地球の未来のためにも知っておきたい!SDGsが目指す17の目標
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2020.4.20
2015年9月の国際サミットで採択された、世界的に注目されているSDGs(エス・ディー・ジーズ)への取り組み。単語は耳にしたことがあるけれど具体的な内容はよく分からない……という人も多いのではないでしょうか。今回は、就活生や若手ビジネスパーソンが押さえておくべきSDGsの基礎知識と、具体的な取り組み事例をピックアップして紹介します。
「SDGs」は国連サミットで採択された世界的な取り組み
SDGsの正式名称は「Sustainable Development Goals」で日本語に訳すと「持続可能な開発目標」です。2001年のMDGs(ミレニアム開発目標)の後継として2015年に国連サミットで採択されました。世界が抱える課題を整理し、取り組んだり解決したりして持続可能な社会をつくるため、2030年までに目標を達成するのが目的です。
SDGsには、大きく分けて17の国際目標があり、それらを具体的にした「169のターゲット」と、達成するための「232の指標」で構成されています。
持続可能な社会とは?
持続可能な社会とは地球環境を守りつつ、誰一人も取り残すことなく人々の暮らしを豊かにできるような開発が行われる社会のことです。18世紀後半にイギリスで始まった産業革命以降、人は地球本来の自然環境を破壊し続けてきたといわれています。経済発展などを優先させるためにとった人間の自分本位な行動の結果といえるでしょう。
地球が限界に達しようとしていることに世界規模で気づいた結果、世界で目指すべき方向性を持続可能な社会へと方向転換したのです。SDGsは細かな目標や指標があるので難しくとらえてしまうかもしれません。
しかし「自分たちにいつか子どもや孫ができたとき、未来の地球環境がより一層良いものになっているためにできることは何か?」とイメージしてみると、SDGsの主旨が理解できるのではないでしょうか。
SDGsの17の目標
SDGsの17の目標は以下の通りです。
- 貧困をなくそう
- 飢餓をゼロに
- すべての人に健康と福祉を
- 質の高い教育をみんなに
- ジェンダー平等を実現しよう
- 安全な水とトイレを世界中に
- エネルギーをみんなにそしてクリーンに
- 働きがいも経済成長も
- 産業と技術革新の基盤を作ろう
- 人や国の不平等をなくそう
- 住み続けられるまちづくりを
- つくる責任つかう責任
- 気候変動に具体的な対策を
- 海の豊かさを守ろう
- 陸の豊かさを守ろう
- 平和と公正をすべての人に
- パートナーシップで目標を達成しよう
参考:外務省「JAPAN SDGs Action Platform」
17の目標(ゴール)は、国や民族、組織や個人を問わず普遍的なものであるととらえ、誰一人取り残さないことを誓っています。「地球と地球に住んでいる人にやさしい社会を目指している」ということがよく分かるのではないでしょうか。
具体的な課題が示された169のターゲット
「17の目標を達成するために解決していくべき具体的な課題は何か」について示されているのが169のターゲットです。各目標につき数項目のターゲットがあります。
例えば1つ目の目標「貧困をなくそう」については「2030年までに現在1日1.25米ドル未満で生活する人々と定義されている極度の貧困をあらゆる場所で終わらせる」という具体的なターゲットが設定されています。
17の目標だけだと具体的に何をすれば良いか分からない人も、各目標に設定されているターゲットを読んでいくことで「これなら自分も取り組めるかもしれない」と思えるものが見つかるはずです。
日本政府の取り組み
日本でのSDGsの取り組みは2015年9月の採択直後から、国が中心となり基盤作りが始まりました。2018年からは毎年アクションプランがつくられるようになり、各省庁でもテーマを選択し取り組んでいます。また、国内の団体や企業が行うSDGsの活性化を促進させる、優れた取り組みに対して贈られる「ジャパンSDGsアワード」が設けられています。
2020年のアクションプランでは、以下の3本の柱を中核とした「日本のSDGsモデル」が課題です。
- ビジネスとイノベーション
- SDGsを原動力とした地方再生、強じんかつ環境にやさしい魅力的なまちづくり
- SDGsの担い手としての次世代・女性のエンパワーメント 参考:SDGs推進本部「SDCsアクションプラン2020」
日本の自治体や企業の取り組み
SDGsへの取り組みは国の方針をベースにした方向性で、関連の外郭団体や公益法人、さらには地方自治体にも浸透してきました。
例えばユニセフでは子どもたちを対象にした啓蒙活動、JAXAでは宇宙空間から地球を見守りはぐくむことに貢献する活動を行っています。各自治体では、国からSDGs未来都市として選定された市町村の取り組みが注目されています。
「経済」「社会」「環境」の3つのバランスを大切にした開発が、どのような姿を生み出すのか期待されているのです。経済分野では経団連に加盟する企業が中心となり、自社の事業内容にふさわしいテーマを設けた取り組みが行われています。
その実績が評価され、国が設けている「ジャパンSDGsアワード」で受賞する例も。これまでに受賞した企業のなかからいくつかをご紹介します。
・ 株式会社フジテレビジョン(SDGsをテーマに日本初のレギュラー番組を地上波で放送など)
・ サラヤ株式会社(ウガンダとカンボジアで手洗いを基本とする衛生向上のための取り組みを推進)
・ 株式会社日本フードエコロジーセンター(廃棄物処理事業と飼料製造業の2つの側面を持つビジネスモデルを実現)
・ 株式会社LIXIL(途上国へのトイレ提供など)
・ 株式会社虎屋本舗(離島の学校、山間部の障害者支援学級、高齢者福祉施設などで菓子教室実施)
・ 株式会社富士メガネ(難民、避難民への検眼と無償提供)
・ 株式会社大和ネクスト銀行(定期預金に預け入れるとSDGsに取り組む団体に寄付)
SDGsの観点で世の中を見てみよう
SDGsへの取り組みは、これまでに少しずつ浸透し認知度が高まりつつあります。これを機にSDGsの観点で社会全体や世界全体を俯瞰し就職や転職、コミュニティなどを選ぶことも方法の一つです。
SDGsには幅広い目標が設定されているので、一度じっくり読んでみて自分が共感できるものを見つけ取り組んでみてはいかがでしょうか。
執筆者:株式会社ZUU
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