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【2022年税制改正】新しい住宅ローン控除(減税)制度をくわしく解説!

【2022年税制改正】住宅ローン控除(減税)はこう変わる!
公開日:2022年3月31日
2021年12月10日に2022年度税制改正大綱が発表されました。今まで住宅ローン控除を受けている方、これから新しく家を買い、控除を受けようとしている方は何がどのように変わるのでしょうか?
この記事では、改正される住宅ローン控除について、くわしく解説しています。

まずは住宅ローン控除(減税)制度そのものを理解しよう

住宅ローン控除(減税)とは、正式には「住宅借入金等特別控除」といい、広く国民が住宅を取得できるように、住宅ローンを借りる際に支払う金利負担を軽減するために設けられた減税制度です。
住宅の建築、購入、リフォーム、またその取得資金を住宅ローンでまかなった場合に、その居住開始後の年末借入残高に対して0.7%分が所得税と住民税から減税されます。

住宅ローン控除の内容と条件(2022年1月以降居住開始)

住宅ローン控除は所得税と住民税を直接減税

2022年1月1日以降に住宅の取得や居住を開始した方の住宅ローン減税は、以下のような内容になります。
  • 住宅ローンの年末残高に対して0.7%の減税
  • 控除期間13年間
住宅ローンの返済期間が10年以上あり、年末時点の残高に対して0.7%の所得税が減税されます。所得税から引き切れないときには、住民税から減税します。住民税から減税できる金額には上限があり、所得税の課税総所得金額等の5%(最高9.75万円)までとなります。
  • 住宅ローン残高:2,000万円、所得税:10万円/年の場合

→減税額:14万円

 内訳)所得税から10万円、住民税から4万円

    控除期間は13年間で、要件を満たせば13年間にわたって減税を受けることができます。

住宅ローン控除が受けられるのは?

(1)住宅ローンの返済期間が10年以上

新たに借り入れた住宅ローンの返済期間が、10年以上ない場合には適用を受けることができません。

また、適用を受けている間でも、繰上返済などで、当初の契約の最初に返済した月から最終の返済月までの期間が10年未満になった時点で適用が受けられなくなります。

(2)自ら居住

住宅ローン控除が設けられた上記趣旨から、減税を受ける方が住むことが条件です。投資用マンション、土地のみの購入(家をしばらく建てない)には利用できません。

ただし、転勤などで一時的に本人が居住していなくても家族が住んでいる場合には適用を受けられます。

(3)床面積50㎡以上

マンションの場合では、専有部分の床面積(登記簿上)で判断され、階段や通路といった共用部分は含まれません。

(4)居住用割合が1/2以上

自営業などで自宅を事業に利用している場合では、その居住割合が1/2を超えている必要があります。

(5)合計所得金額(*)2,000万円以下

合計所得金額が2,000万円以下の方のみ受けることができます。2,000万円を超えた場合は、その年は減税を受けられませんが、超えていない年は受けることができます。

なお、株式などの配当や売買益を特定口座源泉徴収あり口座で申告不要にしている場合にはその所得は算入されません。
  • 合計所得金額は、以下の合計額をいいます。
  • 給与所得(給与所得控除後の金額)
  • 不動産所得
  • 譲渡所得
  • 雑所得 など

住宅ローン控除を受けるための手続きは?

住宅ローン控除を受ける最初の年には確定申告が必要で、入居年の翌年1月(還付のみの場合)から確定申告ができます。翌年以降は会社員なら年末調整により減税を受けることができ、以下を添付して会社に申告します。
  • 銀行からの借入金の残高証明書
  • 税務署から最初に申告をした年に交付される(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書
所得税の減税分の還付は、確定申告年は確定申告後から1ヵ月程度で銀行に直接振り込みされます。翌年以降の年末調整時は年末の給与と一緒に減税額が振り込まれます。住民税の減税分は、申告した年の6月以降にかかる住民税から減税されることになります。

2022年住宅ローン控除(減税)はここが変わる!

2022年住宅ローン控除(減税)はここが変わる!
2022年の住宅ローン控除の変更点で、一番注目すべきは控除率の引き下げです。
2021年の年末までは1%の減税が受けられ、低金利下で適用金利より上回る減税がおこなわれたことで結果として利益となってしまう人が増え、その点が問題視されていました。
たとえば、変動金利で0.5%程度の低金利で借りた人は、2021年の年末までは住宅ローン控除が1%だったため、減税を受けられる期間はずっと0.5%の利益を得ることができるというようなことが起き、そのためか多めに借りる人もいたため、控除率が0.7%まで下がりました。
そのほかにも、以下のような変更がありました。
  • 住民税から引ける分が課税総所得金額等の5%(最高9.75万円)へ引き下げ
  • 所得制限が3,000万円から2,000万円へ
  • 対象の住宅の種類により借入限度額が変わる
  • 合計所得金額1,000万円以下であれば40㎡以上50㎡以下の住宅も適用可能に

2022年以降の改正内容と注意点

今回の改正で大きく変わったのは控除率が1%から0.7%に下がったことです。
これまで、1%の減税を受けられたので、その減税額は大きく下がります。
さらに、住民税から差し引ける金額が2021年末まで所得税の課税総所得金額等の7%(最高13.65万円)だったところ、所得税の課税総所得金額等の5%(最高9.75万円)に引き下げられました。課税総所得金額とは、所得控除後の金額で、課税総所得金額が195万円超の人は最高9.75万円となります。
住宅ローン控除は減税制度であることから、支払っている税金からしか恩恵を受けられず、たとえ減税できる金額が大きくても実際にそれだけの税額がないと減税を受けられません。
所得税率は超過累進税率で収入が多いほど税率は高く低いほど低くなり、住民税は一律10%であることから、課税総所得金額が195万円以下の人は所得税より住民税の方が税額が大きくなることがあります。
したがって、住宅ローン控除の減税額が所得税から引ききれず、住民税から差し引くことになった場合、住民税には差し引ける上限があるため、全額減税を受けられないことがあります。
  • 住宅ローン残高が4,000万円(認定住宅)の場合
  • 最大減税額年間28万円
  • 所得税が15万円の方 → 合計24.75万円の減税(内訳:所得税15万円、住民税9.75万円)
所得税を15万円減税後、残りの減税分は住民税から引きますが、住民税は9.75万円までしか引くことができないため、本来受けられる減税分28万円は受けられず、残り3.25万円分は減税を受けられないことになります。
毎年、所得税と住民税をどのくらい支払っているのか確認しておくと、最大限減税を受けられるのかがわかります。
また、これまで一般住宅でも4,000万円のローン残高に対して住宅ローン控除を受けられていましたが、その対象住宅の環境性能によって上限が細かく設定されるようになり、通常の住宅だと3,000万円(2024年以降、2,000万円)の借入限度額に引き下げられました。
例:住宅ローン4,000万円の認定住宅等以外の住宅を購入した場合
  • ローン残高3,000万円までが減税対象となり、最大年間21万円の減税額
  • 3,000万円を超えるローン残高の部分は減税を受けられない

新築、分譲住宅の場合

<新築、分譲住宅>
住宅種類 居住年 借入限度額 控除率 控除期間 最大控除額
認定住宅 2022年2023年 5,000万円 0.7% 13年 455万円
2024年2025年 4,500万円 409.5万円
ZEH水準省エネ住宅 2022年2023年 4,500万円 409.5万円
2024年2025年 3,500万円 318.5万円
省エネ基準適合住宅 2022年2023年 4,000万円 364万円
2024年2025年 3,000万円 273万円
上記以外の住宅 2022年2023年 3,000万円 273万円
2024年2025年 2,000万円 10年 140万円
認定住宅とは、認定長期優良住宅及び認定低炭素住宅のことをいいます。
認定長期優良住宅とは、長持ちする構造や設備、長く住めるような維持保全ができ、バリアフリー性、省エネ性、耐震性があるなどを満たした住宅です。
認定低炭素住宅とは、二酸化炭素の排出を一定以下にできる省エネ性の優れた住宅です。
また、ZEH(ゼッチ)とは、「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」の略です。高断熱などで省エネルギーにして太陽光発電による電気を消費することにより、住宅のエネルギーがネットでゼロになる住宅を指します。
そして、省エネ基準適合住宅は、ZEHの太陽光などの電気を自分で作り出す部分はないものの、省エネ性の優れた住宅のことを指します。

中古住宅の場合

中古住宅購入で、住宅ローン減税の適用を受けるには新耐震基準に適合している家屋である必要があります。2021年末までの制度では、築年数が25年以内などの要件がありましたが、その要件は廃止されました。
<中古住宅、増改築>
住宅種類 居住年 借入限度額 控除率 控除期間 最大控除額
認定住宅など 2022~2025年 3,000万円 0.7% 10年 210万円
その他の住宅 2022~2025年 2,000万円 140万円
中古住宅の場合は、新築住宅などで環境性能によって細かく設定されているような区分はなく、認定住宅、ZEH水準省エネ住宅および、省エネ基準適合住宅をまとめて認定住宅などとして同じ3,000万円の借入限度額になります。
このように、2021年末までの制度では、通常の住宅でも4,000万円までの借入限度額であったのが、新制度では環境性能により限度額が細かく設定され、環境性能に適合しないと2021年末まで4,000万円の限度額まで受けられた減税が、2,000万円の限度額まで下がります。
環境性能に適合しない住宅購入で2022年に3,000万円の借入金だった場合には2,000万円まで減税対象とならず、上限を超える1,000万円分に対しては減税されないことになります。そのため、新築、分譲で家を購入するのであれば、認定住宅に適合した家を選ぶのがおススメです。
環境性能は認定基準を満たし、かつ技術審査の上適合証の交付を受ける必要があります。分譲なら適合した住宅を、新築ならハウスメーカーとよく相談のうえ基準を満たすような設計計画を立てましょう。
2021年末から2022年への住宅ローン控除は受けられる減税額が少なくなります。
しかしながら、対象住宅は床面積50㎡以上のファミリー向けの広さの住宅が対象だったところ、合計所得金額1,000万円以下であれば40㎡以上50㎡以下の住宅も適用可能になりました(一定期間のみ認められていましたが、2022年以降の4年間は全期間適用)。
これにより、ファミリーだけでなく1人暮らし、2人暮らし用の広さの住宅に対しても対象となるので、適用される住宅の範囲が広がります。

これまで控除を受けていた方は?

すでに住宅ローン控除の適用を受けている方は、今回の制度変更の影響はありません。控除率もこれまでどおり、1%の適用を受けることができます。

まとめ

住宅ローン控除の減税額はこれまで拡大傾向でしたが、2022年には縮小されました。そのなかでも、最大限住宅ローン控除の適用を受けることができるよう、住宅購入時には環境性能を意識した家選びがおススメです。
結果的に、減税額が大きくなるメリットがあるのはもちろんですが、長持ちする品質の良い家、電気代がかからない家を選ぶことになることになります。

執筆者:大堀 貴子(おおほり たかこ)

執筆者保有資格:日本ファイナンシャル・プランナーズ協会認定 CFP®認定者 証券外務員I種、税理士試験簿記論、財務諸表論合格

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