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住宅ローンの選び方とは?金利や返済方法の種類など、重要なチェックポイントを解説

住宅ローンの選び方とは?金利や返済方法の種類など、重要なチェックポイントを解説
公開日:2022年6月9日
更新日:2023年2月13日
住宅ローンは一般的に20年~30年の長期間にわたって利用するものであり、将来のライフプランに大きな影響を与えます。
借入金額だけでなく、金利タイプや返済方法、付随する保険などを考慮して利用する住宅ローンを選ばなければなりません。
今回は住宅ローンを利用するときに気をつけたいポイントを、金利タイプや選ぶ金融機関、返済方法といった観点からくわしく解説します。

目次

チェックポイント1:住宅ローンの金利タイプから選ぶ

住宅ローンを選ぶうえで最初に考えたいのが金利タイプです。住宅ローンには以下の3つの金利タイプがあります。

  • 変動金利型
  • 当初固定期間選択型
  • 全期間固定金利型

変動金利型

変動金利型とは、住宅ローンに適用される金利が一定期間ごとに変動する金利タイプです。
金利の見直しは各金融機関が定めた基準日に行われており、一般的には6ヵ月ごとの年2回ですが、毎月見直しを行う金融機関もあります。一般的に3つの金利タイプの中でもっとも金利が低く、返済額を抑えられる傾向があります。
しかし金利の変動によって毎月の返済額が変わるため、金利上昇によって返済総額が大きく膨れ上がる場合があります。

当初固定期間選択型

当初固定期間選択型は、借入から一定期間は金利が変動せず、期間終了後に変動金利または固定金利を選択する金利タイプです。
固定期間の金利は変動金利と固定金利の中間程度の金利が適用される傾向があります。一般的に当初固定金利型の固定金利は全期間固定金利型よりも低い金利で住宅ローンを利用できるのはメリットである一方、固定期間終了後にはその時点での金利を選び直すこととなるため、金利が上昇していた場合は高い金利が適用となる点には注意が必要です。

全期間固定金利型

全期間固定金利型は、借入時に適用された金利が返済完了まで続く金利タイプです。
期間を通じて金利が変動しないため、借入時に返済総額が確定します。
一方で、一般的に変動金利よりも高い金利が適用されるため、変動金利型に比べ返済総額が高額になる傾向があります。

チェックポイント2:住宅ローンの種類を比較検討する

住宅ローンの種類は金利タイプだけで決まるわけではありません。借入先や商品にさまざまな種類があり、主に以下の3種類に分類されます。
借り入れのための条件や借入可能期間などに違いがあるため、それぞれを比較して自分に適した住宅ローンを借りるのがおススメです。

  • 民間ローン
  • フラット35
  • 公的ローン

民間ローン

民間ローンは銀行や生命保険会社、ノンバンクなどの民間の金融機関が行うローンです。
公的ローンに比べて審査が厳しい傾向にありますが、選べる金利のタイプが多く借入可能額は公的ローンよりも高く設定できます。
住宅ローン商品は提携ローンと非提携ローンの2つに大きく分けられます。
提携ローン
  • 金融機関と不動産会社、または金融機関とローン申込者の勤務先が提携している住宅ローン
  • 金利優遇が適用されるなどのメリットがある
非提携ローン
  • 提携ローン以外のもの
  • 自分の好きな金融機関で申し込みできる
  • 金融機関によっては特典を設けている

フラット35

フラット35は住宅金融支援機構と民間金融機関が提携して提供する住宅ローンで、15~35年の全期間固定金利型ローンを比較的低金利で利用できます。
住宅金融支援機構とは、広く国民に住宅取得に必要な資金を低金利で融資するために設立された独立行政法人です。フラット35は住宅金融支援機構と民間金融機関が提携して提供する住宅ローンであるため、実際にフラット35を利用する場合には、銀行やノンバンクなどの民間金融機関から申し込みます。
保証料や事務手数料などの諸費用が不要となる優遇措置を受けられますが、年収に対する返済額や借入総額上限、対象となる物件の規模など利用には複数の条件を満たす必要があります。
  1. 三菱UFJ銀行ではお取り扱いがございません。

公的ローン

公的ローンは公的機関が行うローンで、「財形住宅融資」や「自治体融資」などの種類があります。
民間ローンに比べると審査に通りやすいとされていますが、金利タイプは固定金利しか選択できません。
2007年までは政府系金融機関である住宅金融公庫が公的ローンの代表的なものでしたが、行政改革で廃止となり、一定の業務を引き継ぐ形で「住宅金融支援機構」が誕生しました。ただし、住宅金融支援機構は一部を除いて個人に対する直接融資は行っておらず、住宅ローンは民間ローンを利用するのが一般的です。
財形住宅融資
  • 財形貯蓄を1年以上継続し、かつ貯蓄の残高が50万円以上ある人が受けられる融資
  • 融資額:財形貯蓄の残高の10倍の額以内で、最高4,000万円まで
  • 金利:5年ごとに適用金利を見直す5年固定金利型
自治体融資
  • 全国の都道府県や市町村などの地方自治体が行う融資
  1. 全国すべての自治体が実施しているわけではなく、融資内容や融資条件も自治体によって異なる

チェックポイント3:万が一にそなえて、「団体信用生命保険」や、疾病保障付き保険の補償内容も確認!

チェックポイント3:万が一にそなえて、「団体信用生命保険」や、疾病保障付き保険の補償内容も確認!
住宅ローンは長期にわたり返済をし続ける必要がある借り入れです。
返済期間中に何らかの理由で返済が難しくなることにそなえ、付帯する保険に注目してローン商品を選ぶようにしましょう。

団信とは

団体信用生命保険(通称:団信(だんしん))は、住宅ローン返済中に契約者が死亡、または高度障害などにより返済の継続が困難となった場合、住宅ローンの残額を0円にしてくれる保険です。
一般的には団信の保険料は金利に内包されているため、別途保険料を支払う必要はありません。
万が一の事情が発生した場合には、生命保険会社が住宅ローン残高に相当する保険金を保険契約者である金融機関に支払い、債務の返済に充てる仕組みとなっています。原則としてフラット35以外の住宅ローンの利用では加入が求められます。

疾病保障付き保険について紹介

住宅ローンの返済が困難になる事情は、団信の保障対象となる死亡や高度障害だけではありません。病気や怪我により長期間働けなくなったときにそなえ、疾病に対する保障を準備することも重要です。
疾病保障には主に以下の3つの種類があります。

  • 3大疾病保障
  • がん保障
  • 全疾病保障

疾病保障は団信よりも幅広い疾病に対応する保険です。金融機関によって取り扱う保険の内容が異なり、また保障範囲が広くなるほど保険料も高額になる傾向があります。
三菱UFJ銀行が取り扱う疾病保障保険付き住宅ローンが「7大疾病保証付き住宅ローン ビッグ&セブン」です。ビッグ&セブンは保険料の支払い方法や保証範囲が異なる2つのタイプを用意し、契約者の万が一の場合にそなえます。

3大疾病保障充実タイプ(金利上乗せ型)

がんの診断や脳卒中・急性心筋梗塞の入院で住宅ローン残高が0円になる保障を受けられます。日本人の死因上位3つを占める3大疾病に対し手厚くそなえることができる保険です。
保険料は金利に上乗せして支払えるため、経済的な負担を感じにくいのが特徴です。

安心の保険料タイプ(保険料支払い型)

3大疾病による就業障害が1年30日以上続くと住宅ローン残高が0円になる保障を受けられるタイプです。また公的医療保険制度の給付対象とならない先進医療や女性特有の病気の治療費を保障する「総合先進医療特約」が自動付帯しますので、幅広い疾病に対してそなえられます。

チェックポイント4:返済方法を比較する

住宅ローンは、借り入れと同時に返済についても考えなければなりません。同じ金額のローンを組むとしても、返済方法によって経済的な負担が異なり、また最終的な利息負担額が異なります。
住宅ローンの返済方法は以下の2種類に分類されます。

  • 元利均等返済
  • 元金均等返済

元利均等返済

元利均等返済は、毎月返済する利息と元金の合計が一定額になる返済方法です。
毎月の返済額が一定になるように支払利息を調整するため、返済期間の初期ほど返済額に占める利息の割合が高く、元金の割合が低くなります。

元金均等返済

元金均等返済は、毎月返済する元金が一定額になる返済方法です。
一定額の元金と、元金の残高に対してかかる利息の合計額が毎月の返済額となります。支払利息は元金の残高が多いほど高額になるため、毎月の返済額は借入期間の初期であるほど高額です。しかし元金の返済が早く行なわれるため、返済総額は元利均等返済よりも少なくなります。
なお、変動金利で元金均等返済を選択した場合には、5年ごとの金利見直しで返済額を最大1.25倍までに抑える調整は行なわれません。そのため急激に金利が上昇している局面においては、金利見直しのタイミングで毎月の返済額が大きく上がるおそれがあります。

チェックポイント5:諸費用やその他の支払いも含め、返済総額を把握する

住宅ローンの借り入れには、金利のほかにも諸費用がかかります。
それらの費用は新築なら物件価格の3~7%、中古のなら6~10%程度とされており、諸費用の支払いも含めた住宅の購入計画を立てるのが重要です。

諸費用とは

諸費用は住宅の購入にかかるさまざまな費用です。
主に以下の項目が諸費用の内訳とされており、金額や支払先はそれぞれ異なります。
融資事務手数料
  • 借入金額の2%程度
  • 定額の場合もある
保証料
  • 借り入れに対する保証会社による保証にかかる費用
  • 銀行が保証会社を通しているとかかる費用
  • 保証会社を通さない借り入れの場合はかからない
印紙税
  • 契約書に貼付けする印紙にかかる費用
  • 借入金額1,000万円超5,000万円以下の場合は2万円
  • 電子契約する場合には不要
抵当権設定費用
  • 土地建物を担保にする抵当権を銀行が設定するため、その登記費用としてかかる費用
  • 抵当権登記時にかかる登録免許税に加えて、司法書士への報酬などで10~20万円かかる
団体信用生命保険
  • 住宅ローン返済中に契約者が死亡または高度障害時にローン残高がゼロになる保険
  • 通常加入義務があるため、すでに金利に含まれていることから別途保険料はかからない

家の購入で発生するその他のお金も考慮する

家を購入すると、購入した不動産の登記にともなうさまざまな費用が発生しますが、さらに購入後にも不動産取得税、固定資産税、都市計画税などの税金がかかります。
また、家は購入して終わりではなく、10年後・20年後にかかる修繕や改修の費用も考えておく必要があります。
返済を考えると、住宅ローンはできるだけ少ない金額で借りることが大切です。さらに、購入後にかかる費用も含めて、ゆとりをもった資金計画となるような借入金額にしましょう。

家の購入時に発生する税金

家を購入したタイミングで発生する税金は、主に以下の3種類です。
  • 不動産取得税

不動産取得税は、家や土地などの不動産を取得したときにかかる税金です。
不動産取得税には居住する不動産の取得に対するさまざまな軽減措置が設けられているため、一定の条件を満たせば大幅な減額もしくは非課税とすることができます。

  • 登録免許税

登録免許税は土地建物を取得した場合に所有権を設定するための登記手続きにかかる税金です。
「所有権保存登記」と「所有権移転登記」の2つに分類されており、種類ごとに定められた税率の税金を不動産の取得時に納税する必要があります。

登記の種類 本来の税率 一般住宅の軽減措置
所有権保存登記
(新築住宅)
0.4% 0.15%
所有権移転登記
(中古住宅)
2.0% 0.3%
所有権移転登記
(土地)
2.0% 1.5%
  • 印紙税

印紙税は、不動産の売買契約書、建築請負契約書など書面の契約書に貼付けする印紙費用です。
契約の対象となる金額により異なり、契約金額が高額になるほど印紙税も高くなります。ただし、契約書を電子契約で取り交わす場合、印紙税は不要です。

家の購入後に発生する税金

家にかかる税金は購入時に発生するだけではありません。購入後も不動産の所有に対する税金が発生し、原則として毎年納税する必要があります。
  • 固定資産税

固定資産税は、毎年1月1日時点で土地や家屋、田んぼ、畑、山林などの不動産を所有している不動産所有者に対してかかる税金です。
各市区町村(東京23区の場合は東京都)が定めている土地と建物の「固定資産税評価額」をベースに税額が決められており、一括だけでなく分割して支払うこともできます。

  • 都市計画税

都市計画区域のうち市街化区域内にある土地建物にかかる税金です。
固定資産税同様に毎年1月1日時点で該当区域内に不動産を所有している不動産所有者が納税対象となり、固定資産税と同時に納税することが求められます。

その他の費用

不動産の取得や所有にかかる税金のほかにも、家の購入にともなう費用は多く発生します。
一般的なマンションでは、毎月の管理費、修繕積立金、駐車場代といった費用がかかります。一戸建てには管理費は必要ありませんが、将来にそなえて自主的に修繕費用をつみたてておく必要はあるでしょう。
これらの費用は家を購入する時点では把握しにくいものです。ローンの返済を含め毎月必要な費用を計算し、無理のない返済ができるような計画を立てましょう。

1度契約した住宅ローンを見直すことも重要!

住宅ローンは契約したら終わりではなく、都度見直しすることも重要です。金利の変動や家計の改善などにより、住宅ローンの返済条件を有利に変えられるためです。

見直し時の注意点1:繰り上げ返済

臨時収入などにより経済的に余裕ができたときには、住宅ローンの繰り上げ返済を行うのがおススメです。利息は元本の残額に対して発生するため、早く元本を返済するほど支払う利息を減らし、返済総額を抑えられます。
繰り上げ返済の方法には「期間短縮型」と「返済額軽減型」があります。
期間短縮型は毎月の返済額はそのままに、返済期間を短縮する繰り上げ返済方法です。支払利息の減額効果が高い一方、毎月の負担額は変わらないため、毎月の住宅ローン返済が大きな負担になっていない方におススメです。
返済額軽減型は、返済期間を変えずに毎月の返済額を低減させる繰り上げ返済方法です。利息が発生する期間は変わらないため返済総額の圧縮効果は高くありませんが、毎月の返済額を抑えることで経済的な負担を軽減できます。

見直し時の注意点2:住宅ローン減税

住宅ローン減税(住宅借入金等特別控除)は、住宅借入金の年末残高に対して0.7%(2022年より前は1%)の減税を受けられる制度です。住宅ローン減税を適用するには返済期間が10年以上あることが必要ですが、期間短縮型の繰り上げ返済を行なうことで返済期間が10年未満になってしまうと、減税の対象外となってしまう可能性があります。
また、借り換えの際に登記費用や保証会社保証料等の諸費用を住宅ローンに組み込んだところ、税務署から諸費用部分は住宅ローン減税の対象外と指摘されるケースがあります。これにより住宅ローン減税額が減額される場合がありますので、減税の対象となるか最寄りの税務署に問い合わせしましょう。

見直し時の注意点3:住宅ローンの借り換え

現在利用している住宅ローンよりも条件がいいローンが見つかったなら、住宅ローンの借り換えを検討してもよいでしょう。住宅ローンの借り換えは、新たな金融機関で組み直した住宅ローンで、返済中の住宅ローンを一括返済する方法のことです。低金利の住宅ローンに組み替えられれば、返済総額を減額することができます。
また、変動金利型を返済中に政策金利が上昇する影響で、将来金利が高くなると見込まれる場合には、固定金利型に借り換えて金利負担を低減するという考え方もあります。
なお、住宅ローンの借り換えは新たな金融機関で審査を受け直す必要がありますので、必ず借り換えられるとは限りません。また団信などの条件が変わる場合もありますので、借り換えによって不利な条件にならないように注意が必要です。

まとめ

住宅ローン選びには、金利だけでなくさまざまなポイントがあります。特に金利タイプや万が一の時の保障内容は、長く続く返済計画の行く末を左右する重要なポイントであるといえるでしょう。ご自身のライフプランを定めたうえで、無理のない返済ができるような住宅ローンを選びましょう。
住宅ローンには土地や家の代金および金利のほか、さまざまな諸費用がかかります。金利だけにとらわれず、あらゆる費用を考慮して住宅ローンの全体像を掴みましょう。
また、返済中のローンも見直しによってより有利な条件でローンを借りられる場合がありますので、臨時収入の発生や金利の変化を機に、都度見直しを行なうとよいでしょう。

執筆者:手塚 裕之(てづか ひろゆき)

監修者保有資格:2級ファイナンシャル・プランニング技能士

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