NISAでロールオーバーができなくなる? NISAを始めるうえで知っておきたいロールオーバーとは?

- 2021年2月17日
- 2023年9月15日
- 現行制度は、2024年1月以降に制度内容が大きく改正される予定です。
本ページは2022年12月16日(金)「令和5年度の税制改正大綱」で公表された情報をもとに作成しております。今後変更となる可能性もございますので、予めご了承ください。
2022年12月下旬に金融庁から発表があった通り、2024年からNISA制度は新しい内容に変わります。
この制度改定により、現行NISAでできたロールオーバーができなくなることが分かりました。
この記事ではロールオーバーの仕組みについて振り返りながら、新しいNISA制度についても解説します。
この制度改定により、現行NISAでできたロールオーバーができなくなることが分かりました。
この記事ではロールオーバーの仕組みについて振り返りながら、新しいNISA制度についても解説します。
ロールオーバーとは「NISA非課税期間終了後の移管」のこと

現行のNISAでは非課税期間満了後、金融商品の運用方法には以下3つの選択肢があります。
- 新しいNISA口座へ移す(ロールオーバー)
- 課税口座へ移す
- 売却する
ロールオーバーとは、NISA口座の非課税期間満了後、保有している金融商品を新しいNISA口座へ移すことを指します。NISA口座のロールオーバーの条件は、次のとおりです。
- ロールオーバーできるのはNISAのみ。つみたてNISAは不可
- ロールオーバーするためのNISA口座は、利用している金融機関と同一であること
- 期限までにロールオーバーの手続きを済ませること
しかし令和5年度税制改正大綱のなかで、NISA制度が新しくなることが発表され、2024年からはロールオーバーができないことが分かりました。
新しいNISAではロールオーバーができない?現行のNISA保有者が注意すべきこと
そもそも2024年からはじまる新しいNISAとは、どのような制度なのでしょうか。現行のNISAとの違いをまとめたので、確認してみましょう。
現行のNISAと新しいNISAとの違い
現行 | 改定後 | |||
---|---|---|---|---|
勘定の呼称 | NISA | つみたてNISA | 成長投資枠 | つみたて投資枠 |
制度期間 | 2014~2023年 | 2018~2042年 | 無期限 | |
非課税期間 | 5年間 | 20年間 | 無期限 | |
年間の投資上限額 | 120万円 | 40万円 | 240万円 | 120万円 |
非課税保有限度額 (総枠) |
600万円 | 800万円 | 1,800万円 (内、成長投資枠の上限額は1,200万円) |
|
各勘定の併用 各勘定の |
不可 | 可 | ||
対象商品 | 上場株式(*1)、 株式投資信託 |
つみたてNISA専用ファンド (株式投資信託) |
上場株式(*1)、株式投資信託のうち一定の条件を満たすもの(*2) | 不変 |
- 三菱UFJ銀行では、上場株式のお取り扱いはありません
- 次のすべての条件を満たすもの。①信託期間が20年以上または無期限であること②分配頻度が1ヵ月以下でないこと③ヘッジ目的以外のデリバティブが組み込まれていないこと
2023年までは、一般NISAかつみたてNISAかどちらかを選択する必要がありましたが、2024年から始まる新しいNISAでは、成長投資枠とつみたて投資枠の併用が可能になります。
非課税期間も無制限となり、年間の投資上限額も引き上げられるので、今まで毎年の投資上限額を使い切り、課税口座での投資をしていた方は2024年以降、NISAでの毎月の積立金額や一括での購入金額を見直してみるといいでしょう。
また、投資上限額内で運用をしていた人も、成長投資枠とつみたて投資枠の併用ができるようになったので、それぞれの枠で投資可能なファンドに分散をして投資をしてみたり、ボーナスなどで一括購入、毎月の収入でつみたてといったように組み合わせることを検討してもいいかもしれません。
新しいNISAへのロールオーバーはできない
現行のNISAで2019年以降に上場株式や株式投資信託を購入した人は、現行のNISA制度の場合、2024年以降にロールオーバーをするのか、課税口座に移すのか、売却をするのかを選択する必要がありました。
しかし、制度改定に伴いロールオーバーができなくなったため、2023年末までに購入した分は、5年間の非課税期間満了後、自動的に「特定口座」または「一般口座」へと払い出しされます。
その場合、払い出しされた時点での時価で新たに購入したとみなされます。
このとき、非課税期間に運用で得た利益に対して課税されることはありません。
その場合、払い出しされた時点での時価で新たに購入したとみなされます。
このとき、非課税期間に運用で得た利益に対して課税されることはありません。
しかし、その後金融商品を売却した際にその金融商品が値上がりしていた場合は、得た利益に対して課税されます。
そのため、ロールオーバーをする予定だった人は、非課税期間が満了するまでに売却をするのかよく検討する必要があります。
悩ましい場合は、NISA口座を保有する金融機関の電話相談や来店予約を活用し、相談をしてみるといいかもしれません。
そのため、ロールオーバーをする予定だった人は、非課税期間が満了するまでに売却をするのかよく検討する必要があります。
悩ましい場合は、NISA口座を保有する金融機関の電話相談や来店予約を活用し、相談をしてみるといいかもしれません。

ロールオーバー以外の新しいNISAのポイント
新しいNISA制度に変わるにあたって、ロールオーバー以外にも現行のNISA制度を使っている人が知っておくべきポイントがいくつかあります。
非課税保有限度額(総枠)
現行のNISA制度で購入した分は、新しいNISAの非課税保有限度額(総枠)とは別で管理をされるので、今NISAで購入をしても1,800万円の非課税保有限度額(総枠)が減ることはありません。
少しでも多くの非課税枠を確保したい人は、2023年のNISAの非課税枠も活用することをおススメします。
少しでも多くの非課税枠を確保したい人は、2023年のNISAの非課税枠も活用することをおススメします。
対象商品
現行のNISAでは上場株式か株式投資信託であれば、全ての商品が対象商品でしたが、新しいNISAでは、信託期間が20年以上または無期限であるなどの条件をクリアした商品のみが対象になります。
- つみたて投資枠の対象商品は現状のつみたてNISAと同じ
そのため、現行のNISAでつみたてをしている人や、2024年以降追加で一括購入を検討している人は新しいNISAでも対象商品となるのか、今後金融機関のホームページで確認をする必要があります。
- 三菱UFJ銀行のホームページでも今後内容が確定し次第、記載する予定です
まとめ
ロールオーバーとは、NISA口座の非課税期間が終了したあとに、金融商品を翌年の非課税投資枠へ移管することです。
2023年まではロールオーバーができましたが、令和5年度税制改正大綱で、2024年からNISAが新しい制度に変わることが発表され、現行NISAは非課税期間終了後にロールオーバーができないことが分かりました。
2023年まではロールオーバーができましたが、令和5年度税制改正大綱で、2024年からNISAが新しい制度に変わることが発表され、現行NISAは非課税期間終了後にロールオーバーができないことが分かりました。
現行のNISAで金融商品を保有している人は、非課税期間満了時に課税口座に移すのか、それまでに売却をするのかをしっかりと検討しましょう。
新しいNISA制度では、非課税期間が無期限になる、年間の投資上限額が引き上げられるなどのメリットもたくさんあるので、制度についての理解を深め、将来に向けた資産形成をしていきましょう。
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投資信託をお申し込みの際は、次の点にご注意ください。
- 投資信託は預金ではなく、その基準価額は、組入れ有価証券(株式・債券等)の値動きにより変動しますので、お受取金額が投資元本を下回る場合があります。
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「NISA」制度をご利用の際は、次の点にご注意ください。
- NISA制度では、すべての金融機関を通じて1人につき1口座しか開設することはできません(金融機関の変更を行った場合を除く)。
- NISA制度を利用した口座は、店頭でお申し込みの場合、原則として、お申込日当日(お申し込みが休日の場合または当行所定の時刻までに受付手続が完了しなかった場合は翌営業日)、三菱UFJダイレクト(インターネットバンキング)の場合、最短でお申込日当日に開設します(*)。NISAの場合、開設と同じ日またはそれ以降に投資信託を購入することが可能です。口座開設後に行う税務署審査の結果、二重口座であったことが判明した場合、NISAで購入した投資信託は当初から課税口座で購入したものとして取り扱います。当該投資信託から生じる配当所得および譲渡所得等については、遡及して課税されます。
- 当行または他金融機関で、2018年以降のNISA制度を利用した口座の開設をお申し込み(2017年以前のNISAが継続した場合を含みます)されたことがある場合、当該口座は、税務署の審査が承認となり、当行所定の手続きが完了した後に開設されます(通常、お申し込みから2~3週間程度で手続きは完了します)。
- NISA制度を利用した口座は、開設後、税務署の審査が完了するまで金融機関の変更および廃止はできません。
- NISA制度を利用した口座での損失は税制上ないものとされます。
- 年間の非課税投資枠(NISAは年間120万円、つみたてNISAは年間40万円)が設定されたNISA制度を利用した口座で、一度商品を売却しても当該商品を購入する際に利用したその年間の非課税投資枠の再利用はできません。
- 年間の非課税投資枠の残額を翌年以降に繰り越すことはできません。
- 上場株式等の配当等はNISA制度を利用した口座を開設する金融機関等経由で交付されないものは非課税となりません。
- NISAの非課税期間満了時、NISA制度を利用した口座内の商品は、特段の手続なしに課税口座(特定口座が開設されている場合には当該特定口座)に移行され、2024年1月以降に設定される新しいNISAへの移行はできません。
- 当行のNISA・つみたてNISAでは、株式投資信託のみを取り扱いしております。
- NISAとつみたてNISAは選択制です。
- つみたてNISAでの購入は、つみたて契約(投資信託継続購入プラン)に基づく、定期かつ継続的な方法により行うことができます。
- つみたてNISAに係るつみたて契約(投資信託継続購入プラン)により購入した投資信託の信託報酬等の概算値を、原則として年1回通知します。
- 基準経過日において、つみたてNISAを開設しているお客さまの氏名・住所を、所定の方法で確認します。
新しいNISAについて
- 2024年1月以降、新しいNISA制度へ改正されます。現行のNISAは「成長投資枠」、つみたてNISAは「つみたて投資枠」に変わります。同一の年に両枠を利用することができます。
- 2024年1月以降、現行のNISA、つみたてNISAにおいて新たに株式投資信託等の購入はできません。
- 2024年1月以降の新しいNISAで購入できる商品は、つみたて投資枠では現行のつみたてNISAと同様であり、成長投資枠では現行のNISAの投資対象商品のうち以下条件をすべて満たすものに限られます。
- 信託期間が20年以上または無期限であること
- 一定のデリバティブ取引が用いられていないこと
- 毎月分配型でないこと
- 現行のNISAおよびつみたてNISAで購入した商品は、新しいNISAへの移行はできません。
- 2023年12月末時点で当行で利用可能な現行のNISA制度を利用した口座を開設(*)している場合、当行で新しいNISA制度を利用した口座が自動で開設されます。
- 2023年10月から12月の間に2024年1月以降のNISA勘定廃止(金融機関変更)を手続した場合を除く
株式会社 三菱UFJ銀行
登録金融機関 関東財務局長(登金)第5号
加入協会 日本証券業協会、一般社団法人 金融先物取引業協会、一般社団法人 第二種金融商品取引業協会
株式会社 三菱UFJ銀行
(2023年9月15日現在)