個人事業主(自営業)がカードローンを利用するときの注意点とは?
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公開日:2022年9月12日
個人向けのカードローンは一般的に資金使途が自由ですが、個人利用を目的としたローン商品であるため、事業資金に使うことはできません。
そのため事業資金としての借り入れを検討する際は、法人や個人事業主を対象とした事業資金専用のビジネスカードローンの利用を検討しましょう。
この記事では、個人事業主がビジネスカードローンを利用するときの条件や注意点、ビジネスカードローン以外の資金調達法について具体的に解説します。
- 三菱UFJの銀行カードローン「バンクイック」は、事業性資金への利用はできません。
個人事業主がビジネスカードローンを利用するときの条件
カードローンには、個人が利用する一般的なカードローンのほかに、法人や個人事業主を対象とするビジネスカードローンがあります。
一般的な個人向けカードローンは特に使途を指定されていないものの、原則として事業資金には利用できません(三菱UFJ銀行のカードローン「バンクイック」も、個人向けカードローンのため、事業性資金には利用できません)。
一方、ビジネスカードローンは事業資金専用のローン商品です。申し込みができるのは法人や個人事業主のみで、借りたお金は、新規事業立ち上げや設備投資、運転資金など事業に関連する目的に利用できます。ビジネスカードローンを提供しているのは、銀行やクレジットカード会社、消費者金融などの金融機関で、適用される金利や融資の条件、融資限度額は商品によって異なります。
個人向けのカードローンでは利用者の年収の3分の1までしか借りられないルール(総量規制)がありますが、ビジネスカードローンはその対象外で、なかには審査に通れば最大1,000万円まで借りられるビジネスカードローンを提供している金融機関もあります。
ビジネスカードローンは個人向けカードローンと同じく、原則として無担保・無保証人で利用できます。一般的な事業ローンに比べて審査にかかる時間が短く、急な資金需要(設備投資、運転資金、取引先への支払いなど)に対してスピーディーに調達できるのもメリットの1つです。
審査を通過すれば、専用のカードを使って、金融機関のATMで借り入れや返済をすることができるようになります。なお、利用限度額内なら何度でも繰り返して事業資金を借りることができます。
ビジネスカードローン申し込みの条件
このように、とても便利なビジネスカードローンですが、個人事業主なら誰でも利用できるわけではなく、少なくとも次の3つの要件を満たす必要があります。
- 日本国内で事業を営んでいる法人の代表者、または個人事業主であること
- 申込時の年齢が18歳以上、もしくは20歳以上であること(金融機関によって異なる)
- 安定した収入があること
個人事業主がビジネスカードローンの審査に通るための注意点
では個人事業主がビジネスカードローンの審査に通るためには、どのような点に注意すればよいのでしょうか?
ビジネスカードローンは、個人事業主や法人の事業資金として使われることを前提としているため、審査ではその事業の安定性や将来性が重視され、事業の実態が確認できる書類(決算書や確定申告の控え)、事業計画や収支計画がわかる「借入計画書」などの提出が求められます。
また、個人事業主である申込者本人の「収入が安定しているかどうか」も重視され、所得証明書や確定申告書の控えなど、収入を証明する書類の提出も求められます。
必要な書類の種類は金融機関によって異なります。ビジネスカードローンの審査を受ける際には、事前に必要書類を確認し、迅速に提出できるよう準備しておくことが大切です。
個人事業主がビジネスカードローン以外に利用できる資金調達方法
まとまった金額を借りられる、無担保・無保証人で借りられる、利息分を経費に計上できるなど、さまざまなメリットがあるビジネスカードローンですが、デメリットもあります。
その1つが、銀行の事業融資などに比べて金利が高めに設定されていることです。また、必要な資金を全額確保できない可能性もあります。
ビジネスカードローンの利用を検討している個人事業主の方は、ほかにも良い条件で資金調達できる方法はないか調べてみることをおススメします。
ここでは、個人事業主が利用できる資金調達方法をいくつかご紹介しましょう。
日本政策金融公庫の融資
個人事業主や中小企業の経営サポートを目的に設立された政府系の金融機関「日本政策金融公庫」では、銀行やビジネスカードローンよりも低い金利で融資を行っています。
<例>日本政策金融公庫の融資の年利と借入可能額(2022年7月現在)
商品名 | 年利 | 融資限度額 |
---|---|---|
一般貸付・運転(*1) | ~2.9% | 4,800万円 |
新規開業資金・運転(*2) | ~2.8% | 7,200万円 |
地方自治体による融資・補助制度
地域経済の活性化などを目的に、個人事業主への融資制度・補助制度を設けている地方自治体もあります。
自分の住んでいる地域・事業を展開している地域で、利用できる制度がないか自治体のホームページなどで確認してみましょう。
銀行や信用金庫
銀行や信用金庫にも、個人事業主を対象とした融資を行っているところがあります。
まずは、窓口やホームページのお問合せフォームで、個人事業主でも融資が受けられるかどうか、相談してみると良いでしょう。
ファクタリング
ファクタリングとは、未回収の売掛金を現金化できるサービスのことで、一般的には次のような流れで行われます。
- 商品をクライアントに納品
- クライアントへの売掛債権が発生
- 売掛債権をファクタリングサービス業者に売却
- ファクタリングサービス会社から売掛債権額から手数料を差し引いた現金を受け取る
たとえば、クライアントに商品を納品後、請求書を送っても、入金までにはしばらく時間がかかりますが、ファクタリングサービスを使って売掛債権を売却すれば、最短で即日中に現金化することが可能です。
ただし、業者に支払う手数料がかかるので、手元に入る現金は少なくなってしまうことに注意が必要です。
まとめ
法人や個人事業主は、ビジネスカードローンを使って事業資金を調達することができます。
一般的な事業ローンに比べて審査にかかる時間が短く、原則として担保・保証人不要で、スピーディーに資金調達できる点もビジネスカードローンのメリットの1つです。
一方で、一般的な事業融資に比べて金利が高いというデメリットもあります。
利息分の負担を抑えるためにも、ビジネスカードローン以外の資金調達方法も確認し、必要に応じて使い分けるようにしましょう。
- 三菱UFJの銀行カードローン「バンクイック」は、事業性資金への利用はできません。
執筆者:相山 華子(あいやま はなこ)
執筆者保有資格:2級ファイナンシャル・プランニング技能士
※記事内の情報は更新時点のものです。最新情報は別途ホームページ等でご確認ください。
執筆者保有資格:2級ファイナンシャル・プランニング技能士
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- カードローン「バンクイック」の金利は年1.4%~年14.6%、利用限度額は10万円から最高800万円まで。
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