先 | 購入物件 | |||
---|---|---|---|---|---|
土地付き住宅 | マンション | 住宅新築・リフォーム | 土地 | ||
売買契約書(全頁) | 不動産会社など | ● | ● | ● | |
工事請負契約書(全頁) | ● | ||||
見積書(会社名・社判・代表者名の記載があるもの) | ● | ||||
重要事項説明書 | ● | ● | ● | ||
間取図など (パンフレット・チラシなど) |
● | ● | |||
案内図・住宅地図 | ● | ● | ● | ● | |
建築確認済証または 建築確認通知書 (配置図・平面図付) |
● | ● | |||
固定資産税評価証明書 (路線価のない地域の場合のみ) |
物件所在地管轄市区町村役場 東京都内23区内は都税事務所 |
● | ● | ● | |
地積測量図 | 不動産会社など | ● | ● | ● | |
公図 (発行後3ヵ月以内のもの) |
● | ● | ● | ||
不動産登記簿謄本 (発行後3ヵ月以内のもの) |
● | ● | ● | ● | |
マンションの価格表・ 建築概要(新築の場合) |
● |
- 上記は一例ですので、くわしくは各金融機関までお問い合せください。
手続きにかかる期間
一般に事前審査には1~3日程度、本審査には10日~2週間程度かかるとされています。
ただし、住宅ローンの申し込みが多い時期などは、上記より多く時間がかかることもありますので、早めに金融機関へ確認しましょう。
住宅ローン審査の基準は厳しい?申し込みの条件とは
住宅ローンの申し込みで最も気になるのは、審査の基準や申し込みの条件でしょう。
住宅ローンの審査基準は金融機関によって異なり、審査内容は公表されていない
住宅ローンの審査基準は、各金融機関によって独自に設けられており、その内容は公表されていません。
完済時年齢、健康状態、物件の担保評価、借入時年齢、年収、勤続年数など。
住宅ローンの申込条件
金融機関によって異なりますが、一般的には次のとおりです。
- 年齢:借入時に18歳以上70歳の誕生日まで、完済時に80歳の誕生日まで
- 健康状態:団体信用生命保険に加入できる状態
- 国籍:日本国籍、または永住許可等を受けている日本国籍以外の方
- 勤続年数:連続した就業1年以上
- 雇用形態:正社員もしくは契約社員
住宅ローンの審査には頭金なしでも申し込めるか
金融機関が完済できると判断すれば、頭金0円でも住宅ローンを申し込むことはできます。
しかし、頭金を入れずに物件価格のすべてを住宅ローン(フルローン)で買う場合は、頭金を入れて買う場合に比べて借入金額が多くなり、その分月々の返済額も多くなります。
審査に通らない理由
住宅ローン審査が通らないのは、次のような理由が考えられます。
返済比率が高い
返済比率とは、年収に占める年間返済額の割合のことです。一般的には、25%~35%が目安とされています。
年間返済額には、自動車ローンやカードローンなど、住宅ローン以外の借入金額も含めて計算しますので注意が必要です。
住宅ローン以外の借入金も考慮して住宅ローンの申し込みをしないと、収入に対して借入金が多すぎる(返済比率が高すぎる)と判断されることがあります。
住宅ローンの返済比率について、くわしく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
借入時の年齢が高い
金融機関の住宅ローン利用条件では、一般的に借入時の年齢が70歳までとなっています。そのため、完済時の年齢が80歳までとなっている場合、70歳では10年超の借り入れはできません。
また、定年後などは借り入れに見合う定期収入がないと、審査が通りにくい可能性があります。
健康問題を抱えている
住宅ローンの多くは、万一のことがあった場合にそなえて、利用者が団体信用生命保険に加入することを条件としています。
健康状態が良好でないと、この保険に加入できず条件を満たすことができないため、審査に通りません。
ただし、団体信用生命保険の加入を義務付けていない金融機関や、従来の団体信用生命保険への加入が認められない方でも引受範囲を拡大した団体信用生命保険を用意している金融機関もあります。
金融事故の履歴がある
ローンやカードの支払いが大幅に遅れたり、返済が不可能になったりする(金融事故)と、その情報はいわゆるブラックリストに載り、信用情報機関に一定期間保存されます。
審査では、信用情報機関の情報を必ず確認しますので、金融事故の履歴があると審査が通らない可能性があります。
転職後すぐの住宅ローンの申し込み
転職後間もないと、収入が下がったり不安定になったりすることが考えられます。
住宅ローン審査へ転職が与える影響について、くわしく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
審査に通りやすいのはどんな人?
審査に通りやすいのは、無理のない返済が見込める人です。具体的には、次のようなことが挙げられます。
安定した収入があり、返済や健康上などの問題がないこと
住宅ローンの返済は長期にわたることが多いため、将来的にも安定した収入を得られることが、安定的な返済へつながると考えられます。
また、ほかに借金がなければ、複数の借金をしている場合と比べて、住宅ローンの返済に遅延などが起こりにくいことが想定されます。
さらに、万一利用者が亡くなる事態にそなえて、住宅ローンは団体信用生命保険に加入することが条件になっていることが多く、こうした生命保険に加入できる健康状態であることも重要です。
無理のない年間返済額の範囲内で、借入金額を設定している
スムーズに返済が続けられるように、年収に見合った借入金額で申し込むことも大切です。
年間返済額が年収に対して無理のない範囲内で、借入期間を考慮しても順調に返済できる借入金額であると判断されれば、審査は順調に進むでしょう。
金融機関のホームページなどで住宅ローンの借入可能額をシミュレーションしてから、ライフプランにあった借入金額で申請をすると、審査は通りやすくなるでしょう。
まとめ
住宅ローンの審査は、事前審査(仮審査)と本審査(正式審査)の2段階で行われることが一般的です。
審査基準は収入だけではなく、勤続年数や健康状態、過去の借入履歴など多岐にわたります。また、金融機関によっても申し込みの条件は異なります。
申込先の金融機関の利用条件をを確認し、借入可能額のシミュレーションを行ったうえで審査に臨むと良いでしょう。
執筆者保有資格:1級ファイナンシャル・プランニング技能士、日本ファイナンシャル・プランナーズ協会認定 CFP®認定者
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