【2022年最新版】住宅ローンの金利相場・返済額の計算方法について徹底解説!
公開日:2022年3月31日
住宅ローンは借入金額が大きいので、ほんのわずかな金利の違いで返済総額に大きな差が生じます。住宅ローンを選ぶ際には金利を慎重に比較検討し、無理なく返済できるローンを選ぶことが大切です。
とはいえ、住宅ローンは単に金利が低いものを選べば良いというわけでもありません。金利のタイプやそれぞれの特長、メリットやデメリットはもちろん、金利以外の借入条件もしっかり把握したうえで選ぶ必要があります。
この記事では、住宅ローンを選ぶ際に必要な金利に関する基礎知識を説明するとともに、現在の住宅ローン金利の相場や返済額の計算方法について解説します。住宅ローン選びの参考に、ぜひお役立てください。
住宅ローン金利にはどんな種類があるの?
住宅ローンの金利にはさまざまなタイプがありますが、一般的に使われているのは「変動型」と「全期間固定型」、「固定期間選択型」の3つです。それぞれのタイプの特長を確認していきましょう。
(1)変動型
変動型金利は、市場金利の状況などに応じて半年ごとに適用金利が見直され、変動するタイプの住宅ローン金利です。適用金利の見直しは「短期プライムレート」という指標に基づいておこなわれ、この指標が上がれば適用金利は高くなり、下がれば適用金利も低くなります。
金利が変動すると利息も変動するので、結果として返済額も変わります。金利が上がって利息が増えれば返済額は増え、逆に金利が下がって利息が減れば返済額は減ることになります。
ただし、適用金利が変動しても、毎月の返済額がすぐに変わるわけではありません。頻繁に返済額が変わると家計が不安定になってしまうので、「返済額の見直しは、原則として5年に1度のみ」と決められているのです。
また、金利の上昇で毎月の返済額が大きく増えるのを防ぐために、「金利の見直しで返済額が増えたとしても、それまでの返済額の1.25倍を超えることはない」というルールも設けられています。
とはいえ、この「5年・1.25倍ルール」は、あくまでも家計が急激にひっ迫することを避けるための調整措置であり、金利上昇によって増えた分の支払いが免除されるわけではありません。増えた分は元本に加えられ、最終的には支払わねばならないことを理解しておきましょう。
変動型のメリット・デメリット
変動型の住宅ローンは、固定金利型の住宅ローンに比べて金利が低く設定されていることが多く、2022年3月現在、0.5%以下の低金利を適用している金融機関も珍しくありません。ただ、現在の低金利がこの先もずっと続くという保証はありません。
金利が低い間は返済額を抑えることはできますが、逆に金利が上がると返済額が増えてしまいます。変動型の住宅ローンを借りる際には、将来的に金利が上がったときに、返済し続けられるかどうかをよく検討したうえで、決断するようにしましょう。
メリット | ・固定金利より金利が低い ・金利が下がれば返済額が減る |
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デメリット | ・金利が上がれば返済額が増える ・金融機関による返済額や金利の見直しにより元本が増える場合がある |
(2)全期間固定型
全期間固定金利型は、借り入れ~完済までの適用金利が固定されていて、変動がないタイプの住宅ローン金利です。金利が変わらないので、借入中の全期間を通じて返済額が変わりません。
全期間固定型のメリット・デメリット
全期間固定型金利の住宅ローンは、返済期間中、適用金利も返済額も変わらないため、返済計画が立てやすい、家計管理がしやすいというメリットがあります。
また、市場金利の変動に影響を受けないので、金利上昇リスクを心配せずに返済が続けられるというメリットもあります。
しかし、全期間固定型の金利は変動型に比べて高めに設定されていること、市場金利が下がっても低金利のメリットが受けられないというデメリットがあることに注意が必要です。
メリット | ・返済額が変わらないので返済計画が立てやすい ・家計管理がしやすい ・金利上昇のリスクを恐れずに済む |
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デメリット | ・変動型に比べて金利が高い ・市場金利が下がっても返済額が減らない |
(3)固定期間選択型
固定期間選択型は、借入期間中の一定期間だけ金利が固定されているタイプの住宅ローンです。金利が固定される期間は、5年間、10年間、20年間など、商品によって異なり、一般的には固定期間が長いほど、適用される金利が高くなります。
たとえば「子育てにお金がかかる10年間は固定金利にして、家計管理がしやすいようにする」という風に、資金計画に応じて固定期間を決める人が多いようです。
固定期間終了後は、変動型にするか固定型にするかを選べるので、その時点の金利次第でどちらを選ぶか決めることができます。なお、固定期間終了後に適用金利が変わり、大幅に返済額が増えてしまっても、変動型のように「1.25倍ルール」は適用されないことに注意が必要です。
固定期間選択型のメリット・デメリット
メリット | ・固定期間中は返済額を一定にでき、家計管理がしやすい ・固定期間終了時点で金利タイプを再度選ぶことができる |
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デメリット | ・固定期間終了時点の金利によっては返済額が大幅に増えるリスクがある ・固定期間終了後の返済額の予測が難しい |
住宅ローンの金利相場は?
ここまで、住宅ローン金利の代表的な3タイプについて見てきましたが、実際に各金利タイプに適用されている金利の相場は、どのくらい違うのでしょうか?
フラット35を運営する独立行政法人住宅金融支援機構が主要都市銀行のホームページの値などをもとにまとめた「民間金融機関の住宅ローン金利推移」によると、2022年3月時点の主要都市銀行の金利(中央値)は、変動型が年2.475%、固定期間選択型(固定期間3年)が年3.050%、同(固定期間10年)が年3.450%でした。
それぞれの金利の推移を見てみると、変動型の金利はここ10年大きく変化していないのに対し、固定金利は長期金利上昇の影響を受けて、固定期間10年の金利が上昇傾向にあるのがわかります。
2021年1月31日には長期金利(10年もの国債の金利)が6年ぶりの高値を更新、これを受けて主要銀行で10年固定の住宅ローンを引き上げる動きが見られました。
■民間金融機関の住宅ローン金利推移(*)(2022年3月:店頭基準金利)
(*)出典:「独立行政法人住宅金融支援機構」ホームページより
住宅ローン金利は長く超低金利状態が続いており、近々に住宅ローン金利が上昇するとは考えにくいものの、気になる金融機関の住宅ローンの金利の動きは、こまめにホームページなどでチェックする習慣をつけたいものです。
最近は、来店せずにオンラインで申込~契約までを完結できる商品を用意している金融機関も増えており、ネット完結の商品は店頭契約の商品に比べて、金利が優遇されているケースが目立ちます。金融機関のホームページで金利の動向を調べるときは、オンラインで完結できる商品の金利をチェックするようにしましょう。
たとえば、三菱UFJ銀行の「スマート手続き」では、紙面申込・店頭契約の場合に比べて、金利が年率で低く設定されています。
住宅ローン、金利以外の条件にも注目!
また、住宅ローンを探しているときは、つい金利にばかり注目してしまいますが、金利の低さだけで住宅ローンを選ぶのはおススメできません。金利だけでなく次のポイントも確認して、しっかり比較検討したうえで判断するのが賢明です。
団体信用生命保険料負担の有無
ほとんどの金融機関が、加入者に万一のことがあった場合、残りの住宅ローンが全額弁済される保障制度「団体信用生命保険(団信)」への加入を義務付けています。団信の保険料が無料なのか、本人負担なのかを確認しましょう。
保障の手厚さ
金融機関のなかには、手厚い保障付きの住宅ローンを提供しているところもあります。
たとえば、三菱UFJ銀行ではがん、脳卒中、急性心筋梗塞の3大疾病と診断され、一定の条件を満たしている場合に、住宅ローン残高がゼロになる「7大疾病への保障が付いた住宅ローン」を提供しています。
印紙税負担の有無
住宅ローン契約締結にあたって、抵当権設定の契約書を交わす際には所定の印紙代がかかりますが、最近では印紙税を負担してくれる金融機関も増えています。住宅ローン締結にかかる諸経費も視野に入れて住宅ローンを選ぶなら、印紙税負担の有無も確認してみると良いでしょう。
金融機関としての信頼度や使い勝手の良さ
住宅ローンの返済は長期間にわたります。最長で35年もの長い間、付き合っていくパートナーとして信頼できる金融機関であるかどうかも、住宅ローン選びの重要なポイントです。
相談したいときに店舗やオンラインで迅速に対応してくれる体制が整備されているかどうか、リフォームローンなどほかの金融商品利用時の優遇措置があるかどうかも、チェックすることをおススメします。
住宅ローン返済金額計算の方法は?
利用したい住宅ローンをいくつか選んだら、金利や返済期間によってどのくらい返済額が異なるのか、計算してみましょう。
住宅ローンの返済方法には、毎月の返済額(元本分と利息分の合計)が一定の「元利均等返済」と、毎月返済する元本分が一定の「元金均等返済」がありますが、一般的には「元利均等返済」が採用されることがほとんどです。
元利均等返済の場合、毎月の返済額は下の計算式で求めることができますが、一般的な電卓で計算するのは困難です。無理に自分で計算しようとせず、各金融機関がホームページなどで提供しているシミュレーターを活用して返済額を確認することをおススメします。
ここでは、三菱UFJ銀行のシミュレーションを活用して、金利や返済年数による毎月返済額の違いを確認してみました。
<前提条件>借入金額5,000万円、年収800万円、ボーナス払い・そのほかの返済なし
■金利による違い(借入期間35年の場合)
金利 | 毎月の返済額 |
---|---|
変動金利 年0.475% | 129,241円 |
固定3年 年0.39% | 127,377円 |
固定10年 年0.84% | 137,455円 |
■借入期間による違い(変動金利年0.475%の場合)
借入期間 | 毎月の返済額 |
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25年 | 176,791円 |
30年 | 149,047円 |
35年 | 129,241円 |
シミュレーションを使うと、このようにさまざまな条件による返済額の違いを確認できます。また、ローン契約時の諸経費の目安も知ることができるので、住宅ローン選びに迷っている人はぜひ活用してみてください。
まとめ
住宅ローンの金利には大きく分けて「変動型」と「全期間固定型」、「固定期間選択型」の3つのタイプがあります。いずれのタイプも超低金利の状態が続いていますが、2022年に入ってからは長期金利上昇の影響で固定金利に、やや上昇傾向が見られます。
今後、住宅ローンの金利相場を完璧に把握することは難しいですが、、将来、住宅ローンの借入を考えている人は定期的に金融機関のホームページなどを確認して、金利の動向に注意するようにしましょう。
執筆者:相山 華子(あいやま はなこ)
執筆者保有資格:2級ファイナンシャル・プランニング技能士
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