安全資産「金」の魅力
目次
金価格が史上最高値更新
2026年、金の価格高騰が連日市場を賑わせています。2025年から2026年にかけて、金価格は歴史的な節目を迎えました。1月には国内外で史上最高値を更新し、国内小売価格は一時1グラムあたり29,000円台を突破しました。2025年初から2026年初までの約1年間で見ると、上昇率は60%を超え、1970年代のオイルショック期以来とも言われる歴史的な伸びを記録しています。世界的な不透明感が強まる中、主要株価指数や債券価格が乱高下する局面でも、金は着実にリターンを積み重ね、他の資産と比べて相対的に底堅いパフォーマンスを示してきました。
【図1】金価格と株価の推移(期間:2025年1月~2025年12月末)
(出所:QUICKのデータを元に三菱UFJ銀行作成)
- 2025年1月初の価格を100として指数化
資産としての「金」の特性
金が「安全資産」と呼ばれ他の金融商品と一線を画す背景には、資産としての「金」の下記のような特性があると考えられます。
(1)そのものに価値がある「現物資産」
金といえば、その希少性の高さから古来より貨幣、宝飾品として世界共通で高い価値が認められてきた貴金属です。数千年の歴史の中で一度も無価値になったことがないことから「究極の安全資産」とも言われています。
(2)信用リスクゼロ
株式や債券には発行体が存在し、企業や国の信用に価値が依存しますが、金には発行体がありません。発行体の破綻によって価値が失われる信用リスク(デフォルトリスク)が存在しない点は大きな特徴です。
(3)値動き特性
金は株式や債券と異なる値動きをする傾向があります。そのためテロや戦争、災害等、世界的なリスク回避局面では資金の逃避先として選好される傾向があります。コロナショックで世界経済が打撃を受けた際も金価格が高騰したことは、記憶に新しいところです。
(4)高いインフレ耐性
物価が上がり、お金の価値(購買力)が下がる局面において、金は実物としての価値が維持されやすいため、中長期的なインフレヘッジ(備え)として機能しやすいと考えられています。
金価格高騰の背景
金は世界情勢を映す鏡とも言われています。足元の金価格高騰は、現在の世界情勢における複数の構造的要因が重なり合った結果と考えられます。
第一に、地政学リスクの常態化と世界的な不確実性の長期化です。ロシアによるウクライナ侵攻の長期化はその象徴的な事例の1つです。緊張が続く中東情勢やベネズエラの空爆など、複数のリスク要因が世界経済に影を落としています。こうしたリスクを回避したい投資家の間ではリスク資産からの逃避先として金の需要が高まっています。
第二に、各国の金融政策と金利動向です。主要国ではインフレ抑制と景気下支えという難しい舵取りが続き、金融政策の先行きは依然不透明です。金は利子や配当を生まないという弱点があります。しかし、実質金利(名目金利-物価上昇率)が低位にとどまる現在の環境下では、無利息という金の弱点が薄れ、相対的に金の投資妙味が増すことになります。米国の将来的な利下げを見越してドル安に対する警戒感が高まっていることも、金への関心を高めています。
第三に、各国の財政拡張や債務膨張に対する警戒感です。コロナ禍以降、米国に代表される主要国では大規模な財政出動が続き、公的債務残高は歴史的な高水準にあります。こうした状況から将来的な通貨価値の下落を懸念する声が高まり、通貨離れ、中でも世界の基軸通貨であるドル離れが生じています。さらに、ウクライナ問題に伴いロシア保有の米国債が凍結されたことも、各国の米ドル資産離れに拍車をかけました。ロシアや中国は米国債の保有残高を減らし、金を積み増しています。各国の中央銀行も近年、従来のドル一極体制への依存を見直し、外貨準備の一部を金に振り向ける動きを見せています。中央銀行による「中長期保有」を前提とした継続的な金の買い入れといった需給面の変化も、金の相場を下支えしています。
このように、単なる短期的な投機ではなく、通貨体制や国際秩序の変化を意識した中長期資金が流入している点が、足元の金市場の特徴といえるでしょう。
【図2】各国中央銀行の金購入量推移
(出所:World Gold Councilのデータを元に三菱UFJ銀行作成)
長期分散投資に金の力を
もっとも、金は「安全資産」であっても、価格が常に安定しているわけではありません。2026年1月末には史上最高値圏から一時的に急落する場面も見られました。米国の次期FRB議長人事を巡る報道をきっかけに、早期の金融引き締め観測が強まり、ドル高が進行したことで金が売られる展開となりました。高値圏での利益確定売りも重なり、短期的な価格調整が生じたのです。「安全資産」と言われる金ですが、価格変動が少ない(下落しない)という意味ではない点は十分に理解しておく必要があります。重要なのは、金を単体での高収益資産と捉えるのではなく、資産全体を守るための分散投資の一環としてポートフォリオに組み入れることです。株式や債券と組み合わせることで、市場全体が不安定化した際のクッション効果が期待できます。
今後を展望すると、金は短期的な価格変動を繰り返しながらも、中長期的には底堅い展開が想定されます。世界的な政治・経済の不透明感がすぐに解消されるとは考えにくく、中央銀行の継続的な買い需要も構造的な支えとなっています。世界のリスク要因を拭いきれない現在、「安全資産」として存在感を増す金を、お客さまのポートフォリオに加えてみてはいかがでしょうか。
- 金は「安全資産」と言われ、リスク回避局面で買われる傾向がある。
- 近年、各国の中央銀行は外貨準備を構成する資産の一つとして金を積極的に購入している。
- 世界的な先行き不透明感により、今後も金価格は堅調に推移する模様。
- 金は短期収益性ではなく、長期分散投資の1つとしてポートフォリオに組み入れるのがお勧め。
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(2026年2月27日現在)