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NISAを始めるうえで知っておきたい「ロールオーバー」とは?メリット・デメリットも解説

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NISAを始めるうえで知っておきたい「ロールオーバー」とは?メリット・デメリットも解説
公開日:2022年9月22日

「NISA口座の開設にあたり、将来の見通しを知っておきたい」

「NISA口座の非課税期間が終了しそうなので、ロールオーバーの仕組みを理解したい」

NISA口座で資産運用を行う際、ロールオーバーの知識について不安を覚える方もいるかもしれません。NISAは中長期的な視点で資産運用をすることが大切なので、ロールオーバーはぜひとも理解しておきたい仕組みです。
今回は、ロールオーバーの概要やメリット・デメリット、ロールオーバーしない場合の流れ等について、ファイナンシャルプランナーがわかりやすく解説します。
これからNISAを始める方、NISAの非課税期間が終わりそうな方等は、ぜひ参考にしてください。

ロールオーバーとは「NISA非課税期間終了後の移管」のこと

ロールオーバーとは「NISA非課税期間終了後の移管」のこと
NISA口座の非課税期間終了後、金融商品の運用方法には以下3つの選択肢があります。
  1. 新しいNISA口座へ移す
  2. 課税口座へ移す
  3. 売却する
ロールオーバーとは、NISA口座の非課税期間終了後、保有している金融商品を新しいNISA口座へ移すことを指します。NISA口座のロールオーバーの条件は、次のとおりです。
  • ロールオーバーできるのはNISAのみ。つみたてNISAは不可
  • ロールオーバーするためのNISA口座は、利用している金融機関と同一であること
  • 期限までにロールオーバーの手続きを済ませること
ロールオーバーの手続きは、インターネットバンキング・郵送・店頭窓口等で行います。手続方法は金融機関によって異なるため、前もって確認してください。

NISAの種類ごとのロールオーバーの違い

NISAの種類ごとのロールオーバーの違い
次に、「NISA」と「つみたてNISA」のロールオーバーの違いについて解説します。

NISAのロールオーバー

NISA口座で購入した金融商品は、5年間の非課税期間終了後、同一の金融機関で開設する新たなNISA口座へのロールオーバーが可能です。
NISA口座のロールオーバーイメージ図
ロールオーバーすることで、これまで保有していたNISA口座と同様に、年間の非課税投資枠120万円・非課税期間最長5年間で資産運用ができます。

つみたてNISAのロールオーバー

つみたてNISAのロールオーバーは、現状できません。つみたてNISAの20年間の非課税期間が終了すると、売却または、課税口座への払い出しのどちらかを選択します。

ロールオーバーのメリット

ロールオーバーのメリット
ここからは、ロールオーバーのメリットについて見ていきましょう。

非課税投資枠の上限以上の金額を全額移管できる

NISA口座で保有している金融商品が値上がりし、非課税投資枠の上限を超えていても、全額をロールオーバーする新しいNISA口座へ移管可能です。
例えば、NISA口座で利益が出て、非課税期間終了時に保有している金融商品の価格が、140万円になったと仮定しましょう。新しいNISA口座の非課税投資枠は120万円ですが、この場合、ロールオーバーの際に、140万円すべてを新しいNISA口座へ移管できます。

非課税期間を最長10年に延長できる

NISA口座の非課税期間は、最長5年です。ロールオーバーによって再度5年の非課税期間を得ることで、最長10年にわたり配当金や売却益が非課税になります。

ロールオーバーのデメリット

ロールオーバーのデメリット
ロールオーバーをする際は、メリットだけでなく、デメリットについても把握しておきましょう。

ロールオーバーをした年の非課税投資枠が制限される

非課税投資枠の上限を超えた金融商品をロールオーバーした場合、その年に新たな取引はできません。
例えば、ロールオーバーする前のNISA口座の運用で得た、140万円の金融商品を全額ロールオーバーするとします。この場合、新しいNISA口座の非課税投資枠120万円をすべて使用するため、翌年まで金融商品の購入ができなくなるのです。
一方、ロールオーバーする金額が80万円の場合は、残りの40万円が翌年の非課税投資枠になります。

利益が出ていない金融商品では非課税のメリットを得られない

NISA口座の資産運用で得られるメリットは、金融商品の配当金や売却益が非課税になることです。ただし、NISA口座で利益が出ていない金融商品を保有している場合は、そのメリットを享受できません。
1月1日から12月31日までの1年間で行った、上場株式等の売買の利益と損失を相殺することを「損益通算」といいます。損益通算を行えば、利益から損益を差し引けるため、確定申告の際に課税所得金額を減らすことが可能です。
しかし、NISA口座で保有している金融商品の損失は「ないもの」と見なされるため、たとえ損失が出たとしても、一般口座や特定口座等との損益通算はできません。

非課税期間終了後にロールオーバーの手続きをしないとどうなる?

非課税期間終了後にロールオーバーの手続きをしないとどうなる?
NISA口座の非課税期間終了後にロールオーバーをしなかった場合、保有していた金融商品は、自動的に「特定口座」または「一般口座」へと払い出されます。
このとき、払い出された金融商品が課税対象になることはありません。しかし、NISA口座から金融商品を払い出したあと、その金融商品が値上がりした場合は、得た利益に対して課税されます。
これは、課税口座へ移行したときの評価額において、新しい口座で金融商品を購入したと見なされるからです。
移行後の取得価額(70万円)を元に譲渡損益の計算を行うため、移行後の値上がり益30万円が課税対象となります。当初購入した際の価額と比べて利益が出ていなくても課税される点に注意が必要です。

まとめ

ロールオーバーとは、NISA口座の非課税期間が終了したあとに、金融商品を翌年の非課税投資枠へ移管することです。ロールオーバーには、「金融商品が非課税投資枠の上限を超えていても移管可能」であることや、「非課税投資期間を最長10年に延長できる」等のメリットがあります。
ただし、「新しいNISA口座の投資枠が制限される」「利益の出ていない金融商品は非課税の恩恵を受けられない」等のデメリットも考慮しなければなりません。
NISA口座のロールオーバーは、これらのメリットとデメリットをしっかり考慮したうえで行いましょう。

記事提供:トランス・コスモス株式会社

執筆者保有資格:2級ファイナンシャル・プランニング技能士

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  • NISAの非課税期間満了時に、当行が定める日までに移管依頼書を提出しない場合には、特段の手続きなしに課税口座(特定口座が開設されている場合には当該特定口座)に移行されます。
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(2022年9月22日現在)