ノーロードとは?投資信託の選び方やインデックスファンドも併せて解説
「投資信託に興味があるけれど、どのファンドが自分に合っているのかわからない」と悩む方も多いでしょう。
投資信託協会の「投資信託の主要統計」によると、2022年7月末時点で、約6,000本もの投資信託があり、そのなかからファンドを選ぶのは至難の業といえます。「損したくない」という気持ちから、なかなか購入に踏み切れない方もいるはずです。
そんな方に知っていただきたい投資信託が「ノーロード」商品です。ノーロードとは、購入時に手数料が発生しない投資信託のことで、費用が気になる方でも始めやすい商品だといえます。
今回はノーロードのメリットや注意点、選び方のポイントを解説します。
ノーロードとは「購入時に手数料がかからない投資信託」のこと
投資信託にかかる費用は、一般的に「購入時」「保有期間中」「売却時」の3つのタイミングで発生し、そのなかで購入時手数料がかからない投資信託を「ノーロード」と呼びます。
購入時手数料は、以下の計算式で算出されます。
購入時手数料=買付金額(円)×購入手数料率(%)
一般的な購入時手数料は、購入金額の0%~3%程度(販売会社やファンドによって異なる)とされています。
例えば、100万円で購入手数料率が3.24%の投資信託を購入した場合、32,400円が引かれ、967,600円で運用をスタートさせることになります。一方、ノーロードであれば購入時手数料がかからないため、買い付けした投資金額から運用可能です。
ノーロードに投資するメリット
ノーロードに投資する大きなメリットは、投資信託の購入時に手数料がかからないことです。
投資信託にかかるおもな費用は、以下のとおりです。
名称 | ポイント | |
---|---|---|
購入時 | 購入時手数料 |
|
保有期間中 | 信託報酬 |
|
監査報酬 |
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|
売買委託手数料 |
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|
売却時 | 信託財産留保額 |
|
換金時手数料 |
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ノーロードは購入時手数料がかからない分、買い付けした金額をすべて投資資金に充てられるため、運用効率も上がりやすいでしょう。
なお、上表の手数料の一覧は、あくまでも一例です。購入する投資信託の手数料や費用の詳細は、金融機関のホームページや目論見書等を確認してください。
次章では、ノーロードを購入する際に知っておきたい注意点について解説します。
ノーロードを購入する際に知っておきたい注意点
以下では、ノーロードの購入に関する注意点を解説します。
購入時手数料以外の費用はかかる
ノーロードは購入時手数料が発生しませんが、信託報酬・監査報酬・売買委託手数料・信託財産留保額等の費用が発生します。
そのため、ノーロードの購入では、購入時手数料以外の費用の負担、投資のメリット等を、総合的に考えて判断することが大事です。
ラインアップが少ない可能性
ノーロードはインデックスファンドに多い傾向があるため、リターンの大きい商品を選びたい場合、投資したい対象が見つからない可能性があります。
インデックスファンドの「インデックス」とは「指標」を意味し、日経平均225やTOPIX等の指数と連動した運用成果を目指す投資信託のことをいいます。
インデックスファンドは、「大きなリターンを狙いたい」という方には、不向きかもしれないので、慎重に選ぶ必要があります。ファンド選びのポイントについては次章で詳しく解説します。
投資信託選びの4つのポイント
ここからは、投資信託を選ぶ際に役立つ4つのポイントを解説します。
投資目的に合った運用方法か
投資信託の運用方法には、おもに「インデックスファンド」と「アクティブファンド」があります。運用方針によって適するファンドは異なるため、目的を明確にしておくことが大切です。
- インデックスファンド:日経平均株価やTOPIX等の指数に連動する運用を目指す投資信託
- アクティブファンド:指数を上回る運用を目指す投資信託
「インデックスファンド」は、特定の指数に連動するような運用を目指すため、値動きがわかりやすいことが特徴です。また、以下の理由により費用も抑えやすいため、初心者にとって始めやすい運用方法といえるでしょう。
- 基本的に構成銘柄と構成比率がインデックスと同じになるように自動決定する
- 銘柄の調査費用がかからない
- ファンドマネージャーにかかる費用の負担がない
一方、「アクティブファンド」は、インデックスファンドと違って株価指標を上回る運用を目指すため、ファンドマネージャーと呼ばれる投資信託運用のプロがアナリストやトレーダー等、各分野の専門家を束ねて銘柄の調査や分析を行い、投資判断をします。
それゆえ、アクティブファンドは信託報酬(投資信託を運用してもらうためのコスト)が高くなる傾向にあります。
初めて投資信託をする方であれば、インデックスファンドで投資信託の仕組みや指数の値動きを学び、慣れてからアクティブファンドを始めるのも一つの手です。
どのような投資対象があるか
投資信託の投資対象には、「債券・株式・不動産」等が挙げられます。投資信託を選ぶ際には、どのような投資対象かを確認することが大切です。加えて、その投資対象には、どのようなリスクがあるかも把握しましょう。
ここで、投資対象におけるリスクを見てみましょう。
価格変動リスク | 投資信託の価格が下落するリスク |
---|---|
為替変動リスク | 外貨建て商品における為替相場の変動によるリスク |
カントリーリスク | 投資対象国や地域の政治・経済等の不安定化によるリスク |
信用リスク | 株式や債券を発行する国や企業が、財政難・経営不振等により、支払いができなくなってしまう(債務不履行)リスク |
例えば、投資信託の運用対象に株式が多く含まれる場合、株価の下落により、投資信託の価格は変動します。また、投資対象国や地域における戦争や政治の混乱等も、リスクの一因となりえるのです。
このように、投資対象の特徴を知っておくと、どのようなリスクがあるかを把握できるため、投資信託を選択する際の指標となります。
費用面の負担はどのくらいか
ノーロードの投資信託は、購入時手数料は発生しませんが、その他の費用は発生します。費用負担が大きくなると、最終的な利益が減る要因となるため、費用負担が少ないファンドを選ぶとよいでしょう。
株の運用費用には信託報酬以外に、投資信託がきちんと運用されているか監査を受ける際に監査法人に支払う「監査報酬」や、投資信託の売買時に証券会社への手数料を間接的に負担する「売買委託手数料」等があります。
中長期的な運用をする場合は信託報酬・監査報酬・売買委託手数料等を慎重に比べることが大切です。
運用実績がどうか
投資信託は、運用次第では損失が出るリスクも考慮しなければなりません。
そこで、投資信託の購入前に、購入を検討するファンドの運用実績や投資対象の今後の見通しを確認することは大切です。
もちろん、それが今後の運用成果を保証するものではありませんが、過去の価格推移等の運用実績は、今後の運用を見通すうえで、一つの参考となるはずです。
費用を抑えるなら「ノーロード」×「インデックスファンド」を検討する
低コストで投資信託を始めたい場合は、「ノーロード」と「インデックスファンド」をかけ合わせた投資方法を検討するとよいでしょう。
以下では、インデックスファンドの概要、メリットを解説します。
インデックスファンドの概要
繰り返しになりますが、インデックスファンドとは、特定の株価や債券等の指数に連動する投資成果を目指す運用方法を指します。
運用対象は目標の指数と同じ銘柄群で構成され、投資額に関係なく指数への影響度に応じた割合となります。
インデックスファンドに使用される、代表的な指数(インデックス)を見てみましょう。
日本株式 |
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---|---|
外国株式 |
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国内REIT |
|
海外REIT |
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日本債券 |
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海外債券 |
|
コモディティ |
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インデックスファンドのメリット
インデックスファンドには、以下のようなメリットがあります。
- 特定の指数に連動するため値動きがわかりやすい
- 幅広い銘柄に分散投資が可能
- 構成銘柄や構成比率が自動的に決定するため、銘柄選びの手間がかからない
- ファンドマネージャーにかかる費用がかからないため、信託報酬が低い傾向にある
インデックスファンドは、投資経験が浅い方にもわかりやすく、費用が抑えられるため、始めやすいです。
ノーロード型のインデックスファンドを選択すると、さらに低コスト運用が期待できるでしょう。
ただし、ノーロード商品は商品数が豊富ではありません。希望の商品が対象でない可能性もあるため、事前にチェックしておきましょう。
また、インデックスファンドは中長期的な運用に向いている投資信託のため、短期間ではリターンが得られにくいデメリットもあります。
まとめ
購入時手数料が発生しない投資信託を「ノーロード」といいます。一般的なノーロードの投資信託としては、「インデックスファンド」が挙げられます。インデックスファンドは分散投資ができるため、比較的低リスクで運用が可能です。
また、特定の指数に連動するように運用するため、手間がかからず、信託報酬も低い傾向にあります。
これから資産運用を考えている投資初心者の方は、ノーロードのインデックスファンドから始めてみてはいかがでしょうか。
記事提供:トランス・コスモス株式会社
執筆者保有資格:2級ファイナンシャル・プランニング技能士
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