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退職や転職で保険はどうなる?手続きは忘れずにやっておこう

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退職や転職で保険はどうなる?手続きは忘れずにやっておこう
2021.1.15
近年、同じ会社で定年まで働き続ける終身雇用という概念そのものが大きく変化しており、キャリアプランを考えて転職をする人が増えてきています。転職をする際には、社会保険や納税に関してさまざまな手続きを行わなければなりません。転職を考えている人は、各手続きの詳細を事前に確認しておくと良いでしょう。

社会保険とは

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(画像提供:mayu/stock.adobe.com)
会社員として働いていると、給与明細を受け取るたびに社会保険料として一定額が差し引かれていることに気がつくでしょう。一方で、社会保険の果たす役割について意識する機会はあまり多くありません。
退職や転職をすると社会保険に関連する書類を何度も目にすることになりますから、その内容を理解しておくことは大切です。
社会保険とは、疾病やケガ、事故や失業など生活上のリスクに対する備えとして、加入者が活用できる公的な保険のことです。会社から給与の支払いを受けている労働者は基本的に社会保険へ加入する必要があります。

社会保険の種類

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(画像提供:崇正 魚谷/stock.adobe.com)
会社員に関わる社会保険には「健康保険」「厚生年金保険」「介護保険」「雇用保険」「労災保険」の5つがあります。まずは順に見ていきましょう。

健康保険

健康保険とは、会社に勤める労働者および被扶養者である家族が病気やケガなどで医療機関を受診した際に、発生した医療費のうち一定の割合を給付する制度です。
健康保険を運営しているのは「協会けんぽ」と「組合健保」の2つで、保険料の支払いは労働者と会社が折半するシステムとなっています。

厚生年金保険

厚生年金保険とは、会社で就業してきた人が65歳以上になったときに、基礎年金である国民年金にプラスして年金が支給される制度のことです。保険加入者は原則として65歳以上になると年金の支給を受けることができます。
また、65歳未満であっても事故などで障害を負ってしまった場合(3級以上の障害状態)や、44年以上の長期加入者には年金が支給されます。
加えて、保険加入者が亡くなった場合にはその家族が遺族年金の給付を受けることが可能です。なお、こちらの保険料も労働者と会社が折半し支払います。

介護保険

介護保険とは、要支援・要介護に認定されるなど介護が必要な人に対して給付を行う制度のことです。社会全体で高齢者を支えるという理念のもとに運営されており、40歳以上になると介護保険への加入が義務付けられています。介護保険料もまた会社と労働者が折半して負担します。
介護保険の給付を受けることができるのは原則として65歳以上の第1号被保険者のみですが、40歳から64歳までの第2号被保険者で特定疾病と診断されている人も受けることができます。

雇用保険

雇用保険とは、労働者が失業して収入がなくなった際に、就職支援を受けたり、再就職までの生活の安定のために失業給付金の支給を受けたりすることができる保険です。
求職者給付、教育訓練給付、就職促進給付、雇用継続給付(高年齢雇用継続給付、育児休業給付、介護休業給付)も雇用保険制度の一部になります。保険料は会社と労働者が負担をしますが、負担の割合は業種によって違います。

労災保険

労災保険とは、仕事を行うことでケガをする、障害を負う、病気になる、死亡するといった場合に給付を行う制度です。労災保険は正社員、パートタイマーなど、雇用形態に関わらず、すべての労働者が加入します。保険料は会社が全額を負担することになります。

退職後の手続きについて

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(画像提供:shironagasukujira/stock.adobe.com)
転職などの理由で退職をすると、健康保険と厚生年金に関する手続きを自分で行う必要が生じます。ただし、退職後の予定に応じて行うべき手続きが異なるので注意しておきましょう。

退職後、間をあけずにすぐ再就職する場合

次の就職先が決まっている場合、新しい会社が社会保険に関する必要な申請は行ってくれるため、自分で手続きを行う必要はほぼありません。ただし、退職した会社で交付されていた健康保険証は使うことができなくなるので退職日に返却しましょう。

再就職までに期間があく場合

退職後しばらく時間があく場合、14日以内に健康保険を「国民健康保険」へ切り替える必要があります。自治体の窓口へ行き、会社で発行された健康保険資格喪失証明書など健康保険の資格喪失日がわかる証明書を提出して手続きを行いましょう。
また、厚生年金から国民年金への切り替えも14日以内に行うことが必要です。同じく自治体の窓口で離職票など退職日を確認できる書類と年金手帳を提示して手続きを行います。

家族の扶養に入る場合

家族の被扶養者になる場合、できるだけ早く健康保険被扶養者(異動)届を家族の勤務する会社へ提出しましょう。年金に関しては、離職票と年金手帳を持って14日以内に自治体の窓口へ行き、国民年金への切り替えをすることが必要です。

転職した年の手続き

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(画像提供:mshin/stock.adobe.com)
転職にともなって手続きが必要となるのは社会保険だけではありません。状況によっては、所得税の確定申告なども自分で行う必要があります。

年末調整

年末調整とは、源泉徴収された所得税の額と、納めるべき税額とが一致していない場合に、余剰額を還付したり、不足額を徴収したりするものです。年末調整は納税に関する大切な手続きなので、転職をした人で退職した年の内に新しい会社に就職した場合は、以前の職場で退職時に発行された源泉徴収票を必ず新しい職場の担当者へ提出しましょう。

確定申告

退職と再就職が同じ年内であれば、先述のように新しい職場で年末調整をしてくれます。もし、退職した年の年末まで再就職ができなかった場合には、その年の収入について本人が確定申告を行います。
退職後に収入がなければ、年間の収入に対して所得税を払いすぎている可能性があるので、税金の還付が受けられる場合もあります。

退職後の税金はどう変わる

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(画像提供:beeboys/stock.adobe.com)
転職や退職によって収入額が大きく変化する場合、納税にどのような影響が及ぶのかを理解しておくのは大切です。

所得税

所得税は前年の1月から12月に得た所得金額によって税額が決まるものです。就業しているかどうかにはあまり関係がありません。新しい職場で年末調整が受けられない場合は、退職時に受け取った源泉徴収票に記載されている金額を参考にしながら確定申告を行いましょう。

退職金

退職金に関しては所得税の課税対象となるものの、退職所得控除を利用することが可能です。ただし、「退職所得の受給に関する申告書」を提出すれば会社が税額を計算して源泉徴収するので、確定申告の必要はありません。
この申告書を提出しないと控除が適用されず一律20.42%の課税となり、精算するためには確定申告が必要となるので注意しましょう。

住民税

退職をすると住民税の天引き(特別徴収)ができなくなるので、後日自治体から届く納付書を使って住民税を支払う必要があります。ただし、退職時に申請をすることで、同じ年分の住民税を一括で納付をすることも可能です。

手続きは忘れずに

退職後、次の会社ですぐに働くことができるのであれば、必要となる手続きは多くありません。そうでない場合は、忘れずに健康保険や失業給付金の手続きなどを行いましょう。
健康保険の切り替えを行っていなかったら、保険証がない状態になるので、病気やケガをしたときに大変です。また、失業給付金の手続きを忘れたら、求職期間中の貴重な収入源を受け取ることができません。速やかに手続きを行ってから、転職活動を行いましょう。

執筆者:株式会社ZUU

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