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iDeCo(イデコ)の年末調整と確定申告の方法とは?書き方や手順を解説!

iDeCo(イデコ)の年末調整と確定申告の方法とは?書き方や手順を解説!

公開日:2022年5月9日

iDeCo(個人型確定拠出年金)は、個人が老後の資産を作りやすいようにと、国が用意した私的年金制度です。

掛金は全額所得控除となり、所得税と住民税が軽減されるという税制優遇メリットがあります。ただし、この恩恵を享受するには、年末調整や確定申告での手続きが必要です。

この記事では、iDeCoに加入した方がどちらの方法でも迷わずに手続きを進められるよう、iDeCoの掛金で所得控除を申請する手順について紹介します。

iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)とはどんな制度?

個人が任意で加入できる、私的年金制度

iDeCoとは個人が任意で加入する、私的年金制度です。20歳以上65歳未満の国民年金加入者であれば、原則として誰でも加入することができます。

仕組みとしては、毎月コツコツと積み立てた資産を、60歳以降に受け取ります。受け取り時期は60歳以降75歳になるまでの間であれば、自分が希望するタイミングを指定することができ、受け取り方も「一括」もしくは毎月受け取る「年金」、あるいはその併用と自由です。

ただし、老後資金をためることを目的としているため、原則として60歳までは引き出すことができない点には注意が必要です。

iDeCoについて、くわしく知りたい方はこちらをご覧ください。

公的年金に上乗せでき、老後の収入を確保できる

iDeCoに加入して掛金を毎月拠出すれば、国民年金や厚生年金といった公的年金とは別に、老後の生活費を用意することができます。公的年金のように一生涯の支給が約束されているわけではありませんが、老後のゆとりを増やせることは間違いなく、人生後半の安心を高めることができます。ただし、iDeCoは公的年金と違い、運用方針を自分で決める必要があります。

どの商品で運用するか、掛金をいくらに設定するかなどはすべて自己責任となり、将来受け取れる金額も、その運用結果によって変わってくるという点は理解しておきましょう。

税制優遇メリットがある

iDeCoは、個人が老後資金をためやすいようにと国が後押ししている制度で、税制上の優遇措置が設けられているという大きなメリットがあります。まず、掛金は全額所得控除となり、年末調整や確定申告で申告すれば、所得税と住民税が軽減されます。将来の資産を増やしながら税負担を減らせるので、大変有利な制度です。

さらに運用中に得た利益には税金がかかりません。通常、20.315%の税金(所得税および、復興特別所得税15.315%、住民税5%)がかかるところ、iDeCoはいくら利益が出ても非課税ですので、非常におトクです。将来受け取る際も、「退職所得控除」や「公的年金等控除」が適用され、一定額までは非課税で受け取れます。老後用にお金をためたいと思ったら、ぜひ検討したい制度です。

iDeCo(イデコ)は年末調整や確定申告でいくら税金が戻ってくる?

では、iDeCoで払い込んだ掛金を所得控除として使うと、所得税と住民税はどのぐらい軽減されるのでしょうか。具体的なシミュレーションの前に、iDeCoの掛金で税金を軽減できる仕組みについて解説します。

iDeCoの掛金を所得控除として使うと税負担を減らせる

iDeCoの掛金は、所得控除のひとつである「小規模企業共済等掛金」の対象です。「所得控除」とは、所得から引くことができる金額のことです。

所得税と住民税は、その人の年収や手取りではなく「所得」をベースに計算し、所得が少ないほど税負担は軽くなります。この所得を正確には「課税所得」といい、課税所得を減らすために使えるものが、「所得控除」というわけです。所得控除には、「配偶者控除」や「生命保険料控除」、「寄附金控除」など全部で15種類あり、iDeCoの「小規模企業共済等掛金控除」もそのひとつなのです。

課税所得と所得税率について

iDeCoで軽減できる所得税は、その人の所得税率によって変わってきます。所得税率は課税所得がいくらかで決まります。ご自身の課税所得を知りたい場合、会社員の方なら源泉徴収票を見ながら、次の計算式を使うと出せます。

課税所得 = 給与所得控除後の金額 – 所得控除額の合計額

課税所得ごとの所得税率は次のとおりです。

課税される所得金額 税率 控除額
1,000円から1,949,000円まで 5% 0円
1,950,000円から3,299,000円まで 10% 97,500円
3,300,000円から6,949,000円まで 20% 427,500円
6,950,000円から8,999,000円まで 23% 636,000円
9,000,000円から17,999,000円まで 33% 1,536,000円
18,000,000円から39,999,000円まで 40% 2,796,000円
40,000,000以上 45% 4,796,000円

出典:国税庁『No.2260 所得税の税率』より

あくまで目安ですが、年収500万円で扶養家族がいない人の場合、所得税率は10%です。(基準となる所得税額に対し、2037年までは復興特別所得税として2.1%課税)。なお、住民税は課税所得に関係なく、一律10%となります。

iDeCoで軽減できる所得税と住民税の額は?

それでは実際にiDeCoに加入すると、どのぐらい税負担を減らせるのか、次の3つの掛金の例でシミュレーションしてみましょう。

<パターン例>

①月額5,000円(iDeCoの最低掛金額)

②月額10,000円

③月額23,000円(企業年金や企業型DCに加入していない会社員の上限月額)

加入者の条件は企業年金や企業型DCに加入していない、年収が500万円の会社員で所得税率は10%、扶養する配偶者や子どもがいない人とします。なお、繰り返しになりますが、軽減できる実際の税金はその年の課税所得や各条件によって変わりますので、あくまで目安としてご覧ください。

<税制優遇メリットのシミュレーション>

パターン例 月額掛金 年間掛金 = 所得控除額 税制優遇メリット
毎年軽減される所得税と住民税 60歳まで30年間での合計
5,000円 60,000円 12,100円 361,600円
10,000円 120,000円 24,200円 723,200円
23,000円 276,000円 55,700円 1,664,000円
  • 今後、法改正などの可能性があります。記載の数字は実際の金額を保証するものではありません。

iDeCoで月額23,000円を積み立てた場合、年間の掛金は276,000円です(上記③のケース)。この全額を所得控除に使えますので、年末調整や確定申告で申告すると、55,700円の税負担を減らせます。

60歳まで30年間継続した場合、税負担の軽減効果は、実に166万円以上です。税負担を減らせた分は、手元で使えるお金がそれだけ増えるので、大きいですね。ただし、軽減される税金は自分が納めた所得税や住民税の額が上限となります。専業主婦などでもともと税金を納めていない人は、この税制優遇メリットはありません。

住宅ローン控除や医療費控除で税負担を大きく減らせる年も、iDeCoの税制優遇のメリットがあまり出ない可能性があることも理解しておきましょう。

年末調整でiDeCoの所得控除を申請する

iDeCoの掛金を所得控除として使い、税制優遇の恩恵を受けるには、「年末調整」または「確定申告」で手続きすることが前提です。加入すれば、自動的に税金を軽減してくれるわけではない点に注意してください。会社員の方の場合、年末調整で申告するのが一般的です。ここでは、実際の手順について解説します。

年末調整でiDeCoの掛金を所得控除として申告する手順は、難しくありません。生命保険料控除の申告をしたことがある方なら、似たような流れですのでイメージしやすいと思います。

手順1.「小規模企業共済等掛金払込証明書」を保管する

iDeCoに加入すると、毎年10月頃に「小規模企業共済等掛金払込証明書」という書類が郵便で送られてきます。この書類が今年払った掛金の証明書となります。年末調整で提出が必要になる書類ですので、大切に保管しておきましょう。万一、紛失した場合は再発行してもらえますが、手続きが必要で時間もかかってしまいます。

手順2.「給与所得者の保険料控除申告書」に記入する

年末調整の時期になると、会社から「給与所得者の保険料控除申告書」という所定の用紙を渡されます。この書類の右下に、「確定拠出年金法に規定する個人型年金加入者掛金」という欄があります。ここに、iDeCoで拠出したその年の掛金の合計額(年額)を記入しましょう。

手順3.証明書を添付して、会社に提出する

記入した申告書と、「小規模企業共済等掛金払込証明書」を会社に提出すれば、手続きは終了です。会社によって、年末調整の期限や方法は異なるので、このとおりでないケースもあります。事前に確認しておくと安心です。

なお、iDeCoの掛金で軽減できた所得税は、ほかの所得控除で軽減できた分と合わせて、12月の給与支払い時に還付されます。住民税は、翌年度の金額が軽減される形で戻ります。

そもそも年末調整とは?

年末調整とは、会社員や公務員が所得税を精算するための制度です。会社員や公務員の所得税は、勤務先が毎月の給与から天引き(源泉徴収)する形で預かり、本人に代わって国に納めています。この時に徴収される所得税の額は暫定額で、実際の所得税額はその年の収入、所得控除等によって変わってきます。

途中で転職して給与が上がったり、扶養家族が増えたりすると、先に会社が預かった所得税額と本来納めるべき所得税額とが合致しなくなるため、年末調整で精算する、というわけです。

所得税の計算期間は1月1日~12月31日ですので、年末時点での状況を会社に申告し、正しい所得税の額を計算してもらいます。その結果、毎月の給料から源泉徴収されていた所得税が実際に納めるべき額より多かった場合、払い過ぎていた部分が還付されます。iDeCoに加入した場合、その年に払った掛金は毎年全額を所得控除に使えますので、年末調整で忘れずに申請しましょう。

確定申告でiDeCoの所得控除を申請する

自営業やフリーランスの人は、iDeCoの掛金を所得控除に使う場合、確定申告で申請します。会社員や公務員も年末調整で申告し忘れたり、提出が間に合わなかったりした場合は、確定申告でも控除の申請ができます。

確定申告はパソコンやスマートフォンでも申告可能

確定申告と聞くと難しそうに感じますが、パソコンやスマートフォンでも行うこともできますし、分からない点は税務署で聞きながら書くことも可能です。iDeCoの税制優遇メリットは大きいので、「面倒だから」「難しそうだから」と敬遠せずにトライしてみると良いでしょう。

確定申告書は用紙が2種類あり、給与所得のみの人は「確定申告書A」を使います。自営業者や、2カ所以上の会社から給与をもらっている会社員は「確定申告書B」となります。確定申告書A、Bともに国税庁のホームページからダウンロードが可能です。

印刷して記入しても良いですし、国税庁のサイトに開設されている「確定申告書作成コーナー」を利用すると、ガイドの指示に従ってネット上で入力でき、用紙の選択や計算も自動で行ってくれるので便利です。パソコンだけでなく、スマートフォンにも対応しています。会社員の方は源泉徴収票、還付される税金を振り込んでもらう口座情報を用意してから始めるとスムーズです。

確定申告書等作成コーナーでiDeCoの所得控除を申請する手順

ここでは、国税庁のサイトにある「確定申告書等作成コーナー」で確定申告書を作成する手順をご紹介します。サイトにアクセスしたら「作成開始」をクリックし、「電子申請」か「印刷して提出」を選びます。

以前は電子申請にはカードリーダーが必要だったり、ID・パスワードを税務署で発行したりする必要がありましたが、マイナンバーカードがある場合、そうした準備は不要で、スマホを利用して電子申請ができるので便利です。作業は途中で保存もできますし、修正も可能ですので、ガイドの指示に従って慌てずに必要事項を入力していきましょう。

iDeCoの掛金は、「所得控除」を入力する画面で行います。「小規模企業共済等掛金控除」という項目があり、クリックすると内訳を入力する画面が出ます。ここに、「確定拠出年金法の企業型年金・個人型年金加入者掛金(iDeCo)」という欄がありますので、10月頃に郵送で届く「小規模企業共済等掛金払込証明書」に記載されている金額を入力しましょう。

最後に、確定申告書の形式で確認ができます。確定申告書は第一表、第二表があり、それぞれ「小規模企業共済等掛金控除」の欄があります。入力した内容が反映されているか念の為確認しましょう。完成した確定申告書と「小規模企業共済等掛金証明書」を管轄の税務署に提出して手続きは終了となります。

申請が受理されると、後日、軽減された分の所得税が指定した銀行口座に振り込まれます。申告した内容で、翌年の住民税も軽減されます。

そもそも確定申告とは?

確定申告とは、1月1日~12月31日までの所得を計算して、納めるべき所得税を申告し、納税する手続きのことです。個人事業主や自営業だけでなく、会社員でも年末調整で申告し忘れた控除がある人や、「医療費控除」など年末調整では受けられない控除を申請したい人、副業などで給与以外の所得が20万円を超えた場合などは確定申告が必要となります。

確定申告は所得を計算する年の翌年2月16日から3月15日の間に行うことが決められています。しかし、今回の記事でご紹介したような所得控除を申請して、払いすぎた所得税を還付してもらう手続きは「還付申告」といって、年間を通して受け付けています。さらに5年前まで遡って申告できますので、還付申告を忘れた年があるなら、あきらめずに申告しましょう。

まとめ

iDeCo 年末調整 まとめ

iDeCoは将来に向けた資産形成をしながら、税制優遇も受けられるおトクな制度です。ただし、税制優遇を受けるためには、年末調整や確定申告で所得控除を申請する手続きが必要になります。

iDeCoの所得控除は、「小規模企業共済等掛金控除」という名称で、申請には毎年10月頃に郵送で届く「小規模企業共済等掛金払込証明書」の原本が必要です。紛失しないように管理して、毎年しっかり、税制優遇のメリットを享受しましょう。

執筆者:大上 ミカ(おおうえ みか)
執筆者保有資格:日本ファイナンシャル・プランナーズ協会認定 AFP認定者、2級ファイナンシャル・プランニング技能士
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ご注意事項

iDeCoをお申し込みいただく前に、下記についてご確認ください。

  1. 原則、60歳まで引き出し(中途解約)ができません
    脱退一時金を受け取れるのは一定の要件を満たす方に限られます。
  2. ご本人の判断で商品を選択し運用する自己責任の年金制度です
    • 確定拠出年金制度では、ご加入されるご本人が自らのご判断で、商品を選択し運用を行いますので、運用結果によっては受取額が掛金総額を下回ることがあります。
    • 当行から特定の運用商品の推奨はできません。
  3. 運用商品の主なリスクについて
    • 預金は元本確保型の確定利回り商品です。預金は預金保険制度の対象となります。
    • 当行のiDeCoで取り扱う保険は元本確保型商品です。ただし、運用商品を変更する目的で積立金を取り崩す場合は、市中金利と残存年数等に応じて解約控除が適用されるため、結果として受取金額が元本を下回る場合があります。
    • 投資信託は価格変動商品です。預金ではなく、預金保険制度の対象ではありません。運用実績は市場環境等により変動し、元本保証はありません。また、当行でお取り扱いする投資信託は、投資者保護基金の対象ではありません。
    • 預金、保険および投資信託は異なる商品であり、それぞれリスクの種類や大きさは異なります。
  4. 初回手続き時、運用時、給付時等で、各種手数料がかかります
    • iDeCoには、初回手続き手数料・毎月の事務手数料・資産管理手数料・運営管理機関手数料・給付事務手数料等がかかります。
    • 手数料は、加入者となられる方は毎月の掛金から、運用指図者となられる方は積立金から控除されます。年金でお受け取りになられる方は給付額から控除されます。
  5. 60歳になっても受け取れない場合があります
    • 50歳以上60歳未満で加入した場合等、60歳時点で通算加入者等期間(*)が10年に満たない場合は、受給可能年齢が引き上げられます。
    • 60歳以上で新規加入した場合、加入から5年経過後に受給可能となります。
      • 通算加入者等期間は、iDeCoおよび企業型DCにおける加入者・運用指図者の期間の合算となります。

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(2022年5月9日現在)