インデックスファンドとアクティブファンドの違いは?初心者はどちらが始めやすい?
- 2022年10月31日
- 2024年1月31日
投資信託は、運用方針の違いにより、おもに「インデックスファンド」と「アクティブファンド」に分けられます。投資信託で資産運用を始めようと考えている方のなかには、両者の違いがわからない方や、どちらを選べばよいか迷っている方も多いのではないでしょうか。
端的にいうと、特定の指数に連動するよう設計された商品がインデックスファンド、特定の指数を上回る運用成績を目指す商品がアクティブファンドです。ただし、「どちらかのほうが優れている」というわけではありません。それぞれの特徴を理解したうえで、自分に合う商品を選択することが大切です。
この記事では、インデックスファンドとアクティブファンドの違いや、資産運用初心者にとってインデックスファンドが始めやすい理由について、ファイナンシャルプランナーが解説します。
インデックスファンドとアクティブファンドの一番の違いは「運用方針」
インデックスファンドとアクティブファンドには、運用方針や組入銘柄等の観点において、以下のような違いがあります。
インデックスファンド | アクティブファンド | |
---|---|---|
運用方針 | 特定の指数に連動する | 特定の指数を上回る |
組入銘柄 | 特定の指数の構成銘柄と同様 | 市場や企業の調査・分析を通じて選定する |
手数料 | 比較的安い | 比較的高い |
その他の特徴 |
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インデックスファンドは、日経平均株価やTOPIX(トピックス)、NYダウ等、市場の動きを示す特定の指数(=インデックス)に連動するよう設計された投資信託です。特定の指数と似た値動きをするため、市場並みの運用成績が期待できますが、基本的に市場平均を大きく超えるリターンは得られません。
一方、アクティブファンドは、特定の指数を上回る運用成績を目指す投資信託です。ファンドマネージャーと呼ばれる運用のプロが、市場や企業を独自の観点で徹底的に調査・分析したうえで、組入銘柄を選定します。
例えば、今後成長が見込める銘柄や、企業の本質的な価値と比べて割安な銘柄に注目するケース等があるでしょう。ファンドマネージャーのスキル次第では、市場平均を大きく超えるリターンが期待できるかもしれません。
ただし、アクティブファンドは調査・分析等に人的コストがかかるため、指標に合わせてあまり手間をかけずに銘柄を決めるインデックスファンドよりも、手数料が高くなる傾向です。
インデックスファンドとアクティブファンドは「投資スタンス」で選ぶ
前章の内容から、インデックスファンドとアクティブファンドの違いはわかっても、「結局どちらの商品を選べばよいのか」と迷ってしまう方もいるでしょう。
インデックスファンドとアクティブファンド、どちらがよいかは一概にはいえません。そこで、投資スタンスをもとに、自分に合う運用方法を考えてはいかがでしょうか。
例えば、「リスクやコストをできるだけ抑えて、長期的にコツコツと運用したい」と考えるなら、インデックスファンドが適しているかもしれません。一方で「まとまった資金で大きなリターンを狙いたい」「投資先のテーマや銘柄に興味がある・将来性を感じる」という方は、アクティブファンドを選ぶのもよいでしょう。
また、アクティブファンドを選ぶなら、ファンドマネージャーの考え方に共感できるかもポイントです。
また、必ずしもインデックスファンド・アクティブファンドのどちらかを選ぶのではなく、両方に分散して投資する選択肢も視野に入れて検討してみてください。
三菱UFJ銀行の投資信託
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インデックスファンドが投資初心者にとって始めやすい理由
資産運用の初心者にとってインデックスファンドは最初に始めやすい商品だと考えられます。その理由は、次の3点です。
値動きがわかりやすいから
インデックスファンドは、特定の指数とほぼ同じ値動きをするため、状況を把握しやすいのが特徴です。投資の知識が少なくても、指数が上昇しているのか・下落しているのか注目することから始められます。特に、日経平均株価やTOPIX等の有名な指数なら、ニュース番組や新聞等から情報を得やすいでしょう。
コストが比較的安いから
投資信託で必要になるおもなコストは、購入時の「購入時手数料」、保有中の「信託報酬」、売却時の「信託財産留保額」の3つです。なかでも、商品の保有中に支払い続ける信託報酬は、長期的に見ると大きな支出となります。
インデックスファンドなら、ファンドマネージャーによる調査・分析費用や、運用期間中のポートフォリオの見直しに関する費用等がかかりません。そのため、運用会社等に支払う信託報酬を比較的抑えやすく、長期的な運用のコスト負担を軽減できます。
幅広く分散投資できるから
インデックスファンドでは、基本的には指数を構成する銘柄と同じ銘柄を保有することになるため、1つの商品を購入するだけで幅広く分散投資できます。例えば、225銘柄の株価を指数化した日経平均株価に連動するインデックスファンドなら、日本の主要225企業に分散投資しているのと同様の効果があるでしょう。
投資信託は元本が保証されているわけではありませんが、幅広く分散投資することで個々の銘柄の価格変動の影響を受けにくくなり、大きな損失が発生するリスクを軽減できるのです。
インデックスファンドを選ぶ際の2つのポイント
インデックスファンドを選ぶ際のポイントは、「目標にする指数」と「手数料」です。ここでは、具体的にどのような点をチェックすべきか紹介します。
目標にする指数
インデックスファンドの商品選びで最も大事なのは、「目標にする指数」です。
例えば、株価指数に連動する運用成果を目指したい場合は、日本国内なら日経平均株価やTOPIX、米国ならNYダウやS&P500、債券の指数に連動する運用成果を目指したい場合は、国内ならNOMURA-BPI総合指数、海外ならFTSE世界国債インデックス等があります。
なかでも、インデックスファンドと聞くと、株価指数を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
実際、インデックスファンドには、株価指数との連動を目指す商品が多くあります。そして、株価指数はニュース番組や新聞等から情報を得やすいため、投資初心者の方や、普段仕事等で忙しい方向けの商品ともいえるでしょう。
手数料
目標にする指数の次に大事なのが、手数料でしょう。
前章「インデックスファンドが投資初心者にとって始めやすい理由」で紹介したとおり、投資信託のおもな手数料は購入時手数料・信託報酬・信託財産留保額の3つです。目標にする指数が同じ商品でも、手数料が異なる場合もあります。
インデックスファンドの手数料は比較的安いとはいえ、特に長期的な運用を考えている場合は、手数料をきちんと比較して選ぶのが大切です。インデックスファンドのなかでも、信託報酬だけでなく購入時手数料を抑えたいなら、購入時手数料がかからない「ノーロードファンド」のなかから選ぶのもよいでしょう。
まとめ
インデックスファンドとアクティブファンドの違いは、次のとおりです。
- インデックスファンド:特定の指数と連動し、市場並みの運用成績を期待する投資信託
- アクティブファンド:テーマや目的等に沿って、特定の指数を上回る運用成績を目指す投資信託
資産運用の経験がない方は、「値動きがわかりやすい・コストが比較的安い・幅広く分散投資できる」という特徴があるインデックスファンドから始めてみてはいかがでしょうか。
どの程度のリスクやコストを許容できるか、どのくらいのリターンを求めるのか等の投資スタンスと照らし合わせて、自分に合う商品を探してみてください。
執筆者保有資格:2級ファイナンシャル・プランニング技能士
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(2024年1月31日現在)