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住宅ローン借り換えのメリット・デメリットとそのタイミングとは?

住宅ローン借り換えのメリット・デメリットとそのタイミングとは?
公開日:2022年4月20日
住宅ローンの借り換えは、返済総額を数百万円単位で減らせる可能性があるなどのメリットがあります。
借り換え前後の住宅ローン金利に差があるほど借り換え効果は大きくなりますが、諸費用も必要になるため、タイミングは間違えないようにしましょう。この記事では住宅ローンの借り換えの基本から解説します。

住宅ローンの借り換えとは

住宅ローンの借り換えとは、新たな住宅ローンを借り入れ、返済中の住宅ローンを一括返済することです。借り換えた後は新しい住宅ローンを返済していきますが、多くの場合、金利がより低いローンを選ぶため返済総額を減らせるなどのメリットがあります。
新規で借りるときと同様に、審査や諸費用が必要な点も押さえておきましょう。

住宅ローンの借り換え手続きの流れ

住宅ローンの借り換えは、以下の流れでの手続きが一般的です。
  1. 事前審査の申し込み
  2. 本審査の申し込み
  3. 借入中の金融機関に全額繰上返済の申し込み
  4. 新しい金融機関と借り換え契約を結ぶ
  5. 融資実行(借入中の住宅ローンを完済)
住宅ローンの借り換えが新規の借入と異なる点は、利用中の住宅ローンを全額繰上返済することです。そのため、借り換え先の金融機関と現在返済中の金融機関の両方とのやり取りが必要になります。
しかし、それ以外は基本的に新規の借入と同様の流れとなり、簡易的な事前審査とより詳細な本審査を経て借り換え契約を結びます。

住宅ローンの借り換えの審査ポイント

住宅ローンの借り換え審査では、年齢や健康状態、収入、仕事内容、物件評価など、さまざまな項目が確認されます。審査で重視されるポイントは銀行により異なる点もありますが、一般的には以下の項目が重視されています。
  • 返済負担率(毎月の返済額/月収)
  • 職種、勤務先、雇用形態
  • 借入比率(借入金額/担保価値)
  • 返済途上での返済能力の変化
  • 預貯金や資産の保有状況
  • 担保となる融資物件の時価
上記の項目を見る限り、住宅ローン利用者の返済能力が重要視されているといえるでしょう。
住宅ローンは長期に渡って返済するものであるため、無理なく返済を続けられるかが審査ポイントの1つになっています。

住宅ローンの借り換え審査に必要な書類を確認しよう

住宅ローンの借り換え審査で必要な書類は、所得を証明する書類、本人確認書類、物件確認書類ですが、借り換えの場合は利用中の住宅ローン返済予定表や預金通帳も必要です。
たとえば、会社員の方が三菱UFJ銀行で借り換えをする場合に、どうような書類が必要になるのか一例を見てみましょう。
  住宅ローンの借り換え審査に必要な書類
所得確認書類 源泉徴収票、住民税決定通知書、課税証明書
本人確認書類 印鑑証明書、実印、住民票の写し、運転免許証、パスポート、健康保険証
物件確認書類 売買契約書、重要事項説明書、登記簿謄本
返済状況確認書類 利用中の住宅ローン返済予定表、預金通帳
  1. 三菱UFJ銀行の公式サイトより作成
これ以外にも提出を求められたものは用意する必要があります。会社員でも確定申告をしていれば確定申告書が必要になりますし、ペアローンであれば連帯保証人の収入証明書や印鑑証明書が必要になります。
具体的な必要書類は借り換え審査を申し込んだときに案内されますので、それに沿って準備しましょう。

住宅ローンの借り換えメリット

住宅ローンを借り換える主なメリットとして、以下のことが挙げられます。
  • 毎月返済額と返済総額を減らせる
  • 固定金利への借り換えで金利上昇リスクを回避できる
  • 新しい団体信用生命保険(団信)に加入できる

毎月返済額と返済総額を減らせる

住宅ローンの借り換えの最大のメリットは、返済総額を減らせることでしょう。通常、住宅ローンを借り換えるときは、金利の低いローンに借り換えます。そのため、毎月の返済額や返済総額を減らせ、家計負担の軽減につながります。
ただし、借り換えで返済期間を短縮した場合、毎月の返済額が増えることもあるため注意しましょう。
住宅ローンを借り換えることで、実際にどのくらい返済総額に違いがでるのかシミュレーションしてみます。
  住宅ローンの借り換え例
借り換え前 借り換え後
借入残高 3,000万円 3,000万円
残りの返済期間 20年 20年
金利(年率) 固定1.5% 変動0.475%
毎月返済額 144,764円 131,056円
返済総額 34,743,360円 31,453,440円
  1. 三菱UFJ銀行のシミュレーターより作成、2022年3月1日時点
金利の高い固定金利から金利の低い変動金利に借り換えたことで、毎月返済額は13,708円、返済総額は3,289,920円減らせています。実際には諸費用もかかりますが、それを考慮したとしても借り換えるメリットは大きいといえるでしょう。

固定金利への借り換えで金利上昇リスクを回避できる

住宅ローンを変動金利から固定金利に借り換えることで、金利上昇リスクを回避できるメリットもあります。
通常、変動金利は6ヵ月ごとに金利が変動し、返済金額は5年ごとに見直されます。そのため、金利が将来上昇すると返済金額が増加する可能性があります。この金利上昇リスクを避けるために、金利が低いうちに固定金利に借り換えるのも選択肢の1つです。
ただし、固定金利は変動金利よりも金利が高いため、通常は返済金額が増加します。
そこで固定金利に借り換えをする場合は、5年や10年など当初の一定期間のみ固定される固定金利期間選択型も検討しましょう。固定金利期間選択型は、全期間固定タイプよりも低い金利で借り入れできるため、返済金額の増加を抑えられます。

新しい団体信用生命保険(団信)に加入できる

住宅ローンを借り換えるときに、新しく加入する団体信用生命保険によって保障を充実させられる可能性があります。
一般的な団体信用生命保険は保険料を金融機関が負担し、住宅ローン契約者が死亡や所定の高度障害になったときに、保険金でローン残高を一括返済するものです。
しかし、新しい団体信用生命保険は保障内容が充実する傾向にあります。
たとえば、がんの診断や所定の3大疾病(がん・脳卒中・急性心筋梗塞)が保険金の対象になる団体信用生命保険もあります。ほかにも7大疾病(3大疾病+高血圧症疾患・糖尿病・慢性腎不全・肝硬変)など、金融機関によってはさらに保障を充実させられることもあるため、借り換えを検討するときは疾病保障の充実度もチェックしましょう。
注意点は、団体信用生命保険の保障範囲を拡げる場合、借入金利に0.3%が上乗せになったり、別途保険料の支払いが発生したりする点です。
仮に3,000万円を変動金利0.475%、返済期間20年で借り換えすると、毎月返済額は131,056円ですが、0.3%上乗せになれば毎月返済額は134,978円になります。
この場合は月々およそ3,900円の上乗せになるものの、万が一のときに住宅ローンの負担がなくなることを考えれば、借り換えと同時に団体信用生命保険の内容を見直す価値はあるでしょう。

住宅ローンの借り換えデメリット(注意点)

住宅ローンの借り換えには以下のデメリットもあります。
  • 借り換えに諸費用がかかる
  • 借り換えローンの比較や必要書類をそろえる手間がかかる
  • 思ったほど借り換えの効果が出ない
  • 審査が厳しくなる可能性がある

借り換えに諸費用がかかる

住宅ローンの借り換えには諸費用がかかるため、それも含めて効果があるか考えなければいけません。金融機関により内容は異なりますが、一般的には以下のような諸費用が発生します。
諸費用 金額目安
全額繰上返済手数料 数千円から数万円程度が一般的
事務手数料 33,000円などの定額や借入金額の2.2%などの定率がある
保証料 借入金額や返済年数で異なり、利用しない無料のプランもある
印紙税 借入金額で異なるが、2万円か6万円が一般的。ネット契約は無料
抵当権設定費用 司法書士報酬は10万円程度、登録免許税は借入金額の0.4%
抵当権抹消費用 司法書士報酬は2〜3万円程度、登録免許税は土地・建物1個につき1,000円
  1. 2022年3月1日時点
このほかにも団体信用生命保険料や火災保険料がかかることもあります。前述した3,000万円の借り換えシミュレーションの場合では約88万円が概算諸費用ですが、このケースでは借り換えメリットは十分あります。

借り換えローンの比較や必要書類をそろえる手間がかかる

住宅ローンを借り換えしたいと思っていても、新たな住宅ローンの比較や必要書類をそろえる手間が面倒だと感じる人もいるはずです。
住宅ローンは金利だけでなく諸費用などトータルで検討しなければいけません。ネットでも情報は取れますが、場合によっては複数の銀行に相談しに行くこともあるため、すぐには決められないでしょう。
必要書類も発行から3ヵ月以内などの期限があったり、複数用意しなければいけなかったりします。住宅ローンの新規借入で一度経験していることとはいえ、手間がかかるという点ではデメリットといえます。

思ったほど借り換えの効果が出ない

住宅ローンを借り換えしても、諸費用がかかり思ったほど効果が出ないこともあります。たとえば、以下の条件で借り換えをした場合を見てみましょう。
  住宅ローンの借り換え例
借り換え前 借り換え後
借入残高 3,000万円 3,000万円
残りの返済期間 20年 20年
金利(年率) 0.77% 0.475%
毎月返済額 134,912円 131,056円
返済総額 32,378,880円 31,453,440円
概算諸費用 約88万円
  1. 2022年3月1日時点
諸費用まで含めた返済総額は、借り換え前から45,440円しか減っていません。手間をかけて借り換えをした割には効果があったと感じる人は少ないのではないでしょうか。
住宅ローンの借り換えは、諸費用まで含めて検討するようにしましょう。

審査が厳しくなる可能性がある

住宅ローンの借り換えは、新規の借り入れと比べて審査が厳しくなる可能性があります。その要因として以下の2つが理由に挙げられます。
  • 健康状態の悪化
  • 物件の担保評価の低下
借り換えをするときは契約者が年齢を重ねているため、健康状態が悪化している可能性があります。もし団体信用生命保険に加入できなければ、銀行では住宅ローンを組めません。
その場合は、引受基準を緩和したワイド団信に加入するか、団信が不要なフラット35を検討すると良いでしょう。
借り換え審査は物件の担保評価の面でも厳しくなります。これは担保評価以上の貸付を行うのは銀行にとってリスクになるためです。しかし、借り換えの場合は担保評価の200%まで許容する銀行が多いため、ほかの審査項目でカバーできればネガティブになりすぎる必要はありません。

住宅ローンの借り換えのタイミングとは?

住宅ローンの借り換えのタイミングとは?
住宅ローンの借り換えタイミングは、より低い金利に借り換えできるとき、金利タイプを変更したいとき、当初固定金利の優遇期間が終了するときに検討すると良いでしょう。

(1)より低い金利に借り換えできるとき

住宅ローンの借り換えは、一般的に以下の3つに該当するときに効果が出やすいです。
  • 借入残高が1,000万円以上ある
  • 返済期間が10年以上ある
  • 借り換え後の金利が1%以上低くなる
しかし、上記以外にも借り換え金額が多かったり、残りの返済期間が長かったりする場合は、金利差が1%以下でも十分なメリットが出ることもあります。
そのため、返済中の住宅ローンより低い金利のものに借り換えできるなら、まずはシミュレーションしてみることが大事です。

(2)金利タイプを変更したいとき

住宅ローンの金利タイプを変更したいときも、借り換えを検討するタイミングです。
金利タイプの変更パターンはいくつかありますが、金利を低くしたいなら固定金利から変動金利、金利変動リスクを抑えたいなら変動金利から固定金利や固定金利期間選択型への変更があります。
どの金利タイプに変更するかはニーズにもよりますが、変動金利から固定金利への変更は一般的に返済金額が増えるため気をつけましょう。
固定金利から変動金利に借り換える場合も通常は返済金額を減らせますが、将来の金利上昇で借り換え当初よりも返済金額が増える可能性もあります。金利タイプを変更するときは、自分の希望を満たせるかどうかを考えて検討しましょう。

(3)当初固定金利の優遇期間が終了するとき

住宅ローンを固定金利期間選択型で契約している人は、当初の固定金利の優遇期間が終了するタイミングは借り換えの検討に適しています。
優遇期間の終了後は変動金利に移行するタイプと、もう一度固定金利を継続できるタイプがあります。いずれにしても優遇期間が終了すると借入金利が上昇する可能性があるため、その前に借り換えを検討してみましょう。
低めの固定金利で借り入れを継続したければ、ほかの銀行で固定金利期間選択型に借り換えることも選択肢の1つです。

住宅ローンの借り換えを検討しているならシミュレーションでチェックしてみよう

住宅ローンの借り換えでどのくらいメリットがあるのかは、実際にシミュレーションしてみなければわかりません。
三菱UFJ銀行の場合、ホームページからも住宅ローンの借り換えシミュレーションができるようになっています。

住宅ローンの借り換えは家計の負担を減らせる

住宅ローンの借り換え金額は数千万円におよぶことが多いため、わずかな金利差で大きな違いがでます。住宅ローンの返済金額は家計に占める割合も高く、上手に借り換えできれば数百万円単位で家計の負担を軽くすることにもつながります。
借り換えを検討する基準には、借入残高1,000万円以上、返済期間10年以上、借り換え前と借り換え後の金利差が1%以上あるといった目安はありますが、それ以外でも効果の出るケースもあるため、条件に縛られず検討してみましょう。

執筆者:國村 功志(くにむら こうじ)

執筆者保有資格:日本ファイナンシャル・プランナーズ協会認定 CFP®認定者 、一種外務員資格

※記事内の情報は更新時点のものです。最新情報は別途ホームページ等でご確認ください。

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