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住宅ローン金利の推移とは?金利変動の要因や住宅ローンを借りるメリット・デメリットをライフステージ別に解説!

住宅ローン金利の推移とは?金利変動の要因や住宅ローンを借りるメリット・デメリットをライフステージ別に解説!
公開日:2022年5月9日
住宅ローンを選ぶ際には、現時点の金利だけでなく、過去の金利推移も踏まえたうえで選ぶことが大切です。
この記事では、住宅ローン金利の基礎知識とともに、過去の金利推移の動向とその背景について解説、住宅ローンを借りるタイミングを決める際に注意すべきポイントをライフステージ別に紹介します。住宅ローン選びの参考として、ぜひお役立てください。

住宅ローンの金利とは

金利とは、お金を借りた人が借りたお金(元金)に応じて支払う利息のことで、住宅ローンの場合は「年利」(年間の利率)で表示されるのが一般的です。ほとんどの場合、融資実行時点での金利が適用されますが、一部には申込時の金利を選ぶことができる金融機関もあります。
住宅ローンは借りる金額が大きいため、わずかな金利の差で返済額に大きな違いが生じることもあるでしょう。金利とそのほか保障などのバランスを見ながら、自分に合った住宅ローンを選ぶことが大切です。
住宅ローンには、大きく分けて「変動金利型」「当初固定期間選択型」「全期間固定型」の3つがあり、それぞれ次のような特長とメリット・デメリットがあります。借入後もこまめに金融機関の店頭表示金利を確認し、必要に応じて返済計画を見直すようにしましょう。

(1)変動金利型

金融情勢の変化に応じて、返済の途中でも半年ごとに借入金利が見直されるタイプの金利です。
<メリット>
  • 固定金利タイプよりも金利が低く設定されている場合が多い
<デメリット>
  • 返済期間中に市場金利が上がると、返済額が増える
  • 借入の時点で最終返済日までの適用金利が確定しないので、返済計画が立てにくい
  • 借入後に市場金利が急上昇して、毎月の「利息支払額」が毎月の「返済額」を超えてしまった場合は、超えた分の利息の支払いは繰り延べられることになり、「未払利息」として最終返済時に一括返済しなければならない

(2)当初固定期間選択型

借入期間のうち一定期間のみ固定金利が適用されるタイプの金利です。固定金利適用期間に適用される金利はローンによって異なります。
<メリット>
  • 固定金利適用期間は毎月の返済額が決まっているので、家計管理がしやすい
  • 変動金利適用期間に市場金利が下がると返済額が減る
  • 固定金利適用期間終了時に金利タイプを再度選ぶ場合が多い
<デメリット>
  • 固定金利適用期間は市場金利が下がっても返済額が減らない
  • 変動金利適用期間に市場金利が上がると返済額が増える
  • 借入時に固定期間終了後の返済額が確定できないため、返済計画が立てにくい

(3)全期間固定型

ローンを借り入れた時点の金利が、全借入期間を通じて適用されるタイプの金利です。
<メリット>
  • 借入後に金利市場金利が上昇しても、返済額が増えない
  • 毎月の返済額が決まっているので、家計管理がしやすい
  • 借入時点で将来の返済額がわかるので、返済計画が立てやすい
<デメリット>
  • 借入後に市場金利が下がっても、返済額が減らない(低金利の恩恵を受けられない)
  • 変動型に比べて金利が高めに設定されている場合が多い
2022年現在は、市場金利が極めて低い状態が続いているため、低金利の恩恵を受けられる変動金利型を選ぶ人が多く、独立行政法人住宅金融支援機構の調査(*1)によると、2021年4月~9月に住宅ローンを利用した人の67.4%が変動金利型の住宅ローンを利用しています。

住宅ローン金利の推移について

住宅ローンの金利は市場金利に大きな影響を受けるため、将来の予測を立てることは難しいですが、過去の金利推移から金利変動の傾向を確認し、長期的な視点で金利を選ぶことが大切です。独立行政法人住宅支援機構の資料をもとに、1984年以降の民間金融機関の住宅ローン金利(店頭金利)の推移を見てみましょう(*)。
民間金融機関の住宅ローン金利推移
上のグラフが示すとおり、1980年代後半から1991年頃までの、いわゆるバブル期には住宅金利が高騰、1990年には変動金利型住宅ローンの金利が過去最高の8.5%を記録しました。その後、バブルが崩壊すると景気悪化とともに金利は低下傾向に転じ、1999年に日銀が景気刺激策としてゼロ金利を導入してからは、いずれのタイプの金利もほぼ一貫して歴史的な低金利状態が続いています。
しかし、この低金利は政策によっていわば人為的に続いているものであり、当然ながら永遠に続くわけではありません。今後、政策が転換されれば、住宅ローンの金利が大きく変動する可能性は大いにあります。

住宅ローン金利が変動する要因とは

では、そもそも住宅ローン金利の変動は何によって起こることが多いのでしょうか?「〇〇が起きると必ず金利が変動する」と一概に断定できるものはありませんが、一般的には次の要素が住宅ローン金利の変動に影響を与えると言われています。

金融政策

ゼロ金利政策を機に住宅ローン金利が低下したことからもわかるように、政府の金融政策は住宅ローン金利に大きな影響を与えます。金融政策には大きく分けて「金融緩和」と「金融引き締め」があります。このうち、景気が過熱気味のときに金融崩壊に陥るのを防ぐために行われるのが「金融引き締め」で、政策金利を上げることによって世に出回るお金を減らし、消費や投資を抑えるのが狙いです。
一方、景気が悪いときに行われるのが「金融緩和」です。金融緩和では金融引き締めとは逆に政策金利を引き下げて、消費や投資を促し、景気回復を狙います。住宅ローン金利は政策金利に連動するので、金融引き締めで政策金利が上がると上昇し、金融緩和で政策金利が下がると下落します。

海外の金利

経済のグローバル化を背景に、政策金利について各国で足並みを揃える場面が増えており、一般的に海外の金利が上昇すると国内の金利も上昇すると言われています。特に2022年にはFRB(米連邦準備理事会)による金利引き上げが行われるため、「日本の政策金利も上がって、住宅ローン金利も上がってしまうのでは?」と心配になる人も多いかもしれません。
しかし、ご存じのとおり日本では2013年から日銀が消費者物価を前年比2%上昇させる物価安定目標を掲げ、「金利を下げて消費を活性化し、物価を上げる」という考え方に基づくマイナス金利政策を導入しています。この政策が続く限りは、アメリカの政策金利が上がっても、日本の住宅ローン金利が大きく引き上げられることはないものと考えられています。

景気

一般的に景気が良いときは、消費が活発になって物やサービスがよく売れるため、企業の業績が上がり、給与も上がります。するとさらに消費意欲が高まり、ローンを組んでお金を借りてでも何かを買おうとする人が増えるため市場金利が上がり、住宅ローン金利も上がりやすくなります。
一方、景気が悪いときは、一般にモノやサービスが売れなくなるため、企業の業績が下がり、給与も減ってしまいます。収入が減ると消費者の消費意欲が下がってお金の需要が減り、お金の借り手も少なくなるので市場金利が下がり、住宅ローン金利も下がりやすくなります。

物価

一般的に物価は、経済活動が活発で景気の良いときに上昇し、経済活動が停滞して景気の悪いときに下落します。
物価が上昇すると、物やサービスを購入するのに必要なお金の量が増えるので、市場金利が上がりやすくなります。逆に物価が下落すると、必要なお金の数が減るので、市場金利が下がりやすくなります。したがって、住宅ローン金利も物価上昇時には高く、物価下落時には低くなる傾向にあります。
ただし、2022年4月現在、日本では政府が低金利政策を採用しているため、物価が上昇傾向であるにもかかわらず、住宅ローンの変動金利は歴史的低水準が続いています。

為替

為替レートも住宅ローン金利に影響を及ぼします。一般的に円安になると、輸入価格の上昇にともなって国内の物価が上昇気味になるため、金利も上がりやすくなります。逆に円高になると、輸入価格が下がって物価が下落するため、金利も低くなる傾向がみられます。したがって、円安は住宅ローン金利の上昇、円高は住宅ローン金利の低下を招きやすいということになります。
なお、2022年4月現在、為替は円安傾向にあります。前述の一般論から言えば住宅ローン金利が上昇するはずですが、今のところ住宅ローン金利は過去最低水準のまま推移しています。これは政府が低金利政策を維持しているからだと考えられています。

住宅ローンを借りるなら、低金利の今がおススメ?

住宅ローンを借りるなら、低金利の今がおススメ?
前述のとおり、日本では20年以上にわたって超低金利状態が続いていますが、2022年1月31日には長期金利(10年物国債の金利)が6年ぶりに高値を更新、主要銀行が10年固定の住宅ローンを引き上げたことが話題になりました。今後も長期金利の上昇が続けば住宅ローン金利も上昇するので、低金利のうちに住宅ローンを組んだ方が良いのでは、と思う人も多いことでしょう。
しかし、低金利だけを理由に住宅を購入するタイミングを決めるのは考えもの。金利だけでなく年齢やライフステージも考慮して、購入のタイミングを慎重に検討したいものです。ここでは年代別に、そのライフステージならではのメリットやデメリット、注意点を確認してみましょう。
●20代【子どもなしの場合】
メリット
  • 返済期間を長く設定できるので、毎月の返済額を抑えられる
  • 繰り上げ返済できる可能性が高い
  • 教育費がかからないので、ローン返済しながら貯蓄がしやすい
  • 団体信用保険に加入しやすい
  • 定年までに完済できる可能性が高い
デメリット
  • 年収が低く、希望金額を借りられない恐れがある
  • 頭金が十分に貯められない恐れがある
  • 借入期間が長い分、利息分の支払いが多くなる
共働きで子どものない夫婦は比較的生活にゆとりがある場合も多く、若くてもペアローンを利用すれば高額の住宅ローンを組むことができます。しかし、住宅ローン返済中に子どもが生まれるなどして、共働きができなくなってしまった際に収入が減ってしまうことなども想定して、無理のない借り入れをするようにしましょう。また、子どもが生まれると生活が大きく変わるため、住宅に求める条件も変化します。
子どもがいない共働き夫婦は「通勤に便利な立地」で家を選ぶことが多いですが、子どもが生まれると利便性だけでなく、治安の良さや遊び場の有無、保育園や学校への距離なども重要になってきます。
20代でマイホームを購入する場合は、生活スタイルが変化する可能性も考慮に入れて判断するようにしましょう。
●30代【子ども有りの場合】
メリット
  • 20代よりも収入が上がり、勤続年数も増えるので希望する金額を借りられる可能性が高くなる
  • キャリアの方向性が固まる時期のため、ライフプランが立てやすく、住居に求める条件をより明確にした上で購入できる
  • 団体信用生命保険に加入しやすい
  • 返済期間が30年以下のローンを組めば定年までに完済できる
デメリット
  • 子どもの教育費など家族の支出が増えてくるため、無理のある返済プランで借りると、返済が難しくなる恐れがある
30代は20代よりも年収が増える半面、子どもの学費や習い事の費用などが増え始める時期です。30代で住宅ローンを組む場合は、できるだけ頭金をためて借入金額を少なくし、毎月の返済額を抑えることが大切です。また、最近は30代で転職や起業をする人も多いですが、転職・起業の直後はローンの審査で不利になる恐れがあることにも注意が必要です。
●40代~50代【子ども有りの場合】
メリット
  • 頭金をためられる期間が長いため、借入金額を抑えられる
  • 年収が増え、毎月の返済に充てられる金額が多い
  • 老後を見据えた家選びができる
  • 若くして購入した場合に比べて、リタイア時点でマイホームの築年数が浅いため、将来の修繕費などを安く抑えられる可能性がある
デメリット
  • 返済期間の長いローンを組みづらい
  • 持病を持つ人が増える年代であり、団体信用生命保険に加入できないリスクが増えてくる
  • 子どもの教育費が大きく増える時期であり、返済が家計の負担になりやすい
健康に自信がある方なら40代以降でも遅くはないですが、返済期間が35年間の住宅ローンを借りたい場合、多くの住宅ローンは80歳までの完済が条件となっているので、検討するのは早い方が良いでしょう。
なお、80歳が制限の場合も、45歳までに申し込めば返済期間が35年のローンを組むことはできますが、本当に80歳まで返済が続けられるのか、もしくは繰り上げ返済で返済期間が短縮できるのかどうかをしっかり考えたうえで、慎重に判断する必要があります。
目先の返済額を抑えるために安易に長期ローンを申し込むと、ゆとりある老後が送れなくなってしまう恐れがあることも忘れないようにしましょう。

まとめ

住宅ローンの金利は、政府の金融政策や景気、物価の上下などにより変動します。現在は超低金利で推移していますが、今後、金融政策の転換や経済情勢の変化を受けて、住宅ローンの金利が上昇することも十分考えられます。住宅ローンを選ぶ際には、現在の金利だけでなく、将来の金利変動も考慮したうえで判断することが大切です。
また「低金利だから、今のうちに借りておこう」と慌てることなく、年齢やライフステージで住宅ローンを組むメリットやデメリットも比較検討し、住宅ローンを組むタイミングを見極めるようにしましょう。

執筆者:相山 華子(あいやま はなこ)

執筆者保有資格:2級ファイナンシャル・プランニング技能士

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