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年収増!でも思ったより“使えるお金”が少ない2つの理由

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年収増!でも思ったより“使えるお金”が少ない2つの理由
2020.11.19
年収は増えているのに、思ったほど生活が楽にならない……。そんな悩みを抱えている人はいませんか?この記事では、年収が増えても使えるお金が増えない2つの理由をわかりやすく解説します。年収を上げるだけではなく、自由に使えるお金を増やしたいと考えている人は、ぜひ参考にしてみてください。

理由1. 税率が上昇するから(年収が高ければ高いほど顕著)

年収が増えても、使えるお金が増えない理由のひとつに、日本の税金の仕組みがあります。まずは、税金の仕組みをチェックして、高年収の人が注意すべきポイントを見てみましょう。

高所得者を対象とした隠れ増税

年収が上がれば、税金も上がる。なんとなくそう理解していても、具体的にどのくらい負担が増えるかまでは知らないという人は多いのではないでしょうか?

年収

所得税・住民税の合計額

年収に占める税金の割合

200万円

約9万円

4.5%

500万円

約38万円

7.6%

1,000万円

約148万円

14.8%

2,000万円

約537万円

26.9%

*40歳~65歳&独身&会社員(給与所得者)&東京都民&基礎控除のみ
こうしてみると、年収が上がるほど、想像以上に税金の負担が重くなることがわかります。
日本の所得税は、「累進課税」という方法で計算されます。累進課税とは簡単にいうと、年収が上がるほど適用される税率が高くなる仕組みです。
累進課税だと、年収が2倍になったとしても、手取りが2倍になるわけではありません。手取りが減ることはないものの、年収の増加と手取りの増加が見合わなくなることから、「お金が残らない」と感じるようになるでしょう。

社会保険料の引き上げ等に注意

2020年には給与所得控除が減額され、上限が適用される年収も引き下げられました。
年収が1,000万円でも、1,000万円にそのまま所得税率をかけて所得税を計算するわけではありません。1,000万円から給与所得控除やその他の控除を差し引き、課税所得を算出してから、所得税率をかけます。
つまり給与所得控除が高いほど、会社員の所得税は少なくてすむのです。
その給与所得控除が、2020年に変更されました。これまで、年収1,000万円超から一律220万円が適用されていたところ、2020年以降は、年収850万円超から一律195万円が適用されることになりました。
つまり今後は年収850万円を超えると、年収が増えても給与所得控除は増えません。それだけ、税金の負担も重く感じられるようになるでしょう。
また税金以外に、給与から天引きされる厚生年金保険料にかかる標準報酬月額の上限等級も2020年9月に引き上げられ、高所得の人を対象に影響が出ています。自動で天引きされていると日頃は意識しないかもしれませんが、給与明細はきちんと確認するようにしましょう。

理由2. 生活コストが高くなっているから

年収が増えても使えるお金が増えない2つ目の理由は、生活コストの増加です。収入に応じて定められた税金や社会保険料の増加は、自分ではコントロールできません。しかし生活コストに関しては、いくらでも手を打つことができるでしょう。
年収を上げるだけでなく、“使えるお金”を増やす方法をしっかり検討しましょう。

知らず知らずのうちに、家計管理が甘くなってない?

年収が上がると、それにともなって自然と生活費もかさむものです。忙しくて家計簿をつける時間がないという人は、とくに注意したいところ。どんぶり勘定でお金を使っていると、収入の増加以上に支出が増加してしまっていることも少なくありません。
収入が多くなることによって、これまで実践していた家計管理の基準や家計管理自体が甘くなってしまい、生活コストが高くなっているケースが多くみられます。

不要な固定費に出費していないかを確認しよう

前述の家計管理と同様に、固定費についても気を付けましょう。ここでいう固定費とは毎月自動的に差し引かれる支払い(出費)を指します。
オンラインサロンや英会話教室、サブスクリプションサービスや通信費など、近ごろはさまざまな月額サービスが登場しておりコストパフォーマンスの面からも人気を集めています。一方で、最初の契約で金額を確認した後は、月会費などが自動的に差し引かれるため、“無意識の出費”となっている可能性があります。
もちろん、自分が本当に必要だと思っているサービスに関して解約する必要はないでしょう。「セミナーや書籍で勉強しているからこそ、仕事の成果が上がり、高年収を維持している」「月2回のエステはやる気のみなもと。自己投資として後悔はない」といったケースもあります。
一方で、自分が本来必要としていないサービスを継続し続けていないかの見直しは必要です。そのサービス自体が不要かどうかはもちろん、「利用しようと思っていたけれど、実際には利用できていない」「やめ時を見失っている」「そのサービスの契約自体を忘れている」といったケースがないかチェックしましょう。

手取りと生活コストに目を向けることが“使えるお金”を増やすコツ

年収が上がると、つい財布のひもが緩み生活コストは上がりがちです。その一方で、税金などの負担によって手取りはそこまで増えません……。このギャップが、「使えるお金が少ない」と感じる理由です。使えるお金を増やすには、手取りと生活コストに目を向けることが大切。手取りを理解し、手取りに見合ったお金の使い方を心がければ、自然と自由に使えるお金も増えていくはずですよ。

執筆者:株式会社ZUU

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