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60歳で定年退職、老後が不安な人のためのお金の話

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60歳で定年退職、老後が不安な人のためのお金の話
2021.2.9
人生100年時代と呼ばれている昨今、60歳という定年をひかえ、退職後の収入減に不安を感じている人も多いのではないでしょうか。ゆとりある老後を送るため、老後の資金を早めに準備しましょう。この記事では、老後資金を蓄えるための基本的な考え方や、対策方法を紹介します。

60歳で定年退職したら、年金の支給開始までどう過ごす?

老後の生活といっても、なかなかイメージがわかないもの。まずは日々の生活にかかるお金や、老後の収入を知ることから始めてみましょう。
国民年金も厚生年金も、受給の開始は原則65歳からです。60歳で定年退職し再就職しなかった場合、年金支給までの5年間は退職金や貯蓄を切り崩しながら過ごさなければなりません。

生活費の考え方(1ヵ月の生活費×12ヵ月×年数)

それでは、どのくらいのお金があれば今の生活水準を維持できるのでしょうか。
総務省の「家計調査年報・家計収支編・二人以上世帯(2019年)」によると、高齢夫婦無職世帯の1ヵ月の平均支出額は約27万円です。この金額を基準に計算すると、1年間で約324万円、60歳から65歳までの5年間で約1,620万円必要ということになります。
もちろん、「生活水準」や「持ち家か賃貸かといった状況」によって、必要な生活費は変わります。まずは半年間、家計簿を付けてみて実際の生活費を把握しましょう。そのうち、老後に必要ないものを差し引けば、老後の生活費が大体どのくらいか把握できるはずです。

退職金で生活費はまかなえる?

日本経済団体連合会の「退職金・年金に関する実態調査結果(2018年)」によると、大学卒で38年間勤続した場合、60歳の定年時に受け取れる退職金は平均約2,256万円です。
上記で試算した5年間の生活費が約1,620万円ですから600万円余りを手元に残して、まかなうことができそうです。その一方で、65歳以降の生活費についても考えていく必要があります。
日本年金機構によると、2020年4月分からの厚生年金の年金額*(月額)は、22万724円です。
先ほどの家計調査による1ヵ月の平均支出額は約27万円なので、およそ5万円が毎月不足するかたちです。仮に85歳までの生活費を計算すると、1年間で約60万円、65歳から85歳までの20年間で1,200万円必要になります。
退職金から、60~65歳の生活費を取り崩したあとは600万円ほど手元に残る計算でしたが、65歳以降の生活費を考えると、今度は600万円ほど追加で必要となる計算です。
なお、加入期間や給与によって受け取れる年金額は異なります。年に1回、自宅に届く「ねんきん定期便」を確認しておくと安心です。そのほか、年金額は日本年金機構のホームページで試算することもできるので、気になる人は活用してみましょう。
*老齢厚生年金は、現役時代の収入が賞与を含む月額換算で平均約44万円、40年間就業した場合の年金額(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金)です。また、国民年金(老齢基礎年金)の年金額は納付期間40年の場合の満額です。

60歳以降も働き続けるメリット・デメリットは?

このように60歳で定年退職した場合、貯蓄などがないと60歳以降も働き続ける選択肢が生まれてくるでしょう。60歳以降も働くことで収入を得られるのはもちろん、給付金がもらえたり、受給できる年金額が増えたりすることがあります。一方で、年金が減額されてしまう可能性も。各制度のメリット・デメリットを知って老後に備えましょう。

高年齢雇用継続給付金とは?

高年齢雇用継続給付金とは、60歳以上65歳未満で雇用保険に加入している人が、60歳到達時点での賃金と現状の賃金を比べ、75%未満となった場合に給付金が支給される制度です。支給されるには、60歳以降も同一の勤め先で雇用保険に加入しているなど、一定の要件を満たさなければなりません。
ただし、企業には65歳までの雇用確保が義務づけられるといった動きがある一方で、高年齢雇用継続給付金の制度は縮小されつつあり、2025年4月から給付金の支給率上限が段階的に引き下げられることになります。将来的には廃止される可能性も否定できません。政府の動向に注目しておきましょう。

学生時代の年金未納分を穴埋めできる

国民年金の保険料は、20歳から納付が義務付けられています。しかし、「学生納付特例制度」を利用していた人は、学生時代の数年間、保険料を納めていない期間が存在します。
そうすると、将来受け取れる年金が、満期(40年間)納めた場合より少ない可能性があります。「ねんきん定期便」をみて、自分の納入状況や年金額を確認しておきましょう。60歳以降も働き続け、保険料を納めることで、保険料を納めていない期間の分を穴埋めできる可能性があります。

老後の厚生年金を増やす方法とは?

厚生年金保険料の支払いは、70歳まで可能です。定年後も働いて厚生年金に加入していれば、その分の年金額を増やせます。10年、20年単位でみると、受け取る年金額にトータルで数百万円の違いが出ることもあります。
ただし、年金の増え方は月収や未納期間の有無等で変わります。年金の増加額を知りたい時は、日本年金機構の「ねんきんダイヤル」に問い合わせてみましょう。

在職老齢年金に注意しよう

在職老齢年金とは、一定の収入がある60歳以上の人を対象に、本来受け取れるはずの年金が支給停止になったり、減額されたりする制度のことです。在職老齢年金は、定年後の就労意欲をそぐ可能性があるとして、これまで問題視されてきました。
そこで、2020年5月に法律が一部改正され、支給停止の基準が大きく緩和されました。2022年4月からは、減額または支給停止となる基準額が、60歳から65歳の人の場合は年金月額と賃金の合計が28万円から47万円に引き上げられます。そのため、退職後に働き続けるデメリットは薄れたといえるでしょう。
ただし月収が47万円を超える人は、引き続き年金の支給停止や減額に注意が必要です。

定年後の生活に備えるために、今できること

せっかくのセカンドライフを、お金のことで悩みながら過ごすのはもったいないですよね。ゆとりある老後生活を送るため、早いうちから資金計画を立てておきましょう。

60歳の定年退職後も働く

最近では、定年退職後も働く選択をする人が増えてきています。現役時代の給与水準は望めなくても、年金が支給されるまでの5年間、安定した収入があるのと無いのとでは大きく異なります。
定年や定年退職後の雇用についての対応は、企業によってさまざまです。自分の勤務先の定年制度をしっかり把握し、何歳まで働くのかビジョンを持っておきましょう。

資産運用で老後の生活に備える

現役時代に資産形成し、老後の不安を取り除いておくのも1つの選択肢です。老後に備えるなら「iDeCo」や「つみたてNISA」といった制度を活用した投資をはじめてもよいでしょう。
・iDeCo
iDeCoとは、自分で毎月掛け金を支払い、運用しながら年金を積み立てる私的年金制度です。10年の加入期間があれば、60歳から年金として受け取れるので、60歳で定年退職しても一定の収入を得られる安心感があります。掛け金が所得控除の対象になり、運用益や受け取る年金も税制面での優遇があります。
ただし、iDeCoは60歳になるまで引き出せないというデメリットがあります。いつでも引き出せる自由度を求めるなら、つみたてNISAを検討しましょう。
・つみたてNISA
つみたてNISAは、毎年40万円までの投資に対する運用益が最長20年間非課税になる制度です。金融庁の基準をクリアした金融商品だけをとり扱っていることなどから、投資初心者でもスタートしやすい制度と言われています。
ただし、投資にはリスクをともなうので、余裕資金で運用することが大切です。それぞれの制度や金融商品が持つ特徴を知り、自分のライプランに合った方法で資産形成を始めましょう。

老後の不安を解消しよう!

老後2,000万円問題をはじめ、定年退職後の生活に漠然とした不安を覚えている人は多いでしょう。その一方で定年年齢の引き上げや、投資のハードルを引き下げる税制優遇制度などが生まれるなど資産形成をしやすい状況も整えられてきています。まずは、どれくらいのお金が必要なのかを試算し、現実的な数字に落とし込むことで、老後の不安を少しずつ解消していきましょう。

執筆者:株式会社ZUU

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(2022年3月28日現在)