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【iDeCo検討者向け】iDeCo(イデコ)と企業型DCの違いとは?会社員が始めるメリットや年末調整手続きについても解説

【iDeCo検討者向け】iDeCo(イデコ)と企業型DCの違いとは?会社員が始めるメリットや年末調整手続きについても解説
公開日:2022年7月8日
iDeCo(個人型確定拠出年金)とは、公的年金で不足する老後資金を自分で積み立てるために任意で加入する私的年金制度です。

iDeCo(個人型確定拠出年金)は、これまでも会社員の加入が認められていますが、企業型確定拠出年金(以下、企業型DC)に加入している会社員は加入に際し、条件がありました。しかし、2022年10月の法改正に伴い、会社員であれば原則誰でもiDeCoに加入できるようになります。

法改正に向けて、あらためてiDeCoと企業型DCの違いと、会社員がiDeCoを始めるメリット・デメリット、掛金の年末調整の手続きについて解説します。

iDeCoに加入できる会社員の条件とは?

iDeCoに加入できる会社員の条件は、現行では3つのパターンに限られています。しかし、冒頭でも述べたとおり、2022年10月からは法改正に伴い、企業型DC加入の会社員も企業型DC規約の定めの有無によらず、国民年金被保険者であれば、原則誰でも加入できるようになります。

加入をあきらめていた方も、あらためてiDeCoの特徴を理解して、加入を検討してみましょう。

iDeCoに加入できる会社員は3パターン

iDeCoに加入できる会社員は、「企業年金のない会社員」「企業型DC以外の企業年金に加入している会社員」「企業型DCに加入している一部の会社員」です。企業型DC(企業型確定拠出年金)とは、勤務先の会社が掛金を拠出し、従業員自身が運用商品の選択・運用を行う企業年金制度のことです。

以下では3パターンについて、くわしく解説します。

パターン1:企業年金のない会社員

勤務先に企業年金制度がない会社員のパターンです。会社に企業年金制度がない場合、会社員のなかでは最も多い月額23,000円(年額276,000円)まで掛金を拠出できます。

パターン2:企業型DC以外の企業年金に加入している会社員

確定給付型の企業年金(DB)に加入している会社員もiDeCoに加入できます。その場合、掛金の拠出の上限は月額12,000円(年額144,000円)です。

ただし、確定給付型年金に加え、企業型DCも加入している会社員は、企業型DCの規約でiDeCoの加入が認められている場合のみ加入が可能です(2022年10月からは規約の定めが不要となり、原則加入可能になります)。

パターン3:企業型DCに加入している一部の会社員

企業型DCに加入する会社員は、以下2つの条件を満たす場合のみiDeCoに加入できます。

  • 企業型DCの規約でiDeCoへの加入が認められている場合
  • マッチング拠出(*)を行っていない

このケースでは、月額20,000円(年額240,000円)まで掛金を拠出できます。

  • マッチング拠出とは、企業型DCにおいて、会社が掛金を上限まで拠出していない場合に、加入者自身が掛金を拠出することができる制度で、加入者の掛金は会社負担の掛金と同額が上限です。

(改正後)マッチング拠出か、企業型DCとiDeCoの同時加入の比較

これまでは企業型DCを導入している会社で、企業型DCの規約でiDeCoへの加入が認められていない会社員とマッチング拠出を行っている会社員は、iDeCoへの加入ができませんでした。2022年10月からは、企業型DCを導入している会社のすべての会社員が加入できるようになりますが、マッチング拠出かiDeCoのどちらか一方しか選択できません。

会社の掛金が低くマッチング拠出できる額が低い人は、より税制メリットを高めるには、iDeCoを選択したほうが良いでしょう。どちらを選択するかは、下図を参考にしてください。

企業型DC加入者のマッチング拠出とiDeCo加入の選択

iDeCoと企業型DCの違い

iDeCoと企業型DCでは、「自分で積み立てる老後資金」なのか「福利厚生の一環」なのかという点で大きな違いがあります。iDeCoの掛金は「加入者自身が拠出」しますが、企業型DCでは「企業が拠出」します。

また、iDeCoは国民年金加入者であれば誰でも加入できますが、企業型DCは勤務先の企業が導入していない限り加入できません。iDeCo(個人型確定拠出年金)と企業が導入している企業型DCについて、くわしく解説します。

個人が加入するiDeCo(個人型確定拠出年金)

iDeCoは、自分で掛金を拠出して自分で運用し、運用した資金を60歳~75歳までの間に受け取る私的年金制度です。公的年金にプラスできる私的年金制度のため、加入は任意です。iDeCoの大きな特長は、以下の3つの税優遇制度が受けられることです。

  • 積立額が全額所得控除
  • 運用益は非課税
  • 受取時に一定額が非課税

2022年5月には、iDeCoに加入できる年齢が、60歳未満から65歳未満に引き上げられるだけではなく、これまでは加入できなかった海外居住者も加入できるようになり、iDeCo加入への間口がさらに広くなりました。

企業が導入している企業型DC(企業型確定拠出年金)

企業型DCとは、会社が社員のために掛金を毎月積み立ててくれます。運用は、従業員(加入者)自身が行います。受取時期は、原則60歳以降でiDeCoと同じです。

企業型DCの加入には2通りあり、従業員は強制加入になる場合と、加入するかしないかを従業員自身が選択できる場合があります。また、掛金の上限額は以下のように決まっており、上限額を超えて掛金を出すことはできません。

  • ほかの企業年金がある場合:月額27,500円
  • ほかの企業年金がない場合:月額55,000円

さらに、企業の掛金に、従業員が掛金を上乗せする「マッチング拠出」という制度もあります。

iDeCoと企業型DCの比較

先に述べた、iDeCoと企業型DCについて比較表にしました。

■iDeCoと企業型DCの比較

  iDeCo 企業型DC
加入対象者
  • 60歳未満の自営業者・専業主婦(夫)
  • 65歳未満の会社員・公務員
  • 国民年金に任意加入している方(60歳から65歳)
  • 国民年金に任意加入している海外居住の方
原則70歳未満の会社員(役員を含む)
  • 加入している企業により加入可能年齢が異なる
掛金の限度額 自営業者:月額68,000円
企業年金のない会社員:月額23,000円
企業型DCに加入の会社員:月額20,000円
(iDeCo加入が年金規約に定められている場合)
企業型DC以外の企業年金加入の会社員:月額12,000円
公務員:月額12,000円
専業主婦(夫):月額23,000円
国民年金任意加入者:月額68,000円
月額55,000円
  • 確定拠出年金以外の企業年金がある場合、月額27,500円
    iDeCoの同時加入が認められている場合、月額35,000円
積立期間 原則65歳まで積立可能 原則70歳まで積立可能
  • 企業の取り扱いにより異なる
税優遇 全額所得控除
掛金と社会保険料の関係 加入者個人が拠出 福利厚生として会社が拠出
社会保険料の算定基礎の対象外
  • マッチング拠出は、加入者個人が給与の中から拠出
運用商品 金融機関等が選定している運用商品から選ぶ 会社の委託を受けた金融機関が選定した運用商品から選ぶ
口座管理費用 個人負担 会社負担
掛金の納付方法 給与天引きの上、会社の口座から口座振替する事業主払込と、個人口座から口座振替する個人払込から選択し納付 会社が口座振込や口座振替により納付
受取方法 一時金受取または年金受取
加入手続き 自分で金融機関を選んで加入申し込み 会社の委託を受けた運営管理機関で申し込み

会社員がiDeCoに加入するメリット・デメリット

会社員がiDeCoに加入するメリット・デメリット

会社員がiDeCoに加入するメリットとデメリットを解説します。

メリット

会社員がiDeCoに加入したときのメリットは、主に以下の4つになります。

  • 掛金が所得控除になる
  • 運用益が非課税になる
  • 受け取った年金が一定条件で非課税になる
  • 転職してもiDeCoの資産を引き継げる(所定の手続きが必要)

会社員にとって、掛金が全額所得控除になる点は見逃せません。iDeCoは老後のための資金というイメージがありますが、税制メリットは現役時代だからこそ効果があります。

デメリット

会社員がiDeCoに加入するデメリットは、転職先の企業年金の有無などにより、掛金の上限が変わる可能性があるという点です。掛金の上限が変わることで、運用商品を毎月同額で計画的に積み立てることが難しくなります。

また、2024年12月には、確定給付型の他年金に加入している場合に、iDeCoの掛金額が変わります。実際に拠出できるiDeCoの掛金額は、企業型DCの企業の掛金額と確定給付型ごとの他制度掛金相当額で決まります。

既にiDeCoに加入されている方でも、企業型DCの事業主掛金額と他制度掛金相当額によってはiDeCoの掛金の最低額(月額5,000円)を下回り、掛金を拠出できなくなる可能性があるので、注意が必要です。

こちらの記事もあわせてご覧ください。

iDeCoに加入している会社員は年末調整をしましょう!

iDeCoの掛金は、所得控除の一種である「小規模企業共済等掛金控除」の対象です。会社員は年末調整または確定申告で、その年に支払った掛金の申告が必要となります。

以下では、年末調整の手続き、所得税と住民税の還付の仕組みや時期について解説します。

会社員が所得控除を受けるには年末調整が必要

iDeCoには、NISAやつみたてNISAにはない所得控除という大きなメリットがあるので、忘れずに年末調整・確定申告をして税優遇を受けましょう。

年末調整、確定申告で所得控除をすることで、税額を計算する基準となる課税所得が低くなり、納付する所得税を抑えることができる仕組みです。申告しなければ、所得控除による所得税および住民税の減税が受けられません。

iDeCoの所得控除の効果は、所得税や住民税の軽減だけではありません。そのほかに所得が下がるというメリットがあります。所得を算定基準にして金額を決めている、保育料や児童手当、就学援助費、給付奨学金、ひとり親の児童扶養手当、公営住宅の家賃などの金額に影響します。

年末調整の手続き

年末調整の手順と書類の書き方は、以下のとおりです。

  1. 国民年金基金連合会から届くハガキ「小規模企業共済等掛金振込証明書」を準備
  2. 年末調整の書類に掛金合計を記入する
  3. 年末調整書類とハガキを会社に提出する

年末調整で申告し忘れてしまった場合は、確定申告します。

iDeCoの年末調整について、こちらの記事でくわしく解説しています。

所得税や住民税はいつどのように還付されるのか

所得税

還付金の受け取り方も勤め先によって異なり、手渡し、手数料と手間を減らすために給与と一緒に振り込み、別で振り込みなどさまざまです。

住民税

住民税に還付はなく、所得控除した分は翌年6月以降の住民税に軽減されたことで反映されます。年末調整をした人は、5月~6月頃に職場を通じて「住民税決定通知書」が届くので、チェックしましょう。

まとめ

2022年からiDeCoの法改正が予定され、会社員にとってますます使い勝手がよくなります。勤務先が企業型DCを導入している会社員は、これまでの企業型DCに加えて、iDeCoでも資産形成が行えます。

iDeCoの対象運用商品は、運営する金融機関によって様々です。より自分に合った商品の選択や資産配分が行えるよう金融機関を比較してみても良いでしょう。また、企業型DCでマッチング拠出を行なっていた会社員は、iDeCoを選択することで、これまでよりも掛金の上限を増やせるケースがあります。

人生100年時代、豊かな老後を送るために、iDeCoを活用して準備していきましょう。

執筆者:井上 美鈴(いのうえ みすず)

執筆者保有資格:日本ファイナンシャル・プランナーズ協会認定 AFP認定者、一種外務員

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ご注意事項

iDeCoをお申し込みいただく前に、下記についてご確認ください。

  1. 原則、60歳まで引き出し(中途解約)ができません
    脱退一時金を受け取れるのは一定の要件を満たす方に限られます。
  2. ご本人の判断で商品を選択し運用する自己責任の年金制度です
    • 確定拠出年金制度では、ご加入されるご本人が自らのご判断で、商品を選択し運用を行いますので、運用結果によっては受取額が掛金総額を下回ることがあります。
    • 当行から特定の運用商品の推奨はできません。
  3. 運用商品の主なリスクについて
    • 預金は元本確保型の確定利回り商品です。預金は預金保険制度の対象となります。
    • 当行のiDeCoで取り扱う保険は元本確保型商品です。ただし、運用商品を変更する目的で積立金を取り崩す場合は、市中金利と残存年数等に応じて解約控除が適用されるため、結果として受取金額が元本を下回る場合があります。
    • 投資信託は価格変動商品です。預金ではなく、預金保険制度の対象ではありません。運用実績は市場環境等により変動し、元本保証はありません。また、当行でお取り扱いする投資信託は、投資者保護基金の対象ではありません。
    • 預金、保険および投資信託は異なる商品であり、それぞれリスクの種類や大きさは異なります。
  4. 初回手続き時、運用時、給付時等で、各種手数料がかかります
    • iDeCoには、初回手続き手数料・毎月の事務手数料・資産管理手数料・運営管理機関手数料・給付事務手数料等がかかります。
    • 手数料は、加入者となられる方は毎月の掛金から、運用指図者となられる方は積立金から控除されます。年金でお受け取りになられる方は給付額から控除されます。
  5. 60歳になっても受け取れない場合があります
    • 50歳以上60歳未満で加入した場合等、通算加入者等期間(*)が10年に満たない場合は、受給可能年齢が引き上げられます。
    • 60歳以上で新規加入した場合、加入から5年経過後に受給可能となります。
      • 通算加入者等期間は、iDeCoおよび企業型DCにおける加入者・運用指図者の期間の合算となります。
株式会社 三菱UFJ銀行
(2022年7月8日現在)