FIREとは?メリット・デメリットや実現方法をわかりやすく解説!
- 2020年11月2日
- 2024年8月20日
FIREとは
人生100年時代といわれる現在、「できるだけ長く働いて収入を得る」という考え方もあるなか、FIREは資産運用や節約によって資産を築き、働かなくても自由に暮らせる生活を実現することを目指しています。
コロナ禍での働き方やライフスタイルの変化により、日本国内でもFIREの考え方が広く浸透してきましたが、その実現には計画的な資産運用や貯蓄への取り組みが必要不可欠です。
従来の早期リタイアとの違い
FIREも従来の早期リタイアも、定年よりも前に退職することには変わりありません。しかし、大きく異なるのが、リタイア後の暮らし方についてです。
従来の早期リタイアでは、退職金やそれまでの貯蓄を切り崩しながら生活を送ることが一般的です。リタイア後の生活が長くなるほど資産が目減りしていくため、早期リタイアの実現には多額の資産を用意しなければなりません。
もちろん生活費をまかなえるだけの投資元本を築く必要はあるものの、早期リタイアほどまとまった資産を準備する必要がないといえます。
FIREを実現するために必要な基本条件
- 25年分の年間支出相当額を資産形成する
- 4%ルール(年利4%の運用益)で生活する
年間支出収25倍の資産 × 4%ルール
FIREを実現するためには、「4%ルール」への理解が欠かせません。4%ルールとは、1998年に米トリニティ大学のグループによって発表された資産運用に関する研究から導かれたものです。
日本の場合は「5%ルール」もあり?
その場合、元手となる資金は1年間の支出の20倍で済みますので、年間300万円の生活費の場合、6,000万円の元手でFIREが実現できる計算となります。
FIREのメリット・デメリット
メリット | デメリット |
---|---|
自由な時間の増加 生活する場所を好きに選べる 経済的安心感 投資などお金に関する知識が身につく |
高い貯蓄率の必要性 予期せぬ支出 受け取れる年金額が減る キャリアが止まり再就職しづらくなる |
それぞれくわしく紹介していきましょう。
FIREのメリット
まずは、FIREによるメリットについてです。
自由な時間の増加
生活する場所を好きに選べる
仕事から解放されるFIREでは、生活する場所を自由に選べるメリットもあります。在職中はオフィスへの通勤圏内で暮らす必要があり、「毎日の満員電車が辛い」、「通勤にかかる時間が無駄に感じる」といったストレスを抱くことも少なくありません。
一方、FIRE後は暮らす場所に制限がないため、故郷に戻って暮らしたり、静かな土地でゆっくりと暮らしたりするなど、自分が望む場所で生活を送ることができます。
経済的安心感
投資などお金に関する知識が身につく
また、FIREの実現には資産運用でお金をふやすだけでなく、無駄な支出を減らすなど家計の改善を行うことも欠かせません。これによって、節約や家計管理のノウハウが身につくのもFIREのメリットのひとつです。
FIREのデメリット
高い貯蓄率の必要性
FIREの実現には、元手となる資金を蓄える必要があります。先ほど紹介した4%ルールに基づくと、年間支出の25倍の資金が必要となりますので、一朝一夕で実現できるものではありません。
予期せぬ支出
FIREは、資産の4%を切り崩しながら生活することを前提としていますが、場合によっては病気やケガなどで予期せぬ支出が発生するリスクがあります。もし保険や公的制度などでカバーできなければ、資産を取り崩して出費に対応することも十分ありえるでしょう。
病気やケガなどのリスクは誰にでも起こりえることですので、万が一のそなえはきちんと検討しておく必要があります。
受け取れる年金額が減る
FIREを実践する際は、年金制度について理解しておくことが重要です。
十分な年金額がもらえなければ、老後の生活費はその分資産運用による不労所得に頼ることとなるので、FIREの計画を立てる際は、将来の年金額についてもシミュレーションしておくようにしましょう。
キャリアが止まり再就職しづらくなる
FIREの実現によって早期退職すると、その時点でキャリアがストップしてしまいます。そのまま生活を維持できれば問題ありませんが、「資産運用がうまくいかない」、「社会との関わりがほしい」といった理由で再度就職することもあるかもしれません。
FIREを実現するまでのステップ
- FIRE達成のための具体的な目標額と達成期限を設定する
- 支出の最小化・収入の最大化・貯蓄の徹底
- 資産をふやすために投資を始める
それぞれどのようなことに取り組めば良いか、くわしく紹介していきましょう。
FIRE達成のための具体的な目標額と達成期限を設定する
- 単身世帯…167,620円
- 二人以上世帯…293,997円
この調査結果をもとに考えると、FIREに必要な資金は下記のとおりとなります。
- 単身世帯…167,620円 × 12ヵ月 × 25倍 = 約5,029万円
- 二人以上世帯…293,997円 × 12ヵ月 × 25倍 = 約8,820万円
ただし、1ヵ月あたりの生活費はライフスタイルや家族構成などによって大きく異なります。FIREに必要な資金を明確にするためには、まず自分の家計でどれくらいの支出があるのか正確に把握することが大切です。
支出の最小化・収入の最大化・貯蓄の徹底
支出の最小化
収入の最大化
貯蓄の徹底
FIREの実現には、正しい家計管理によって貯蓄を徹底することが必要不可欠です。毎月の収支を把握したうえで、どれくらいの金額を貯蓄に回せるか考えてみましょう。
とはいえ、計画的に貯蓄に取り組むためには、無理のない範囲で貯蓄額を決めることが大切です。まずは、コツコツと続けられる金額から貯蓄を始めてみましょう。
資産をふやすために投資を始める
FIREに向けて効率よく資産をふやすためには、投資を始めることもひとつの方法です。
もちろん資産運用にはリスクがともなうため、自分が目指したい利回りや許容できるリスクの度合いを明確にしたうえで、どのような運用方法が向いているか考えると良いでしょう。
サイドFIREという選択肢もあり
サイドFIREとは
サイドFIREとは、完全に仕事をリタイアしてしまうのではなく、一定の給与と資産運用による収益で生活するライフスタイルのことです。
生活費のすべてを資産運用でまかなうFIREと比べて、仕事による収入が得られることから、「まとまった資金を用意するのが難しい」という人でも取り組みやすく、自由な暮らしを実現することができます。
サイドFIREのメリット・デメリット
サイドFIREにも、FIREと同様にメリット・デメリットが存在します。
サイドFIREのメリット
サイドFIREは仕事による収入を得られるため、FIREに比べて少ない資金で実現できるメリットがあります。「FIREなんて現実的でない」と感じる人でも、サイドFIREであれば実現可能かもしれません。
また、サイドFIREは仕事による収入があることから、資産運用で損失が生じたときの補填も行えます。収入を資産運用だけに頼らずに済むのは、大きな安心感にもつながるでしょう。
サイドFIREのデメリット
サイドFIREでは仕事を続けることを前提としていますが、病気やケガ、親の介護などで思うように仕事を続けられなくなるリスクもあります。サイドFIREはFIREに比べて元手資金が少ないため、仕事による収入が減少することで、資金を取り崩すスピードが加速することも考えられます。
株や投資信託をするならNISAがおススメ
FIREやサイドFIREに向けて効率的に資産をふやすためには、NISA制度を活用して資産運用に取り組むことも検討してみましょう。
投資とは
銀行で取り扱う、代表的な投資商品 | 投資信託(NISA) 外貨預金 生命保険 個人向け国債 ファンドラップ 個人型確定拠出年金(iDeCo) |
---|---|
銀行で取り扱いがない、代表的な投資の種類 | 株式 FX(外国為替証拠金取引) 暗号資産(仮想通貨) ETF(上場投資信託) |
資産運用に取り組む際は、税制優遇制度であるNISAを活用することもひとつの方法です。
NISA(少額投資非課税制度)とは
つみたて投資枠 | 成長投資枠 | |
---|---|---|
制度期間 | 無期限 | |
非課税期間 | 無期限 |
|
年間の投資上限額 | 120万円 | 240万円 |
非課税保有限度額 | 1,800万円(内、成長投資枠の上限は1,200万円) ※残高を売却することで、売却した翌年に非課税保有限度額(総枠)の再利用が可能 |
|
各勘定の併用 | 可 ※同年に両勘定の同時利用可能 |
|
購入方法 | つみたて投資 | 一括投資またはつみたて投資 |
対象ファンド | 長期のつみたて・分散投資に適した一定の投資信託(金融庁の基準を満たした投資信託に限定) | 上場株式・投資信託等(*) |
- 次のすべての条件を満たすもの「①整理・管理銘柄②信託期間が20年以上または無期限であること③デリバティブ取引を用いていないこと④毎月分配型でないこと」
- 三菱UFJ銀行では、株式投資信託のみを取り扱っています。
まとめ
FIREを実現するためには、「どれくらいの元手資金が必要か」、「そのためには毎月どれくらい貯蓄すれば良いか」といったことを具体的に計画することが大切です。
より効率的に資産をふやすためには、資産運用に取り組むことも欠かせません。資産運用にはさまざまな金融商品や投資手法がありますので、まずはFIREに必要な資金や達成期限を踏まえたうえで、自分にはどのような運用が向いているか考えてみましょう。
執筆者保有資格:2級ファイナンシャル・プランニング技能士、1種外務員資格、内部管理責任者
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三菱UFJ銀行でNISAを始める方法
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- 他金融機関で2018年以降のNISA口座を既に開設しているお客さまは、金融機関変更のお手続きが必要です。廃止通知書の提出を伴うNISA口座開設のお手続きは、店頭のみでのお取り扱いとなります(三菱UFJダイレクトではお申し込みいただけません)。ご来店の際は、お手数ですが「ご来店予約」からご予約をお願いします。
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投資信託をお申し込みの際は、次の点にご注意ください。
- 投資信託は預金ではなく、その基準価額は、組入れ有価証券(株式・債券等)の値動きにより変動しますので、お受取金額が投資元本を下回る場合があります。
- 組入れ有価証券等は、株式指標・金利等を原因とした値動きにより変動します。
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「NISA」制度をご利用の際は、次の点にご注意ください。
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- NISA口座での損失は税制上ないものとされます。
- NISA制度では、年間の非課税投資枠(つみたて投資枠は年間120万円、成長投資枠は年間240万円)と非課税保有限度額(総枠)(つみたて投資枠・成長投資枠あわせて1,800万円、うち成長投資枠1,200万円)の範囲内で購入した上場株式等の商品から生じる配当所得および譲渡所得等が非課税となります。
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- 当行のNISA(つみたて投資枠・成長投資枠)では、株式投資信託のみを取り扱いしております。
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- 成長投資枠の対象商品は、NISA制度の目的(安定的な資産形成)に適した一定の投資信託に限られます。
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(2024年8月20日現在)