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公務員の加入が増えているiDeCoの運用シミュレーションや所得控除の手続きについて解説!

公務員の加入が増えているiDeCoの運用シミュレーションや所得控除の手続きについて解説!
公開日:2022年6月9日
確定拠出年金法の改正で、2017年から公務員もiDeCoに加入できるようになり、老後資金の上乗せを目的に公務員の加入も増えています。公務員の年金制度や、公務員がiDeCoに加入するメリット・デメリットとあわせて、くわしく解説します。

iDeCoに加入する公務員が増えている?

iDeCo(イデコ)とは個人型確定拠出年金のことを指します。年金には賦課方式と積立方式があり、賦課方式は年金支給のために必要な財源を保険料収入から用意する方式で、毎月積立方式に当てはまるiDeCoは自分で支払った保険料を自分で運用し、その運用成果を自分で全額受給することができる仕組みです。
iDeCoに加入して国民年金や厚生年金に上乗せすることで、老後を豊かに暮らすための準備をすることができます。

iDeCoに加入する公務員は増加傾向にある

これまでの公務員の年金受給額や退職金は充実しており、追加で年金を準備する必要はないと考えられていました。しかし、2015年の年金制度改正と退職給付の支給引き下げにともない、公務員でも年金を自分で上乗せする必要性が出てきています。
公務員の退職金の推移
参考:内閣官房「退職手当の支給状況」、総務省「地方公務員給与の実態」
iDeCoが始まった2001年10月当初は、公務員がiDeCoに加入することはできませんでしたが、確定拠出年金法の改正により2017年1月から公務員も加入できるようになりました。
その結果、2022年1月時点で公務員などの加入者は50万人を超え、制度開始から大きく伸び現加入者(運用指図者・自動移管者含む)は2022年1月の前年同期比123.4%と増加傾向にあります(*)。

公務員の年金制度について

そもそも、改革前の公務員の年金制度と退職金制度はどのような仕組みだったのでしょうか。

公務員の年金制度は2015年に大幅な変更が行われた

以前の公務員の年金制度

国の年金制度には、国民年金と国民年金に上乗せされる厚生年金があります。
現在、会社員と公務員が加入できる厚生年金ですが、2015年まで公務員は厚生年金ではなく「共済年金」に加入していました。「共済年金」は厚生年金と比較すると支払保険料が低い一方で、公務員は企業年金(会社員の厚生年金の上乗せ部分で、企業が掛金を拠出)に加入ができないことや賃上げ交渉ができないという理由で、「共済年金」に上乗せする形として「職域加算」が設けられていました。
しかしながら、公務員の年金制度は会社員と比較して不公平感があり、2015年10月から会社員が加入する厚生年金と一元化されることになりました。

改正後の公務員の年金制度

この改正により、公務員は会社員と同じ厚生年金の保険料負担となり、「共済年金」に上乗せされていた「職域加算」も廃止された代わりに「退職等年金給付」が厚生年金に上乗せされました。これまでの「職域加算」は保険料負担なしで給与に基づいて給付されていましたが、現在は公務員も、保険料を負担したうえで積立方式による給付となっています。
このような年金制度の一元化にともない、公務員の退職給付の支給水準の引き下げも行われ、会社員の企業年金と退職金の合計額と、公務員の年金払い退職給付と退職手当の合計額は、同水準までになりました。
公務員の老後資金となる年金制度や退職金制度の改革の流れから、老後を豊かに送るために、公務員もiDeCoを利用して老後資金を準備する方が増加しています。

iDeCoに加入するメリット・デメリット

公務員に限ったことではありませんが、iDeCoに加入すると、以下のようなメリット・デメリットがあります。

【メリット1】掛金が全額所得控除

iDeCoに拠出した掛金は全額所得控除となるため、掛金の分は給与所得を減らし、その分税金を抑えることができます。なお、収入が高く適用税率が高い人ほど効果が大きくなるのもポイントです。

【メリット2】運用益は非課税

一般的に、投資信託などで運用利益が出た場合は、税率20.315%の課税対象になりますが、iDeCoの運用利益はすべて非課税です。

【メリット3】受取時は退職所得控除、公的年金等控除が受けられる

受取時には、一括で受け取った場合には退職所得控除、年金形式で受け取った場合には公的年金等控除が受けられます。
本記事後半で、それぞれのメリットによる効果が具体的にどのくらいの金額になるのかを紹介します。シミュレーションもあるので、自分の場合はどうなのかをぜひチェックしてみましょう。

【デメリット1】60歳まで引き出せない

老後資金準備のための資産であるため、原則60歳まで引き出すことができません。そのため、教育資金や住宅費用などのまとまった資金が必要な場合でも、iDeCoの掛金は使うことができないので注意が必要です。

【デメリット2】掛金には限度額がある

全額所得控除となる掛金は、余裕があるなら多く拠出したいものですが、iDeCoの掛金には毎月拠出できる上限額が決まっています。公務員の場合は、現時点で月額1.2万円(年間14.4万円)が上限額です。

【デメリット3】運用は自己責任

iDeCoは自分が選んだ投資信託で運用するため、損失によって、拠出した資金が元本割れしてしまうリスクがあります。
なお、iDeCoでは、元本割れのない定期預金への拠出も選ぶことができます。定期預金は金利が低く、手数料によるマイナスの方が大きいため、利益を求めるには不向きです。しかし、所得控除を目的とした利用なら有効です。

【デメリット4】手数料がかかる

iDeCoには以下のような手数料がかかります(消費税込)。
1. 新規加入時 2,829円 1回のみ・共通
2. 事務数料 月額105円 毎月(加入者のみ)
3. 資産管理数料 月額66円 運用指図者となった場合も必要
4. 運営管理機関手数料 0円~数百円 金融機関によって異なる
たとえ拠出をやめても60歳まで引き出せないため、預けている資産は運用を継続する必要があります。その際には加入資格喪失手続をして、拠出していなくても運用中は資産管理手数料と運営管理機関手数料がかかることは覚えておきましょう。

【デメリット5】金融機関変更がカンタンにできない

iDeCoは金融機関を決めて拠出をしますが、途中で金融機関を変更する際には、すでに拠出している資産を売却し、次の金融機関に移す必要があります。また、変更時には金融機関によっては変更手数料もかかり、国民年金基金連合会の審査などが入るため、手続きには数ヵ月は必要なので注意が必要です。

公務員がiDeCoを運用した場合に将来いくら受け取れるのか?

公務員がiDeCoを運用した場合に将来いくら受け取れるのか?
公務員がiDeCoを運用した場合、どのぐらい受け取れるかシミュレーションで見てみましょう。
<30歳の公務員でのシミュレーション(*1)>
  • 拠出:30歳~60歳まで
  • 年収:600万円
  • 掛金月額:1.2万円
  • 運用利回り:1%
<運用結果>
  • 受取金額:5,031,941円(運用益711,941円)
  • iDeCoによるメリット
掛金拠出時 累計868,800円(年間29,100円)の税金が軽減
運用益に対する税金 142,919円の税金が非課税
受取時の税金(一括受取の場合) 非課税
  • あくまでシミュレーションであり、実際の受取額や納税額は運用結果や実際の収入などで変わります。また退職所得控除は、同年にほかでの退職所得があれば合算してからの控除となり、受取時の前年以前4年内に退職所得がある場合には、控除額が減額されることがあります。
毎月1.2万円の掛金を30年間積み立てることで、元本に運用利益が711,941円プラスされ、5,031,941円の老後資金を準備できる計算になりました。今回は運用利回り1%の計算でしたが、経済や実際の運用状況によって運用利回りは変動します。
また、掛金拠出時の税額は30年間で合計約868,800円を軽減する結果が出ました。税額を抑えられるということは、手元に残るお金がそれだけ増えるということです。受取時の税金(一括受取の場合)は非課税ですので、そのお金を老後資金に回せることになります。
実際の受取額や税金への影響は、運用結果やその時の実際の収入などで変化しますが、iDeCoの加入を検討している方や、掛金をいくらにするか迷っている方は、ぜひご自身でシミュレーションをして具体的なイメージを膨らませてはいかがでしょうか。
iDeCoのシミュレーションはこちらから行えます。

公務員がiDeCoの所得控除の申告をする場合は年末調整をしよう!

公務員のiDeCoの所得控除は、年末調整を行うことで、年末最後の給与で所得税の還付、翌年の住民税の減額が行われます。ただし、年収2,000万円以上、副業などで所得や利益が20万円以上ある人は、確定申告による申告が必要になります。
年末調整の具体的な手順は以下のとおりです。
<年末調整の手順>
【1】10月頃に国民年金基金連合会から送付される「小規模企業共済等掛金払込証明書」を保管しておく
【2】11~12月に勤務先から受取る「給与所得者の保険料控除申告書」に上記小規模企業共済等掛金払込証明書の記載の合計金額を記入し、その証明書原本を貼付けする
【3】上記書類を期限内に提出する
年末近くに加入し、証明書が年明けになってしまうなどで、年末調整で申請できないときは、確定申告により申告することができます。
年末調整のくわしい情報を知りたい方は、こちらの記事も合わせてご覧ください。

まとめ

公務員の年金受給は、年金制度改革によって大きく変わりました。iDeCoは所得控除、運用益非課税、受取時にも一括なら退職所得控除を受けられるなど、公務員の年金受給額を充実させるためにも有効です。
ただし、iDeCoにはメリットだけでなくデメリットもあります。iDeCoの制度を良く理解したうえで、加入を検討しましょう。

執筆者:大堀 貴子(おおほり たかこ)

執筆者保有資格:日本ファイナンシャル・プランナーズ協会認定 CFP®認定者、証券外務員資格Ⅰ種、税理士試験簿記論、財務諸表論合格

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ご注意事項

iDeCoをお申し込みいただく前に、下記についてご確認ください。

  1. 原則、60歳まで引き出し(中途解約)ができません
    脱退一時金を受け取れるのは一定の要件を満たす方に限られます。
  2. ご本人の判断で商品を選択し運用する自己責任の年金制度です
    • 確定拠出年金制度では、ご加入されるご本人が自らのご判断で、商品を選択し運用を行いますので、運用結果によっては受取額が掛金総額を下回ることがあります。
    • 当行から特定の運用商品の推奨はできません。
  3. 運用商品の主なリスクについて
    • 預金は元本確保型の確定利回り商品です。預金は預金保険制度の対象となります。
    • 当行のiDeCoで取り扱う保険は元本確保型商品です。ただし、運用商品を変更する目的で積立金を取り崩す場合は、市中金利と残存年数等に応じて解約控除が適用されるため、結果として受取金額が元本を下回る場合があります。
    • 投資信託は価格変動商品です。預金ではなく、預金保険制度の対象ではありません。運用実績は市場環境等により変動し、元本保証はありません。また、当行でお取り扱いする投資信託は、投資者保護基金の対象ではありません。
    • 預金、保険および投資信託は異なる商品であり、それぞれリスクの種類や大きさは異なります。
  4. 初回手続き時、運用時、給付時等で、各種手数料がかかります
    • iDeCoには、初回手続き手数料・毎月の事務手数料・資産管理手数料・運営管理機関手数料・給付事務手数料等がかかります。
    • 手数料は、加入者となられる方は毎月の掛金から、運用指図者となられる方は積立金から控除されます。年金でお受け取りになられる方は給付額から控除されます。
  5. 60歳になっても受け取れない場合があります
    • 50歳以上60歳未満で加入した場合等、通算加入者等期間(*)が10年に満たない場合は、受給可能年齢が引き上げられます。
    • 60歳以上で新規加入した場合、加入から5年経過後に受給可能となります。
      • 通算加入者等期間は、iDeCoおよび企業型DCにおける加入者・運用指図者の期間の合算となります。
株式会社 三菱UFJ銀行
(2022年6月9日現在)