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住宅ローンを徹底比較!知っておきたい金利の相場と利息の計算方法

住宅ローンを徹底比較!知っておきたい金利の相場と利息の計算方法
  • 2021年5月19日
  • 2025年3月14日
人生において住宅は非常に大きな買い物です。その金銭的負担を少しでも減らしたいと誰もが思うことでしょう。多くの人が住宅を購入する際に住宅ローンを利用しますが、大きな買い物なだけに借入金額も大きくなり、返済の負担が重くのしかかってきます。返済負担を軽くするのに、総返済額に大きな影響のある金利の相場について知っておくことが大切です。また、ほかにも大事なのは自分に合った「金利タイプ」を知ることです。その上で、金利や諸費用が安く総返済額が抑えられる金融機関を選びましょう。

目次

住宅ローンには「金利タイプ」別に3つの種類があります

住宅ローン,金利
借入金額が大きくなりがちな住宅ローンは、少しの金利の違いでも返済負担に与える影響は小さくはありません。そのため、住宅ローン選びでもついつい金利だけに目が向きがちです。
たとえば3,000万円の住宅ローンを30年間借りる場合、0.9%と1.0%というように金利が0.1%違うだけで、その金利負担分は最終的に50万円近くも差が出てきます。確かに金利を意識するのは当然と言えます。
ただ、住宅ローンを検討するときには、まずは自分に合った「金利タイプ」を知ることが大切になってきます。なぜなら、住宅ローンには金利タイプごとにそれぞれ特徴やメリット・デメリットなどがあり、住宅ローンを組む家庭の状況ごとに合う、合わないがあるからです。
住宅ローンの金利タイプには大きく分けて次の3つがあります。
  • 変動金利型
  • 固定金利期間選択型
  • 全期間固定金利型
金利の視点からは、一般的に変動金利型の金利が一番低く、全期間固定金利型が一番高く設定されています。短期的に金利だけで考えた場合は、変動金利型がもっとも金利負担を抑えられる可能性があります。ただし、長期的には変動金利による金利上昇リスクもあることに注意が必要です。
次にそれぞれの金利タイプごとにその特徴などを見ていきます。

変動金利型住宅ローンの特徴やメリット・デメリット

変動金利型の住宅ローンの特徴は、借入期間中、半年ごとに金利が見直されることです。ただし、金利が半年ごとに変わっても返済額は5年ごとの見直しとなり、5年間返済額は変わりません。

またその返済額の見直し幅は、見直し前の返済額の1.25倍(1.25倍ルール)までとされている場合が多いです。これは見直しによる返済負担の急激な上昇を抑えるためです。

変動金利型のメリット

金利下降局面では、金利低下のメリットをいち早く受ける

ほかの金利タイプより一般的に金利が低く、比較的金利負担が小さい

変動金利型のデメリット

金利上昇局面では、金利負担が増加しやすい

返済額が5年ごとに変わる可能性があるため、返済計画が立てにくい

金利上昇により利息負担割合が増える場合、借入元金がなかなか減らない状態になる
金利上昇により利息額が毎回の返済額を超えてしまうと元金がまったく減らず、利息も支払いきれない「未払利息」が発生する可能性がある

変動金利型に向いている人とは

ほかの金利タイプと比較して金利の低い傾向にある変動金利型は総返済額を抑えるには有利ですが、一方で、金利変動リスクがもっとも高いことに注意が必要です。そのため、将来金利が上昇しても繰り上げ返済なども含め、返済できる経済的余裕がある人向けと言えます。

また、借入額が少ない場合や借入期間が短い期間で返済可能な人も、金利上昇による返済額の増加が比較的少なく済むので向いていると言えるでしょう。

固定金利期間選択型住宅ローンの特徴やメリット・デメリット

固定金利期間選択型の住宅ローンの特徴は、借入当初から一定期間(2年・3年・5年・10年など)の金利が固定されていることです。固定金利期間終了後は、その時点での金利で改めて固定金利期間選択型や変動金利型の金利タイプを再選択します。通常、固定金利期間が短いものほど金利が低く設定されています。

固定金利期間選択型のメリット

固定金利期間中は金利変動リスクを回避できる

金利変動リスクを抑えつつ、比較的低金利を享受できる

金利下降局面では、固定金利期間終了時に他行への借り換えなどの対応をしなくても金利低下のメリットを受けられる可能性がある
固定金利期間選択型のデメリット
固定金利期間終了時に、変動金利型のような1.25倍ルールがないので、金利が上昇している場合に返済額が急激に上がる可能性がある
金利タイプの再選択時に、優遇金利などが借入当初の優遇幅に比べて小さいか、ない場合がある

固定金利期間選択型に向いている人とは

固定金利期間終了時には変動金利型にあるような1.25倍ルールがないことから、金利次第で返済額が大きく変動する可能性があります。そのため、固定金利期間終了時の返済額の変動に対応できる人向けの金利タイプと言えます。
向いている人としては、固定金利期間終了までにまとまったお金を貯められる人や、その時期に満期保険金などのまとまったお金が入る人などがあげられます。また固定金利期間中に教育費など、ほかの返済負担のピークが過ぎて、その後は住宅ローンの返済額を増やせる人なども向いていると言えるでしょう。

全期間固定金利型住宅ローンの特徴やメリット・デメリット

全期間固定金利型の住宅ローンの特徴は、借入当初から返済完了までの全返済期間の金利があらかじめ確定されていることです。また全期間固定金利型の一部には、金利が全期間で一律(全期間一律型)のもの以外に、6年目以降や11年目以降に当初借入段階ですでに決められた金利に変更となる段階金利型のものあります。
民間金融機関と住宅金融支援機構が提携して提供しているフラット35と呼ばれるものなども全期間固定金利型の住宅ローンです。

全期間固定金利型のメリット

金利が固定されるため金利変動リスクを回避できる

低金利時の借入れは長期にわたりその低金利のメリットを享受できるため、完済までの金利動向によっては最終的にほかの金利タイプと比べて総返済額が少なくなる可能性もある

返済額や総返済額が確定するため、家計管理がしやすくなる

全期間固定金利型のデメリット

変動金利型や短期の固定金利期間選択型より通常は金利が高めとなる
金利下降局面において、さらなる金利低下のメリットを享受できない

全期間固定金利型に向いている人とは

将来、金利が上昇して返済額が増加すると返済が困難になる人や、返済額の変動により教育費など他の資金準備の計画が困難になる人向けと言えます。また、金利が上昇することで返済額が増えてしまう可能性のあることに不安を感じるような人も、金利変動リスクのない全期間固定金利型は「安心」を手に入れるための選択肢になるとも言えます。

住宅ローンの利息はどうやって計算されているの?

住宅ローン,金利
金利は総返済額に大きな影響を与える要素のひとつです。そこで、ここでは住宅ローンの利息が金利によってどう求められるか確認してみます。
1ヵ月にかかる住宅ローンの利息はおおよそ以下の計算式によって求められます。
借入金額(借入残高)× 金利(年利)÷ 12(ヵ月)
実際に以下の条件をもとに利息を計算してみましょう。
条件:全期間金利固定型、適用金利1.5%、借入金額3,000万円、返済期間30年、元利均等返済
1回目返済時の利息は以下の式で求められます。
3,000万円(借入金額)× 1.5% ÷ 12 = 3万7,500円
返済2回目以降は、直前までの返済により減った借入残高をもとに計算します。そのため、次の表のように、毎月返済額の内訳である「利息分」は徐々に減っていき、借入残高に充当される「元金分」は増えていきます。

返済回数

毎月返済額

利息分

元金分

借入残高

当初借入

     

30,000,000円

1回目

103,536円

37,500円

66,036円

29,933,964円

2回目

103,536円

37,417円

66,119円

29,867,845円

3回目

103,536円

37,334円

66,202円

29,801,643円

なお、毎月返済額などについてはインターネット上で金融機関などから提供されている住宅ローン返済シミュレーションのサイトなどを利用することで簡単に調べることができます。

変動金利型の住宅ローンを徹底比較

金利タイプによって、相場はどのようになっているのでしょうか。そこで金融機関7行の金利を調査しました。まずは変動金利型から見ていきましょう。
【金融機関別 変動金利型住宅ローンの下限金利相場】
(単位:年率)
金融機関 下限金利相場(優遇金利適用後)
都市銀行(4社) 0.345%~0.625%
ネット銀行(3社) 0.344%~0.647%
  1. 2025年3月時点、新規借入の場合。
  2. 変動金利型住宅ローンの最優遇金利が適用された場合の下限金利のレンジ。
  3. 最下限金利の適用には利用条件による場合があるため、各銀行のHPをご確認ください。
変動金利型住宅ローンのうち、都市銀行の下限金利のレンジは0.345%~0.625%、ネット銀行の下限金利のレンジは0.344%~0.647%となっています。変動金利の基準金利はここ十数年大きく変化していませんでしたが、2024年の日銀のマイナス金利解除政策より各金融機関で基準金利引き上げの動きが見られており、戦略の違いも出てきています。そのため、借入時には金融機関同士の比較が大切です。

固定金利期間選択型の住宅ローンを徹底比較

続いては固定金利期間選択型(10年)住宅ローンの、都市銀行の下限金利のレンジは1.610%~2.150%、ネット銀行の下限金利のレンジは1.553%~2.163%となっています。
【金融機関別 固定金利期間選択型(10年)住宅ローンの下限金利相場】
(単位:年率)
金融機関 下限金利相場(優遇金利適用後)
都市銀行(4社) 1.610%~2.150%
ネット銀行(3社) 1.553%~2.163%
  1. 2025年3月時点、新規借入の場合。
  2. 固定金利期間(10年)選択型住宅ローンの最優遇金利が適用された場合の下限金利相場
  3. 最下限金利の適用には利用条件による場合があるため、各銀行のHPをご確認ください。
固定金利期間選択型(10年)住宅ローンでは、各金融機関で適用金利にかなりばらつきの傾向があります。
また一般的には短い固定金利期間のほうがより金利が低いものですが、金融機関の戦略などにより、たとえば5年固定よりも10年固定の金利を低く提供しているところもあります。これにより各金融機関がどの金利タイプや固定期間に力を入れているのかが見えてきます。

全期間固定金利型の住宅ローンを徹底比較

続いては全期間固定金利型(35年)住宅ローンの、都市銀行の下限金利のレンジは2.170%~2.910%、ネット銀行の下限金利のレンジは1.973%~2.926%となっています。
【金融機関別 全期間固定金利型(35年)住宅ローンの下限金利相場】
(単位:年率)
金融機関 下限金利相場(優遇金利適用後)
都市銀行(4社) 2.170%~2.910%
ネット銀行(3社) 1.973%~2.926%
  1. 2025年3月時点、新規借入の場合。
  2. 全期間固定金利型(35年)住宅ローンの最優遇金利が適用された場合の下限金利相場
  3. 最下限金利の適用には利用条件による場合があるため、各銀行のHPをご確認ください。
全期間固定金利型(35年)住宅ローンも同様に各金融機関でばらつきの傾向があります。数年前までは、比較的ネット銀行が低金利の傾向でしたが、最近では都市銀行も低い金利を扱うようになってきました。

まとめ

これまで、住宅ローンの金利タイプの違いや最近の金利相場について説明してきました。返済が長期にわたる住宅ローンでは、どの金利は選ぶかは総返済額に影響を与える重要な要素になります。

ただし、借入時の金利だけで住宅ローンを選んでしまうのは早計です。
住宅ローン借入時の融資手数料等のコストや、繰り上げ返済や金利タイプ変更等の借入後の手続き方法なども比較検討したうえうで、自分のライフプランにあった住宅ローンを選びましょう。

執筆者:小山英斗

未来が見えるね研究所 代表

CFP®、1級FP技能士(資産設計提案業務)、住宅ローンアドバイザー、住宅建築コーディネーター

※記事内の情報は更新時点のものです。最新情報は別途ホームページ等でご確認ください。

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