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マイカー・カーシェア・サブスク、クルマを使うならどれがおトク?

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マイカー・カーシェア・サブスク、クルマを使うならどれがおトク?
2020.11.6
都市部では公共交通機関が充実していることもあり、普段の生活で自家用車は必要ないかもしれませんが、「週末に遠出したい」「家具や家電をお店で買って運びたい」など、ちょっとしたときにクルマがあると便利ですよね。最近では、カーシェアやサブスクなどの新しいサービスも登場しています。今回はクルマ利用の最適解を探すべく、マイカー購入・カーシェア・サブスクの3つを比較していきたいと思います。

最近増えているクルマ利用の選択肢

まずは「クルマが必要だ!」と思ったときに、どうやってクルマを利用するか、考えられる選択肢を確認してみましょう。

マイカー購入

検討する上で最初に思いつくのがマイカー購入でしょう。新車はおおよそ100万円~300万円で購入ができます。排気量の少ない軽自動車であれば比較的安く100万円前後、コンパクトカーなら150万円前後が相場です。また、中古車なら購入費用の平均額は30~100万円ほどになります。
マイカー購入の最大のメリットは、「所有できる」点です。カーシェアとは違い、マイカーはいつでもどこでも乗り方や使い方が自由です。ちょっとそこまで買い物に行きたいというときにも便利で、病気やけがなど緊急時にもクルマを持っていればすぐに移動できますね。

カーシェア

カーシェア(カーシェアリング)とは、登録された自動車を複数の会員で共有(シェア)するサービスのことです。
公益財団法人交通エコロジー・モビリティ財団によれば、2020年の日本のカーシェア車両台数は約4万台、会員数は200万人にも上ります。ちなみに、10年前の2010年の車両台数と会員数は、それぞれ1,300台、1.7万人だったので、これだけ見てもいかにカーシェア市場が伸びているかが分かります。
カーシェアは、駐車場代、車検代、保険料などのクルマの維持費がかからず、気軽に利用できるのがメリットです。基本的にはインターネットを介して予約し、10分、15分など時間単位で借りる点がレンタカーとは異なります。クルマの解錠・施錠もスマホや専用のカードでできるのが一般的です。
ただし、普及しているといっても車両ステーション(カーシェア用車両を駐車してあるスペース)はまだまだ都市部に集中しています。また、「予約が埋まっていて利用できないときがある」「乗り捨てができない」というデメリットもあります。

サブスク

動画や音楽などの配信サービスでおなじみのサブスクリプションサービス(定額制利用サービス)ですが、最近ではクルマのサブスクも登場しています。
クルマのサブスクは、自動車利用代金、登録費用、税金、メンテナンス、保険料などをすべて含んでおり、毎月定額でクルマを利用できるのが一般的です。マイカー購入よりも初期費用が安く、契約もWebでできるなど簡潔なのでわずらわしさが少ないのがメリットです。
トヨタの「KINTO」、ホンダの「Hondaマンスリーオーナー」、ボルボの「SMAVO」などのサービスが有名です。例えば、KINTOは1台3年間を目安に、定額でトヨタの新車に乗れます。一定期間過ぎればまた別の新車に乗り換えられ、常に最新のクルマに乗れるのがKINTOのウリです。
一方、Hondaマンスリーオーナーは、中古車を1ヵ月単位で利用できるサービスです。利用可能なサービス拠点は少ないものの利用最低期間が短く、中古車ということもあり比較的安価での利用が可能です。

マイカー・カーシェア・サブスクのコストシミュレーション

ここからは早速、マイカー・カーシェア・サブスクのコストシミュレーションをしてみましょう。今回は次のような設定で計算をしていきます。また、いずれも2年間のトータルコストを比較しています。

【ユーザーイメージ】

世帯:首都圏近郊の一人暮らし

利用用途:平日・週末に近くのショッピングセンターへの買い物、スーパー銭湯などに行く。加えて、1ヵ月に1回はパートナーと遠出デートで使用。乗車頻度(平日):1週間に2回(月間8回程度)

1回のクルマ利用の平均外出時間(平日):2時間

1回に乗る平均走行距離(平日):20キロメートル

遠出時の平均外出時間:8時間

遠出時の平均走行距離:100キロメートル

月間走行距離:260キロメートル

マイカー(コンパクトカー)の場合

マイカーを購入・所有するコストは次の通り。今回は含んでいませんが新車であれば購入から3年後、その後2年ごとに車検(この時に自動車重量税もかかります)を受けなくてはいけません。車検費用は整備会社によっても異なりますが、おおよそ5~20万円が相場となります。

コンパクトカー

金額

備考

車両購入代

150万円

新車を想定

税金

6万1,000円

自動車税(年間) 3万500円

ガソリン代

3万2,000円

レギュラーガソリン127円/リットル
燃費25.0キロメートル/リットルで算出

任意保険

10万円

相場から算出

駐車場代

48万円

月額20,000円を想定

2年間合計

217万3,000円

 

カーシェアの場合

ここでは利用料金を「220円/15分」、距離料金を「16円/キロメートル」として計算します(距離料金とは、走行量に応じて追加になる料金のこと)。これをもとに2年分のコストを計算すると以下の通りとなります。

1ヵ月間利用料(平日):220円×(120分÷15分)×8回=14,080円

1ヵ月間利用料(休日):220円×(480分÷15分)×1回= 7,040円

1ヵ月間距離料金   :260キロメートル×16円=4,160円

1ヵ月間合計コスト  :14,080+7,040+4,160=25,280円

2年間合計コスト  :25,280円×24ヵ月=606,720円

2年間で約60万円という計算になりました。もちろん、利用するサービスによっても料金は異なります。追加料金を支払うことで付帯保険を付けられるサービスもありますし、一定時間以内の利用であれば距離料金不要のサービスなどもあります。

サブスクの場合

ここではトヨタ「KINTO」でコンパクトカーを利用する場合を考えます。サブスクの場合は、駐車場代は含まれないので追加コストとします。

1ヵ月間契約料  :3万5,000円1ヵ月間

駐車場代 :2万円

2年間合計コスト:(3万5,000円+2万円)×24ヵ月=1,320,000円

サブスクでコンパクトカーを利用した場合、2年間で約130万円。こちらもカーシェア同様、利用するサービスや希望車種によって料金が大きく変わってきます。

優先順位をどこに置くかがポイント!

コストシミュレーションの結果は次のようになりました。

マイカー購入:約220万円(車両購入費を除くと約70万円)

カーシェア :約60万円

サブスク  :約130万円

首都圏近郊においては駐車場代が高いこともあり、カーシェアが最もコストがかからないという結果となりました。
一方で、「クルマを持つと維持費がかかる」と思われがちですが、(車両購入費を除いては)マイカー購入とカーシェアにそこまで大きな開きはなく、安い駐車場を見つけることができれば、マイカー購入のほうがコストをおさえられそうです。
その上で、カーシェアは「買い物の回数を半分にする」「できるだけ公共交通機関を利用する」など、季節や状況などによって利用機会(=かかる費用)を調節できるのが魅力です。
最近注目の集まるサブスクは、このシミュレーションではコストメリットが低いという結果になりました。ただし、毎月定額で新車に乗れるのは魅力的ですし、自動車保険や税金などのわずらわしさがないのも大きなメリットです。

自身のライフスタイルにあわせて賢い選択を!

クルマ利用の選択肢として、結局どれがよいのかといえば「利用頻度や乗り方による」というのが結論です。「クルマに乗る頻度」「クルマの必要性」「クルマの利用用途」などは人それぞれですし、住んでいるところが都市部なのか、郊外なのか、地方なのかによっても適切な選択肢は違ってきます。自分がどのようにクルマを利用するのかをよく考えて、賢い選択をしましょう。

執筆者:株式会社ZUU

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