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株価指数とは?初心者が知っておきたい種類や変動する要因をわかりやすく解説

株価指数とは?初心者が知っておきたい種類や変動する要因をわかりやすく解説
公開日:2022年10月31日

テレビのニュース等で、日経平均株価やTOPIX等の株価指数を目にする方は多いのではないでしょうか。これらの株価指数は、株式市場の値動きをあらわしており、投資を始める際には、どのように影響するのか把握しておくことが大切です。

今回は投資初心者の方に向けて、株価指数の概要、代表的な株価指数をファイナンシャルプランナーがわかりやすく解説します。

投資初心者の方におすすめの投資信託についても触れているので、参考にしてください。

株価指数とは「株式市場の値動きをあらわす指標のこと」

株価指数とは、株式市場全体の値動きをあらわす指標のことです。具体的には、複数銘柄の株価を一定の計算式で総合的に数値化したもので、投資家が相場を確認するための「ものさし」となります。

株価は、株式市場全体の動向に左右されやすく、投資判断をするためには、株式市場全体の動向の把握が必要です。

日本の代表的な株価指数には、日経平均株価(日経225)・東証株価指数(TOPIX)が挙げられます。海外においては、米国のNYダウ・S&P500・ナスダック総合指数等が代表的です。

国内株式の代表的な株価指数

国内株式の代表的な株価指数

ここでは、日本国内の代表的な株価指数、算出方法を解説します。

日経平均株価(日経225)

日経平均株価(日経225)は、日本経済新聞社が東京証券取引所に上場する約2,000銘柄のなかから流動性の高い225銘柄を選定し、株価指数を算出したものです。

株価指数は、225銘柄の株価合計を除数で割って算出します。除数とは、株式分割等による株価変動を考慮した数値です。

225銘柄の構成は、市場流動性・業種(技術/金融/消費/素材/資本財・その他/運輸・公共の6分類)のバランスを考慮して年に一度見直されます。

また、見直しによる定期な入れ替えだけでなく、構成される銘柄に上場廃止が発生した場合等は、臨時で入れ替わるケースもあります。

東証株価指数(TOPIX)

東証株価指数(TOPIX)は「Tokyo Stock Price Index」の略で、東京証券取引所に上場する2,000以上の原則全銘柄が対象の株価指数です。幅広い銘柄が対象で、日経平均株価よりも相場全体の動きが反映されやすいため、多くの場合で利用されています。

東証株価指数は、時価総額(株価×発行株式数)の変動で、株価指数を算出する仕組みで、以下の公式で計算します。

TOPIX(ポイント)=(比較時の時価総額)÷(基準時の時価総額)×100

TOPIXを算出する際に使用する時価総額は、株式市場で実際に売買され、流通する可能性の高い「浮動株」の時価総額が用いられます。

また、基準日(1968年1月4日)の時価総額を100ポイントとして、基準日と現在のポイント数を比較し、増減した数字を指標としています。

時価総額を数値化しているため、株価が同額の場合、発行株式数が多い企業の株価変動は、発行株式数が少ない企業よりも株価指数に大きく反映される傾向にあります。

TOPIXは東証一部上場の全銘柄が組み込まれていましたが、近年の東証一部上場の企業の数は1,191社(1990年12月31日時点)から、2,176社(2022年3月31日時点)にのぼり、日本の最上位市場として質の低下が懸念されるようになりました。

そのため市場区分の見直しが行われ、2022年4月4日に新市場区分が始動、TOPIX自体も見直されました。現状、市場への影響を考慮し、流通株式時価総額100億円未満の銘柄に対しては、2022年10月から2025年1月にかけて段階的に減らしていく予定です。

海外株式の代表的な株価指数

海外株式の代表的な株価指数
ここからは、海外株式における代表的な株価指数、算出方法を解説します。

NYダウ

NYダウとは、米国株式市場の主要な株価指数を指します。米ダウ・ジョーンズ社が算出・公表する、米国で影響力がある主要な30銘柄により構成される株価指数です。

正式名称は「ダウ工業株30種平均」であり、ダウ平均株価、ニューヨークダウとも呼ばれます。株価指数は株価平均型で、「構成銘柄の株価合計÷構成銘柄数÷除数」で算出されます。株価平均型のため、各銘柄の株価変動に左右されやすいことが特徴です。

S&P 500

S&P 500とは、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス社が公表する、米国株式市場の株価指数のことを指します。

株価指数は、各銘柄の時価総額を合計した後に、基準点の時価総額合計で割る「時価総額加重平均型」で算出されます。ニューヨーク証券取引所、ナスダックに上場する企業から選ばれた500の銘柄の株価が対象です。

構成銘柄は定期的に見直されるうえ、幅広い銘柄より算出されるため、大きな銘柄に左右されにくくリスク回避しやすい株価指標の一つでしょう。

ナスダック総合指数

ナスダックとは、米国の世界最大のベンチャー企業向け株式市場のことです。構成銘柄には、Google・Apple・Amazon等、IT関連のハイテク銘柄が多く含まれます。

ナスダック株価指数は、時価総額の割合に基づいて構成銘柄の割合を変え、平均値を算出する「時価総額加重平均型」で算出される仕組みです。

市場に上場するすべての銘柄が対象であり、1971年2月5日の値を100として算出しています。もともとは中小型銘柄が中心でしたが、いまや大企業となった銘柄も残っているため、年々時価総額が拡大していることが特徴です。

FTSE100

FTSE100とは、ロンドン証券取引所(LSE)における、イギリスの代表的な株価指数です。ロンドン証券取引所グループと、英国フィナンシャル・タイムズ社の合弁会社であるFTSEが公表しています。

株価指数は、各銘柄の時価総額を合計し、基準日の時価総額からの増減を指数化した「時価総額加重型」で算出します。上場する時価総額が大きい100社を対象として、1983年12月31日の株価が基準値(1,000ポイント)です。

構成銘柄には、日本でも馴染みのある世界的な大企業が数多く含まれており、ドイツのDAXに並んで注目度の高い株価指数といえます。

DAX

DAXとは、ドイツのフランクフルト証券取引所に上場する銘柄のうち、代表的な40銘柄を対象とした株価指数です。ドイツ株価指数とも呼ばれており、ユーロ圏以外に世界的にも注目度の高い株価指標といえるでしょう。

算出方法は、時価総額の割合に基づいて構成銘柄の割合を変え、平均を算出する「時価総額加重平均型」を採用しています。ドイツの優良企業40銘柄を対象に、1987年12月30日の時価総額を基準(1,000)に定め、算出しています。

株価指数・株価が変動する要因とは?

株価指数・株価が変動する要因とは?

ここからは、株価指数や株価が変動にはどのような要因が関係しているかを解説します。

株価指数が変動する2つの要因

株価指数が変動する要因には、「企業の業績の変動」と「個別銘柄の変動」の2つが挙げられます。

1.企業業績の変動
株価指数は、取引所全体や特定銘柄群の株価の動きをあらわすため、企業業績の変動が影響しやすいことが特徴です。業績に大きな動きがあるときは、株の売却・購入の動きが活発となり、株価指数への影響が出やすくなります。
2.個別銘柄の変更
株価指数は、株式市場全体や特定銘柄群の株価の値動きを示すものです。そのため、個別銘柄の見直しや上場撤退等により、株価指数を構成する銘柄の変更があると、株価指数が大きく変動します。

次に、「株価」そのものの変動要因について確認しましょう。株価変動には、以下の3つが関係しています。

世界の景気や為替の動き

為替相場は、製品を輸出・輸入する企業の業績に、大きな影響を与える要素の一つです。景気が低迷しているときは需要と供給のバランスが崩れやすく、株価そのものの価格変動が起きやすい傾向があります。

金利の水準

金利と株価は密接な関係にあり、金利が上がると株価は下がり、金利が下がると株価は上がる傾向があります。

例えば、金利が上がれば企業は資金繰りが苦しくなるため、事業を縮小せざるを得ない状況となり、結果的に株価の下落が考えられます。

反面、金利が下がると企業の運営資金に余裕が出るため、新事業等に投資が可能となります。事業拡大により、将来性への期待が高まり、需要とともに株価が上昇する仕組みです。

自然災害や天候

冷夏や猛暑等、通常とは異なる自然現象によっても、企業の売上が変動します。

例えば、猛暑の場合はエアコンやビール、清涼飲料水等の売上が好調となり、これらを扱う企業の株価は上がりやすいでしょう。

一方で冷夏の場合は、農作物がうまく育たず野菜の原価が高騰する等、支出が増えるため、飲食店に関わる企業の売上が低下して株価が下がる傾向にあるのです。

株価指数との連動を目指す投資信託の特徴とは?

株価指数との連動を目指す投資信託の特徴とは?

株価指数との連動を目指す投資信託には「インデックスファンド」という投資方法があります。投資先は、日経平均株価・TOPIX・S&P500等、さまざまな種類が存在します。市場全体にバランスよく分散投資ができるため、投資に慣れていない初心者にもわかりやすい投資方法です。

以下では、株価指数との連動を目指す投資信託「インデックスファンド」の特徴を解説します。

値動きがわかりやすい

インデックスファンドは、対象の指数と同様の値動きを目指す投資方法のため、価格の変動がわかりやすいことが特徴です。

株価指数が上がればインデックスファンドも上昇し、下落すれば同じくらいの値が下がるといった、シンプルな仕組みになっています。初心者の場合でも、始めやすい投資方法といえるでしょう。

コストが安い

投資信託は一般的に、購入時手数料や信託報酬等のコストがかかります。その点インデックスファンドは、株価指数と連動した値動きで取引を進めるため、運用における銘柄の調査費用等の手数料が抑えられるメリットがあります。

購入時手数料が0円の商品も存在しており、インデックスファンドであれば、毎月の負担を抑えながら中長期的な資産形成が目指せるでしょう。

分散投資がしやすい

インデックスファンドは、ファンドが対象とする複数銘柄で構成されるため、1本購入するだけで、複数の銘柄に投資が可能です。市場全体に分散投資が可能な仕組みであり、損失リスクが抑えられるメリットがあります。

例えば、日経平均株価に連動するインデックスファンドの場合、1本購入すれば、225銘柄全体に分散して投資可能です。また、1本1万円前後から投資できるため、初めての投資で不安な方も負担のない金額から始められるでしょう。

まとめ

株価指数とは、株式市場の値動きをあらわす指標のことです。株価の価格は、株式市場の動向に左右されやすく、適切に投資を継続するには株価指数を理解し、動向を把握することが必要です。

株価指数は株式市場により、さまざまな算出方法があります。対象の算出方法を知っておくことで株価指数が変動する傾向が把握でき、投資にプラスに働きます。

なお、投資初心者には「値動きがわかりやすい、分散投資ができる、コストが安い」等のメリットがあるインデックスファンドが始めやすいでしょう。

記事提供:トランス・コスモス株式会社
執筆者保有資格:2級ファイナンシャル・プランニング技能士
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