REIT(リート)とREIT投資信託の違いとは?商品性や種類、選び方
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2021.5.11
「REIT(リート)」に投資できる「REIT投資信託(REITファンド)」をご存知ですか。REITに興味のある人は、1つの選択肢としてREITファンドも検討の対象となるでしょう。この記事では「REIT」とはどういうものか、メリットやデメリットに加えて、少額からはじめられる「REITファンド」について詳しく解説します。
REIT(リート)とは?
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REIT(リート)とは、投資家から集めたお金を不動産に投資し、賃貸収入や売却益を投資家に分配する不動産投資信託のことです。投資先は「オフィスビル」や「商業施設」「マンション」など多岐にわたります。もとは、アメリカで生まれたため、日本のREITはとくに「J-REIT」と呼ばれています。
REITの魅力は、高い利回りです。過去10年間のJ-REITの平均予想分配金利回りをみると、最低3.02%から最高6.17%の間で推移しています。一方、東証1部株式配当利回りをみると、最低1.46%から最高2.77%の間で推移しています。
なぜJ-REITの利回りはこれほど高いのでしょうか。それは、J-REITの場合、収益の90%超を分配するなど一定の要件を満たすことで、実質的に法人税がかからない仕組みになっているからです。そのため、法人税を負担した上で配当金を支払う「株式会社」と比べ、分配金を出しやすい状況といえるでしょう。
REITのメリット・デメリット
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高い利回りを求める人にも、不動産投資に興味がある人にもREITは魅力的な商品です。では具体的に、REITにはどのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。
メリット
REITは証券取引所に上場しています。そのため株式と同じように売買でき、流動性の高さがメリットの1つです。
また不動産投資に興味があっても、実物不動産には多額の資金が必要です。不動産投資ローンを組んだり、物件探しをしたりといった労力を考えると、ハードルが高いと感じる人も多いでしょう。その点、REITなら気軽に不動産投資を始められます。
加えて、REITは投資信託と同様、1つの商品を購入するだけで分散投資が叶います。REITを通じて、日本国内のさまざまな不動産に投資できるからです。分散投資でリスクを抑えられるのもREITのメリットです。
もちろん冒頭で紹介した通り、法人税が優遇された利回りの高さも大きな魅力といえるでしょう。
デメリット
REITは、需要と供給の関係によって価格が決まります。そのため、価格変動リスクにさらされることになるので、不動産投資とは異なる特性を持つ投資だと理解しておきましょう。
また、REITを運用する法人には倒産リスクもあるので、運用成果や法人の動向をきちんと見守っておきましょう。
とくに海外REITへの投資を考えている場合、情報収集の難しさもデメリットです。株式でも海外となると情報収集のハードルは上がりますが、不動産やREITとなるとそれ以上に情報収集が難しくなる傾向があります。
REITの種類と特徴
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REITを選ぶ時は、REITの種類を知っておくことが大切です。続いてREITの種類を、エリア・投資対象の観点から解説します。
エリアと特徴
日本国内の不動産に投資するREITは「J-REIT」です。そのほか、海外の不動産に投資する「米国REIT」や「豪州REIT」、「英国REIT」などの海外REITがあります。J-REITと比べ、海外REITのほうが高利回りで値動きも激しい傾向があります。
また海外REITには、為替変動リスクもあります。日本円を外貨に換えたり、外貨を日本円に換えたりするときは、交換レート(為替レート)をもとに計算します。そのため、タイミングが悪ければ「為替差損」が生じるリスクがあり、タイミングがよければ「為替差益」を受け取れます。
投資対象の種類と特徴
REITの投資対象には、次のような種類があります。
- オフィスビル……オフィスビルを中心に投資
- 商業施設……商業店舗ビルやショッピングセンターを中心に投資
- 住宅……マンションなどを中心に投資
- 物流施設……物流センターなどを中心に投資
- ホテル……リゾートホテルやビジネスホテルなどを中心に投資
REITには、「オフィスビル運用型」「住宅運用型」など単一の投資対象に投資する商品と、複数の投資対象に分散投資できる「複合型」の商品があります。
REITとREITファンドは、どちらがいい?
(画像提供:buritora/stock.adobe.com)
REITに投資したいと思ったら、"REITを購入する方法"と"REIT投資信託(以下、REITファンド)を通じて複数のREITに分散投資する方法"があります。
REITファンドとは
REITファンドとは、複数のREITに分散投資できる投資信託のことで、少額からの投資が可能です。
REITファンドを通じて海外REITに投資することもでき、地域や投資対象を分散できることから、注目が集まっています。
REITに向いている人
REITで投資するのに向いている人は、前述のREITの特徴からも次のような人といえるでしょう。
- 不動産に投資したいが、管理の手間をかけたくない
- 不動産に投資したいが、不動産投資ローンを組みたくない
REITファンドに向いている人
REITファンドで投資するのに向いている人は、先ほどの要素にくわえて複数のREITに分散投資をしたい人です。
ただしREITファンドでは、REITの選定をプロが行うことになるので、ファンドを運用する手数料が発生します。多少のコストを支払ってでも、選定を任せて分散投資したい人に向いています。
REITファンドを選ぶ時のポイント
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いざREITファンドを選ぶときは、どのような点をチェックすればいいのでしょうか。続いては、REITファンドで分散投資をしたい人に向けて、ファンド購入前のポイントを紹介します。
運用スタイル
投資信託を通じてREITを購入する場合(REITファンドの場合)、投資信託の運用スタイルを理解しておきましょう。投資信託の運用には、インデックス型・アクティブ型のおもに2つのタイプがあります。
インデックス型とは、「日経平均株価」や「TOPIX(東証株価指数)」といったベンチマークへの連動を目指す投資信託のことです。パッシブ型と呼ばれることもあります。
アクティブ型とは、ベンチマークを上回る成果を目指す投資信託のことで、積極的な運用が特徴です。
投資対象と信託報酬をチェック
REITファンドを購入する時は、投資対象をチェックします。まず「国内REIT」に投資するのか、「海外REIT」に投資するのかを検討しましょう。海外REITに投資する場合は「先進国」を中心にするのか、「全世界」に投資するのかなどを決めます。
運用にかかるコストである「信託報酬」も要確認です。初めてREITファンドを購入するなら、信託報酬が低いほうが安心です。
REITやREITファンドをポートフォリオに組み込もう
REITやREITファンドは高利回りで、とくにREITファンドは少額からスタートできるのが魅力です。不動産投資に興味があるけれどハードルが高いと感じている人は、REITやREITファンドへの投資を検討してみましょう。
自分でREITの商品選びをしたいならREIT、複数のREITに分散投資したいならREITファンドが適しているでしょう。不動産投資に興味のある人は、「REIT」や「REITファンド」をポートフォリオに組み込んでみてはいかがでしょうか。
執筆者:水瀬理子
ファイナンシャル・プランナー
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