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つみたてNISA(積立NISA)は損益通算や繰越控除できるのか?損が出ている場合の対応などを解説!

つみたてNISA(積立NISA)は損益通算や繰越控除できるのか?損が出ている場合の対応などを解説!
公開日:2022年7月8日

つみたてNISAで初めての投資をしたものの、「積み立てでも損が出るのだろうか」「損失が出たときはどのように対応すればいいのだろうか」と気になる人は多いでしょう。

つみたてNISAで損失が出た場合は、課税口座で利用できる損益通算や繰越控除という制度は利用できません。自分がどのようなスタンスで投資をしていけば良いのか、つみたてNISA口座で損失が出ている場合の対応方法や、つみたてNISAで長期分散運用するメリットを解説します。

つみたてNISAは損益通算や繰越控除できるのか?

つみたてNISAは、長期の積立・分散投資で資産形成をサポートするために作られた国の税制優遇制度です。通常の運用では、運用で得た利益に対して20.315%の税金がかかりますが、つみたてNISAでは運用益に対して税金がかからないという制度です。

非課税である「NISA口座」では、課税口座で利用できる損益を相殺できる「損益通算」や「繰越控除」が利用できません。「損益通算」や「繰越控除」とはどのようなものか、また「損益通算」や「繰越控除」ができないデメリットを解説します。

つみたてNISAは「損益通算」や「繰越控除」の対象外

金融機関の課税口座内の運用商品間では、「損益通算」や「繰越控除」という制度が利用できます。「損益通算」や「繰越控除」は、売却して損失が出た運用商品があれば、利益が出ているものと差し引きできる仕組みの制度です。

非課税であるつみたてNISA口座は、課税口座とは異なった扱いとなり、NISA口座内での損益通算や特定口座、一般口座など、ほかの課税口座の利益とも損益通算や繰越控除ができません。「損益通算」や「繰越控除」の違いは、以下のとおりです。

「損益通算」は同じ年の損益を差し引きできる制度

損益通算は、1年間の課税口座での株や投資信託、そのほかの商品での売買の損失を同じ年の利益と差し引き(相殺)することです。差し引きすることで、利益に対する税金の金額を減額できる仕組みです。同じ金融機関内での損益通算だけでなく、ほかの金融機関での損失とも利益を差し引きできます。

「繰越控除」は損失を3年間差し引きできる制度

繰越控除とは、1年間の売買での損失が損益通算してもなおマイナスの場合は、翌年以降3年間の利益から損失を差し引きすることができる仕組みです。繰越控除をするには、確定申告が必要です。

損益通算や繰越控除ができないデメリット

上述のとおり、つみたてNISAやNISAなどの非課税口座では、通常の課税口座でできる損益通算や繰越控除ができないデメリットがあります。具体的には、課税口座での税額が高くなるケースがあることや、非課税期間終了時に損失を出すことで税額が高くなることが挙げられます。

以下でくわしく解説します。

課税口座での税額が高くなってしまう可能性がある

つみたてNISAやNISAは、利益が出ていれば税制優遇メリットがあります。

しかし、つみたてNISAと課税口座の両方で運用商品を保有している場合には、注意が必要です。つみたてNISA口座内で損失を抱えてしまっていても、つみたてNISA口座では損益通算が出来ないため、課税口座での利益に対してそのまま課税されます。

そのため、課税口座で損益通算をした時と比べ、NISA口座で保有した方が運用商品全体での税額が高くなってしまうケースがあります。例として、運用商品のすべてを課税口座で保有していた場合と、運用商品をNISA口座と課税口座のそれぞれに保有していた場合の税額を比較します。

■例1:すべて特定口座(課税口座)の場合

  • A銀行:特定口座のA投資信託 50万円の損失
  • B証券:特定口座のB株 50万円の利益
  • C証券:特定口座のC株 10万円の損失
損益通算で10万円の損失(税金0円)
  1. この10万円の損失は、翌年の利益から差し引くことができます(3年間差し引きできる)。

■例2:A銀行の投資信託がつみたてNISA口座

  • A銀行:つみたてNISAのA投資信託 50万円の損失
  • B証券:特定口座のB株 50万円の利益
  • C証券:特定口座のC株 10万円の損失

損益通算で40万円の利益(税金は約8万円)。

例1も例2も、同一商品を保有して同じ損益ですが、例2は損益通算できないつみたてNISA口座があるため、支払う税金は8万円になります。例1の課税口座の税額ゼロと比較すると、8万円多く支払うことになります。

あくまでも、NISAやつみたてNISAといった非課税口座と課税口座の両方を保有し、運用商品を実際に売却した際に起こりうるケースです。保有中に価格が下がっているときは、基準価額の回復を待ち売却すれば問題はありません。

売却のタイミングを考える際の参考として、仕組みを知っておくと良いでしょう。

20年後の損失には注意する

20年間の非課税期間が終了した際は、積み立てた資産を売却して現金にするか、つみたてNISA口座から特定口座などの課税口座に移して運用を続けるかを選択します。

20年後の非課税期間終了時に損失があった場合、売却でも課税口座への移行でも売却益非課税の恩恵は受けられません。課税口座へ移行した場合の注意点は、元本割れしているその価格が課税口座での購入価額になるということです。

そのため、その後値上がりして元本まで価格が回復しても実際の利益はゼロです。利益がゼロであっても、税金がかかってしまいます。売却益が非課税になるのが最大のメリットであるつみたてNISAですが、損益通算ができないという点もきちんと理解しておきましょう。

損しやすいパターンと損が出ている場合の対応方法

せっかくNISA枠を利用して非課税で運用しているのですから、利益を出さなければ意味がありません。以下では、つみたてNISAで、損を出してしまう人の共通点について解説します。

つみたてNISAで損失を出してしまう人の特徴

つみたてNISAで損失を出しやすい人には、「短期的に売却する」「積立金額を変更することが多い」といった2つの共通点があります。

1. 短期的に売却する

つみたてNISAに限らず、投資で非常に多い失敗のひとつに、「株価が急に下がったので、焦って売却した」といった事例です。

つみたてNISAは、投資商品ですので運用の仕方や相場環境によっては損失が出る可能性があります。しかし、つみたてNISAは長期運用でその効果を発揮すると言われています。相場の変動に一喜一憂した短期売買は、損失を出してしまう確率が高くなります。

2. 積立金額を変更することが多い

つみたてNISAは、年間40万円の非課税枠を超えなければ、月々の積立金額を変更することが可能です。

使いみちがあり、やむを得ず積立金額を変更する場合は別ですが、価格の上下などを気にして積立金額を頻繁に変更するのは、効率的な運用ではありません。ドル・コスト平均法の効果を薄めてしまいます。

つみたてNISAでの運用は、短期的な売却や積立金額の変更をしなくても良いように、長期投資ができる無理のない積立金額で始めましょう。

損失が出ているときの3つの対応方法

つみたてNISAの非課税期間となる20年の間で、損失が出ているときの対応には次の方法があります。「運用を継続する」「運用商品の資産(アセット)を見直す」「20年の非課税期間終了時に売却する」の3つです。

以下で、くわしく解説します。

1. そのまま運用を継続する

つみたてNISAの非課税期間20年の間で、利益が出ていないときに積み立てをやめるのは得策ではありません。運用をそのまま継続していきましょう。

長期運用で毎月積み立てることで、ドル・コスト平均法により購入単価が平均化されます。価格が下がっているときこそ、購入単価を下げることができるタイミングです。コツコツ積立運用をしていけば、一時的な相場変動による損失はあまり気にする必要はありません。

2. 運用商品の資産(アセット)を見直す

運用商品の中身を確認してみましょう。資産(アセット)が、何かひとつの資産に偏っていないでしょうか。

たとえば、運用商品が新興国株式のみの1資産だけで運用していれば、新興国相場が下落すれば基準価額にダイレクトに反映します。ご自身の運用商品が、新興国株式だけ、国内株式だけなど運用資産が偏っている場合は、積み立てをする投資信託を1資産にするのではなく、新興国株式と国内株式などのように複数に分けることも考えましょう。

3. 20年の非課税期間終了時は少しずつ売却する

20年の非課税期間終了時にマイナスになっている場合は注意が必要です。つみたてNISAは、非課税期間が終了しても課税口座に自動的に移行し、運用を続けることができます。非課税期間終了時の価格が課税口座での購入価格になる点を理解したうえで、そのまま運用して価格の回復を待つのも方法の1つです。

しかし、使いみちがあって売却する場合は、マイナスの状態で一括売却するのではなく、時間を分散させて売却し、相場の回復を待つという方法もあります。たとえば、非課税枠が終了する年の積立分から毎年少しずつ売却したり、課税口座で運用を続けながら一定金額を少しずつ売却したりする方法です。

つみたてNISAの4つのメリット

つみたてNISAの4つのメリット

あらためて、つみたてNISAのメリットを再確認し、自分はどのような運用をするのかを考えましょう。

以下では、つみたてNISAの4つのメリットについて解説します。

メリット1:20年間は運用益・分配金が非課税

通常の投資で利益を得た場合は、運用益・分配金に対して20.315%の税金がかかります。対して、つみたてNISAでは、非課税期間である20年間は運用益に税金がかかりません。そのため、本来差し引かれるべき税金分も運用にあてることで効率的な運用ができます。

メリット2:少額の積み立てができる

毎月の積み立ては数百円~千円など、生活に負担をかけない少額から始められます。これまで、積み立てる金額に躊躇(ちゅうちょ)していた人でも、つみたてNISAなら気軽に始められるのが特長です。

メリット3:購入タイミングを考えなくてよい

つみたてNISAは「積み立て」に特化した制度です。毎月設定した日程で同じ金額を自動的に買い付けます。そのため、購入のタイミングを考えなくてもよく、判断する知識や手間がかかりません。

メリット4:低コストで長期運用に適した商品ラインナップ

つみたてNISAで購入することができる金融商品は、金融庁が長期・積立・分散の投資に適していると判断した投資信託・ETFのみです。

数多い金融商品から厳選されているので、投資初心者には選びやすい仕組みです。20代から40代の若い世代の方も、これから起こるさまざまなライフイベントや老後に必要な資金のことは、いまから考えておくことが必要です。

つみたてNISAのメリットは、そのような長期計画の資産形成に適しているといえます。

まとめ

NISA口座は非課税枠口座であり、課税口座で可能な「損益通算」や「繰越控除」のような制度が利用できません。

しかし、少額を長期にわたりコツコツ積み立てることで損失の可能性が下がります。短期の価格変動に一喜一憂せずに、積立商品を安定した気持ちで持ち続けることが大切です。

将来を見据えた資産運用は、早く始めるほどメリットがあります。自分の投資スタイルをあらためて確認して、今後のライフイベントや老後に必要な資金を準備しましょう。

執筆者:井上 美鈴(いのうえ みすず)

執筆者保有資格:日本ファイナンシャル・プランナーズ協会認定AFP認定者、一種外務員

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(2022年7月8日現在)