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「子どもの教育に必要なお金」はいくら?出産後どう貯めればいい?

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「子どもの教育に必要なお金」はいくら?出産後どう貯めればいい?
  • 2020年12月22日
  • 2023年1月1日
子どもの教育にかけるお金は惜しみたくない、というのは親なら誰しも思うもの。妊娠や出産を考える前に、子どもの教育にどの程度の費用が必要なのか気になりますよね。実際、教育資金はどの程度用意しておけばいいものなのでしょうか。今回は子どもの教育資金について、どんな準備がいるのかをチェックしていきましょう。

子どもが生まれてうれしい一方、お金の不安もつきまとう

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(画像提供:polkadot/stock.adobe.com)
子どもを授かるのはおめでたいことですが、「子育て費用って一体いくらかかるの?」「具体的にいつ、どれくらいの出費を覚悟すべき?」とお金に関する漠然とした不安もつきまといます。将来どのタイミングでどれだけの費用が必要になるのかを予測して、その時期までにいくら貯めればよいか知ることから始めましょう。
子どもの教育にかかる費用は妊娠中や赤ちゃんのうちに計画を立て、コツコツと準備すれば必要な時期までにある程度の貯蓄が見込めます。この記事で紹介するように、貯蓄方法はいろいろありますが、それぞれの家庭に合った貯め方で計画的に準備すれば過度に不安を抱える必要はないでしょう。

子育て費用はいくら必要?乳幼児?大学までの費用を解説

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(画像提供:tamayura39/stock.adobe.com)
子どもの教育費がかかってくるのは、幼稚園に通い始めるくらいの年齢から大学卒業までの時期。文部科学省の「平成30年度子供の学習費調査」によると、1年間にかかる学習費の総額は以下のようになっています。
<1年間にかかる学習費の総額>

区分

1年間にかかる学習費総額

公立幼稚園

22万3,647円

私立幼稚園

52万7,916円

公立小学校

32万1,281円

私立小学校

159万8,691円

公立中学校

48万8,397円

私立中学校

140万6,433円

公立高校(全日制)

45万7,380円

私立高校(全日制)

96万9,911円

文部科学省「平成30年度子供の学習費調査」
幼稚園~高校卒業(幼稚園は3歳から高校は3年生までの学習費の総額)までもっとも金銭的負担が少ない公立に通った場合でも、学費は約540万円かかります。また、もっとも金銭的負担が多い私立で幼稚園から高校卒業まで通わせた場合、学費だけでも約1,830万円かかります。
さらに大学に進学した場合、国公立大学で4年間の学費は入学金を含めて総額約540万円、私立文系では同様に総額約740万円、私立理系では総額約830万円がかかります。
幼稚園から大学までオール国公立の学校に通った場合、子ども1人当たりの教育費は1,100万円ほど、オール私立で理系の大学に進学した場合は、2,700万円ほど必要になります。

学校外活動費によっても総額は左右される

上で紹介した文部科学省の「平成30年度子供の学習費調査」による学習費総額のなかには、給食費、園外および学校外活動費、学校教育費などさまざまな項目が含まれています。この調査の結果から、公立幼稚園の学校外活動費が8万3,895円、私立では16万5,658円かかっていることが分かります。
この学校外活動費の内訳を詳しく見ると、公立・私立幼稚園ともに「その他の学校外活動費」(体験活動や習い事などの経費)の「スポーツ・レクリエーション活動」に対する支出がもっとも多くなっています。
小学校ではさらに習い事などにまつわる出費もグッと増え、公立で21万4,451円、私立で64万6,889円の学校外活動費を支出しています。
全体的に教育費が高くなりやすい私立ですが、中学校では学習塾や習い事にかかる学校外活動費が公立、私立ともに年間30万円ほどで、大きな差は見られません。また、高校では年間の学校外活動費が中学よりも下がり、公立は17万6,893円、私立25万860円となっています。
小・中・高校に通う子どものいる家庭では学校外活動費の内訳として、いずれも、学習塾、家庭教師や通信教育、参考書などの「補助学習費」への支出割合が大きいことが分かりました。学校のほかに、補助的な学習をプラスして行っている家庭が多いようです。
このように、子どもの教育費は学校外活動費によっても左右されます。将来的に子どもを通わせたい習い事や、受験を見据えて通わせたい学習塾がある場合には、学費以外の学校外活動費にもある程度の見通しを持って資金を用意しておきましょう。

定期預金、学資保険、NISAなどを利用して教育費を貯める

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(画像提供:ponta1414/stock.adobe.com)
教育資金を効率よく貯めていくにはどのような方法があるのでしょうか。ここでは一般的で実践しやすい方法を中心に紹介します。
  • 定期預金
    毎月の収入の中から〇万円を教育費として預金する、というシンプルな方法が定期預金です。子どもの誕生とともに口座を開設し、そこに教育費として月々決まった額を振り込んでいくという家庭は多いようです。
また、子どもの誕生から中学校卒業まで支給される児童手当を教育費として貯蓄に積み立てるという家庭もあります。児童手当は、3歳までは月に一律1万5,000円、3歳から小学校卒業までは月に1万円(第3子以降は1万5,000円)、中学生は月に一律1万円が支給されます。
これらを全て貯蓄に回せば約200万円が貯まることになります(所得制限限度額を超える家庭の場合は90万円ほどです)。
  • 学資保険
    学資保険を契約して教育費を貯めることも一般的です。学資保険はその名の通り、子どもの学資金を準備するための貯蓄保険のこと。月払いまたは年払いで決まった保険料を支払うことで、子どものステージに合わせた教育準備金や満期学資金を受け取れます。
また、万が一事故などで契約者(親など)が亡くなった場合にはそれ以降の保険料払い込みが免除、保障は継続といった学資保険もあるので、いざというときの安心につながります。学資保険にもさまざまな種類があるので、新たに加入する場合にはFP(フィナンシャル・プランナー)などに相談するのも1つの手です。
  • ジュニアNISA
    最近よく耳にするNISA(少額投資非課税制度)は、投資による資産形成をサポートする税制上の優遇制度で、2014年にスタートしました。

2016年には子どもの将来のために利用できる「ジュニアNISA」もスタートしています。こちらは口座を開設する年の1月1日の時点で0歳~17歳の方、およびその年中に生まれた方を対象としたNISAで、非課税期間最長5年、年間投資上限額は80万円、投資最大額は400万円となっています。

こちらは子ども(口座名義人)が18歳になるまで払い出しができないのが特徴。運用対象や方法が選べるため、投信つみたてと組み合わせれば、長期に安定的な運用成果を目指せます。

奨学金(返還不要)の利用を検討するのもあり

教育費の準備が不十分で、子どもの学費に不安がある場合には奨学金を利用するという選択肢もあります。なかでも返還不要の給付型奨学金を利用すれば、金銭的な事情で学びたい学問を学べないという問題を解決できるかもしれません。
ただし、給付型の奨学金は採用基準が高く、求められる水準の成績、家庭の経済状態などのボーダーがある場合も。また、出身校や在籍校の推薦が必要だったり、対象分野が限定されていたりと利用のハードルは高めのものもあるようです。
本人が納得のうえで学びたい分野のために奨学金を利用したいと考えるなら、できるだけ早めに情報収集をして、準備を整えていくことが大切となるでしょう。

子どもにかかる教育費は計画的に準備しよう

子ども1人にかかる教育費は家計のなかで想像以上に大きなウエイトを占めます。これが2人、3人と子どもがいる場合は総額でかなりの出費が予想されるでしょう。
そのときになって慌てるのではなく、子どもが小さいうちからコツコツと計画を立てて貯蓄しておくことが安心につながります。各家庭の教育方針や収入と照らし合わせて、無理のない範囲で早めの準備を進めていきましょう。

執筆者:株式会社ZUU

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