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iDeCo(イデコ)の掛金の上限額はいくら?変更は可能?目安や納付方法を解説!

iDeCo(イデコ)の掛金の上限額はいくら?変更は可能?目安や納付方法を解説!
公開日:2022年5月16日
iDeCoは任意で加入できる私的年金制度で、税負担の軽減や、運用益が非課税になる税制メリットもあります。2022年10月からは企業年金に加入する方もiDeCoに加入しやすくなり、資産形成の可能性が広がります。しかし、掛金の限度額は職業などで異なり、法改正で今後変更になる部分もあるため、確認しておきましょう。

iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)とは

iDeCo(イデコ)は任意で加入できる私的年金制度

iDeCoは「個人型確定拠出年金」とも呼ばれ、任意で加入できる私的年金制度です。お金を積み立て(拠出し)、自分で運用商品を選ぶことで、掛金とその運用益の合計額(老齢給付金)を原則60歳以降に受け取れます。
運用商品のラインアップは金融機関によって異なりますが、元本確保型の定期預金や保険商品のほか、株式や債券などで運用する投資信託(*)があります。また、老後に向けた資産形成が出来るだけではなく、iDeCoは税制優遇メリットのある制度でもあります。
  • 投資信託は運用成果によって元本の変動はあるものの、老後を見据えて長期運用することで、運用益が期待できる商品です。

iDeCo(イデコ)の3つの税制優遇メリット

iDeCoには、3つの税制優遇メリットがあります。
  • 掛金の全額所得控除により所得税と住民税が軽減される
  • 運用益が全額非課税になる
  • 将来受け取るときも各種控除が適用される

メリット1.掛金の全額所得控除により所得税と住民税が軽減される

iDeCoの掛金は、その全額を所得から控除でき、所得税と住民税を軽減できるメリットがあります。所得税と住民税は、1年間の所得に対してかかる税金です。税額は、所得から社会保険料控除や医療費控除など、各種控除を行ったあとの課税所得に応じて決まります。
iDeCoの掛金は、全額を所得から控除できますので、課税所得がその分減り、所得税と住民税が軽減される仕組みです。実際に軽減される税額は、その方の税率と掛金によって異なります。
住民税率は一律10%で計算されますが、所得税率は課税所得に応じて決まります。たとえば、所得税率20%の方が年間240,000円の掛金を拠出する場合、住民税率10%とあわせ、掛金の30%分である72,000円もの税金が軽減されます。
iDeCoで所得税と住民税が軽減されることによって、住宅ローン控除などで差し引ける税額に影響することもありますが、基本的には税制優遇メリットの高い制度です。

メリット2.運用益が全額非課税になる

金融商品を運用して利益を得た場合、通常、利益に対して20.315%の税金がかかります。しかし、iDeCoでは運用益が全額非課税になり、運用で得た利益はそのまま元本に再投資されます。そのため、同じ運用をしても利益から税金が引かれない分、運用資産の増幅が期待できます。
仮に毎月20,000円を拠出し、年率1%で25年間運用した場合(*)、運用益は809,379円になります。本来ならここから20.315%が課税され、162,760円の税金が引かれますが、iDeCoでの運用は利益をそのまま受け取れるため、手元に運用益を多く残せることがメリットです。
(*)参考:株式会社NTTデータ・エービック『iDeCoシミュレーション』より

メリット3.将来受け取るときも各種控除が適用される

iDeCoの運用資産を受け取るときは、年金か一時金(金融機関によっては併用)で受け取り、一定額まで税金がかかりません。年金で受け取るときは「公的年金等控除」、一時金で受け取るときは「退職所得控除」が適用され、税負担を軽くして運用資産を受け取れる仕組みです。
公的年金等控除は所得や年齢で控除額が異なりますが、公的年金等以外の合計所得金額が1,000万円以下の場合、65歳未満の方は年間60万円まで、65歳以上の方は年間110万円まで、公的年金などとiDeCoの年金をあわせた収入が非課税で受け取れます(2022年3月4日時点)。
退職所得控除については、iDeCoの積立期間を勤続年数とみなし、以下のとおり控除額が決まります。
勤続年数(積み立て期間) 退職所得控除額
20年以下 40万円 × 勤続年数(最低控除額は80万円)
20年超 800万円 + 70万円 ×(勤続年数 − 20年)
参考:国税庁『退職金と税
iDeCoには、年金でも一時金でも税負担を抑えて老後資産を受け取れるメリットがあります。

2022年法改正によるiDeCo(イデコ)の変更点

法改正により、iDeCoは2022年に段階的に制度が拡充されていくため、変更点を確認しておきましょう。

【4月~】受け取り開始年齢が75歳まで拡大

iDeCoの受け取り開始年齢は、60歳から70歳の間で選択できましたが、2022年4月からは60歳から75歳に拡大されています。受け取り開始年齢が5年拡大したことで、非課税で運用できる期間が延びるため、将来の受取額を増やせる可能性があります。
しかし、運用期間中は所定の手数料が差し引かれ、iDeCoで投資信託を運用している場合、必ず資産が増えるわけではありません。遅くとも75歳には受け取りが必要なため、リスクの取り過ぎには注意しましょう。

【5月~】加入できる年齢が65歳未満まで拡大

iDeCoに加入できる年齢は、もともと60歳まででしたが、2022年5月からは国民年金に加入していれば、原則65歳未満まで加入できるようになりました(iDeCoの老齢給付金を受給した方、公的年金を65歳前に繰り上げ受給した方は除く)。
主な対象者は、会社員や公務員として働く65歳未満の第2号被保険者です。自営業者や専業主婦(夫)など(第1・3号被保険者)は60歳になると、原則は国民年金被保険者ではなくなるため、iDeCoには加入できません。しかし、国民年金に任意加入する方なら、第1・3号被保険者の方でも65歳未満までiDeCoに加入できます。
任意加入とは、受給資格を満たしていない場合や、納付済期間が足りず満額受給できない場合、60歳以降も国民年金に加入できる仕組みです。iDeCoに60歳以降も加入できれば、年金資産を増やせる機会が広がりますので、対象になる方は検討してみましょう。

【10月~】企業型DC(企業型確定拠出年金)とiDeCo(イデコ)の併用要件緩和

2022年10月からは、会社で加入する企業型DCとiDeCoの併用要件が緩和されます。これまでは、労使合意に基づく規約の変更がなければ、企業型DCとiDeCoの併用はできませんでした。しかし、10月からは本人の意思のみでiDeCoに加入できるようになります。
例外として、企業型DCで自身が掛金を上乗せするマッチング拠出を利用する方や、企業型DCの事業主掛金とiDeCoの掛金が毎月の拠出限度額内での各月拠出になっていない方は、iDeCoに加入できません。それ以外の方はiDeCoを利用しやすくなります。iDeCoの掛金は全額所得控除できるため、税負担の軽減も可能です。
ただし、併用におけるiDeCoの拠出額は、月額20,000円(確定給付型にも加入している場合は12,000円)が上限になります。確定給付型にも加入しているか否かは企業によって異なるので、分からない場合は勤務先に確認をしてみましょう。
iDeCoの掛金 企業型DCのみに加入 企業型DCと確定給付型に加入
拠出限度額 月額20,000円 月額12,000円
拠出可能額 月額55,000円 − 各月の企業型DCの事業主掛金額 月額27,500円 − 各月の企業型DCの事業主掛金額
iDeCoについてもっとくわしく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

iDeCo(イデコ)の加入資格と掛金の上限について

iDeCoは条件に該当すれば誰でも利用できますが、掛金の上限額は加入資格によって異なります。加入資格は職業などで決まるため、ご自身がどれにあてはまるのか確認しましょう。

iDeCo(イデコ)の掛金上限は加入資格によって異なる

加入資格 拠出限度額
自営業者、学生等
(第1号被保険者)(*1)
月額68,000円
(年額816,000円)
会社員等
(第2号被保険者)
企業年金なし 月額23,000円
(年額276,000円)
企業型DCのみ加入 月額20,000円
(年額240,000円)
企業型DCと確定給付型に加入 月額12,000円
(年額144,000円)
確定給付型のみ加入
公務員
(第2号被保険者)
専業主婦(夫)等
(第3号被保険者)
月額23,000円
(年額276,000円)
参考:iDeCo公式サイト『iDeCo(イデコ)の仕組み
(*1)第1号被保険者は国民年金基金または国民年金付加保険料との合算枠
iDeCoの加入資格は、職業などにより第1号から第3号被保険者に区分されます。第2号被保険者は厚生年金に加入する会社員と公務員、第3号被保険者は第2号被保険者に扶養される厚生年金に加入していない配偶者、第1号被保険者はそれ以外の方という区分で、それぞれ拠出限度額が異なります。しかし、第2号被保険者は、拠出限度額が以下のとおり段階的に統一されていきます。
第2号被保険者 iDeCoの拠出限度額
2022年10月以降 2024年12月以降
企業型DCのみ加入 月額20,000円
(月額55,000円 − 各月の企業型DCの事業主掛金額)
月額20,000円
(月額55,000円 − 各月の企業型DCの事業主掛金額 + 確定給付型の掛金相当額)
企業型DCと確定給付型に加入 月額12,000円
(月額27,500円 − 各月の企業型DCの事業主掛金額)
確定給付型のみ加入
(公務員含む)
月額12,000円
これによってiDeCoの拠出可能額が減ったり、最低掛金額(5,000円)を下回ることで拠出できなくなったりすることがあるため、注意しましょう。

掛金の目安は?平均拠出額はおよそ月額16,000円

iDeCoの掛金は、最低5,000円から加入資格に応じた拠出限度額まで、1,000円単位で自由に設定できます。長期で加入する制度のため、掛金は無理のない金額を設定することが大切ですが、平均拠出額も参考にしながら掛金を検討してみてください。
加入資格 月額の平均拠出額
第1号被保険者 28,482円
第2号被保険者 14,364円
分類 企業年金なし 16,567円
企業年金あり 10,886円
公務員 10.987円
第3号被保険者 15,301円
全体 16,010円
平均の掛金額は拠出限度額も関係しているでしょうが、年金制度の手厚い第2号被保険者は少なく、国民年金のみの第1号被保険者は多めに拠出する傾向にあると考えられます。全体の平均は約16,000円です。これはあくまでも平均のため、実際にはご自身の状況にあわせて掛金を設定しましょう。

iDeCo(イデコ)掛金の変更は可能?

iDeCoの掛金額は変更可能です。変更回数や期間に制限があり、手続き完了まで1〜2ヵ月程度かかるため、変更したい場合は早めに手続きしましょう。

iDeCo(イデコ)の掛金は年1回変更できる

iDeCoの掛金額は年1回のみ変更可能です。変更できる期間は、毎年12月~翌年11月(実際の引き落とし月は1月~12月)の間ですが、被保険者種別を変更するときの掛金額は、変更回数に含まれません。
変更したい場合は金融機関に「加入者掛金額変更届」を提出する必要があり、手続き完了まで1〜2ヵ月程度かかります。ただし、変更できる範囲は、最低5,000円から被保険者種別に応じた限度額までです。もし5,000円より少なくしたい場合は、掛金拠出を停止する必要があります。その場合は、金融機関から「加入者資格喪失届」を取り寄せ、提出しましょう。

拠出した掛金の注意点

iDeCoの掛金は変更や停止が可能ですが、原則60歳以降になるまで引き出しできません。しかし万が一のことが起これば、60歳未満でも給付対象になることがあります。

原則60歳以降になるまで受給不可

iDeCoで拠出した掛金は、原則60歳以降にならない限り受給できません。受給要件を満たせば、年金資産を受け取るタイミングは任意で選択できますが、受給開始年齢は加入期間等によって異なります。加入期間等に応じた受給開始年齢は、以下を参考にしてください。
加入期間等に応じた受給開始年齢
10年以上 60歳
8年以上10年未満 61歳
6年以上8年未満 62歳
4年以上6年未満 63歳
2年以上4年未満 64歳
1月以上2年未満 65歳
出典:iDeCo公式サイト『iDeCo(イデコ)の給付(受取方法)について』より

60歳未満でも障害給付金や死亡一時金の給付対象になることがある

iDeCoの年金資産は、万が一のことが起これば、60歳未満でも給付対象になることがあります。給付金の種類には、本人が受け取る障害給付金と遺族が受け取る死亡一時金があります。
障害給付金は一定以上の障害状態になり、傷病の状態で1年6ヵ月が経過した場合に加入者が、死亡一時金は加入者が死亡した場合にその遺族が受け取ることができます。原則は60歳以降でしか年金資産の受給はできませんが、もしものときは給付金を受給できます。

iDeCo(イデコ)掛金の納付方法

iDeCo(イデコ)掛金の納付方法
iDeCoの掛金は、銀行引落による毎月の定額拠出が基本ですが、特定の月にまとめて納付するといった年単位拠出も可能です。

掛金の納付方法は銀行口座引落

iDeCoの掛金は、銀行口座からの引落で納付します。引落日は毎月26日ですが、休業日の場合は翌営業日に引き落とされます。初回掛金については、申し込みタイミングにより、申し込み月の翌々月に2ヵ月分引き落とされることがあるため注意しましょう。また、残高不足などで引落できなかった場合、追納はできません。
第2号被保険者である会社員や公務員は、勤務先で手続きしてもらい、給与天引きによる納付(事業主払込)も可能です。事業主払込で納付すれば、年末調整が不要になるメリットはありますが、対応していない企業が多いため、銀行引落による納付が基本になります。

掛金の毎月定額拠出以外に年単位拠出も可能

iDeCoの掛金は、毎月の定額拠出以外に、任意の月にまとめて納付する年単位拠出も可能です。しかし、事前に掛金と納付月を指定する手続きが必要だったり、必ず11月分(12月引落)を含めなければならなかったり、いくつか条件がある点には注意しましょう。年単位拠出の例として、ここでは拠出限度額が月額20,000円の場合、特定の月にまとめて納付するケースと、特定の月に増額するケースを見てみましょう。

特定の月にまとめて拠出するケース

<拠出限度額が月額20,000円の場合>
  12月分
(1月引落)
1月分
(2月引落)
2月分
(3月引落)
3月分
(4月引落)
拠出額 0円 0円 0円 80,000円
繰越合計額 20,000円 40,000円 60,000円 0円
このケースでは、12月分〜2月分に拠出していない月額20,000円を繰り越し、3月分の納付とあわせ、20,000円 × 4ヵ月 = 80,000円をまとめて納付しています。

特定の月に増額するケース

<拠出限度額が月額20,000円の場合>
  12月分
(1月引落)
1月分
(2月引落)
2月分
(3月引落)
3月分
(4月引落)
拠出額 10,000円 10,000円 40,000円 10,000円
繰越合計額 10,000円 20,000円 0円 10,000円
このケースでは、毎月10,000円を納付しますが、2月分は20,000円に増額し、1月分までの繰越合計額(20,000円)をあわせた40,000円を納付しています。繰り越しできる金額は、毎月の掛金と拠出限度額の差額です。

iDeCo(イデコ)の掛金は無理なく拠出しよう

iDeCoの掛金は、最低5,000円から被保険者種別に応じた拠出限度額の範囲で納付できます。掛金額は自由に設定できますが、60歳以降になるまで引き出しできません。掛金額は年1回までなら増減ができ、ボーナスなどを利用して特定月にまとまった金額の拠出も可能です。
手続きには1〜2ヵ月ほど時間のかかる場合もありますが、iDeCoの掛金は比較的柔軟に設定可能なため、拠出を継続できるよう無理のない金額で納付していきましょう。
執筆者:國村 功志(くにむら こうじ)

執筆者保有資格:日本ファイナンシャル・プランナーズ協会認定 CFP®認定者、一種外務員資格

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ご注意事項

iDeCoをお申し込みいただく前に、下記についてご確認ください。

  1. 原則、60歳まで引き出し(中途解約)ができません
    脱退一時金を受け取れるのは一定の要件を満たす方に限られます。
  2. ご本人の判断で商品を選択し運用する自己責任の年金制度です
    • 確定拠出年金制度では、ご加入されるご本人が自らのご判断で、商品を選択し運用を行いますので、運用結果によっては受取額が掛金総額を下回ることがあります。
    • 当行から特定の運用商品の推奨はできません。
  3. 運用商品の主なリスクについて
    • 預金は元本確保型の確定利回り商品です。預金は預金保険制度の対象となります。
    • 当行のiDeCoで取り扱う保険は元本確保型商品です。ただし、運用商品を変更する目的で積立金を取り崩す場合は、市中金利と残存年数等に応じて解約控除が適用されるため、結果として受取金額が元本を下回る場合があります。
    • 投資信託は価格変動商品です。預金ではなく、預金保険制度の対象ではありません。運用実績は市場環境等により変動し、元本保証はありません。また、当行でお取り扱いする投資信託は、投資者保護基金の対象ではありません。
    • 預金、保険および投資信託は異なる商品であり、それぞれリスクの種類や大きさは異なります。
  4. 初回手続き時、運用時、給付時等で、各種手数料がかかります
    • iDeCoには、初回手続き手数料・毎月の事務手数料・資産管理手数料・運営管理機関手数料・給付事務手数料等がかかります。
    • 手数料は、加入者となられる方は毎月の掛金から、運用指図者となられる方は積立金から控除されます。年金でお受け取りになられる方は給付額から控除されます。
  5. 60歳になっても受け取れない場合があります
    • 50歳以上60歳未満で加入した場合等、通算加入者等期間(*)が10年に満たない場合は、受給可能年齢が引き上げられます。
    • 60歳以上で新規加入した場合、加入から5年経過後に受給可能となります。
      • 通算加入者等期間は、iDeCoおよび企業型DCにおける加入者・運用指図者の期間の合算となります。
株式会社 三菱UFJ銀行
(2022年5月16日現在)