マンションを購入するのにかかる費用はいくら?住宅ローンや諸費用の目安は?
住宅ローン金利は低い状況が続いているため、低金利のうちに理想のマンションの購入を検討している人も多いのではないでしょうか?一方で気になるのは、マンションを購入する際にかかる住宅ローン以外の諸費用です。また、頭金はどのように考え、住宅ローンで借り入れる金額は年収の何倍程度に抑えるべきか、なども気になるところです。今回はそうした点について、わかりやすく解説していきます。
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人生100年時代、仮に賃貸住宅に30歳から90歳まで毎月12万円の家賃を継続して払い続けると、総額8,640万円(更新料等別)となります。一生涯にこれほどの賃料を払うのなら、住宅ローンも低金利だし、思い切って住宅を購入しようと考える人も多いことでしょう。
マンションを購入する際には、物件価格以外にも税金や手数料などの諸費用が必要になります。マンション購入にかかる全体費用の大枠は次のとおりです。
頭金(※)+住宅ローン
(物件価格)
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+
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諸費用
(新築マンション価格の3%~6%が目安
中古マンション価格の6%~10%が目安)
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※頭金とは、一般的に諸費用を除いた金額で、物件価格に充当できる金額を指します
あくまで一般的な目安になりますが、新築マンションの場合は物件価格の3%から6%で、内訳は次の通りです。
購入時
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印紙代
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売買契約書に貼付する印紙代
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修繕積立基金
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一般的に新築マンション購入時に将来の修繕のために必要
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住宅ローンにかかる経費
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金銭消費貸借契約書に貼付する印紙代
住宅ローン事務手数料
抵当権設定登記の登録免許税
住宅ローンの保証料等(「フラット35」の場合など、住宅ローン商品により保証料は不要の場合あり)
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不動産取得の際に必要な税金
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所有権保存登記に伴う登録免許税
不動産取得税など
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その他
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司法書士手数料
建物・家財などの火災保険料
引っ越し代など
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購入後
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不動産保有の際に必要な税金
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固定資産税
都市計画税
(毎年、土地および建物に対して発生)
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その他
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修繕積立金
管理費
駐車場使用料
(毎月発生)
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リフォーム費用
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老朽化に伴い必要
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一方で、中古マンションの場合は物件価格の6%から10%程度が目安と言われており、こちらの内訳は次の通りです。
購入時
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印紙代
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売買契約書に貼付する印紙代
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仲介手数料
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一般的に売買価格の3%+6万円+消費税
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住宅ローンにかかる経費
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金銭消費貸借契約書に貼付する印紙代
住宅ローン事務手数料
抵当権設定登記の登録免許税
住宅ローンの保証料(「フラット35」の場合など、住宅ローン商品により保証料は不要のケースあり)
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不動産取得の際に必要な税金
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所有権移転登記などに伴う登録免許税
不動産取得税など
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その他
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司法書士手数料
建物・家財などの火災保険料
引っ越し代など
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購入後
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不動産保有の際に必要な税金
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固定資産税
都市計画税
(毎年、土地および建物に対して発生)
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その他
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修繕積立金
管理費
駐車場使用料
(毎月発生)
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マンション購入の際にとくに注意すべき点は、戸建てを購入する際とは異なる費用が別途毎月必要になることです。一般的には「修繕積立金」「管理費」(車を保有している人は「駐車場使用料」)などが必要になります。
ここからは、この修繕積立金と管理費について解説していきます。
修繕積立金とは、将来の建物や設備等の修繕のために積み立てられていくお金のことです。マンションは経年すると修繕が必要な箇所が増えていきます。
修繕積立金は、分譲マンションの壁や屋上、エントランスやロビー、エレベーターなどの共用部分を維持・修繕するために将来行われる「大規模修繕」などのために備えるものです。マンションの区分所有者(購入者)から徴収し、毎月積み立てて準備しておく修繕のための積立金です。
ここでマンション購入を検討している人がとくに注意しなければならないのは、中古マンションを購入する場合です。
老朽化した中古マンションの中には、新築販売当時、消費者に売りやすくするために、あえて当初の修繕積立金を低く設定し販売した物件なども存在し、そのような物件の多くは充分な修繕積立金が貯まっていません。
そのため、中古マンションを購入後、ケースによっては毎月の修繕積立金が値上がりすることや、大規模修繕を行う際に必要な残高がない場合は、修繕積立一時金を毎月の修繕積立金とは別に徴収するケースもあるのです。
修繕積立金の値上がりなどの際には管理組合の集会の決議が必要となりますが、購入前に修繕積立金が充分に積み立てられているのかを確認するのがよいでしょう。
新築マンションの場合は、マンションごとに長期修繕計画を作成し、先々30年程度にわたる試算をしていますので、これも事前に必ず確認が必要です。
修繕積立金の目安は、国土交通省が2011年に作成した「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」によって私たち消費者も確認することができますので、事前に確認しておいたほうがよいでしょう。
なお、新築マンションの場合には、毎月徴収される修繕積立金のほかに、マンション購入時に修繕積立基金として数十万円が徴収されるケースが一般的となっていますので事前に併せて確認しておきましょう。
管理費は、毎月支払う修繕積立金とは別に支払うお金で、マンションの管理運営費用として使われます。管理人や掃除スタッフの費用、共用部分の光熱費など、共同で使用する施設や設備などの維持管理に必要な経費のために徴収されます。
マンションによっては、フィットネスルームやプール、ジャグジーなどが併設されていることがありますが、管理費にも影響するため注意が必要です。修繕積立金と併せて、管理費が将来値上がりする可能性があるのか否かも確認しておきましょう。
現在の家賃/月
+ 住宅購入のために積立していたお金/月
+ 無駄遣いをなくすことにより捻出できるお金/月
+ 保険を見直すことにより捻出できるお金/月
- 購入後の維持費/月
= 毎月返済可能額
(駐車場代・管理費・修繕積立金・固定資産税など) |
住宅ローンの年間返済額は、年収の25%以内が安全圏と言われていますが、これはあくまでも一般論です。
同じ年収の人でも子どもの数によって教育費などは異なりますし、生活スタイルによって基本的な生活費も大きく異なるため、実際には年収の25%以内でも家計が厳しくなるケースもありますし、年収の30%近くでも問題ない場合があります。ではマンション購入の際、年間返済額の目安はどのように計算すればよいのでしょうか?
ライフスタイルは十人十色、千差万別であるため、各世帯で家計の状況を把握しながら、無理のない返済可能額を算出することが望ましいといえます。
はじめに、毎月の住宅ローン返済可能額を試算してみましょう。
次に毎月返済可能額から借入可能額を算出します。仮に30歳の人が65歳まで35年返済、毎月返済可能額が14万円の場合の借入可能額は、下記シミュレーションにおいては、4,707万円となります。
【フラット35 固定金利1.32%(2021年2月)を基準としたシミュレーション】
*融資率9割以下の場合
毎月返済可能額
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返済期間 借入可能額(万円)
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25年
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30年
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35年
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10万円
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2,555
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2,972
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3,362
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12万円
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3,065
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3,566
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4,035
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14万円
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3,576
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4,160
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4,707
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16万円
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4,087
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4,755
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5,380
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最後に、借入可能額に基づいた物件の購入可能限度額(目安)を求めます。一例として、借入可能限度額が前述の4,707万円の場合、この金額に親などからの資金援助額と頭金を合わせた金額が物件の購入可能限度額の目安になります。
仮にその金額が1,293万円であれば、6,000万円が物件の購入可能限度額(目安)となります。
借入可能額
+ 親などからの資金援助額
+ 頭金(住宅購入のために貯蓄したお金(自己資金充当額)- 住宅購入時諸費用(新築マンション価格の3%~6%:中古マンション価格の6%~10%))
= 物件の購入可能限度額(目安) |
※上記計算はあくまでも購入可能限度額の目安を示したものであり、実際の購入可能金額とは異なる場合があります
購入時における全体の貯蓄額 万円 - 緊急予備資金 万円
- 将来必要な貯蓄準備額(教育資金など) = 自己資金充当(可能)額 |
住宅購入において自己資金は少しでも多いほうがよいと思われがちですが、貯蓄全額を頭金や諸費用に充当することは好ましくありません。
なぜなら、貯蓄がまったくなくなってしまった場合には、病気やケガ、リストラなどで収入が途絶えてしまった際に、住宅ローンの支払いが滞ってしまうことや、生活自体に支障が出る可能性があるからです。
このような不測の事態に備える「緊急予備資金」は、一般的には会社員であれば生活費の6ヵ月分程度が目安です。自営業者であれば、1年分程度を目安として貯蓄を残しておくことが望ましいと言われています。自己資金充当(可能)額の計算式は以上ですので、ご参考にしてください。
なお、試算額は、あくまでも自己資金に充当できる可能額ですので、住宅ローン減税や金利面など経済効果も考えて、自己資金にどの程度充当したほうがよいかを検討することが大切です。
マンション購入時における、物件価格以外に必要な諸費用やその注意点、住宅ローン返済可能額や購入可能額の目安の考え方について解説しました。マンション購入を検討する際は、物件価格の頭金を準備し、住宅ローンを組む以外にもさまざまな費用がかかることを念頭にいれておくようにしましょう。
執筆者:峰尾茂克
株式会社THEFPコンサルティング
CFP®、1級ファイナンシャルプラン二ング技能士、宅地建物取引士
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(2022年3月28日現在)