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電子マネーとは?種類や支払い方法・選び方についてわかりやすく解説

電子マネーとは?種類や支払い方法・選び方についてわかりやすく解説
公開日:2023年12月27日
現金を使わないキャッシュレス決済が普及するにつれて、電子マネーの種類も多様化しています。普段の買い物や公共交通機関など幅広く利用されている電子マネーですが、「仕組みや種類がよくわからない」という人も少なくありません。
この記事では、電子マネーの概要や支払い方法、種類などについて解説します。

目次

電子マネーとは?

電子マネーとは、電子データ化されたお金のことです。
電子マネーは、現金と同じように決済手段として利用することができ、電子データのやり取りを通じて商品・サービスの代金を支払うことができます。利用者は支払い時に硬貨や紙幣を準備する必要がないため、スピーディーに決済できることも特徴です。

電子マネーとクレジットカードの違い

  電子マネー クレジットカード
支払い方式
  • プリペイド型(前払い式)
  • ポストペイ型(後払い式)
  • デビット型(即時払い式)
後払い式
利用限度額 チャージした金額まで
(一般的にクレジットカードより低額)
事前に定められた利用限度額まで
利用審査 原則なし あり
暗証番号 なし あり
電子マネーとクレジットカードの大きな違いは、「支払い方法」です。
クレジットカードの場合は、1ヵ月分の利用代金をあとからまとめて一括または分割などで支払う「後払い式」が採用されています。
一方、電子マネーではクレジットカードのような後払い式だけでなく、事前にお金をチャージする「プリペイド型(前払い式)」や、利用と同時に口座から利用代金が引き落とされる「デビット型(即時払い式)」もあり、ニーズに合わせて支払い方法を選ぶことができます。
また、電子マネーは事前の利用審査がないため、誰でも気軽に利用しやすい点も特徴です。ただし、その分利用限度額はクレジットカードに比べて低い傾向にあり、大きな買い物や支払いには向いていません。

電子マネーの支払い方法3つ

電子マネーの支払い方法には、「プリペイド型」「ポストペイ型」「デビット型」の3種類があります。それぞれどのような違いがあるのかくわしく確認していきましょう。

プリペイド型(前払い式)

プリペイド型(前払い式)は、事前にお金をチャージして利用する電子マネーです。具体的には、交通系電子マネーのSuicaやPASMOなどが挙げられ、アプリやカードにチャージして利用します。
プリペイド型は事前にチャージした金額以上は使えないため、使いすぎを防止できるメリットがあります。「手元に現金があると、つい使いすぎてしまう」、「予算の範囲内で買い物をしたい」というときに便利な支払い方法といえるでしょう。
また、プリペイド型はチャージできる上限額が定められており、その上限額は各電子マネーによって異なります。
プリペイド型(前払い式)

ポストペイ型(後払い式)

ポストペイ型(後払い式)は、電子マネーとクレジットカードを紐付けて決済する方法です。具体的には、iDやPiTaPa 、QUICPayが挙げられ、利用した代金はクレジットカードの利用代金と合わせて引き落とされます。
先ほど紹介したプリペイド型では事前にチャージした金額以上は利用できないため、支払い時に残高が足りないと決済エラーとなることも少なくありません。そのため、利用前には残高が足りるか確認したり、チャージしたりする手間がかかってしまいます。
その点、ポストペイ型では残高を気にすることなく決済できるので、スムーズに支払いを完結できるメリットがあります。ただし、1回あたりの上限額を超えて決済することはできませんので、大きな支払いや買い物に利用するときは注意が必要です。
ポストペイ型(後払い式)

デビット型(即時払い式)

デビット型(即時払い式)は、電子マネーと金融機関口座を紐付けて決済する方法です。具体的にはiDが挙げられ、利用と同時に指定口座から代金が引き落とされます。
iDにはポストペイ型のほかにデビット型のものもあり、利用者のニーズに合わせて支払い方法を選ぶことができます。
デビット型は、利用と同時に即時払いで代金が引き落とされることから、口座残高以上の支払いには利用できません。「後払い式だとつい使いすぎてしまうのが不安」という人はデビット型が向いているでしょう。
デビット型(即時払い式)

電子マネーの種類と特徴

電子マネーは支払い方法だけでなく、種類でも分類されます。電子マネーは主に3種類あり、各サービスによって使い方や特徴が異なります。ここからは、電子マネーの主な種類と特徴について解説していきます。

交通系

交通系は、鉄道会社などの公共交通機関が発行している電子マネーです。SuicaやPASMOなどが挙げられ、電子マネーの中でも最もポピュラーな種類といえます。
交通系は電車やバスの乗車料金だけでなく、駅の売店やコンビニ、自動販売機などの支払いにも利用でき、幅広いシーンで利用できるメリットがあります。
交通系には、カードタイプのものやスマートフォンにインストールするタイプのものがありますが、支払い方法は事前にチャージするプリペイド型が一般的です。

流通系

流通系は、小売流通系企業が発行する電子マネーです。具体的にはWAONやnanacoが挙げられ、スーパーやコンビニでの利用に対応しています。
利用できる店舗は各電子マネーによって異なりますが、発行企業の系列店で利用するとポイント還元率がアップするといった特典があるケースもあります。そのため、自分がよく行くスーパーやコンビニが発行する電子マネーを利用することで、おトクにポイントを貯められるメリットがあります。

クレジットカード系

クレジットカード系は、クレジットカードと紐付けて利用する電子マネーです。利用金額は後日クレジットカードの利用代金と一緒に引き落とされるので、事前にチャージする必要がありません。
具体的にはiDやQUICPayが挙げられ、クレジットカードと一体化されているものや、スマートフォンに搭載するものなどさまざまなタイプがあります。
クレジットカード系の電子マネーはサインレス、暗証番号レスで決済できる利便性がありますが、1回あたりの利用上限額が定められている点に注意が必要です。

電子マネーのメリット・デメリット

電子マネーを利用するときは、そのメリット・デメリットについて理解しておくことが大切です。それぞれ確認していきましょう。

電子マネーのメリット

電子マネーのメリットとして、主に次の3点が挙げられます。

  • 現金を持ち歩く必要がない
  • 支払いによってポイントを貯められる
  • 支払い管理がしやすい

それぞれくわしく解説します。

現金を持ち歩く必要がない

電子マネーの大きなメリットは、現金を持ち歩く必要がなくなる点です。電子マネーはスマートフォンやICカードで決済ができるため、財布を持ち歩かずに手軽に決済が行えます。
支払い時はスマートフォンやカードを端末にかざすだけで決済が完了し、現金のやり取りが発生しないことから、会計に時間がかからないのもうれしいポイントです。

支払いによってポイントを貯められる

電子マネーには独自のポイントサービスを提供しているものもあり、利用金額に応じてポイントを貯められます。ポイントの還元率は電子マネーによって異なっており、なかには特定の店舗での利用でポイント還元率がアップするものもあります。
貯まったポイントは買い物や支払いに充てられるため、食費や日用品費の節約にもつなげられます。

支払い管理がしやすい

多くの電子マネーでは支払い履歴が残るようになっており、「いつどこでいくら使ったのか」と確認することが可能です。現金払いの場合は、レシートを紛失すると何の支払いをしたのかがわからなくなってしまいますが、電子マネーの場合はスマートフォンアプリなどでカンタンに支払い履歴を確認できます。
こまめに支払い履歴を確認するようにすれば、「今月はいくら使っている」ということが把握できるので、使いすぎの防止にも役立てられます。

電子マネーのデメリット

さまざまなメリットがある電子マネーですが、一方で次のようなデメリットも存在します。

  • 利用できる店舗が限られる
  • 事前にチャージや登録が必要

利用前にきちんと理解しておきましょう。

利用できる店舗が限られる

電子マネーにはそれぞれ利用対象店舗が決められており、どの店舗でも利用できるわけではありません。また、店舗によっては支払いが現金のみとなっている場合もあり、電子マネーを使いたいときに使えないケースもあります。
そのため、電子マネーが使えない場合を想定して「少額の現金を持ち歩く」、「複数の電子マネーを使い分ける」といった対策をしておくと安心です。

事前にチャージや登録が必要

電子マネーにはプリペイド型やポストペイ型などさまざまな支払い方法がありますが、利用する際はいずれも事前の手続きが必要となります。
たとえば、プリペイド型の交通系ICカードを使うときは、事前に現金をチャージしておく必要がありますし、ポストペイ型の電子マネーを使うときは前もって申し込み手続きを行う必要があります。どれもすぐにその場で発行できるものではないため、使いたいときにスムーズに使えるように事前に手続きを済ませておくことがポイントです。

電子マネーの選び方と注意点

電子マネーの選び方と注意点
電子マネーには多種多様な種類があり、どれを利用すれば良いか悩む人も少なくありません。ここからは、電子マネーの選び方と注意点について紹介します。

電子マネーの選び方

電子マネーを選ぶときは、利用できる店舗やチャージ方法、ポイント還元率に注目してみましょう。

頻繁に利用する店舗やサービスで選ぶ

電子マネーには、それぞれ利用対象店舗が定められています。
たとえば、WAONは主にイオン系列のスーパーやショッピングモールで利用でき、それ以外にもドラッグストアや自動販売機などでも利用可能ですが、なかには対応していないコンビニもあります。
せっかく電子マネーの利用を始めても、よく行く店舗で使えないのであれば意味がありません。まずは、頻繁に利用する店舗やサービスで、どのような電子マネーに対応しているのか確認するようにしましょう。

チャージの方法で選ぶ

プリペイド型の電子マネーは事前にお金をチャージする必要がありますが、そのチャージ方法は「クレジットカード経由で入金する」、「店頭や専用機械で現金をチャージする」などさまざまです。プリペイド型は事前にチャージした金額以上は決済ができないため、なるべく手軽にチャージできるものが良いでしょう。
「定期的にチャージするのが面倒だ」という方は、事前のチャージが不要なポストペイ型やデビット型の電子マネーを検討するのもひとつの方法です。

還元率の高さで選ぶ

電子マネーを選ぶときは、ポイント還元率も比較したい点です。
電子マネーのなかには利用代金に応じてポイント還元されるものがあり、貯まったポイントは支払いや買い物に利用することができます。ポイント還元率は電子マネーによって異なりますので、より効率よくポイントを貯められるものを選ぶと良いでしょう。
また、電子マネーによっては「系列店での利用でポイント還元率がアップする」、「特定の日付での利用でポイント還元率がアップする」などキャンペーンを開催していることもあります。よりおトクに電子マネーを活用するためには、ポイントサービスの情報もチェックしておきましょう。

電子マネー利用時の注意点

便利かつ手軽に決済が行える電子マネーですが、利用時にはいくつか気をつけたいポイントがあります。ひとつずつ確認していきましょう。

セキュリティ対策を行う

電子マネーは、支払い時に暗証番号の入力やサインが必要ありません。手軽に決済できる点は魅力のひとつであるものの、万が一カードやスマートフォンを紛失したときに、第三者に不正利用されてしまうリスクもあります。
もしカード・スマートフォンの紛失・盗難に気付いたときは、すぐに発行会社へ連絡し、電子マネーの利用停止手続きを行うようにしましょう。
また、スマートフォンの場合は「2段階認証を設定する」、「ログイン情報を端末に記憶させない」といった方法も有効です。

利用額の把握を行う

電子マネーはカードやスマートフォンを端末にかざすだけで決済できるため、「お金を支払っている実感が得にくい」と感じる人もいます。特に、ポストペイ型やデビット型は事前にチャージしなくても決済できるため、つい使いすぎてしまうこともあるかもしれません。
使いすぎを防ぐためには、「利用履歴を定期的に確認する」、「毎月の予算を決めておく」など利用上でのマイルールを作っておくと良いでしょう。
利用額の把握を行う

まとめ

電子マネーは支払いにかかる時間を短縮できるだけでなく、利用代金に応じてポイント還元が得られるメリットもあります。
ただし、利用できる店舗に制限があることや、事前にチャージ手続きが必要となるといったデメリットもあることから、よりスムーズな決済を行うためには、電子マネーではなくクレジットカードを使うのもひとつの選択肢です。
執筆者:椿 慧理(つばき えり)
執筆者保有資格:2級ファイナンシャル・プランニング技能士、1種外務員資格、内部管理責任者

※記事内の情報は更新時点のものです。最新情報は別途ホームページ等でご確認ください。

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