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投資商品の手数料とは?4つの投資商品の手数料について解説

投資商品の手数料とは?4つの投資商品の手数料について解説
公開日:2020年10月24日

投資商品の購入を考えている方のなかには、「投資商品を購入して運用を続けると、どれくらいの手数料がかかるのか」と、疑問や不安を感じている方もいるかもしれません。

また、「投資商品のおおよその手数料は把握しているものの、何に対して手数料が発生しているのか等、細かな内容はわからない」という方も少なくないでしょう。投資商品の手数料は、投資商品・金融機関・取引方法等によって異なるため、内容の十分な理解や、購入前の比較・検討が大切です。

この記事では、投資信託・外貨預金・国内株式・債券の4つの投資商品の手数料や、投資商品の購入前の手数料比較の必要性についてファイナンシャルプランナーがわかりやすく解説します。投資商品の手数料についてくわしく知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

共通でかかる手数料:投資信託・外貨預金・国内株式・債券

共通でかかる手数料:投資信託・外貨預金・国内株式・債券
投資商品を購入するには、それぞれの投資商品に応じた口座の開設が必要です。金融機関によっては、口座開設時や口座を維持するために、口座開設手数料や口座管理手数料が発生します。
これらの手数料はインターネット取引では無料、もしくは店頭窓口の手続きよりも安くなる傾向にある等、取引方法によって異なる点に注意しましょう。証券会社によっては、投資信託専用口座やFX専用口座等、取引する投資商品ごとに口座の開設が必要な場合もあります。

投資信託の手数料:購入時・保有期間中・売却時に発生する

投資信託の手数料:購入時・保有期間中・売却時に発生する
投資信託の手数料について解説します。

購入時にかかる手数料

投資信託を購入する際に必要なのは、購入時手数料のみです。

購入時手数料

購入時手数料は、投資信託を購入する際に、販売会社に支払う手数料です。購入時手数料の目安は購入金額の数%で、その割合は商品(ファンド)や販売会社によって異なります。なかには、保有している投資信託に為替ヘッジの有無等、複数のコースがあり、そのコース間で売却・購入を同時に行う「スイッチング」により、手数料をかけずに乗り換えが可能な商品もあります。
投資信託の購入時手数料の負担を減らしたいのであれば、つみたてNISAの対象商品やノーロード商品を検討してみてはいかがでしょうか。つみたてNISAの対象商品は、すべて購入時手数料が無料です。また、NISAや一般口座でも購入時手数料のかからない「ノーロード」の投資信託の取り扱いがあります。
また、購入時手数料の負担を減らせるだけでなく、NISAやつみたてNISAには売却益や分配金等が非課税になるといった税制メリットがあります。

保有期間中にかかるコスト

投資信託の保有期間中にかかるおもなコストは、「運用管理費用(信託報酬)」です。ただし、「運用管理費用(信託報酬)」以外にもかかるコストがあります。

運用管理費用(信託報酬)

運用管理費用(信託報酬)は投資信託の管理や運用に必要な費用で、信託財産のなかから、運用会社・販売会社・受託会社へ日々支払われるものです。投資信託を保有している人が間接的に負担している費用で、日々の基準価額は、この運用管理費用(信託報酬)が差し引かれた後に公表されます。
また、日経平均株価やTOPIX等の指数を上回る運用を目指す投資信託を「アクティブファンド」、指数に連動する運用を目指す投資信託を「インデックスファンド」といいます。
インデックスファンドは、基本的に構成銘柄と構成比率がインデックスと同等になるように自動的に決定します。インデックスファンドのコストに関しては、ファンドマネジャーにかかる費用や、銘柄の調査費用がかかりません。そのため、運用管理費用(信託報酬)は一般的に、アクティブファンドよりインデックスファンドのほうが低くなります。
運用を投資のプロに任せるサービス「ファンドトラップ」を利用すると、投資の一任運用にかかる報酬が発生します。また、人工知能のロボットが投資信託の運用をする「ロボアドバイザー」では、年率による手数料が必要です。

運用管理費用(信託報酬)以外のコスト

以下の監査報酬と売買委託手数料は、あらかじめ金額や上限額が決まっていない、運用管理費用(信託報酬)以外のコストです。
ただし、運用管理費用(信託報酬)以外のコストには、信託事務処理手数料等があるため、これらはあくまでも一例です。運用管理費用(信託報酬)以外のコストのくわしい内容については、各ファンドのホームページや目論見書等を確認してください。
監査報酬
監査報酬は決算時の監査にかかる費用です。信託財産から監査法人に対して支払われます。
売買委託手数料
売買委託手数料は、投資信託の運用において、債券や株式等の売買をするときに発生する費用です。運用商品の売買が発生するたびに運用会社への支払いが必要になるため、運用商品の売買が頻繁な投資信託ほどコストが高くなります。

売却時にかかるコスト

投資信託の売却時にかかるコストは、「信託財産留保額」と「換金時手数料」の2種類です。

信託財産留保額

信託財産留保額は、投資信託を売却したときに発生します。「基準価額の何%」と定められた金額が売却代金から差し引かれ、投資信託の運用資金に留保されるのです。
投資家が投資信託を売却すると、運用中の投資信託の資産を売った利益から、投資家へ代金が支払われますが、その際に手数料がかかります。信託財産留保額は、投資信託の売却によってかかるコストであるため、売却をする投資家が負担するものなのです。

換金時手数料

換金時手数料は、投資信託を売却した際に発生する、事務手続きにかかる直接負担のコストです。

外貨預金の手数料:預入時と引出時に発生する

外貨預金の手数料:預入時と引出時に発生する
外貨預金は、日本円を他国の通貨に替えて口座に預け入れるため、円から外貨、外貨から円にする際に為替手数料が発生します。
円から外貨に替える際は「TTS(Telegraphic Transfer Selling rate)」、外貨から円に替える際は「TTB(Telegraphic Transfer Buying rate)」という為替レートを使用します。このとき、TTSとTTBの値を決定するための基準になるレートを「TTM(Telegraphic Transfer Middle rate)」といいます。
外貨預金の取引を行うときは、これらの数字をもとに損益を計算していくので、把握しておきましょう。

預入時

外貨預金にお金を預け入れる際、円を外貨に替えなければなりません。円から外貨に替えるときは、為替手数料が含まれた為替レート「TTS」を使用します。

例えば、TTSが101円のときに、外貨預金に100米ドルを預け入れると仮定しましょう。この場合、預け入れに必要な円の計算方法は以下のとおりです。

100米ドル×101円=10,100円

引出時

外貨預金からお金を引き出すときは外貨を円に替えるため、為替手数料が含まれた為替レート「TTB」を使用します。

仮に、TTBが99円のタイミングで、外貨預金にある100米ドルを引き出すとしましょう。この場合、引き出される円の計算方法は次のとおりです。

100米ドル×99円=9,900円

TTSやTTBに含まれる為替手数料は、通貨・金融機関・店頭窓口やインターネットバンキング等の取引方法によって異なります。外貨預金の為替手数料は、店頭窓口よりインターネットバンキングのほうが、低くなるのが一般的です。

国内株式の手数料:購入時と売却時に発生する

国内株式の手数料:購入時と売却時に発生する
国内株式は、購入時と売却時において、取引が成立したときのみ手数料がかかります。国内株式の購入や売却の注文を出しても、取引が不成立であれば手数料はかかりません。

購入時にかかる手数料

国内株式の取引にかかる手数料を「株式等売買委託手数料」といい、投資家が証券会社に支払います。株式の購入時に必要な、株式購入代金を算出する方法を見てみましょう。

株式購入代金=約定代金(約定価格×株数)+株式等売買委託手数料(税込)

約定価格は株式の取引が成立したときの金額を指し、約定価格に取引が成立した株数を乗じた金額が約定代金になります。上記のとおり、株式購入代金は、約定代金に株式等売買委託手数料が加えられた金額です。
例えば、取引成立金額が50万円以下の株式等売買委託手数料を1,000円(税込)と仮定しましょう。
約定価格5,000円の株を100単位購入する場合の株式購入代金は、「5,000円×100株+1,000円=50万1,000円」と算出されます。

売却時にかかる手数料

国内株式を売却する際は、以下のとおり、約定代金から株式等売買委託手数料が差し引かれます。

株式売却代金=約定代金(約定価格×株数)-株式等売買委託手数料(税込)

手数料は証券会社や取引方法によって異なる

株式等売買委託手数料は約定代金によって異なり、約定代金が多ければ多いほど高くなるのが一般的です。また、証券会社によっても差があり、同じ証券会社でも、オンライントレード・オペレーター・営業職員・店舗窓口等の取引方法等で違いが出ます。

債券の手数料:取引方法によって異なる

債券の手数料:取引方法によって異なる
債券の売買取引には、「店頭取引」と「証券所取引」の2種類があります。債券の売買取引の多くは、投資家と証券会社で取引を行う「店頭取引」です。
一般的に、店頭取引での債券の購入や売却においては、購入対価に必要経費が含まれているため、手数料は必要ありません。ただし、外貨建て債券の場合は、為替手数料がかかることがあります。

投資商品の購入する際は手数料を比較しよう

投資商品の購入する際は手数料を比較しよう
投資商品を購入する際は、金融会社や取引方法等による手数料を比較してください。というのも、保有している投資商品が値上がりしても、手数料が高い商品と低い商品では売却時に受け取れる金額に差が出るからです。
また、投資商品で資産運用を行う際は、過去の運用実績の確認に加え、投資に関する情報収集を欠かさないように心がけましょう。

まとめ

投資商品にはさまざまな手数料があります。そのため、投資商品によってかかる手数料の種類に違いがあることを理解し、資産運用を行う際には、いくらコストがかかるのかを確認できるようになることが重要です。
また、同じ投資商品であっても、金融機関や取引方法によって手数料が異なるため、購入前には手数料の比較検討をすると同時に、過去の運用実績の確認を行うことも大切です。

記事提供:トランス・コスモス株式会社

執筆者保有資格:2級ファイナンシャル・プランニング技能士

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