つみたてNISA(積立NISA)の利回りって?もっと知りたい、お金をふやす力のこと!
- 2022年12月5日
- 2023年12月26日
つみたてNISAを利用し、投資信託を購入する際、「利回り」を確認する人は多いでしょう。利回りはリターンの目安になりますが、具体的にどのような指標か知っておけば、商品選びの際にも役立つでしょう。
利回りを確認するときには注意点もあります。どうしても利回りの高さに目が行きがちになるかもしれませんが、利回りが高ければ良いというわけでもありません。リターンの目安として参考にしつつ、そのほかの要素にも目を向けて商品選びをしましょう。
目次
つみたてNISAとは?
つみたてNISAは、少額投資非課税制度(NISA)の1つで、少額からの積立投資で資産形成を行うことが可能です。概要は以下のとおりとなります。
利用できる人 | 口座開設する年の1月1日時点で20歳(*)以上の人 (*)2023年以降は18歳以上 |
---|---|
非課税になる利益 | 一定の投資信託から得られる売却益・普通分配金 |
口座開設可能数 | 1人1口座まで |
非課税投資枠 | 年間40万円(20年間で最大800万円) |
非課税期間 | 投資した年から最長20年間 |
対象商品 | 一定の基準をクリアした投資信託・ETF(上場投資信託) |
つみたてNISAで投資できる商品には、「長期・積立・分散投資」に適した投資信託が採用されています。それらの投資信託に毎年40万円を上限に積立投資ができ、投資した各年から数えて最長20年間の運用益が非課税になります。
100万円の利益を得た場合なら、通常は税金がかかり、約80万円が手元に残ります。しかし、つみたてNISAは非課税のため、100万円をそのまま受け取れます。
運用益が非課税になれば、同じ利益でもそれだけ手元に多くのお金が残ります。資産形成を行ううえで重要なポイントであるため、つみたてNISAはぜひ利用したい制度です。
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三菱UFJ銀行のNISA・つみたてNISA
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つみたてNISAの利回りとは?
つみたてNISAを利用し、投資信託を購入する際、利回りに注目する人も多いでしょう。利回りは過去に年間平均でどれくらいのリターンがあったかを示す指標ですが、どのように計算されるのでしょうか。
投資信託の利回りとは?
利回りとは、投資金額に対する利益の割合のことです。通常は1年あたりの平均利回りとして、「%」で表示されます。
たとえば、利回り年+5%の場合、投資金額が平均して1年あたり5%ふえたことを意味します。投資信託の利回りを計算する際は、値上がり益と分配金の合計を利益とし、以下の式で求められます。
利益(値上がり益+分配金)÷ 保有年数 ÷ 投資金額 × 100 = 利回り
100万円投資し、5年間で20万円の利益があったとすれば、利回りは+4%です。
20万円 ÷ 5年 ÷ 100万円 × 100 = 4%
投資金額100万円に対して+4%の利回りということは、平均して年間4万円の利益があったことを表しています。
つみたてNISAは長期投資に適している
投資で得た利益をそのまま運用していけば、複利的な効果を期待でき、効率良くお金をふやしていけます。複利とは、預金等から生じた利息を当初の元本に加えることで、利息が利息を生んで雪だるま式に資産がふえていくことです。
つみたてNISAにおいては、投資信託の利益を引き出さずに運用を続けることで複利的な効果を期待できます。特に複利効果が高いといわれるのは、分配金を出さない投資信託です。分配金は運用資産である純資産から支払われるものなので、分配金を出せば、その分だけ運用資産が減ってしまうからです。
その点、つみたてNISAのほとんどの投資信託は、分配金を出しません。絶対に分配金を出さない(無分配)というわけではありませんが、金融庁は長期的な資産形成を促進するために、分配金を抑制する方針の商品を採用しています。
利益を運用資産にとどめておくことになるため、効率よくお金がふえることを期待できます。また、複利的な効果は時間が経つほど高まりますので、長期投資による資産形成にも適しています。
複利について、くわしく知りたい方はこちらをご覧ください。
つみたてNISAの利回りにはどんな傾向がある?
つみたてNISAの利回りは、その投資信託が何を投資対象にしているか、どのような運用をしているかで変わります。
利回りは投資対象で変わる
投資対象にはさまざまな資産があります。参考までに代表的な投資資産の利回りを見てみましょう。
出典:金融庁「様々な資産の年間の値動きの想定」
- 海外株式を例に、32.05%がうまくいった場合の利回り、-17.65%がうまくいかなかった場合の利回り、7.2%(オレンジの点)が平均的な利回り
平均的な利回りは、海外株式は7.2%、国内株式は5.6%、外国債券は2.6%、国内債券は0.7%です。棒グラフは計測期間における最大値と最小値を表しています。
傾向としては債券より株式のほうが期待できる利回りが高い反面、リスク(振れ幅)も大きくなります。
また、株式同士など同じ種類で比べても、国内より海外のほうが、利回りが高くリスクが大きくなる傾向にあります。
ただし、計測期間が違えば利回りも変わります。高い利回りが低くなることもあれば、その逆もあります。あくまでも計測時点における一定期間の利回りとして参考にしましょう。
こうした利回りは個別の投資信託でも確認できます。実際に投資信託を比較検討する際は、同じ期間の利回りを比較すれば、リターンの違いがわかりやすいでしょう。
また、上記の利回りは株式のみなど単一資産のものであるため、複数の資産を組み合わせて運用すれば、利回りやリスクも変わります。そのような複数資産に分散投資する投資信託をバランスファンドと言います。
株式100%より利回りは低くなる傾向にありますが、値動き(リスク)を抑えながら運用できる特徴があります。利回りと一緒に値動きの違いも確認してみてください。
運用方法の違いでも利回りは変わる
利回りは運用方法の違いでも変わります。投資信託の運用方法には、インデックス型とアクティブ型があります。
インデックス型はTOPIXやS&P500といった特定の指数への連動を目指す運用方法です。市場平均とほぼ同じ値動きをする運用ともいえます。対して、アクティブ型は独自の調査や分析で投資対象を選び、市場平均を上回ることを目指す運用方法です。
同じ日本株式に投資をするとしても、インデックス型はTOPIXや日経平均株価などの指数と同様の動きをし、アクティブ型はそれ以上のリターンを目指して運用します。そのため、投資する資産が同じでも利回りに大きな違いが生じる可能性があります。
特にアクティブ型は独自性が強く、一つひとつ商品性が異なります。検討する際は運用方針や過去の実績などをよく確認し、長期的な目線で選ぶようにしましょう。
つみたてNISAの投資信託は利回りが高いほど良いの?
つみたてNISAの投資信託は、利回りが高いほど良いというわけではありません。もちろん商品選びの参考にはなりますが、注意すべきこともあります。
注意点1:利回りは一定期間における過去の実績
利回りは、あくまでも一定期間における過去の実績です。計算期間が変われば、利回りも全く違う数値になります。
特に過去1年など期間の短い利回りほど、結果が変わりやすくなります。なぜなら年によって値上がりすることもあれば、値下がりすることもあり、その振れ幅も年ごとに異なるからです。反対に利回りの計算期間が長くなるほど、1年あたりのリターンが平均化されていきます。
その結果、振れ幅が少なくなり、利回りも安定する傾向にあります。このことから、利回りはなるべく長い期間で確認するほうが良いでしょう。それが将来も続くとは限りませんが、過去に投資していた場合の平均的な利回りとして参考になります。
注意点2:手数料も考慮して選ぶ
利回りだけでなく、手数料も考慮しましょう。つみたてNISAでは購入時手数料がかかりませんので、主に運用管理費用を確認します。
運用管理費用は、投資信託の管理・運用に必要な費用のことです。投資信託を保有している間に発生しますが、別途支払うものではありません。商品ごとに「純資産総額に対して◯%」と決められており、日割りで毎日少しずつ差し引かれるものです。
運用管理費用は信託財産から引かれるため、収益を押し下げる要因になります。たとえば、年3%の収益を期待できる商品でも、運用管理費用が年0.5%あれば、実質的には利回り2.5%です。
運用管理費用は商品によって異なり、インデックスファンドの場合は抑えられている商品が多いです。一方、アクティブファンドの場合は、独自の投資によって市場平均を上回ることを目指す運用をするため、必然的に運用管理費用は高くなります。
しかし、高い利回りを得られるなら、多少コストが高くてもリターンでカバーできる可能性があります。そのため、過去の実績や運用方針、運用管理費用などから総合的な判断をして購入することが大切です。
つみたてNISAの手数料について、くわしく知りたい方はこちらをご覧ください。
注意点3:投資対象が偏る可能性がある
利回りだけで商品を選ぶと、投資対象の資産が偏る可能性があります。基本的に、利回りは株式の比率が高いほど高くなり、債券の比率が高いほど低くなりやすいためです。このため、利回りの高さを重視すれば、投資対象が株式に偏りやすくなります。
しかし、株式に偏ることが悪いわけではありません。値動きの大きさを許容して長期投資をすれば、債券よりも高いリターンを望めます。つみたてNISAでも長期的な資産形成効果が期待され、株式のみの投資信託も多数採用されています。
ただし、値動きを抑えて運用したい場合は、バランスファンドを通じて分散投資することも検討してみましょう。バランスファンドは株式や債券など複数の資産で運用されており、株式のみと比べて値動きがマイルドになる効果があります。その分、利回りも下がる傾向にありますが、リスクを抑えて運用したい人には向いているでしょう。
まとめ
利回りは、投資金額に対する1年あたりの利益の割合のことです。利回りを確認すれば、平均して毎年どのくらいの利益を得られたのかがわかります。利回りは投資対象や運用方法でも変わるため単純比較はできませんが、一定期間でどのくらいの利回りがあったのか参考になります。
しかし、利回りはあくまでも過去の実績です。それも一定期間における実績であるため、計算期間が変われば数値は変わりますし、将来を保証するものでもありません。
利回り以外にも手数料やリスクの度合いなど、目を向ける要素はほかにもありますので、判断材料の一つとしてチェックするようにしましょう。
執筆者:國村 功志(くにむら こうじ)
執筆者保有資格:日本ファイナンシャル・プランナーズ協会認定 CFP®認定者、一種外務員資格
執筆者保有資格:日本ファイナンシャル・プランナーズ協会認定 CFP®認定者、一種外務員資格
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- NISA制度では、年間の非課税投資枠(つみたて投資枠は年間120万円、成長投資枠は年間240万円)と非課税保有限度額(総枠)(つみたて投資枠・成長投資枠あわせて1,800万円、うち成長投資枠1,200万円)の範囲内で購入した上場株式等の商品から生じる配当所得および譲渡所得等が非課税となります。
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(2023年12月26日現在)