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iDeCo(イデコ)には元本割れのリスクがある?元本割れの原因や対処法などを解説!

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iDeCo(イデコ)には元本割れのリスクがある?元本割れの原因や対処法などを解説!
公開日:2022年12月5日
老後2,000万円問題を機に注目を集めているiDeCo。加入対象者が広がり、運用中や受取時に税制優遇が受けられるメリットが知られるようになったことから、新規加入者がふえています。
しかし、定期預金と違って元本割れするリスクがあると聞いて、iDeCoへの加入をためらっている方も少なくないでしょう。iDeCoで年金対策をするには、制度を正しく理解することが欠かせません。

この記事ではiDeCoが元本割れする仕組みや、その対処法を解説します。


目次

iDeCoの基礎知識

iDeCoは自分で加入する任意の年金制度です。日本在住の20歳以上65歳未満の国民年金の被保険者は、原則誰でも始めることができます。厚生年金に加入している方は自動的に国民年金に加入していますので、会社員の方も加入資格があります。
まずはiDeCoの特徴をおさえておきましょう。

運用先は自分で選ぶ

iDeCoはあらかじめ用意された投資信託、保険、預金といった金融商品のなかから自分で商品を選び、毎月一定の金額を拠出するものです。
加入者である私たちが運用に関与しない国民年金や厚生年金とは、その点が大きく異なります。金融商品によってリスクの度合いが違いますので、バランスよく配分していきましょう。

税制優遇がある

拠出金額はすべて所得控除の対象となるので、所得税と住民税の負担を減らすことが可能です。
また、運用で得た利益は非課税となり、受け取るときも公的年金等控除や退職所得控除を受けることができます。この点は一般的な金融商品にはない大きなメリットです。

原則60歳まで引き出せない

iDeCoは国民年金や厚生年金に上乗せして年金を受け取るための制度なので、60歳になるまで引き出すことはできません。
60歳以降に一時金、年金、または一時金と年金の併用(*)で受け取る仕組みとなっています。
  • 三菱UFJ銀行では併用での受け取りも可能で、併用での受け取り可否は金融機関によって異なります。

手数料がかかる

iDeCoは初回に2,829円、それとは別に毎月、収納手数料、事務委託手数料、運営管理機関手数料がかかります。収納手数料と事務委託手数料は月額171円と、どの金融機関も変わりません。

しかし、運営管理機関手数料は利用する金融機関ごとに異なります。手数料は運用期間が長くなればなるほど運用成績に影響を与えますので、手数料を抑えたい方は運営管理機関手数料が無料の金融機関を選ぶのもひとつの方法です。

iDeCoの基礎知識について、くわしく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

iDeCoの主な運用商品の種類

続いて、iDeCoの商品について見ていきましょう。金融機関が取り扱うiDeCoの商品は複数ありますが、大きく分けると元本確保型と元本変動型の2種類があります。

元本確保型とは

購入にあてた金額を下回ることがない、基本的には元本割れしない商品のことです。代表的な商品に、定期預金や保険があります。定期預金や保険は大きくふえることはありませんが、iDeCoの税制優遇を受けられるのがメリットです。

元本変動型とは

購入にあてた金額が保証されておらず、運用成績によって資産が増減する商品のことをいいます。投資信託がその典型です。

投資信託は投資家から集めた資金を取りまとめて運用のプロが代わりに運用し、成果に応じて利益を分配する仕組みですので、投資経験のない方も少額の資金から運用を始められます。

運用商品の選び方について、くわしく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

iDeCoに元本割れのリスクがある理由

iDeCoに元本割れのリスクがある理由

ここまでiDeCoの特徴について説明してきました。その内容を踏まえて、iDeCoの元本割れリスクの要因について改めて整理をしたいと思います。そこには次のような理由があります。

手数料がかかるから

iDeCoは加入時と運用期間中、毎月手数料がかかります。これはiDeCoの仕組みの話なので、元本確保型、元本変動型のどちらの商品を選んでも同じです。

もう少し具体的に考えてみましょう。iDeCoに加入すると初回のみ2,829円、運用期間中は毎月、収納手数料と事務委託手数料として約171円かかります。口座を開設した金融機関によっては、運営管理機関手数料がかかることもあります。

つまり、iDeCoは加入・運用しているだけで費用が発生する仕組みであるということです。そのため元本割れを避けるには、手数料以上の運用益を期待できる商品との組み合わせが必要になります。

経済状況の変化で価値が変わるから

iDeCoでの運用の中でも「元本変動型」はすでに説明した通り、そもそも元本が保証されていません。投資対象は株式や不動産、債券といった値動きのある商品ですので、経済状況によって価格が変動します。

高いリターンを期待できる反面、大幅な値下がりの可能性もありますし、年金の受給を開始するタイミングによっては元本割れを起こす可能性もゼロではありません。そう聞くと投資信託の購入経験がない方は、元本変動型の商品の購入を躊躇してしまうかもしれませんが、リスクを抑えることは可能です。

リスクを抑えるには、定期的に同じ金額を長期間にわたって分散して購入し続けることが大切です。その点、iDeCoは長期の運用を前提としていますので、理にかなった商品といえるでしょう。

iDeCoが元本割れしたときの対処法

iDeCoはリスクを分散しながら投資できるのが特徴です。とはいえ、やはり元本割れが気になってしまう方もいるでしょう。ここでは、iDeCoが元本割れしたときの3つの対処法を紹介します。

経済状況が落ち着くまで同じ商品で運用を続ける

iDeCoのポイントは、同じ商品を一定額毎月淡々と購入し続けることです。これをドル・コスト平均法といいます。
投資信託では運用状況が悪い時期は価額が下がります。しかし、それは同じ金額で購入できる量がふえるということでもあります。

株式の取引単位は1株ですが、投資信託の取引単位は口数です。仮に投資信託で1口=1円のとき1万円分を購入した場合、保有口数は1万口ということになります。

価額は日々変動しますので、価額が高いときは1万円で8,000口しか購入できないこともあるかもしれません。ところが、景気が悪くなり価額が下がれば、同じ金額で12,000口購入できることもあります。

購入できる口数がふえれば、保有口数がふえます。景気はよくなったり悪くなったりを繰り返しますので、運用を続けていれば評価額が上昇する局面に経済状況が変わることも期待できるでしょう。

ですから元本割れしたからといって、焦ってほかの商品に変更したり別の金融機関に資産を移管したりせず、静かに回復を待ちましょう。

資産配分を変更する

資産配分の変更とは、運用する金融商品の種類や購入比率を変えることです。
毎月の掛金で購入する商品やその配分割合を変更する配分変更と、保有している金融商品を売却し、別の商品を購入するスイッチングがあります。
たとえばiDeCoを始めたばかりの頃は、期待リターンが高い株式中心で運用していたとします。しかし、年齢が上がるにつれて許容できるリスクの大きさは変わるものです。

そこで、検討したいのが配分変更です。年齢に応じて少しずつ株式の割合を減らし、価格変動の少ない債券に投資する投資信託の比率を高めることでリスクを抑える方法はよく使われています。

一方、短期間に資産配分を大きく変更したいときに向いているのはスイッチングです。例えば値下がりしてしまって回復が見込めないと思う投資信託を売却し、代わりに値上がりしそうだと思う投資信託に買い換え、つまりスイッチングをすれば、静かに回復を待つよりも早く元本が回復をするかもしれません。

ただし、その後の運用状況によって値下がり幅が拡大する可能性もゼロではありません。スイッチングをする際は、その商品の運用状況などをよく確認するようにしましょう。また、スイッチングは売却時に信託財産留保額がかかることもありますので、その点も確認する必要があります。

分散投資を行う

大きな元本割れを防ぐうえでは、1つの投資信託のみに投資をするのではなく、複数の投資先の異なる投資信託に投資をすることもおススメです。

投資信託は複数の株式などがパッケージ化されているため、1つ保有するだけでも分散投資ができていると言えます。しかし、投資対象が国内なのか海外なのか、債券なのか株式なのか等、さまざまな資産を組み合わせることで、更に分散投資をすることができます。

投資信託の中でも債券など価格変動リスクが低い商品を組み入れたバランス型を選ぶのもひとつの方法ではないでしょうか。他方、価格変動そのものにストレスを感じる方は、部分的に定期預金、保険などの元本確保型の商品と組み合わせてみましょう。

まとめ

iDeCoには元本割れのリスクがあります。しかし、個人の年金対策としてiDeCoは優れた制度です。国民年金や厚生年金と異なり、拠出金額や運用先の商品を自分で決めることができ、運用成績次第では年金をふやすことができます。
元本割れのリスクを抑えるうえで、iDeCoの仕組みへの理解は欠かせません。運用先の商品には元本確保型と元本変動型の2種類があることや、元本割れした際の対処法を事前に知っておくことは有効な対策となるはずです。

もし老後の不安を抱えているならiDeCoの仕組みを活用し、冷静に対応してはいかがでしょうか。

執筆者:筒井 永英(つつい のりえ)

執筆者保有資格:2級ファイナンシャル・プランニング技能士

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  • なお、記事の内容は、予告なしに変更することがあります。

三菱UFJ銀行でiDeCoを始める方法

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ご注意事項

iDeCoをお申し込みいただく前に、下記についてご確認ください。

  1. 原則、60歳まで引き出し(中途解約)ができません
    • 脱退一時金を受け取れるのは一定の要件を満たす方に限られます。
  2. ご本人の判断で商品を選択し運用する自己責任の年金制度です
    • 確定拠出年金制度では、ご加入されるご本人が自らのご判断で、商品を選択し運用を行いますので、運用結果によっては受取額が掛金総額を下回ることがあります。
    • 当行から特定の運用商品の推奨はできません。
  3. 運用商品の主なリスクについて
    • 預金は元本確保型の確定利回り商品です。預金は預金保険制度の対象となります。
    • 当行のiDeCoで取り扱う保険は元本確保型商品です。ただし、運用商品を変更する目的で積立金を取り崩す場合は、市中金利と残存年数等に応じて解約控除が適用されるため、結果として受取金額が元本を下回る場合があります。
    • 投資信託は価格変動商品です。預金ではなく、預金保険制度の対象ではありません。運用実績は市場環境等により変動し、元本保証はありません。また、当行でお取り扱いする投資信託は、投資者保護基金の対象ではありません。
    • 預金、保険および投資信託は異なる商品であり、それぞれリスクの種類や大きさは異なります。
  4. 初回手続き時、運用時、給付時等で、各種手数料がかかります
    • iDeCoには、初回手続き手数料・毎月の事務手数料・資産管理手数料・運営管理機関手数料・給付事務手数料等がかかります。
    • 手数料は、加入者となられる方は毎月の掛金から、運用指図者となられる方は積立金から控除されます。年金でお受け取りになられる方は給付額から控除されます。
  5. 60歳になっても受け取れない場合があります
    • 50歳以上60歳未満で加入した場合等、60歳時点で通算加入者等期間(*)が10年に満たない場合は、受給可能年齢が引き上げられます。
    • 60歳以上で新規加入した場合、加入から5年経過後に受給可能となります。
      • 通算加入者等期間は、iDeCoおよび企業型DCにおける加入者・運用指図者の期間の合算となります。

株式会社 三菱UFJ銀行

(2022年12月5日現在)