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つみたてNISA(積立NISA)で損をしないために~商品の特徴から考える賢い投資~

つみたてNISA(積立NISA)で損をしないために~商品の特徴から考える賢い投資~
三菱UFJ銀行はJ.D. パワー"NISA顧客満足度No.1 <銀行(全国系、ネット)部門>"を受賞
三菱UFJ銀行はJ.D. パワー"NISA顧客満足度No.1 <銀行(全国系、ネット)部門>"を受賞
  • 2022年7月27日
  • 2024年1月12日
つみたてNISAは少額から非課税で積立投資ができる制度です。資産運用でぜひ活用したい制度ですが、デメリットがないか損をしないか不安な人もいるでしょう。そこで、どんな場合に損をしやすいのか、損になってしまったらどのように対処すればいいのかについて紹介します。
  • 現行制度は、2024年1月以降に制度内容が大きく改正される予定です。
    本ページは2022年12月16日(金)「令和5年度の税制改正大綱」で公表された情報をもとに作成しております。今後変更となる可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

\2024年以降のNISA制度のポイント/
目次

つみたてNISAの特徴とメリットをおさらい

初めに、つみたてNISAの特徴とメリットをおさらいしましょう。ポイントは以下の5つです。

  • 毎年40万円を上限に20年間非課税で運用できる
  • 投資対象商品は投資信託のみ
  • 少額から始められる
  • いつでも引き出せる
  • 購入タイミングを気にする必要がない

メリット1:年間40万円を上限に20年間非課税で運用できる

つみたてNISAは積立投資で資産形成するための制度で、投資信託から得た運用益が全額非課税になるメリットがあります。
年間40万円を上限に投資でき、最長20年間まで非課税で運用できます。
ただし税制改正によって2024年から制度が刷新される予定です。新制度ではつみたてNISAとNISAが1つの制度になり、非課税期間や投資枠が拡大されます。
改正の大まかな特徴は以下のとおりです。
<2024年以降のNISAのポイント>

  • つみたてNISAは「つみたて投資枠」、NISAは「成長投資枠」となり併用可能
  • 非課税期間が無期限になる
  • つみたて投資枠は年間120万円まで、成長投資枠は年間240万円まで投資可能
  • 非課税保有限度額は1,800万円までだが、そのうち成長投資枠は1,200万円まで

現行のつみたてNISAで2023年に購入した分は20年間非課税で保有できますが、2024年以降は新しい制度で購入した投資信託を無期限で保有できるようになります。

メリット2:対象商品は金融庁の基準を満たした投資信託のみ

これから投資を始める場合、商品の選び方がわからなくて困ることもあるかもしれません。
しかし、つみたてNISAの対象商品は金融庁の基準を満たした投資信託のみであるため、初心者でも安心して選べるようになっています。
手数料が一定以下の商品や長期投資に向いた商品が対象になっており、金融機関によってはさらに厳選した商品のみを取り扱うところもあります。
三菱UFJ銀行の場合は、12本の投資信託に絞って提供しています。いずれも低コストで一定の基準を満たし、長期投資に適したファンドです。

メリット3:少額から始められる

少額から投資を始められるのもつみたてNISAの特徴です。
金融機関によっても異なりますが、三菱UFJ銀行では最低1,000円から33,333円の範囲で積立ができます(*)
  • Eco通知をご利用のお客さまがインターネットバンキングからお申し込みの場合
金額はいつでも変更できるため、生活に負担をかけずに続けていけるでしょう。

メリット4:いつでも引き出せる

つみたてNISAは最長20年間非課税で運用できますが、20年間経過しなくても売却していつでも引き出せます。
そのため、気軽に始めやすい制度になっています。
しかし、引き出すときに利益が出ているとは限りませんので、将来のために長期運用できるお金を積み立てていきましょう。

メリット5:購入タイミングを気にする必要がない

積立投資は毎月一定金額を自動的に購入していく方法のため、自分で買い時の判断をする必要がありません。
つみたてNISAは少額の積立なので、利益がある程度大きくなるまでには相応の時間もかかります。
そのため、積立を始めたら都度購入手続きをする必要がなく、投資に時間を割かなくてもいい点がメリットです。

つみたてNISAで損をするのはどんなとき?

つみたてNISAで損をするのはどんなとき?
投資信託には値動きがあり、株式市場の動向などによって毎日変動します。
値下がりすることもあり、状況によっては損が発生している場合もあるので、その時点で売却すると損が確定してしまいます。
このため、損が出たからといって焦ってすぐに売却することはあまりおススメできません。
そもそも投資信託は短期で利益を得るための商品ではなく、中長期で利益を増やしていくための商品です。
一時的に値下がりしても時間とともに回復することも多いため、目先の値動きはあまり気にせず長期運用することが大切です。

つみたてNISAで損をしやすい人の特徴とは?

つみたてNISAで損をしやすい人には、以下の3つの特徴があります。

  • 短期的な目線で売却する
  • 積立金額をよく変更する
  • 積み立てる商品を頻繁に変更する

短期的な目線で売却する

つみたてNISAに限らず、投資で多い失敗のひとつに、「株価が急に下がったので、焦って売却した」といった事例です。
つみたてNISAは、投資商品ですので運用の仕方や相場環境によっては損失が出る可能性があります。
しかし、つみたてNISAにおける投資は、長期運用によって利益を期待するものです。焦って売却すれば、その後の回復局面を逃してしまうということもあり得ます。
反対に、少し利益が出ただけで売却してしまう人もいます。
利益が出れば誰しもうれしいものですが、短期的な利益で売却すると、将来のより大きな利益を逃してしまう可能性があります。
運用を続けていれば利益が少しずつふくらんでいくことが期待でき、20年間の非課税期間も十分に活用することができます。

積立金額をよく変更する

つみたてNISAは、月々の積立金額を自由に変更することが可能なため、家計に負担をかけない範囲で積立を行えます。
しかし、価格の上下などを気にして積立金額を頻繁に変更するのは、効率的な運用ではありません。
一定金額を長期間積み立てることでリスク分散の効果が高まりますので、損を遠ざけるためには淡々と積み立てることが大切です。
使いみちがあり、やむを得ず積立金額を変更する場合は別ですが、短期的な売却や積立金額の変更をしなくても良いように、長期投資ができる無理のない積立金額で始めましょう。

積み立てる商品を頻繁に変更する

つみたてNISAは購入する商品をいつでも変更できますので、自分が保有する商品よりも成績の良い商品があれば、気持ちが傾いて変更したくなることもあるかもしれません。
変更自体は投資に対する考えや状況の変化次第で検討しても問題ありませんが、頻繁に変更すると、つみたてNISAのメリットが小さくなってしまう可能性があります。
というのも、積立投資は買付時期を分けて投資することで、リスクを分散できる投資方法だからです。
商品を頻繁に入れ替えると、下がったときに多く買い、上がったときに少なく買うというリスク分散が働きにくく、積立投資のメリットを受けにくくなる可能性があります。
相場の動きには波がありますので、商品を変更するときは十分に検討し、頻繁な変更は行わないようにしましょう。
窓口のある金融機関であれば、不安になったときは相談してみるのもいいかもしれません。

つみたてNISAで損をしたらどうすればいい?

つみたてNISAで損が出ている場合、以下の3つの対処方法が考えられます。

  • そのまま運用を継続する
  • 運用商品の資産を見直す
  • 非課税期間終了時に損をしている場合は課税口座に移して回復を待つ

対処方法1.そのまま運用を継続する

つみたてNISAで損が出ているときに積立をやめるのは得策ではありません。
そのお金がすぐに必要ないのであれば、運用をそのまま継続していきましょう。
長期運用で毎月積み立てることで、買付タイミングが分散されて購入単価が平準化されていきます。
基準価額が下がっていても積立を継続すれば、購入単価の引き下げにつながり、相場が回復したときに利益に出やすくなります。
コツコツ積立運用を続け、一時的な相場変動による損失はあまり気にする必要はありません。

対処方法2.運用商品の資産を見直す

運用商品の中身を確認してみましょう。投資資産が何か1つに偏っていないでしょうか。
たとえば、運用商品が国内株式のみで運用していれば、国内の相場が下落すれば基準価額にダイレクトに反映します。
ご自身の運用商品が国内株式などのみに偏っている場合は、積み立てる投資信託を1つの資産だけにするのではなく、国内株式と海外株式といったように複数に分けることも考えてみましょう。
このような方法は分散投資といわれ、資産運用の基本とされています。
同じ株式でも国内と海外、先進国と新興国などでは値動きが異なる場合がありますので、分散投資をすることでリスクの低減を期待できます。
また、債券など株式とは異なる資産が含まれるバランス型ファンドであれば、さらにリスクを抑えられる可能性があります。
ただし、資産の見直しは損をしているときに行うよりも、あらかじめ行っておくほうが効果的です。
これからつみたてNISAを始める場合、リスクを抑えて運用したい人は、分散投資を意識して商品選びを行いましょう。

対処方法3.非課税期間終了時に損をしている場合は課税口座に移して回復を待つ

20年間の非課税期間終了時に損をしている場合は、課税口座に移管して回復を待つのも1つの方法です。
つみたてNISAは非課税期間が終了するまでに売却しなければいけないわけではありませんので、まだ売却したくない場合は課税口座で運用して回復を待ちましょう。
注意点は、課税口座に移したあとの値上がり分は、売却時に税金がかかることです。
これは、課税口座に移行する時点までの利益を非課税とし、非課税期間満了時の時価で新たに同じ商品を購入し直したとみなして税額が計算されるためです。
この点を理解したうえで、運用を続けるか検討しましょう。
一方、使いみちがあって売却する場合は、損の状態で一括売却するのではなく、必要最小限だけ売却する方法もあります。
分割して売却することで、確定する損の金額を抑えられ、残りの資金は運用を続けることができます。
なお、2024年以降の新しいNISAでは非課税期間が無期限になるので、より長期での運用がしやすくなるでしょう。

積立を途中で停止した場合の損益をシミュレーション

つみたてNISAで損をしているときの3つの対処方法を紹介しましたが、途中で積立を停止した場合はどのような結果になるでしょうか。
ここでは、以下の図にある日経平均株価に「①毎月3万円を20年間積み立てたケース」と、「②途中で積立を停止して再開したケース」を確認してみましょう。
日経平均(末日終値)
  • 三菱UFJ銀行
  • 2002年12月〜2022年11月
停止するケースでは、リーマンショックで株価が下落した2008年9月〜下落前の水準を回復した2013年3月まで積立をストップします。
結果は以下のとおりになりました。
  ①20年間積立のケース ②積立を停止して再開したケース
元本 720万円 555万円
評価額 1,432万円 946万円
損益 +712万円(約199%) +391万円(約170%)
どちらも利益は出ていますが、①は最終的に評価額が元本の2倍近くになったのに対し、②は評価額が1.7倍程度にとどまりました。
両方とも運用がうまくいったことに変わりはないものの、②は途中で積立を停止、それも安く購入できる期間に停止したことで、①と比べれば見劣りする運用結果となりました。
あくまで1つのシミュレーションのため、期間や投資対象が変われば違った結果になります。
しかし上記の結果からは、積立を続けていたほうが長期的にはより大きな利益を期待できるといえそうです。

まとめ

つみたてNISAは非課税運用ができるメリットのある制度ですが、投資である以上、損をすることもあります。
損をするときは値下がり時に売却してしまった場合のほか、購入商品を頻繁に変更することでも損につながる可能性があります。
もし損になってしまった場合でも、あまり気にせずに積立を続けて運用していくことが大切です。
一定金額を積み立てることで、長期的には利益を期待できるようになります。
自分にとってリスクが大きいと感じたら、必要に応じて運用商品を見直してみるのも良いでしょう。
執筆者:國村 功志(くにむら こうじ)
執筆者保有資格:日本ファイナンシャル・プランナーズ協会認定 CFP®認定者、一種外務員資格
※記事内の情報は更新時点のものです。最新情報は別途ホームページ等でご確認ください。
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株式会社 三菱UFJ銀行
(2024年1月12日現在)