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つみたてNISAを中心に、コツコツと5年間インデックスファンドに投資してきた私が、アクティブファンドに興味を持った理由

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つみたてNISAを中心に、コツコツと5年間インデックスファンドに投資してきた私が、アクティブファンドに興味を持った理由
  • 2023年1月31日
  • 2023年12月26日
\2024年以降のNISA制度のポイント/
目次

「市場の養分」だった

ノーベル経済学賞を受けた、米国の経済学者ロバート・シラーはバブルを評して「群衆というものは、結構まともな個人を馬鹿者に変えてしまう」と言いました(*)
まさにその格言どおり、リーマンショックのとき、私はまさに「馬鹿者」となり、数百万円の損失を出してしまいました。

株価の乱高下に狼狽し、自分自身の保有していた投資信託を早まって売却してしまったからです。

結果的には、落ち着いてそのまま持っておけば、損をしないどころかかなりのリターンを得たはずでした。

私は買うべきでないときに買い、売るべきでないときに売ってしまう、まさに「市場の養分」でした。

それ以来「もう二度と投資には手を出さない」と思っていましたが、結局、その数年後、投資を再開することになります。

それは、「大きく儲けよう」という動機ではなく、「低金利のこの時代、貯蓄ではない手段で資産形成をしよう」という目標を持ったからです。

「資産形成とインフレ対策、そして税制メリットを得る投資」を学ばなければならなくなった私は、投資の勉強を始めました。

といっても、20冊ほど本を読んで、金融機関に勤める知人の話を聞いただけですが、その甲斐はありました。

私がそのとき必要だった「投資」がどういったものなのかの答えとして、重要なことが多くの本に共通してでてきたおかげで、きちんと定義できたのです。

それは、次の3つの要件からなっています。

  • 市場平均のリターンを目指す
  • 長期分散投資
  • 税制メリット(非課税制度)がある

そして、この要件は、具体的にいえばつみたてNISAなどで提供されている「インデックスファンドへのつみたて投資」を行うことで、実現できました。

そのため、パンデミックが始まった2020年から現在にかけての株価の乱高下は、個人的には全く気になりませんでした。

上の要件に則って、市場の乱高下に左右されることなく、投資を続ける判断ができたのです。

  • 引用:ダイヤモンド社「バブルの物語 / ジョン・K・ガルブレイス」

投資初心者はインデックスファンドから

投資初心者はインデックスファンドから

この「インデックスファンド」への投資ですが、1973年の初版発売以来「投資の名著」として読み継がれているベストセラー、バートン・マルキール著「ウォール街のランダム・ウォーカー」では次のように述べられています。

「株式投資の不滅の論理として、個人投資家は、ただインデックスファンドを買ってじっと待っているのが良い」と。

その根拠として「インデックスファンドは各種の手数料と売買コストが安い」ことが挙げられています。

この手数料の安さゆえに「多くのインデックスファンドが、プロのファンドマネジャーが運用する多くの投資信託、いわゆるアクティブファンドを上回る成績をあげている」というのです。

たしかに、統計的にそのような傾向はあります。

インデックスファンドとアクティブファンドの成績を比較しているS&Pの発行するレポート、SPIVAレポート(*1)では、多くのインデックスファンドが、アクティブファンドを上回る成績だと報告されています。
金融庁のサイト(*2)でも、

「セオリーとしては、まずインデックス投資信託を買うとして、投資する指数を選んで、そのなかで信託報酬の安いものを選ぶ、ということですね。」

という意見が紹介されています。

  1. なお、本文中における、つみたてNISAのインデックスファンドの定義は、つみたてNISAについての金融庁の資料にくわしく記載されているものを採用しています。
  • 参考:S&P Dow Jones Indices「SPIVA®」
  • 参考:金融庁「第6回 投資商品の選び方」
つみたてNISAの対象商品の要件①(指定インデックス投資信託)
出典:金融庁「つみたてNISAについて」

こうして私は、5年以上にわたって、銘柄の見直しなどの手間をかけずに、年率5%前後のリターンを得てきました。

大きなリターンではないですが、預貯金の金利を大きく上回る数字です。

今以上のリターンを目指すには?

しかし同時に、気付いたこともありました。

たしかに預貯金よりは良いとはいえ、私が取引を行っている金融機関の、全顧客のリターン分布を見ると、私よりもかなり優れたリターンを得ている人がそれなりの数いることも、少し前から気になっていたのです。

私は上述した程度のリターンにとどまっていますが、私が口座を持っている金融機関においては、全体の2割程度の人が、それ以上のリターンを得ているのです。

年率10%以上で運用している人も、全体の6%程度存在していました。

金融庁の発行する「つみたてNISA早わかりハンドブック」にも、過去の実績をもとにした運用のシミュレーション結果が掲載されていますが「保有期間5年」では4割近くの確率で年率6%以上のリターンを得られるという結果になっています。

長期投資の効果について学ぼう!
出典:金融庁「つみたてNISA早わかりガイドブック」

たしかに、このインフレの時代に、高いリターンを得られることは、非常に魅力的です。

私は日本と世界全体に分散投資するインデックスファンドに投資してきました。

しかし、今以上のリターンを目指すには、アクティブファンドも視野に入れて投資先を選ぶ必要があるのだと思いました。

  1. 本文中でのつみたてNISAのアクティブファンドの定義は、上と同様に金融庁の発行している資料の定義にしたがっています。
つみたてNISAの対象商品の要件②(アクティブ運用投資信託等)
出典:金融庁「つみたてNISAについて」

アクティブファンドは「ある程度慣れたあと」の2銘柄目から

ただ、先述したSPIVAレポートを見るにつけ、アクティブファンドで収益をきちんと得ていくのは、インデックスファンドに比べて、それなりの努力が必要だと感じました。

それは繰り返しになりますが「コスト」のためです。

実際、アクティブファンドはインデックスファンドにくらべて、一般的に高い信託報酬が設定されています。

しかし一部のアクティブファンドが、インデックスファンドを上回るパフォーマンスを出しているのも厳然たる事実であり、運用のやり方・選び方を工夫すればインデックスファンドよりも高いリターンを狙うことが可能だと思いました。

また「信託報酬が安ければ安いほどいい」という単純なものでもありません。

実際、先に紹介した金融庁の「つみたてNISAについて」では、「ハイリスク・ハイリターン」のアクティブファンドは、信託報酬が高い傾向にあると述べています。

国内株式アクティブ運用投信の信託報酬とリターンの関係
出典:金融庁「つみたてNISAについて」

以上から、アクティブファンドへの投資は、リスクとリターンを精査し、個別株への投資のように都度、

「どのファンドが有望なのか」
「どの程度のリターンを期待するのか」
「自分が取れるリスクはどの程度か」

を考えながら投資を行う必要があるのは、間違いありません。

したがって、「初心者」が「最初の投資」を行うには向いていませんが、自身のリスク許容度と期待したいリターンを考慮し、リターン改善のためにアクティブファンドに投資するのは1つの選択だと思います。

私がアクティブファンドを買う時に気にするポイント

以上をふまえると、私にとって、アクティブファンドを買うときは次の4つの要件が重要だと考えています。

1つ目は、きわめて当たり前ですが「余剰資金」で購入する。
2つ目は、ミドルリスク・ミドルリターンを狙う。
3つ目は、定期的に値動きの確認を行う。
4つ目は、インデックスファンドと同じくコストを気にする。
永きに渡って、市場平均を上回るパフォーマンスを上げているファンドマネジャーの代表といえば、「年間の平均リターンが22%」(*1)のウォーレン・バフェットを挙げる方は多いのではないかと思います。

そのバフェットの師匠、ベンジャミン・グレアムによる著書「賢明なる投資家」には、次のようにあります。

「投資とは、詳細な分析に基づいたものであり、元本の安全性を守りつつ、かつ適正な収益を得るような行動を指す。そしてこの条件を満たさない売買を、投機的行動であるという。」(*2)

インデックスファンドを買って放置するのも、初心者のうちはいいですが、ベンジャミン・グレアムのいう「詳細な分析」をし、かつそれを楽しむためにする投資も、2銘柄目以降であれば良いと思います。

まだ内容は確定ではないようですが、2024年1月にNISAが大きく制度拡充されるという報道がありました。

また、1月はその年のNISAの非課税枠が新たに設定される月です。

この機会に、新しい一歩として、投資先の選択肢をアクティブファンドまで広げてみるのも良いのではないでしょうか。

  • 引用:ダイヤモンド社「サイコロジー・オブ・マネー / モーガン・ハウセル」
  • 引用:パンローリング株式会社「賢明なる投資家 / ベンジャミン・グレアム」
執筆者:安達 裕哉(あだち ゆうや)
※記事内の情報は更新時点のものです。最新情報は別途ホームページ等でご確認ください。
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