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奨学金はいくら借りられる?使い道に制限はあるの?

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奨学金はいくら借りられる?使い道に制限はあるの?
2020.11.24
大学や専門学校に入学するなど、勉強のためにまとまった額のお金が必要となる場面で強い味方となる奨学金。返済が長い期間にわたることも多いため、奨学金制度の利用は卒業後のライフプランにも関わります。今回は、多くの学生が利用している日本学生支援機構の奨学金を例に、制度の利用条件や支給金額、その使い道について解説していきます。

奨学金制度の概要

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(画像提供:tamayura39/stock.adobe.com)
奨学金制度には、大きく分けて2つの種類があります。どちらを利用できるかは人によって異なりますので、学費の足しに借りたいという場合にはまず条件を確認しましょう。

給付奨学金

給付奨学金とは、その名のとおり借りるのではなく給付される奨学金、つまり返還の義務がない奨学金制度です。2017年度に始まった新しい奨学金で、採用人数が少なく狭き門となっています。住民税非課税世帯などが対象となっており、本人の高校の成績のほか、家庭の経済状況なども受給条件に含まれています。
また2020年4月から始まった高等教育の修学支援新制度により、給付奨学金支給対象の学生は授業料や入学金の減免も同時に利用することができます。

条件

【学力基準】

申込時までの高校等の成績の平均が5段階評価で3.5以上、または進学しようとする大学等における学修意欲を有すること。

【家計基準】

収入基準および資産基準に該当すること。

収入基準は、家族構成等によって異なり、たとえば高校生の本人と両親・中学生の4人家族の場合には、家計収入(年額)が271万円以下(非課税世帯)の第Ⅰ区分から、家計収入(年額)が303万円以下の第Ⅱ区分、家計収入378万円以下の第Ⅲ区分まであります。
資産基準は奨学金申込者本人と生計維持者(2人)の資産額の合計が2,000万円未満(生計維持者が1人のときは1,250万円未満)であること、とされています(不動産は対象となりません)。

支給金額

以下の表は月々に支払われる支給額になります。まず第Ⅰ区分~第Ⅲ区分に分けられ、国公立か、私立か、自宅通学か、自宅外通学かで支給額が違ってきます。

区分

第Ⅰ区分

第Ⅱ区分

第Ⅲ区分

大学・短期大学・専門学校

国公立

自宅通学

2万9,200円

1万9,500円

9,800円

自宅外通学

6万6,700円

4万4,500円

2万2,300円

私立

自宅通学

3万8,300円

2万5,600円

1万2,800円

自宅外通学

7万5,800円

5万600円

2万5,300円

高等専門学校

国公立

自宅通学

1万7,500円

1万1,700円

5,900円

自宅外通学

3万4,200円

2万2,800円

1万1,400円

私立

自宅通学

2万6,700円

1万7,800円

8,900円

自宅外通学

4万3,300円

2万8,900円

1万4,500円

貸与奨学金

貸与型は貸し付ける奨学金であり、借りたお金を卒業後に返還していく仕組みです。利息のない無利子タイプ(第一種)と、利息がある有利子タイプ(第二種)があります。採用人数が多く、日本の学生の2.7人に1人がこの貸与奨学金を利用しています。多くの学生にとって「奨学金」と言えば、こちらの貸与奨学金を指すでしょう。

条件

【学力基準】

第一種奨学金(無利息):申込時までの高校等の成績の平均が5段階評価で3.5以上。

※住民税非課税世帯などは緩和された基準が適用されます。

第二種奨学金(利息付):次の3つの基準のいずれかに該当すること。
  1. 申込時までの高校等の成績が学校の平均水準以上であること。
  2. 特定の分野において特に優れた資質能力を有すると認められること。
  3. 学修意欲があり学業を確実に修了できる見込みがあると認められること。

【家計基準】

4人世帯の場合の目安

第一種奨学金:家計収入(年額)が747万円以下。

第二種奨学金:家計収入(年額)が1,100万円以下。

貸与金額(大学)

貸与型の奨学金の場合、第一種の無利息と第二種の利息付に分けられます。

区分

金額(選択)

第一種(無利息)

国公立

自宅通学

2万、3万、4万5,000円

自宅外通学

2万、3万、4万、5万1,000円

私立

自宅通学

2万、3万、4万、5万4,000円

自宅外通学

2万、3万、4万、5万、6万4,000円

第二種(利息付)

2万~12万円(1万円単位)※

※私立大学の医・歯学課程12万円を選択した場合は4万円増額可、私立大学薬・獣医学課程12万円を選択した場合は2万円増額可

奨学金の使い道は?

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(画像提供:milatas/stock.adobe.com)
奨学金制度は、学生に対して学資金を支援するのが目的です。使い道に制限はありませんが、何に使ってもいいというわけではなく、学費や通学・学修に必要な資金として利用するのが望ましいと考えられます。
学生生活というと入学金や授業料・設備費が高額ですが、ほかにも通学費、一人暮らしの場合の家賃や水道光熱費・食費、課外活動費なども必要です。
実際、学費のほか、生活費、教科書などの購入といった使い方をしている学生が多いようです。専門教育科目の履修が増えて、新しく教材の購入が必要となる3年次には教科書等にかける費用の比重が大きくなります。
また大学生活に慣れていくうちにサークルやクラブ活動にお金が必要となるなど、学修・生活スタイルに応じて奨学金の使い道にも変化が見られます。

何にどのくらい使うかをイメージして貸与額を決めよう

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(画像提供:ohayou/stock.adobe.com)
奨学金制度を利用するためには条件をクリアする必要がありますが、そのなかで借りる額は現実的に必要な程度に抑えておくことが大切です。また奨学金は多く借りるほど、入学時、在学中の学生やその家族の経済的負担が軽くなる制度ですが、返還の必要がある場合には卒業後の生活を圧迫する可能性があることも忘れてはいけません。
卒業後せっかく就職しても奨学金の返済に追われて新生活を楽しめない、ということがないよう、親がいくら出してくれるのか、自分でいくら出せるのか、卒業までに学費以外にどのくらいお金が必要なのか、まずは一度シミュレーションしてみるといいでしょう。

執筆者:株式会社ZUU

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