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20代でマイホームは正解?頭金や住宅ローンなど知っておくべき資金計画のポイント

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20代でマイホームは正解?頭金や住宅ローンなど知っておくべき資金計画のポイント
2021.1.26
20代でマイホームを購入するのは早すぎるでしょうか?若いうちに自分の住まいを持つことにはメリットがあり、ライフプランの一案として検討する価値があるでしょう。一方で注意しておきたい点もいくつかあります。この記事では、20代でマイホームを持つメリットと注意点、さらに購入を考えるときの資金計画のポイントについて解説します。

20代でのマイホーム購入は、どんなメリットがある?

マイホームの購入は、大きなライフイベントの一つ。多くの場合、住宅ローンを組むことになるため慎重に考える必要があるでしょう。十分に検討して30~40代で決断するケースが多い中、20代という若い年齢でマイホームを持つことには、どんなメリットがあるのでしょうか。

20代でマイホームを購入する2つのメリット

マイホームでの暮らしは、理想のキッチンやこだわりの庭、暮らしやすい間取りなど憧れの生活をかなえてくれるイメージがあるのではないでしょうか。資金面でも次のようなメリットがあります。
  • 長期で住宅ローンを組むことができ、毎月の返済額をおさえられる
  • 余裕を持って老後資金を準備できる
20代のうちにマイホームを購入する大きなメリットは、長期で住宅ローンを組める点です。60歳前後で完済する場合、「20代で35年のローンを組む」のと「30代で25年の住宅ローンを組む」のとでは毎月の返済額が大きく異なります。若いうちに購入することで、毎月の返済額をおさえながらマイホームを手にすることができるというわけです。ただし、長期になる分、利息返済額が増えることには注意が必要です。
これは、老後資金の準備にも影響します。例えば25歳で30年のローンを組めば定年退職前の55歳で住宅ローンを完済することができるでしょう。結果的に55歳から定年までの収入を老後資金にまわすことも可能です。仮に35歳で30年ローンを組んだ場合は完済年齢が65歳となり、住宅ローンの返済と老後資金の準備を並行する必要があるでしょう。利息返済額が増えても、55歳から定年までの収入を老後への備えとできることはメリットと言えます。

20代でマイホームを購入する注意点

一方で若いうちのマイホーム購入には懸念点もあります。
  • 20代はライフプランに不確定要素(結婚、出産、転職など)が多め
  • 借入可能額が低いため、購入できる物件価格も低くなる
マイホームの場合、ライフスタイルなどの変化があっても気軽に引っ越しすることが難しくなります。一方で20代は結婚や出産、転勤などライフプランに不確定な要素が多いので、場合によってはマイホーム(住宅ローンの返済)が重荷となってしまう可能性も否めません。
また若いうちは一般的に収入が少ない傾向のため、金融機関から借り入れできる金額も少ないでしょう。これは無理のない返済計画を立てられるというメリットでもありますが、理想の住まいをかなえるための資金としては少ない、または足りない場合もあるでしょう。

マイホームを購入する際にチェックする4つのポイント

マイホーム購入におけるメリット・デメリットは20代に限らず、30~40代になってもそれぞれの年代で何かしらあるものです。若いうちに購入を検討することが早すぎることはありません。
そこで資金計画の1つとして、住宅ローンを組むうえでチェックしておきたい4つのポイントを見ておきましょう。

1. 頭金は用意するべき?

住宅ローンは、頭金のありなしどちらでも組むことが可能です。最近は「頭金0円でマイホーム」などとうたわれる商品もあり、とくに若いうちは貯蓄が少ない傾向のため、魅力を感じる人もいるでしょう。ただし、これにもメリット・デメリットがあります。
頭金があれば借入額を減らすことができるため、結果的に総返済額や利息を減らすことが可能です。一方で、無理して頭金を支払ってしまうと「住宅ローンの諸費用が足りない」「いざというときの生活費が賄えない」ということにもなりかねません。
一般的に頭金の目安は、物件価格の約1~2割と言われています。貯蓄はすべて使わずある程度を残したうえで頭金を準備できるといいですね。

2. 住宅ローンはいくら借りられる?

住宅ローンで借りられる金額には、申込人の年収などにより上限があります。多くの金融機関のサイトでは、現在の年収や希望借入期間などを入力すると、借入可能額のシミュレーションができるため参考までに試してみてもいいでしょう。
一般的に住宅ローンの年間返済額は、年収に対して返済負担率を25%以内におさえるとよいと言われています。たとえば年収400万円の場合は100万円、月に換算すると8万3,000円以内です。
この範囲に収まる程度の借入であれば、リスクを軽減することができるでしょう。ただしマンションの場合は住宅ローンの支払い以外にも管理費や修繕費も支払う必要があるので、これらの費用を含めて毎月の返済額が負担にならないような資金計画を考えるようにしましょう。

3. 住宅ローンの返済は、家計を考慮して

住宅ローンの返済は、20~30年と長期間となるため、将来の家計プランをしっかりと考慮したうえで念入りに計画しましょう。20代でマイホームを購入する場合は、そのメリットを活かし、返済期間は遅くとも定年までと設定したうえでゆとりを持ってプランニングするのが理想です。とくにライフステージの中で大きな出費となるのが教育費です。
文部科学省の「教育投資参考資料集」によると子ども1人あたり幼稚園から大学卒業まで国公立の場合約800万円、すべて私立の場合は約2,200万円かかると言われています。またマイカー購入などの大きな買い物でローンが重なる場合も注意が必要です。将来のライフプランも十分に想定して返済プランを現実的にシミュレーションしたいですね。きちんと計画して住宅購入に臨むことで、返済で苦しむという事態の回避につながります。

4. 何かあったときのための生活防衛費もキープ

病気やケガ、災害など万が一のときに備える生活防衛費も重要です。病気や事故など何らかのトラブルにより、毎月の給与が入ってこなくなる可能性があるかもしれません。予備費を用意しておくことで、いろいろな事態にある程度は対応できるはずです。
会社員であれば、目安は生活費の3ヵ月~半年分。いざというときに出せるお金の有無が、心の余裕につながります。

資金計算と資金計画を基に住宅購入予算を算出

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(画像提供:toshi/stock.adobe.com)
住宅購入を決めたら、資金計算が必要です。簡単に紹介します。

住宅購入計画の際に知っておこう!資金計算とは

住宅購入における資金の全体を計算することが、資金計算です。まず家計の収入や支出、年間貯蓄額や現在の貯蓄残高などといった資産残高は、あらかじめきちんと確認しておきましょう、資産残高をきちんと把握しておかないと、購入可能な住宅の予算を正しく算出することができません。
そして住宅購入には物件の価格はもちろんのこと、諸費用や修繕管理費などもかかります。住宅購入前後でかかる費用を踏まえて計算する必要があるので覚えておきましょう。中古マンションなら、物件価格×10%前後の諸費用がかかると言われています。修繕管理費の目安としては、およそ1~2万円。年を追うごとに上がっていくこととなるでしょう。
住宅を購入してローンを払っていくことに加え、さらにかかる費用があることを把握するための資金計算です。
他にも例えば購入することにフォーカスしすぎて、入居費用の計算を失念することもあります。新居への引っ越し代や必要最低限の家具購入費用など、入居にかかる費用は必ず計上しておきましょう。あれもこれもと意外にお金がかかってしまう費用です。
引っ越し代は時期や移動距離、荷物の量によって大きく異なるため、複数の業者から見積もりを取るのがベスト。物件の種類や規模によってもかかる費用は異なりますが、一般的な新築住宅で最低限生活するためのカーテンや照明器具などの家具購入費の目安は50万円ほどと言われています。
このほか不動産取得税や印紙税などさまざまな費用があります。あらかじめしっかりとリサーチしましょう。

住宅購入に全力をつぎ込まないよう注意が必要

住宅購入の際には、将来的に大きな負担にならないようにする必要があります。今20代だと、今後ライフスタイルが変わる可能性が高いため、途中で返済できなくなることのないよう、余裕を持った返済額にしておくのが賢明です。
一生に一度のものだからと張り切ってしまいがちですが、大切なのは住宅購入に全力を注ぎ込まないようにすること。資金計算と資金計画により、身の丈に合わせた予算での購入を心がけてください。

住宅購入は無理なく返済できる額を算出して

20代でマイホームを持つことは、体力や気力が盛んな時期にローンを返済でき完済後は老後資金の準備に専念できるでしょう。一方で、長い人生における選択肢や自由度が低くなってしまうことも懸念されます。どの年代でマイホームを購入してもメリットとデメリットはありますが、最も大切なことは将来のライフプランとともに無理のない資金計画をしっかりと立てることです。
住宅の価格しか見ていないと、購入前後にかかる多額の費用に驚いてしまうことにもなりかねません。無理なく返済していくためには、ライフスタイルと収入に見合った返済計画を立てることです。将来的に住宅ローンの返済だけで手一杯になってしまうことがないよう、きちんと計画を立てたうえで準備を進めていきましょう。

執筆者:株式会社ZUU

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