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住宅ローン借り換えのメリット・デメリットとそのタイミングとは?

住宅ローン借り換えのメリット・デメリットとそのタイミングとは?
公開日:2022年4月20日
更新日:2023年1月31日
住宅ローンの借り換えは、返済総額を数百万円単位で減らせる可能性があるなどのメリットがあります。借り換え前後の住宅ローン金利に差があるほど借り換え効果は大きくなりますが、諸費用も必要になるため、タイミングは間違えないようにしましょう。
この記事では住宅ローンの借り換えの基本から解説します。

目次

住宅ローンの借り換えとは?

住宅ローンの借り換えとは、新たな住宅ローンを借り入れ、返済中の住宅ローンを一括返済することです。
借り換えた後は新しい住宅ローンを返済していきますが、多くの場合、金利がより低いローンを選ぶため返済総額を減らせるなどのメリットがあります。住宅ローンを借り換える際は、新規で借りるときと同様に、審査や諸費用が必要な点も押さえておきましょう。

見直しを考えるのはこんなとき

世界でも稀にみる超低金利の日本では、その恩恵を受け、住宅ローンの金利も低金利で続いてきました。
しかし、住宅ローンの金利指標である長期国債の金利は2021年7月頃よりゆるやかに上昇してきており、2022年12月20日についに日銀は長期金利の上限を従来の0.25%から0.5%への引き上げを発表しました。これを受け、住宅ローンの固定金利が変動金利に先んじて上がる可能性があります。また、今後ずっと続いてきたマイナス金利政策が見直されることになった場合、変動金利が今と同じ低金利のまま推移するかどうかは分かりません。
それでは、住宅ローン借り換えのメリットをくわしく見ていきましょう。

住宅ローンの借り換えメリット

住宅ローンを借り換える主なメリットは、以下の3点です。

  • 毎月返済額と返済総額を減らせる
  • 将来の金利上昇リスクにそなえおトクな金利で固定する
  • 新しい保険で保障を手厚くできる

毎月返済額と返済総額を減らせる

住宅ローンの借り換えの最大のメリットは、返済総額を減らせることでしょう。
通常、住宅ローンを借り換えるときは、金利の低いローンに借り換えます。そのため、毎月の返済額や返済総額を減らせるので、家計負担の軽減につながります。
次の3つのケースに当てはまったときは借り換えのメリットが出る可能性がありますので、ご自身のケースで考えてみてください。

  • 現在借り入れている住宅ローンと借り換え先の金利差が年1%以上ある
  • 借入残高が1,000万円以上ある
  • 残りの返済期間が10年以上ある

ただし、借り換えで返済期間を短縮した場合、毎月の返済額が増えることもあるため注意しましょう。

将来の金利上昇リスクにそなえおトクな金利で固定する

住宅ローンを変動金利から固定金利に借り換えることで、金利上昇リスクを回避できるメリットがあります。
通常、変動金利は決められた基準日ごと(毎月または年2回かは金融機関によって異なる)に金利が変動します。変動金利で元利均等返済でお借り入れの場合は、月々の返済金額は5年間変わらないとされていますが、金利が変わる都度、元金と利息の割合が見直されるため、金利が上昇した場合は総返済額が増えることになります。変動金利は日銀の政策金利のうち短期金利に影響を受けるといわれており、市場金利が上昇した場合には将来の返済金額や総返済額が増加する点に注意が必要です。
この金利上昇リスクを避けるために、金利が低いうちに固定金利に借り換えるのも選択肢の1つです。ただし、固定金利は変動金利よりも金利が高いため、通常は返済金額が増加します。
そこで固定金利に借り換えする場合は、5年や10年など当初の一定期間のみ固定される当初固定期間選択型も検討すると良いでしょう。当初固定期間選択型は、全期間固定型よりも低い金利で借り入れできるため、返済金額の増加を抑えられます。
なお、変動金利から固定金利への変更には借り換えは必須ではありません。ただし、現在利用している金融機関で金利タイプ変更するよりも、低い固定金利で借り換えができる場合もあります。まずは、今借りている住宅ローンの内容をよく確認したうえで、借り換えも選択肢として考えてみましょう。

新しい保険で保障を手厚くできる

住宅ローンを借り換えると、新しく加入する団体信用生命保険や特定疾病保障保険によって保障を充実させられる可能性があります。
死亡時と高度障害時には「団体信用生命保険」で保障されますが、ケガや病気が原因で働けなくなったり、職場復帰したものの収入が減少したりすると、住宅ローンの返済が家計の大きな負担になってしまいます。
そのような”もしも”にそなえるのが特定疾病保障保険です。特定疾病保障保険には、がんの診断や所定の3大疾病(がん・脳卒中・急性心筋梗塞)が保険金の対象になるものもあります。3大疾病のほかにも、7大疾病(3大疾病+高血圧症疾患・糖尿病・慢性腎不全・肝硬変)など、対象となる疾病や保障内容等は金融機関によって異なります。
通常、借入後に住宅ローンの団信保険や保障を追加加入することはできませんが、借り換え時に保険を新たに付保することで保障を充実させることができます。借り換えを検討するときは、各金融機関の特定疾病保障保険の内容をチェックしてみると良いでしょう。

住宅ローンの借り換えデメリット(注意点)

住宅ローンの借り換えには以下のデメリットもあります。

  • 借り換えに諸費用がかかる
  • 新たな金融機関への申込時必要書類をそろえる手間がかかる
  • 審査が厳しくなる可能性がある

ひとつずつ見ていきましょう。

借り換えに諸費用がかかる

住宅ローンの借り換えには諸費用がかかるため、それも含めて効果があるか考えなければいけません。
たとえば、次のケースで借り換えした場合を考えてみましょう。
【借り換え前】

ローン残高:2,500万円/金利:年0.75%/残り返済期間:20年/ボーナス払い:なし/元利均等返済

【借り換え後】

借入金額:2,500万円/金利:年0.475%/返済期間:20年/ボーナス払い:なし/元利均等返済

  借り換え前 借り換え後 差額
毎月の返済額 112,206円 109,213円 -2,993円
年間返済額 1,346,472円 1,310,556円 -35,916円
返済総額 26,929,440円 26,211,120円 -718,320円
借り換え後は金利が低くなったので返済総額は少なくなったように見えますが、このシミュレーションでは忘れられていることがあります。
それは、住宅ローン関連の諸費用です。一般的に住宅ローンの借り入れには以下のような諸費用が発生します。
事務手数料 550,000円
印紙税 20,000円
抵当権抹消費用 20,000円
抵当権設定にかかわる登録免許税 100,000円
司法書士報酬 100,000円
  1. 上記はあくまで一例です。諸費用は金融機関によって異なりますので、くわしくは各金融機関にお問い合わせください。
先ほどの条件で借り換えた場合、住宅ローン関連諸費用は790,000円です。概算のため変動の可能性はあるものの、事務手数料などの諸費用を含めると、返済総額は借り換え前と比べて約7万円の費用増になります。
借り換え時には、諸費用を含めてメリットがあるかを判断することが重要です。

借り換えローンの審査のため必要書類をそろえる手間がかかる

いざ住宅ローンを借り換えたいと思っても、新たな住宅ローンの審査のため必要書類をそろえる手間があります。必要書類のうち証明書等は発行から3ヵ月以内などの有効期限がある場合があり、改めて準備する必要性があります。
住宅ローンの新規借入で一度経験していることとはいえ、手間がかかるという点はデメリットといえるかもしれません。

審査が厳しくなる可能性がある

審査については、すでに他行で融資を受けている借り換えのほうが借入人の信用が高く審査が通りやすい傾向にある一方で、下記の2つの要因により、審査が厳しくなることも考えられます。

  • 健康状態の悪化
  • 物件の担保評価の低下

借り換え時は利用者が年齢を重ねているため、健康状態が悪化している可能性があります。
多くの金融機関が団体信用生命保険への加入を条件としているため、加入できない場合には住宅ローンを組めません。その場合は、引受基準を緩和したワイド団信に加入するか、団信が不要なフラット35を検討するという方法があります。
借り換え審査は物件の担保評価の面でも厳しくなります。これは担保評価以上の貸付を行うのは銀行にとってリスクになるためです。
しかし、借り換えの場合は新規での借り入れとは異なる担保評価基準を採用している銀行もあるため、ネガティブになりすぎる必要はないでしょう。

住宅ローンの借り換えのタイミングとは?

住宅ローンの借り換えのタイミングとは?
住宅ローンの借り換えのタイミングは次の3つです。

  • より低い金利に借り換えできるとき
  • 金利タイプを変更したいとき
  • 当初固定金利の優遇期間が終了するとき

それぞれのタイミングで知っておきたいことをくわしく解説します。

より低い金利に借り換えできるとき

先述のとおり、住宅ローンの借り換えは、①借入残高が1,000万円以上ある、②返済期間が10年以上ある、③借り換え後の金利が年1%以上低くなるときに効果が得やすくなります。
しかし、必ずしも3つの条件がそろっていなければならないわけではありません。借り換え金額が多かったり、残りの返済期間が長かったりする場合は、金利差が年1%以下でも十分なメリットが出ることもあります。
そのため、返済中の住宅ローンより低い金利のものに借り換えできるなら、まずはシミュレーションしてみることが大事です。

金利タイプを変更したいとき

住宅ローンの金利タイプを変更したいときも、借り換えを検討するタイミングです。
金利を低くしたいなら固定金利から変動金利、金利変動リスクを抑えたいなら変動金利から固定金利への変更を検討してみましょう。ただし、固定金利から変動金利への借り換えは通常は返済金額を減らせますが、将来の金利上昇で借り換え当初よりも返済金額がふえる可能性もあります。
なお、金利タイプの変更は借り換えしなくても可能ですが、現在利用している金融機関よりもおトクな固定金利でお借り換えすることで、金利タイプ変更するよりも低い固定金利で金利上昇リスクを抑えることができます。
そのため、まずは現在借り入れしている住宅ローンの優遇内容をよく確認したうえで、他の金融機関への借り換えを検討してみると良いかもしれません。

当初固定金利の優遇期間が終了するとき

住宅ローンを当初固定期間選択型で契約している方は、当初の固定金利の優遇期間が終了するタイミングは借り換えの検討にぴったりです。優遇期間の終了後は変動金利に移行するタイプと、もう一度固定金利を継続できるタイプがあります。いずれにしても優遇期間が終了すると借入金利が上昇する可能性があるため、その前に借り換えを検討してみましょう。
低めの固定金利で借り入れを継続したければ、ほかの銀行で当初固定期間選択型に借り換えることも選択肢の1つです。

住宅ローンの借り換えはシミュレーションでチェックしてみよう

住宅ローンの借り換えでどのくらいメリットがあるのかは、実際にシミュレーションしてみなければわかりません。
三菱UFJ銀行では、ホームページからも住宅ローンの借り換えシミュレーションができるようになっています。

住宅ローンの借り換え手続きと注意点

最後に住宅ローンの借り換え手続きとその注意点を確認しておきましょう。

住宅ローンの借り換え手続きの流れ

住宅ローンの借り換えは、以下の流れでの手続きが一般的です。

  1. 事前審査の申し込み
  2. 本審査の申し込み
  3. 借入中の金融機関に全額繰り上げ返済の申し込み
  4. 新しい金融機関と借り換え契約を結ぶ
  5. 融資実行(借入中の住宅ローンを完済)

住宅ローンの借り換えが新規の借入と異なる点は、利用中の住宅ローンを全額一括返済することです。そのため、借り換え先の金融機関と現在返済中の金融機関の両方とのやり取りが必要になります。それ以外は基本的に新規の借入と同様の流れとなり、簡易的な事前審査とより詳細な本審査を経て借り換え契約を結びます。

住宅ローンの借り換えの審査ポイント

住宅ローンの借り換え審査では、年齢や健康状態、収入、仕事内容、物件評価など、さまざまな項目が確認されます。審査で重視されるポイントは銀行により異なる点もありますが、一般的には以下の項目が重視されています。

  • 返済負担率(毎月の返済額/月収)
  • 職種、勤務先、雇用形態
  • 借入比率(借入金額/担保価値)
  • 借入者の社会属性
  • 返済途上での返済能力の変化
  • 預貯金や資産の保有状況
  • 担保となる融資物件の時価

出典:住宅金融支援機構『2021年度住宅ローン貸出動向調査

上記の項目を見る限り、住宅ローン利用者の返済能力が重要視されていることがわかります。住宅ローンは長期に渡って返済するものであるため、無理なく返済を続けられるかが審査上の重要なポイントになっています。

住宅ローンの借り換え審査に必要な書類を確認しよう

住宅ローンの借り換え審査で必要なのは、所得を証明する書類、本人確認書類、物件確認書類ですが、借り換えの場合は利用中の住宅ローン返済予定表や預金通帳も必要です。
たとえば、会社員の方が三菱UFJ銀行で借り換えをする場合に、どのような書類が必要になるのか一例を見てみましょう。
  住宅ローンの借り換え審査に必要な書類
所得確認書類 源泉徴収票、住民税決定通知書、課税証明書など
本人確認書類 印鑑証明書、実印、住民票の写し、運転免許証、パスポート、健康保険証など
物件確認書類 売買契約書、工事請負契約書、重要事項説明書、登記簿謄本、建築確済証など
返済状況確認書類 利用中の住宅ローン返済予定表、預金通帳など
このほかに必要な書類があれば、個別に案内がありますのでそれにしたがって準備しましょう。会社員でも確定申告していれば確定申告書が必要になりますし、ペアローンであれば連帯保証人の収入証明書や印鑑証明書が必要になります。

住宅ローンの借り換えは家計の負担を減らせる

住宅ローンの借り換え金額は数千万円におよぶことが多いため、わずかな金利差で大きな違いがでます。住宅ローンの返済金額は家計に占める割合も高く、上手に借り換えできれば数百万円単位で家計の負担を軽くすることにもつながります。
借り換えを検討するには、低い金利に借り換えるだけでなく、将来の金利上昇リスクにそなえることや、保障を手厚くすることも含めて考えることが大切です。
今後の金利動向が注目される今、気になる方はお早めに検討してみてはいかがでしょうか。

執筆者:國村 功志(くにむら こうじ)

執筆者保有資格:日本ファイナンシャル・プランナーズ協会認定 CFP®認定者、一種外務員資格

※記事内の情報は更新時点のものです。最新情報は別途ホームページ等でご確認ください。
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