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残価設定ローンとは?マイカーローン(自動車ローン)との違いや仕組み、メリットを分かりやすく解説

残価設定ローンとは?マイカーローン(自動車ローン)との違いや仕組み、メリットを分かりやすく解説
公開日:2023年4月24日
ローンを組んで車の購入を考えている人は少なくありません。しかし、どのローンを利用するべきか迷うことはありませんか?
車の購入に使えるローンの1つ「残価設定ローン」は、毎月の返済額を抑えたい人に向いているローンといわれています。
また、車のローンには「マイカーローン」もありますが、残価設定ローンとの違いを理解できている人は少ないようです。
そこで今回は、残価設定ローンとマイカーローンの違いや、残価設定ローンのメリットとデメリットのほか、それぞれのローンに向いている人はどんな人なのか、わかりやすく解説します。

目次

残価設定ローンとマイカーローンはどう違う?

「残価設定ローン」と「マイカーローン」はどちらも車を購入するためのローンですが、契約先やローンの仕組みなどがまったく異なるものです。
この2つのローンにはそれぞれどのような特徴があるのでしょうか。

マイカーローンとは

「マイカーローン」とは、金融機関が提供する自動車購入のためのローンです。
金融機関と契約を結ぶ際、ローンの審査基準が厳しくなる可能性があります。しかし金利は低めに設定されており、返済期間も長めに設定できるので、月々の支払いや返済総額を抑えることができます。
またマイカーローンでは、車の所有者はローン契約者になります。自分の車として大切に乗りながら、返済もコントロールできるのがマイカーローンです。
マイカーローンと同じようなローンに「ディーラーローン」があります。
こちらはディーラーとのローン契約になります。車を購入したディーラーでローン契約ができるので手間はかかりませんが、金利はマイカーローンに比べて高めに設定されています。
またローン返済中は、ディーラーや販売店などが車の所有者となります。

残価設定ローンとは

残価設定とは「残存価格設定」の略語で、残存価格とは、将来車を乗り換える時点での下取り価格を指します。
「残価設定ローン」とは、あらかじめ将来の下取り価格を設定して、車両価格から下取り価格(残価)を差し引いた金額に対してローンを組む方法です。
このローンを利用すると、月々の返済額が抑えられるという特徴があります。ただし、金融機関のマイカーローンに比べると金利は高めです。
また、残価設定ローンでは残価分の金利も支払う仕組みなので、返済総額が少なくなるわけではありません。さらに、残価設定ローンでは車の所有者はディーラーや販売店になります。
金融機関のマイカーローンの中には、残価設定ローンとは内容が異なりますが、一定期間の返済額を抑えられるタイプのものがあります。
たとえば、三菱UFJ銀行の「ネットDEマイカーローン(据置タイプ)」です。契約後の一定期間は、元金の返済が据え置かれるため、当初の月々の返済額が少なくなるローンです。
返済額が抑えられる点は残価設定ローンと似ています。しかし、マイカーローン(据置タイプ)は始めから車の所有権はローン契約者になるので、安心感があります。

残価設定ローンのメリット

将来の下取り価格(残価)を決め、車両価格から残価を差し引いた金額に対してローンを組む残価設定ローンには、次のような3つのメリットがあります。

  • 毎月の返済額を抑えることができる
  • 乗り換えがしやすい
  • 残価が保証されている

では、それぞれのメリットについて、その内容を見ていきましょう。

毎月の返済額を抑えることができる

残価設定ローンでは、車両価格から残価を差し引いた金額から毎月の返済額が算出されるため、マイカーローンに比べると月々の返済額が抑えられます。
新車に乗りたいが頭金を出す余裕がない人にとっては、月々の返済が少なくなるので利用しやすいかもしれません。

乗り換えがしやすい

残価設定ローンでは、3年や5年など残価設定をした時点で車を乗り換えるかどうかの選択をする必要があります。
車の所有者は車を乗り換えるタイミングに迷うことがあります。しかし、残価設定ローンは最初に乗る期間を決めて購入するので、車の買い換え計画が立てやすくなります。
気軽に新車へ乗り換えたい人にとって、残価設定ローンは便利な購入方法になるでしょう。

残価が保証されている

通常、年数が経つにつれ車の価値は下がっていきます。
けれども残価設定ローンでは、最初に設定された下取り価格(残価)は、車に問題がなければローン満了時に減額されることはありません。
決めた残価は、一定の条件を満たせば保証されるのです。

設定期間終了後、車はどうなる?3つの選択肢から選ぶ

設定期間終了後、車はどうなる?3つの選択肢から選ぶ
残価設定ローンでは一定期間が終了した時点で、乗っている車をどうするか決める必要があります。その際の選択肢は以下の3つです。

  • 車を乗り換える
  • 残価を支払って車を買い取る
  • 車を返却する(乗り換えない)

では、3つの選択肢について、その内容をご紹介します。

車を乗り換える

残価設定ローンは、3年や5年など最初に設定した期間が経った時点で、同じ販売店で新しい車に乗り換えることができます。
その際、車両の状態に問題がなければ追加料金は発生しません。ただ、乗り換える新車は同じ販売店になるので基本的に同じメーカーのものになります。
新車の購入は現金一括購入か、新たにローンを組み直すことになるので、家計状況やライフスタイルを考えてより良い方法を選びましょう。

残価を支払って車を買い取る

残価設定ローンでは、ローン期間が終了した時点で残価を支払って車を買い取れば、自分名義の車にすることができます。
この場合、残価を一括精算するか、残価分を分割払いにするかを選択します。
ただし、分割払いではその時点の金利が適用されるため、残価設定ローンの金利よりも上がる場合があります。

車を返却する(乗り換えない)

車を乗り換えず、新車も必要ない場合は、車をディーラーに返却します。車両の状態に問題がなければ、追加料金の支払いは必要ありません。

残価設定ローンのデメリット

毎月の返済額が抑えられ、残価が保証される残価設定ローンですが、以下のようにデメリットとなる部分もあるので注意が必要です。

  • 車の所有権はディーラーや販売店側にある
  • 走行距離制限などに注意しながら乗らなければならない
  • マイカーローンに比べ金利が割高
  • 車の使用状況によっては追加料金が発生する

では、どのようなデメリットがあるのか見ていきましょう。

車の所有権はディーラーや販売店側にある

残価設定ローンでは、車の所有者はディーラーや販売店になります。
自分の車ではないので、キズや汚れなどに注意しながら乗る必要があります。

走行距離制限などに注意しながら乗らなければならない

残価設定ローンでは車の所有者にはなれないため、自由にカスタマイズすることができません。また、契約時に走行距離制限が設けられるため、走行距離に注意しながら乗る必要があります。
また、万が一交通事故で車が廃車になった場合、返却できる車がなくなるので、ローンを一括精算し、残価も支払わなければならなくなるので注意が必要です。

マイカーローンに比べ金利が割高

一般的に金融機関のマイカーローンの金利は2~4%前後ですが、残価設定ローンの金利は3~5%と比較的高めに設定されています。
また、残価分の利息もローンに含まれるので、返済総額は安くはなりません。同じ車に長く乗りたい人にとっては、長い目で見るとマイカーローンの方が返済総額を抑えられる可能性があります。
また、残価設定ローンが終了した時点で車を買い取りたい場合、残価の精算で分割払いを選択したときの金利がさらに上がる可能性があるので、ディーラーに事前確認をしておいた方がよいでしょう。
ときどきディーラーが新車の購入で残価設定ローンを推奨するために、「低金利キャンペーン」を実施することがあります。そのときマイカーローンよりも低金利を提示されることがありますが、ローンの詳細はよく確認しましょう。

車の使用状況によっては追加料金が発生する

残価設定ローンの契約条件では、ローン満了時の走行距離制限や車両の状態が定められています。
キズやへこみなどがあるときや、走行距離がオーバーしているときは、当初設定した下取り価格(残価)を下回ることになるため、追加料金が発生する可能性があります。

残価設定ローンとマイカーローン、それぞれに向いている人は?

ローンを組むときは、単にメリットだけで決めてしまうのではなく、自分に合った方法を選択する必要があります。
車を購入する際も、残価設定ローンに向いている人もいれば、金融機関のマイカーローンの方が適している人もいます。
自分はどのローンを選択するのがベストなのか、残価設定ローンとマイカーローンに向いている人を確認しておきましょう。

残価設定ローンが向いている人は?

残価設定ローンに向いているのは、次のような人です。

  • 当初の支出を抑えて車に乗りたい人
  • 短期間で車を乗り換えたい人
  • 車の使用頻度が低い人、あまり長距離を走る機会がない人

当初の支出を抑えて車に乗りたい人

残価設定ローンはマイカーローンに比べて月々の返済額が抑えられるため、家計の固定費を抑えたい人や車を購入する際の頭金を出す余裕がない人に向いているでしょう。

短期間で車を乗り換えたい人

残価設定ローンでは一般的に、3年や5年の期間を設定してローンを組みます。そのため、短期間で新車に乗り換えたい人には向いています。
ローン期間を短期間にして残価を高く設定すれば、その分月々の返済額が抑えられるからです。ローン満了後に再び残価設定ローンを組めば、返済額を抑えながら新車に乗ることができます。

車の使用頻度が低い人、あまり長距離を走る機会がない人

残価設定ローンでは、ローンが終了した時点での走行距離などが契約条件に定められています。そして、走行距離のオーバーなど問題があれば、残価の精算時に追加料金が請求されます。
その仕組みを考えると、車に乗る頻度が少ない人やあまり長距離を走らない人は追加料金が発生しにくいため、残価設定ローンが向いているといえます。

マイカーローンが向いている人は?

マイカーローンに向いているのは、次のような人です。

  • 長く一台の車に乗りたい人、長距離を走る機会が多い人
  • 自由にカスタムしたい人
  • 低金利を優先したい人、支払いを自分でコントロールしたい人

長く一台の車に乗りたい人、長距離を走る機会が多い人

購入した車にできるだけ長く乗りたい人や、長距離を走る機会が多い人は、マイカーローンの方が向いています。
残価設定ローンでは走行距離の制限があるため、長距離を走る人は追加料金を請求される可能性があります。
加えて残価の精算時にまとまった資金が必要になるため、長い目で見るとローン満了時まで少しずつ返済していくマイカーローンの方がお得です。

自由にカスタムしたい人

車を自分好みにカスタムするのが好きな人は、ローン当初から所有権が自分になるマイカーローンなら自由にカスタマイズできるので安心です。

低金利で利用したい人、支払いを自分でコントロールしたい人

金利を比較すると、基本的にマイカーローンは金利が低くなるため、返済総額は抑えられる傾向にあります。
また、ローン期間中に繰上返済をすれば金利分の支払いを減らすこともできるため、家計状況に応じて支払いをコントロールしたい人にとっては、マイカーローンは使い勝手が良い方法といえます。

まとめ

残価設定ローンは、短期間で新しい車に乗り換えたい人や、月々の返済額を抑えたい人に向いているローンです。
ただ、車の所有権はディーラーや販売店にあり、自分の車にはならないこと、走行距離制限など気にしなければいけない面もあることは留意したいです。
一台の車に長く乗りたい人や、車の所有権を気にする人は、金融機関のマイカーローンのほうが向いています。車も所有権も自分になるので、さまざまな点を気にせず車に乗ることができます。
残価設定ローンとは内容が異なりますが、三菱UFJ銀行などの金融機関には契約後の一定期間、返済額を抑えられるタイプのローンもあります。
残価設定ローンとマイカーローンの特徴やメリット・デメリットを理解して、自分に合ったローンを選択しましょう。
執筆者:前佛 朋子(ぜんぶつ ともこ)
執筆者保有資格:1級ファイナンシャル・プランニング技能士、日本ファイナンシャル・プランナーズ協会認定 CFP®認定者
※記事内の情報は更新時点のものです。最新情報は別途ホームページ等でご確認ください。
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