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カードローンの利用履歴は住宅ローンに影響するのか?審査で重視されているポイントを解説!

カードローンの利用履歴は住宅ローンに影響するのか?審査で重視されているポイントを解説!
公開日:2022年6月9日
更新日:2022年12月19日
カードローンを利用していると、住宅ローンの審査で不利になると言われることがあります。しかし、必ずしも不利になるわけではありません。

カードローンを利用していても、きちんと返済し、設定している利用限度額が高額でない場合は、住宅ローンの審査に影響しないこともあります。

住宅ローンの審査でどのような点が重視されているのかを知れば、心配しすぎる必要はないでしょう。適切に対処するためのポイントを解説します。


目次

カードローンと住宅ローンの違い

カードローンと住宅ローンは、個人向けの融資サービスである点は共通していますが、その目的や中身には大きな違いがあります。

たとえば、カードローンは利用目的を問わず、借り入れたお金を原則自由に使えます。

一方、住宅ローンは資金使途が”マイホームの購入”に限定されています。そのほかにも違いがあるため、それぞれの概要を知っておきましょう。

カードローンとは

  • 資金使途は原則自由(事業性資金を除く)
  • 担保なし、保証人なしで借り入れできる
  • 利用限度額の範囲内なら何度でも借り入れできる

カードローンとは、銀行や貸金業者などの金融機関が提供している個人向け融資サービスのことです。

契約をしておくと、銀行やコンビニのATMから借り入れできるほか、自分の銀行口座への振り込みをしてもらうことで借り入れできる金融機関もあります。

利用限度額は審査によって決まり、その範囲内なら何度でも借り入れできます。

事前にカードローンを契約しておけば、急にお金が必要になったときなどに借り入れできる便利なサービスです。

住宅ローンとは

  • 資金使途は主にマイホームの購入・借り換え費用
  • ほかのローンに比べて金利は低め
  • 一般的に返済期間は数十年と長期

住宅ローンとは、主にマイホームを購入するために組むローンのことです。

マイホームは生活の拠点になる住宅のことで、契約者本人や家族が居住するための物件を指します。

人に貸して賃貸収入を得るための物件やセカンドハウスなどには、住宅ローンを利用できません。

住宅ローンは、ほかのローンに比べて金利は低めですが、一般的に返済期間は数十年と長期にわたります。

そのため、ローン審査では、安定的かつ定期的な収入があることや長期的な返済能力が重視されるのが特徴です。

住宅ローンの借入先は銀行の住宅ローンのほか、住宅金融支援機構が民間の金融機関と提携して提供する「フラット35」、財形住宅融資や自治体融資などがあります。

  1. 三菱UFJ銀行では「フラット35」の取り扱いはありません

住宅ローンは商品ごとに金利や内容が異なるため、比較しながら自分に合うローンを選びましょう。

このようにカードローンと住宅ローンは、目的や借り入れの際の条件に大きな違いがあります。改めてカードローンと住宅ローンの特徴を整理しましたので、参考にしてみてください。

カードローン 住宅ローン
  • 資金使途は原則自由(事業性資金を除く)
  • 担保なし、保証人なしで借り入れできる
  • 利用限度額の範囲内なら何度でも借り入れできる
  • 資金使途は主にマイホームの購入・借り換え費用
  • ほかのローンに比べて金利は低め
  • 一般的に返済期間は数十年と長期

カードローンの利用履歴は住宅ローンの審査に影響する?

カードローンの利用履歴は住宅ローンの審査に影響する?

カードローンの利用履歴は住宅ローンの審査に影響することがありますが、必ずしも不利になるとは限りません。

しかし、審査のときに利用履歴はチェックされますので、注意しなければならないことはあります。

カードローンやクレジットカード利用状況も影響する

安定的かつ定期的な収入があること以外に住宅ローンの審査がチェックするのは、カードローンやクレジットカードの利用状況です。

特に注意したいのは次の2点です。

  • 返済遅延(延滞)
  • 利用限度額の大きさ

利用しているだけで審査が不利になるとは限りませんが、返済遅延(延滞)など注意しましょう。

カードローンやクレジットカードの利用状況は、その記録が信用情報として一定期間保管されます。

もし返済の遅れ、つまり延滞があれば、その情報も履歴として残り、住宅ローンの審査で不利になります。

延滞に関する記録は、完済してから5年間は残りますので、住宅ローンの審査で不利にならないために期日までに返済をすることが大切です。

また、カードローンやクレジットカードのキャッシングで、利用限度額を設定している場合は注意が必要です。

実際にお金を借りていなくても、利用限度額があれば、今後借り入れする可能性があると考えられます。

利用限度額が大きいと、住宅ローンの審査に影響することも考えられますので、必要がないクレジットカードやカードローンは利用限度額を設定しない、あるいは住宅ローンの申込前に解約しておくほうが無難でしょう。

住宅ローンの審査で重視されている3つのポイント

  • 借り入れする人の属性
  • 返済比率
  • 信用情報

住宅ローンの審査基準は金融機関によって異なりますが、ある程度共通している部分もあります。

ここでは、一般的に重視されている次の3つのポイントを見ていきましょう。

借り入れする人の属性

属性とは、借り入れする人に関するさまざまな情報のことです。代表的なものには、次のものがあります。

  • 年齢
  • 年収
  • 勤続先
  • 勤続年数

返済能力はこれらの属性から、総合的に判断されます。

たとえば、年齢は住宅ローンの利用条件として定められていることが多いものです。

住宅ローンの完済年齢は80歳までなど、契約内容そのものに関係します。

年収は借入金額に影響しますが、年収が高くても月による変動が大きい方より、年収はそれほど高くなくても毎月、安定的に収入がある方のほうが返済能力は高いと判断されることもあります。

勤務先は安定的と考えられている企業の方が、勤続年数は短いより長いほうが着実な返済を期待できるとみなされる傾向にあります。

返済比率

返済比率とは、年収に占めるローン返済額の割合のことで、以下のように計算できます。

返済比率 = 年間返済額 ÷ 額面年収 × 100

たとえば、年収600万円の人が年間返済額180万円の住宅ローンを返済する場合の返済比率は次のようになります。

180万円(年間返済額)÷ 600万円(額面年収)× 100= 30%(返済比率)

返済比率は25〜35%くらいまでが目安とされていますが、具体的な基準は金融機関や契約者によっても異なります。

信用情報

信用情報とは、カードローンやクレジットカード、割賦販売などの契約に関する情報です。

契約内容、返済履歴、申込履歴などが登録されているこの情報には、住宅ローンの審査を進める際に、金融機関がアクセスできます。

返済や支払いをきちんとしていれば問題ないことが多いですが、延滞や滞納などの記録があれば、審査に影響が出ることもあります。

カードローンの利用者が住宅ローンの審査前にできること

  • カードローンの利用限度額とあわせて返済比率を試算する
  • 借入金額を完済して完済証明書を提示する
  • 使っていないクレジットカードを解約する

カードローンなどの借り入れがあっても、問題なく住宅ローンを利用できるケースはめずらしくありません。

しかし、金融機関からの信用力を少しでも高めて申し込みたいという方は、ここで紹介するポイントを実践してみましょう。

カードローンの利用限度額とあわせて返済比率を試算する

住宅ローンの借入希望額は、ほかの借り入れも考慮して審査されます。

そのため、カードローンなどほかの借り入れがあれば、それもあわせて返済比率を試算してみましょう。

返済比率を試算するときは、借り入れしている残高ではなく、利用限度額を使って計算してください。

金融機関の審査では、残高ではなく利用限度額で計算されるためです。

返済比率が高い場合、カードローンを完済のうえ解約すれば、年間返済額を引き下げることもできます。

借入金額を完済して完済証明書を提示する

完済証明書とは、借金を完済したことを証明する書類のことです。

カードローンの借り入れやクレジットカードのリボ払いを完済しても、完済からすぐに住宅ローンの審査に申し込むと、信用情報にまだ記録が反映されていないことがあります。

その場合は、完済証明書を提示できると良いでしょう。

借金を完済して間もないときは、完済証明書を提示できたほうが審査に通過しやすくなる可能性があります。

また、住宅ローンの融資条件として、完済証明書の提出を求められることがあります。

その場合、完済証明書がなければ融資が実行されませんので、提出期限までに必ず用意しましょう。

使っていないクレジットカードを解約する

利用していないクレジットカードがある方は、住宅ローンの審査を申し込む前に解約を検討するのもよい方法です。

クレジットカードを持っているだけで審査落ちすることはありませんが、キャッシングの利用限度額を設定している場合は要注意と言えるでしょう。

クレジットカードのキャッシングは、借り入れしていなかったとしても、その利用限度額を借入金額とみなして審査されるためです。

問題なく住宅ローンを組めることもありますが、収入や借入希望額によっては審査の通過が難しくなることもあります。

クレジットカードのキャッシングは自動的に付帯していることがあるため、住宅ローンの申込み前は利用限度額の設定を事前に確認しておくと安心です。

それでも住宅ローンの審査に落ちてしまった場合はどうしてる?

ここまで紹介したポイントを実践したにもかかわらず、住宅ローンの審査に落ちてしまったときはどうすればよいのでしょうか。

そのようなときは、費用はかかりますが、信用情報の開示請求を検討してみるのもよいかもしれません。

「そんなことができるの?」と思うかもしれませんが、自分自身の情報なら情報開示請求制度を利用することができます。

信用情報を管理・提供する機関はクレジットカードの発行や住宅ローンの審査をする機関ではありませんが、金融機関は信用情報機関から提供された信用情報を基に独自の審査を行っています。

信用情報が登録されている信用情報機関はCIC、JICC、KSCの3つです。それぞれの開示請求方法を確認していきましょう。

CICが保有する信用情報の開示方法

CICは国内のクレジットカード会社が共同出資してできた会社で、国内の多くのクレジットカード会社や消費者金融業者が加盟しています。

クレジットカードや消費者金融、カードローンに関するものはCICか、この後紹介するJICCに開示請求してみましょう。

開示請求はインターネットまたは郵送で手続きできます。インターネットで開示請求する場合は、ホームページにアクセスし画面の案内に従って手続きしてください。

郵送の場合は、ホームページの「信用情報開示申込書」をダウンロード・印刷し、必要事項を記入したら1,000円分の定額小為替と、本人確認書類を同封して送ります。

すぐに結果が知りたい場合は、インターネットでの開示請求が便利です。

JICCが保有する信用情報の開示方法

日本信用情報機構(JICC)は、消費者金融業者が中心となって設立されました。

JICCへの情報開示請求は、専用アプリまたは郵送で行います。

アプリの場合は、案内に従って手続きしてください。しばらくすると開示結果を受け取れます。

郵送の場合はホームページの「開示申込書作成フォーム」に必要事項を入力・印刷し、1,000円分の定額小為替と、本人確認書類を同封して送ってください。

KSCが保有する信用情報の開示方法

全国銀行個人信用情報センター(KSC)は、銀行や信用金庫、JAなど銀行関係の企業を中心として運営されている組織です。

銀行との取引情報はKSCに情報開示請求しましょう。

KSCもインターネットまたは郵送での情報開示請求が可能です。

請求方法は先のCICやJICCと同様ですが、郵送で情報開示請求する場合の手数料の支払い方法が異なりますので注意してください。

CICやJICCの手数料の支払いは郵便局発行の「定額小為替証書」で行いますが、KSCはコンビニのマルチコピー機などの端末で発行する「本人開示手続き利用券」が必要です。

また、本人開示手続き利用券は1,124円〜1,200円と、コンビニによって金額が異なります。

なお、2022年10月時点では、窓口での請求はいずれの機関も行っていません。

信用情報に問題がないにも関わらず審査落ちした場合は、完済時の年齢や収入に対して希望借入額が大きいことが原因かもしれません。

申込先の金融機関の条件を十分に確認した上で、借入希望額を見直してみるのもひとつの方法です。

カードローンを利用していても住宅ローン審査で心配しすぎる必要はない

住宅ローンの審査では、カードローンの利用履歴が確認されるため、場合によっては審査結果に影響することがあります。

特に注意が必要なのは延滞などです。

延滞などの記録は信用情報に5年間は残りますし、利用限度額が高額に設定されていると、住宅ローン審査で不利になる可能性があります。

しかし、延滞せずにきちんと返済していたり、利用限度額が比較的少額だったりする場合は、住宅ローンの審査で必ずしも不利に働くわけではありませんので、心配し過ぎる必要はないでしょう。

執筆者:國村 功志(くにむら こうじ)
執筆者保有資格:日本ファイナンシャル・プランナーズ協会認定 CFP®認定者、一種外務員資格
※記事内の情報は更新時点のものです。最新情報は別途ホームページ等でご確認ください。
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