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キャピタルゲインとは?インカムゲインとの違いや税金についても解説

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キャピタルゲインとは?インカムゲインとの違いや税金についても解説
  • 2023年7月20日
  • 2024年2月15日
投資に興味がある人は、キャピタルゲインやインカムゲインという言葉を聞いたことがあるでしょう。
実は意味があまりわかっていない人もいるかもしれませんが、投資をするうえではどちらも必ず関係してくるので、知っておきたい言葉です。それぞれどのような意味があるのか、キャピタルゲイン・インカムゲインの具体例を交えながら解説します。

目次

キャピタルゲインとは

キャピタルゲイン=資産の売却益のこと
キャピタルゲインとは、保有する資産を売却することで得られる売買差益のことです。たとえば、購入した株式を売却し、利益が出ればキャピタルゲインとなります。譲渡所得や値上がり益とも言われます。反対に、損失が出た場合はキャピタルロスと言います。
また、投資で利益が出た場合、利益に対して20.315%の税金がかかります。キャピタルゲイン=利益であるため、売却した際には課税対象となります。たとえば、キャピタルゲインが100万円なら、20万3,150円が税金として徴収されます。

キャピタルゲインの具体例

では、株式を例にキャピタルゲインを計算してみましょう。ざっくり考えれば、購入金額と売却金額の差額がキャピタルゲインですが、実際には手数料や税金もかかります。それらも含めた手取り額の計算方法は次のとおりです。
譲渡価額 −(取得費 + 委託手数料等)= 譲渡所得の金額(譲渡益)
譲渡所得の金額 −(譲渡所得の金額 × 20.315%(*))= 手取り額
  • 税率の内訳
    所得税15%、復興特別所得税0.315%、住民税5%
  1. 2013年から2037年までは、復興特別所得税として各年分の基準所得税額に2.1%乗じた額(0.315%)を所得税と併せて申告・納付する。株式のキャピタルゲインは譲渡所得に該当し、申告分離課税が適用になる。申告分離課税は確定申告により他の所得と分離して税金を計算する制度。
ここでは50万円で購入した株式を80万円で売却し、手数料は1,000円かかったとして、手取り額を計算します。
譲渡価額80万円 −(取得費50万円 + 委託手数料等1,000円)= 譲渡所得の金額(譲渡益)29万9,000円
譲渡所得の金額29万9,000円 − 譲渡所得の金額29万9,000円 × 税率20.315% = 手取り額23万8,259円
売却金額から購入金額や手数料を引き、損失になる場合は税金がかかりません。不動産や金などでもキャピタルゲインは得られますが、株式や投資信託とは計算方法が異なります。
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インカムゲインとは

インカムゲインとは継続的に得られる利益のこと
インカムゲインとは、資産の保有中に継続的に得られる収益のことです。株式の配当金、投資信託の普通分配金、預金や債券の利子、不動産の家賃収入などがインカムゲインにあたります。
キャピタルゲインは売却することで手に入れられるものですが、インカムゲインは資産の保有中に継続的な収入を期待できるのが特徴です。
また、インカムゲインにも税金がかかり、配当金や普通分配金、利子に対して20.315%が課税されます。
ただし、投資信託の場合、分配金のうち個別元本を下回って支払われる部分は「元本払戻金(特別分配金)」といい、文字通り元本の払い戻しに当たります。元本払戻金は利益ではないため、課税対象にはなりません。
なお、不動産の家賃収入は不動産所得として総合課税となり、配当金や普通分配金などとは税金の計算方法が異なります。

インカムゲインの具体例

株式の配当金を受け取った場合、実際の手取り額がいくらになるのか計算してみましょう。インカムゲインは資産の保有中に受け取るものなので、売買手数料はかからず、シンプルに税金を差し引いて計算します。
配当金 −(配当金 × 20.315%)= 手取り額
ここではインカムゲインとして配当金を5,000円受け取ったとし、税金の20.315%を控除した金額が手取り額となります。
配当金5,000円 − 配当金5,000円 × 20.315% = 手取り額3,985円

キャピタルゲインを狙うメリット・デメリット、どんな人におススメ?

キャピタルゲインを狙うメリット・デメリット、どんな人におススメ?
キャピタルゲインは大きな利益を期待できる一方、思った以上の損失を被る可能性もあります。リスクを軽減して投資することも検討し、資産形成に役立てましょう。

キャピタルゲインを狙うメリット

キャピタルゲインを狙うメリットは、インカムゲインと比べて大きな利益を期待できることです。
インカムゲインは比較的小さな利益を継続して受け取るものですが、株式や投資信託などは短期間のうちに2倍や3倍の利益になることもあります。元手が少なくても始められ、相応の利益も期待できるため、資産形成の方法として有用です。

キャピタルゲインを狙うデメリット

キャピタルゲインを狙うデメリットは、元本割れをする可能性があることです。
キャピタルゲインを得ようとすると、比較的値動きの大きなものが投資対象になります。値動きが大きければ、その分利益も期待できますが、損失が大きくなる可能性があることも意味します。
心配な場合は、分散投資や積立投資などリスクを軽減する方法を取り入れて投資してみましょう。

キャピタルゲインが向いている人

キャピタルゲインは以下のような人に向いています。
  • リスクが多少あっても、ハイリターンを望む人
  • 短期間で資産を増やしたい人
大きな利益がほしい人は、株式や投資信託などでキャピタルゲインを狙うと良いでしょう。元手が少なくても始めやすいため、これから資産形成をしていきたい人にも向いています。

インカムゲインを狙うメリット・デメリット、どんな人におススメ?

インカムゲインは安定的な利益を期待できることがメリットですが、相応の元手がなければ大きな利益は得づらいでしょう。
長期投資で少しずつ利益を得たい人は検討してみましょう。

インカムゲインを狙うメリット

インカムゲインのメリットは、安定した収益を継続的に得られることです。
その資産を保有している間は定期的に収益を得られ、キャピタルゲインほど金額が変動することもありません。収益が安定しており、売買が必要になることも基本的にはありませんので、売却のタイミングを見極めるなど投資に時間を取られることも少ないでしょう。

インカムゲインを狙うデメリット

インカムゲインを狙うデメリットは、大きな利益を得にくいことです。
インカムゲインは1回ごとの収益が少ないため、大きな利益を得るためには相応の元手が必要になります。
たとえば、株式の配当金利回りが1%の場合、100万円を1年間投資しても利益は1万円です(税金や手数料は考慮していない)。預金の利子と比べれば多いですが、キャピタルゲインのように大きな利益は期待できません。

インカムゲインが向いている人

インカムゲインは以下のような人に向いています。
  • なるべくリスクを抑えたい人
  • 頻繁に市場をチェックするのが難しい人
インカムゲインは定期的な収益を期待できるため、安定して利益を得たい人に向いています。また、保有しているだけで利益が得られるため、相場のチェックなどに時間を割きたくない人にも向いています。
キャピタルゲインとインカムゲイン

まとめ

ここまで紹介したキャピタルゲインとインカムゲインの違いをまとめてみましょう。
  キャピタルゲイン インカムゲイン
特徴 売却によって得られる利益 資産の保有中に得られる利益
メリット 大きな利益を期待できる 継続的な利益を期待できる
デメリット 損失が大きくなる可能性がある 大きな利益を得にくい
向いている人 短期間で資産を増やしたい人
リスクが多少あっても、ハイリターンを望む人
なるべくリスクを抑えたい人
頻繁に市場をチェックするのが難しい人
キャピタルゲインとインカムゲインは、それぞれ特徴が異なります。どのような運用をしたいかによって重視するポイントが変わりますので、メリットやデメリットを把握したうえで自分に合った運用をしましょう。
ただし、キャピタルゲインとインカムゲインには税金がかかります。税金がかかると最終的な手取り額はその分少なくなりますので、非課税投資制度であるNISAなどを活用するのも良いでしょう。
NISAを使って投資をすれば、利益が出ても課税されません。運用を始めるときは利用することを検討してみてはいかがでしょうか。
執筆者:國村 功志(くにむら こうじ)
執筆者保有資格:日本ファイナンシャル・プランナーズ協会認定 CFP®認定者、一種外務員資格
※記事内の情報は更新時点のものです。最新情報は別途ホームページ等でご確認ください。
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(2024年2月15日現在)