「今すぐ100万円」と「5年後に105万円」もらってオトクなのはどっち?
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2020.3.19
今すぐにもらえる100万円と5年後にもらえる105万円、皆さんならどちらを選びますか?
お金の価値を考えるときに欠かせない視点が「時間価値」です。例えば、今すぐに100万円をもらい効率的に資産形成をすれば、5年後に105万円以上に増える可能性があります。専門用語的に言えば、「時間を味方につけ、複利効果を生かす」ことができます。ここでは、資産形成をする際に重要な考え方である「時間価値」と「複利効果」について解説します。
一般人と富裕層は何が違う?お金と時間の価値を見直そう
皆さんにとって、「時間」と「お金」はどちらのほうが大切ですか? 多くの富裕層は「時間」と答えます。なぜなら、富裕層自身が生み出す時間あたりの価値(お金)は非常に大きく、時間を生み出すことができれば新しい価値を生み出すことができるからです。
だからこそお金以上に「時間」を大切にしており、「お金で時間を買う」「本当に自分がやるべきかを考えて、(お金を払ってでも)他の人にお願いできないかを考える」「時間あたりの生産性を高めるためにコンディションを整える」といったことを常に考えています。
「このお金を使うことで、将来的にどのくらいの価値になるか?」を考える
お金と時間の関係性を理解するうえで、もう1つ知っておきたい考え方に「減価償却」があります。
お金で資産を購入した場合、資産価値は時間経過とともに徐々に下がっていきます。このように経年劣化で価値が下がることを、会計の世界では減価償却と呼びます。
100万円で購入した資産を10年後に売ったとき、10万円しか価値がつかなかったとすれば、時間とともに90万円分の価値が失われたと解釈できます。
「時間が価値を上げてくれる」「時間が価値を下げてしまう」という視点を持つことで、お金の使い方が変わるかもしれません。
今すぐ「お金を使う」のを我慢することも大事?
富裕層マインドを身につければ、日々のお金の使い方が大きく変わるでしょう。そして、時間の重要性は資産形成や資産運用の世界にも当てはまります。
仮に目の前にある100万円を年複利10%で資産運用できたとしましょう(複利については後述)。5年後に約61万円増加して約161万円になり、10年後は約260万円になります(運用益には別途所得税・住民税が課税されます)。
今すぐに100万円の物を買ってしまえば元手はゼロになります。しかし5年で約161万円、10年で約260万円にすることができるかもしれません。100万円の物を買ってもおつりがきます。
言い換えれば、「今ある100万円は5年後、10年後の100万円よりも価値が高い」ということです。お金には時間的な価値があることを知っておきましょう。
このように考えると、実は本記事のタイトルの正解はひとつではありません。今ある100万円が5年後に105万円よりも増やせなさそうなら105万円を選択すればいいですし、もっと増やせそうであれば今すぐ100万円をもらえばいいのです。
複利効果とは?単利と比較して圧倒的におトクな理由
ひとつ前の項目で「複利」という言葉を使いました。銀行預金の利率でも目にする金利には、「単利」と「複利」の2種類があります。
単利は預けた元本のみに利息がつくことで、複利は利息が元本に組み入れられ、「元本+利息」にさらに利息がつくことを意味します。複利のほうが雪だるま式に資産が増えていき、時が経つほど単利と複利の差は大きくなります。
では、単利と複利でどれくらい差がつくのでしょうか?先ほどの例で紹介しましょう。
100万円を利率10%で運用した場合、5年後・10年後の資産残高は以下の通りです。
単利:5年後は150万円 10年後は200万円
複利:5年後は約161万円 10年後は約260万円
(所得税・住民税非考慮)
時間が経つごとに差が開いていきます。お金を投資商品に変え、時間を味方につければ、さらにお金を増やすことも可能です。
生涯所得を最大化する視点を持とう
人間が一生で手にすることができるトータルの資産を、生涯所得といいます。生涯所得は、お金をどのように振り分けるかによって、大きく違ってきます。
お金を使うのか、将来に向けて投資するのか、安全圏で貯蓄するのか。日々の判断が常に生涯所得に影響を与えていることを理解し、後悔のない人生を選択していきたいですね。
執筆者:株式会社ZUU
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