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iDeCo(イデコ)の金額変更をする方法とは?掛金やリバランス、手続きのタイミングについても解説!

iDeCo(イデコ)の金額変更をする方法とは?掛金やリバランス、手続きのタイミングについても解説!
  • 2022年10月11日
  • 2024年12月1日
iDeCoは「長期投資・分散投資・継続投資」が基本ですが、加入後に運用商品を選んで放置するのではなく、一定期間で運用商品や資産配分の見直しをして、必要な場合は金額変更もすると良いと言われています。
この記事では、iDeCoの掛金の金額変更やリバランスをする方法やタイミングについて解説します。

目次

掛金の金額変更の方法について

iDeCoを始めてしばらくすると、家計や働き方の変化などから掛金の金額を、もう少し増やしたり、減らしたりしたくなることがあるでしょう。金額変更には以下のような手続きが必要です。

Webサイトからダウンロードまたはコールセンターへ電話して必要書類を郵送してもらう

iDeCoを運用している金融機関(運営管理機関)へ「加入者掛金額変更届」を提出します。書類入手方法は以下のとおりです。
金融機関のWebサイトからダウンロードすることができる場合は、各自印刷すれば準備が整います。Webサイトからダウンロードや印刷ができない場合は、金融機関のコールセンターへ電話をして書類を郵送してもらいましょう。

「加入者掛金額変更届」に必要事項を記入して加入している金融機関に郵送または窓口提出

「加入者掛金額変更届」が手元に準備できたら、必要事項を記入してiDeCoを運用している金融機関へ郵送します。金融機関によっては、窓口で提出できる場合もあります。

掛金の上限について

iDeCoの掛金は、働き方によってそれぞれ上限金額が異なります。各人がそれぞれの上限金額内で変更することができます。
対象 企業年金等(*1)への加入 月額/年額の上限
自営業者等 - 68,000円/816,000円(*2)
会社員・公務員等 あり 20,000円(*3)
なし 23,000円/276,000円
専業主婦(夫) - 23,000円/276,000円
  • 企業型確定拠出年金、確定給付企業年金(DB)、厚生年金基金、石炭鉱業年金基金、国家公務員共済組合、地方公務員共済組合、私立学校教職員制度のことを指します
  • 国民年金基金の掛金または国民年金の付加保険料との合算した金額です
  • 下記条件があります
会社員・公務員等の第2号被保険者が確定給付型の他制度(*1)とiDeCoを併用する場合、iDeCoの拠出限度額は2万円です。ただし、各月の企業型DCの事業主掛金額とDB等の他制度掛金相当額と合算して月額5.5万円が上限です。 式で表すと以下のようになります。

iDeCoの拠出限度額(上限2万円)=月額5.5万円 ー(各月の企業型DCの事業主掛金額+他制度掛金相当額)

そのため、企業型DCの事業主掛金と他制度掛金相当額が高い場合、iDeCoの拠出限度額が減少または拠出できなくなることがあります。
また、以下の加入条件があります。
  • 企業型DC・iDeCoの掛金が年単位拠出でないこと
  • マッチング拠出を利用していないこと
  • 拠出額が上限内であること

金額変更の手続きの注意点

iDeCoの金額変更の手続きには、いくつか注意しなければならないことがあります。順番にみていきましょう。

掛金の金額変更の手続きは年1回のみ

掛金額の変更は、1年(12月分~翌年11月分(1月26日引落分~12月26日引落分))に1回のみ可能です。そのため、相場にあわせてその都度、掛金額を頻繁に変更することはできません。iDeCoは自分の年金づくりのために、長期にわたり運用することを目的とした制度です。掛金額の変更後も長期的に無理をせずに積み立てができる金額に設定しておきましょう。
掛金額の変更は家計の急変など、どうしても必要なときに使える、備え程度にとどめておくこともできます。

Web上で金額変更の手続きはできないため印刷・郵送手続きが必要

Web上では、掛金の金額変更はできません。Web上でできるのは「加入者掛金変更届」を印刷するところまでです。印刷または金融機関から郵送で取り寄せた書面へ、手書きで記入したものを金融機関へ郵送するなど、手間と時間がかかります。
iDeCoは公的年金と紐づいた制度ですので、金融機関は公的年金の管理機関(国民年金基金連合会)へ届け出をして受付・登録をしてもらう必要があるからです。手続きがすべて終了するまでの期間は、金融機関にもよりますが、1.5ヵ月~2.5ヵ月程度かかるとされています。

拠出掛金を0円(停止)にしたい場合は、加入者資格喪失届の提出が必要

家計の急変など、やむを得ない事情で掛金の拠出を停止したい場合は、「加入者資格喪失届」を提出する方法があります。手続きには1.5ヵ月程度かかるとされています。

加入者資格喪失届とは

就職・転職・退職などにより、iDeCoに加入できなくなった人は「加入者資格喪失届」を提出します。そのほか、新たな掛金を拠出せずにそれまで積み立てた掛金の運用のみを行う「運用指図者」となるためにも提出が必要です。掛金の拠出を再開しようとする場合は、改めて加入者となる手続きが必要です。

商品と割合を変更する方法(リバランス)について

金融商品には値動きがあるため、運用を続けるうちに当初決めた資産配分と変わってしまうことがあります。その際にもとの資産配分に戻したり、資産配分を見直して変更したりするには、配分変更とスイッチングの2つの方法があります。2つの方法を同時に行うこともできます。

配分変更

配分変更とは、毎月の掛金で購入する金融商品の種類や、配分割合を変更することです。新たな掛金で買い付ける金融商品を変更する方法ですので、これまでの掛金で買った金融商品に影響はありません。資産配分を徐々に変更するのに向く方法で、配分変更に手数料はかかりません。
たとえば、リスクが比較的高いとされる株式中心の運用方針を、年齢が上がるにつれて株式の割合を徐々に減らしてリスクを少なくしていく運用へと少しずつ切り替えるとします。その場合に、株式への投資割合の低い投資信託を買うように変更したり、その投資割合を増やしたりする方法です。

スイッチング

スイッチングとは、それまで積み立てた資産の商品構成などを変更することです。これまで買った商品を売り、新たな商品を買うことで、資産構成の変更を行います。資産配分を短期間で大きく変更したい場合に向く方法です。
たとえば、株式に8割投資する投資信託を売って、代わりに株式に3割しか投資しない投資信託を買うと、資産全体の株式への投資割合を少なくすることができます。スイッチングを利用すると、値上がりしている商品を売却して利益を確定することができます。確定した利益で元本保証の商品へ買い替えておけば、確定した利益を老後資金などのために安全に確保しておくことができます。
ただし、スイッチング自体には手数料はかかりませんが、売却をすると費用(信託財産留保額)がかかる投資信託もあります。また、売却や購入にはそれぞれ数日かかるため、スイッチングによる資産割合が反映されるまでに時間がかかることもあります。
iDeCoのスイッチングについて、くわしく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

運用商品・資産配分見直しをすべきタイミング

運用商品・資産配分見直しをすべきタイミング
運用商品や資産配分を見直すと良い理由は、年齢や環境によって変化する運用リスクの許容範囲をその時々に合ったものにコントロールできることです。具体的には、年齢や環境の変化によって経済状況が変わる可能性のあるタイミングを見据えて見直しを行います。

一定期間ごと、年齢や環境の変化に応じて見直しをする

65歳でリタイアするならば、定年後の人生は年金が主な収入源になります。その際、公的年金をおぎなうiDeCoを取り崩していく生活では、大きく資産を減らす可能性もあるハイリスクな運用よりも、むしろ資産を減らさないようなリスクの低い運用に移行していく可能性があるでしょう。
また、転職などの環境の変化があれば、まずは新しい環境での仕事が順調にいくかを見極めて最初は少なめの掛金額にしておくこともあるでしょう。何もしないまま放置しておいては、こうした変化に対応する運用はできません。定期的にリバランスをすれば、自分が許容できる範囲内のリスクを保つことができます。
「運用状況のお知らせ」など資産状況の通知が送られてくるタイミングを活用すると、その時々の資産配分や資産総額を把握することができ、その後の対応や計画がしやすくなるでしょう。

リバランスのデメリット

iDeCoは「長期投資・分散投資・継続投資」を行うことで、リスクを分散する効果が期待できます。
しかし、頻繁にリバランスをしすぎると長期保有による複利効果やリスク分散効果も薄れてしまい、デメリットになってしまうこともあります。リスクをコントロールするためのリバランスとリバランスのもたらすデメリットをよく比較しながらiDeCoへの投資を行うと良いでしょう。

まとめ

掛金は無理のない金額に設定して、本当に必要なときだけ金額変更を行うと良いでしょう。
また、リバランスもやり過ぎると折角のiDeCoの運用効果が発揮しにくくなる恐れもあります。ただし、資産運用は一度始めたらそのままにしていて良いわけではありません。
年に1回から数回程度、記念日や誕生日など覚えやすい日を決めて、その日は必ず運用商品やその時点での資産配分を確認してみることは大切です。定期的に資産状況を確認しながら、必要な時に金額変更やリバランスをしてiDeCoのメリットを活かしつつ上手に資産形成をしましょう。

執筆者:岩永 真理(いわなが まり)

執筆者保有資格:1級ファイナンシャル・プランニング技能士、日本ファイナンシャル・プランナーズ協会認定 CFP®認定者

※記事内の情報は更新時点のものです。最新情報は別途ホームページ等でご確認ください。

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三菱UFJ銀行でiDeCoを始める方法

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ご注意事項

iDeCoをお申し込みいただく前に、下記についてご確認ください。

  1. 原則、60歳まで引き出し(中途解約)ができません
    • 脱退一時金を受け取れるのは一定の要件を満たす方に限られます。
  2. ご本人の判断で商品を選択し運用する自己責任の年金制度です
    • 確定拠出年金制度では、ご加入されるご本人が自らのご判断で、商品を選択し運用を行いますので、運用結果によっては受取額が掛金総額を下回ることがあります。
    • 当行から特定の運用商品の推奨はできません。
  3. 運用商品の主なリスクについて
    • 預金は元本確保型の確定利回り商品です。預金は預金保険制度の対象となります。
    • 当行のiDeCoで取り扱う保険は元本確保型商品です。ただし、運用商品を変更する目的で積立金を取り崩す場合は、市中金利と残存年数等に応じて解約控除が適用されるため、結果として受取金額が元本を下回る場合があります。
    • 投資信託は価格変動商品です。預金ではなく、預金保険制度の対象ではありません。運用実績は市場環境等により変動し、元本保証はありません。また、当行でお取り扱いする投資信託は、投資者保護基金の対象ではありません。
    • 預金、保険および投資信託は異なる商品であり、それぞれリスクの種類や大きさは異なります。
  4. 初回手続き時、運用時、給付時等で、各種手数料がかかります
    • iDeCoには、初回手続き手数料・毎月の事務手数料・資産管理手数料・運営管理機関手数料・給付事務手数料等がかかります。
    • 手数料は、加入者となられる方は毎月の掛金から、運用指図者となられる方は積立金から控除されます。年金でお受け取りになられる方は給付額から控除されます。
  5. 60歳になっても受け取れない場合があります
    • 50歳以上60歳未満で加入した場合等、60歳時点で通算加入者等期間(*)が10年に満たない場合は、受給可能年齢が引き上げられます。
    • 60歳以上で新規加入した場合、加入から5年経過後に受給可能となります。
      • 通算加入者等期間は、iDeCoおよび企業型DCにおける加入者・運用指図者の期間の合算となります。

株式会社 三菱UFJ銀行

(2024年12月1日現在)