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REIT(リート)とREIT投資信託の違いとは?商品性や種類、選び方

REIT(リート)とREIT投資信託の違いとは?商品性や種類、選び方
  • 2025年12月3日
「REIT(リート)」に投資できる「REIT投資信託(REITファンド)」をご存知ですか。REITに興味のある人は、1つの選択肢としてREITファンドも検討の対象となるでしょう。この記事では「REIT」とはどういうものか、メリットやデメリットに加えて、少額からはじめられる「REITファンド」について詳しく解説します。

目次

REIT(リート)とは?

投資信託,リート
REIT(リート)とは、投資家から集めたお金を不動産に投資し、賃貸収入や売却益を投資家に分配する不動産投資信託のことです。投資先は「オフィスビル」や「商業施設」「マンション」など多岐にわたります。もとは、アメリカで生まれたため、日本のREITはとくに「J-REIT」と呼ばれています。
REITの魅力は、高い利回りです。過去10年間のJ-REITの平均予想分配金利回りをみると、最低3.22%から最高5.15%の間で推移しています。一方、日本株の配当利回りをみると、最低-0.28%から最高1.66%の間で推移しています。(株式の平均配当利回りは、2022年3月までは東証1部株式の平均配当利回りを、2022年4月以降は東証プライム市場株式の平均配当利回りで計算しています。)
なぜJ-REITの利回りはこれほど高いのでしょうか。それは、J-REITの場合、収益の90%超を分配するなど一定の要件を満たすことで、実質的に法人税がかからない仕組みになっているからです。そのため、法人税を負担した上で配当金を支払う「株式会社」と比べ、分配金を出しやすい状況といえるでしょう。

REITのメリット・デメリット

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高い利回りを求める人にも、不動産投資に興味がある人にもREITは魅力的な商品です。では具体的に、REITにはどのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。

メリット

REITは証券取引所に上場しています。そのため株式と同じように売買でき、流動性の高さがメリットの1つです。
また不動産投資に興味があっても、実物不動産には多額の資金が必要です。不動産投資ローンを組んだり、物件探しをしたりといった労力を考えると、ハードルが高いと感じる人も多いでしょう。その点、REITなら気軽に不動産投資を始められます。
加えて、REITは投資信託と同様、1つの商品を購入するだけで分散投資が叶います。REITを通じて、日本国内のさまざまな不動産に投資できるからです。分散投資でリスクを抑えられるのもREITのメリットです。
J-REITはNISAの成長投資枠で投資ができます。
個別銘柄だけでなく、J-REITの指数に連動した上場投資信託(ETF)や、J-REITを投資対象とする投資信託があり、NISA口座で取引できる商品もあります。
NISA口座で保有することにより、分配金や利益が非課税となるメリットを享受できます。
もちろん冒頭で紹介した通り、法人税が優遇された利回りの高さも大きな魅力といえるでしょう。
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デメリット

REITは、元本や分配金が保証されている金融商品ではありません。
REITは、需要と供給の関係によって価格が決まります。そのため、価格変動リスクにさらされることになるので、不動産投資とは異なる特性を持つ投資だと理解しておきましょう。テナント退去や賃料引き下げなどにより賃料収入が減る場合や、金利上昇に伴う支払利息の増加など、費用の増加によって分配金が減ることがあります。
そのほかにも、地震や台風等の自然災害、予測不可能な事象が発生した場合など、投資対象不動産の収益性が低下し、影響を受けることがあります。
また、REITを運用する法人には倒産リスクもあるので、運用成果や法人の動向をきちんと見守っておきましょう。
ほかに、不動産税制、建物の建築規制などの規制の強化や新たな規制の創設により、不動産の価値が低下し、その結果REITの価格も低下する可能性があります。
とくに海外REITへの投資を考えている場合、情報収集の難しさもデメリットです。株式でも海外となると情報収集のハードルは上がりますが、不動産やREITとなるとそれ以上に情報収集が難しくなる傾向があります。

REITの種類と特徴

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REITを選ぶ時は、REITの種類を知っておくことが大切です。続いてREITの種類を、エリア・投資対象の観点から解説します。

エリアと特徴

日本国内の不動産に投資するREITは「J-REIT」です。そのほか、海外の不動産に投資する「米国REIT」や「豪州REIT」、「英国REIT」などの海外REITがあります。J-REITと比べ、海外REITのほうが高利回りで値動きも激しい傾向があります。
また海外REITには、為替変動リスクもあります。日本円を外貨に換えたり、外貨を日本円に換えたりするときは、交換レート(為替レート)をもとに計算します。そのため、タイミングが悪ければ「為替差損」が生じるリスクがあり、タイミングがよければ「為替差益」を受け取れます。

投資対象の種類と特徴

REITの投資対象には、次のような種類があります。
  • オフィスビル……オフィスビルを中心に投資
  • 商業施設……商業店舗ビルやショッピングセンターを中心に投資
  • 住宅……マンションなどを中心に投資
  • 物流施設……物流センターなどを中心に投資
  • ホテル……リゾートホテルやビジネスホテルなどを中心に投資
  • ヘルスケア施設……有料老人ホームや病院などを中心に投資
REITには、「オフィスビル運用型」「住宅運用型」など単一の投資対象に投資する商品と、複数の投資対象に分散投資できる「複合型」の商品があります。

REITとREITファンドは、どちらがいい?

投資信託,リート
REITに投資したいと思ったら、"REITを購入する方法"と"REIT投資信託(以下、REITファンド)を通じて複数のREITに分散投資する方法"があります。

REITファンドとは

REITファンドとは、複数のREITに分散投資できる投資信託のことで、少額からの投資が可能です。
REITファンドを通じて海外REITに投資することもでき、地域や投資対象を分散できることから、注目が集まっています。

REITに向いている人

REITで投資するのに向いている人は、前述のREITの特徴からも次のような人といえるでしょう。
  • 不動産に投資したいが、管理の手間をかけたくない
  • 不動産に投資したいが、不動産投資ローンを組みたくない

REITファンドに向いている人

REITファンドで投資するのに向いている人は、先ほどの要素にくわえて複数のREITに分散投資をしたい人です。
ただしREITファンドでは、REITの選定をプロが行うことになるので、ファンドを運用する手数料が発生します。多少のコストを支払ってでも、選定を任せて分散投資したい人に向いています。

REITファンドを選ぶ時のポイント

投資信託,リート
いざREITファンドを選ぶときは、どのような点をチェックすればいいのでしょうか。続いては、REITファンドで分散投資をしたい人に向けて、ファンド購入前のポイントを紹介します。

運用スタイル

投資信託を通じてREITを購入する場合(REITファンドの場合)、投資信託の運用スタイルを理解しておきましょう。投資信託の運用には、インデックス型・アクティブ型のおもに2つのタイプがあります。
インデックス型とは、「日経平均株価」や「TOPIX(東証株価指数)」といったベンチマークへの連動を目指す投資信託のことです。パッシブ型と呼ばれることもあります。
アクティブ型とは、ベンチマークを上回る成果を目指す投資信託のことで、積極的な運用が特徴です。

投資対象と信託報酬をチェック

REITファンドを購入する時は、投資対象をチェックします。まず「国内REIT」に投資するのか、「海外REIT」に投資するのかを検討しましょう。海外REITに投資する場合は「先進国」を中心にするのか、「全世界」に投資するのかなどを決めます。
運用にかかるコストである「信託報酬」も要確認です。初めてREITファンドを購入するなら、信託報酬が低いほうが安心です。

REITやREITファンドをポートフォリオに組み込もう

REITやREITファンドは高利回りで、とくにREITファンドは少額からスタートできるのが魅力です。不動産投資に興味があるけれどハードルが高いと感じている人は、REITやREITファンドへの投資を検討してみましょう。
自分でREITの商品選びをしたいならREIT、複数のREITに分散投資したいならREITファンドが適しているでしょう。不動産投資に興味のある人は、「REIT」や「REITファンド」をポートフォリオに組み込んでみてはいかがでしょうか。

執筆者:水瀬理子
ファイナンシャル・プランナー

※記事内の情報は更新時点のものです。最新情報は別途ホームページ等でご確認ください。

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