[ ここから本文です ]

申請が必要なものも!働く妊婦さんが知っておきたい産前産後の制度

この記事は7分00秒で読めます。
申請が必要なものも!働く妊婦さんが知っておきたい産前産後の制度
2020.11.13
働きながら出産を迎えるには、何かと不安を感じることもありますよね。この記事では、働く妊婦さんが知っておきたい、産前産後に使える制度などをまとめてみました。不安を1つずつ取り除き、安心して赤ちゃんを迎えられるよう準備していきましょう。

妊婦さんを守る制度について、しっかり知っておこう

働く,妊婦,産前,産後,申請,制度,保険
(画像提供=aijiro/stock.adobe.com)
妊娠中の働き方について医師から指導があった場合、会社はその指示にしたがって適切な措置を講じる義務があります。しかし、妊婦さんの中には「なかなか伝えにくい……」という人もいるでしょう。そんなときに使いたいのが、「母性健康管理指導事項連絡カード」(通称:母健連絡カード)です。
例えば、「つわり」がひどい場合、母健連絡カード上では「勤務時間の短縮」が標準措置の1つとして定められています。標準措置以外でも何か対処が必要な場合は医師に記入してもらうことも可能なので、必要に応じて相談してみましょう。
母健連絡カードは厚生労働省のホームページからダウンロードできますが、母子健康手帳に様式が載っている場合がほとんどです。便利なツールを使って、妊娠中も無理なく働ける環境を作りましょう。

つわりで休む際に「傷病手当」がもらえることも

つわりの症状が重い人の中には、仕事を休まなければならない人もいるでしょう。そのような場合に活用できるのが、会社員が病気やケガを理由に会社を休むと給付される「傷病手当」です。
支給されるにはいくつか条件があり、原則として医師の意見が必要となります。つわりによる不調で会社を休んだ場合でも、医療機関を受診していなかった場合や、医師による重症度の証明がない場合、手当金はもらえません。
「必ずもらえる」ということではなく、医師から自宅安静が必要と言われたり、入院となった場合に、手当金をもらえるケースがあると覚えておきましょう。

会社員が出産すると、もらえるお金がある

産休中にもらえる「出産手当金」

出産のために会社を休んだときに支給されるのが、「出産手当金」です。出産日の42日前(多胎の場合98日前)~出産翌日以後56日の間で、会社を休んで給与を受け取れなかった期間が対象となります。出産手当金の金額は、人それぞれ。平均月収のおよそ3分の2の額を受け取れることになっています。
出産手当金が支給されるのは被保険者が、出産のために会社を休み、給与を受けられない場合です。出産前後で退職した人でも、一定の条件を満たしていれば出産手当金がもらえるケースもあるので、出産を機に退職する場合、会社に確認してみるといいでしょう。

出産時にもらえる「出産育児一時金」

会社員に限らず、妊娠4ヵ月以上の人が出産した場合、出産育児一時金として原則42万円が支給されます。ほとんどの場合、医療機関に直接支払われるので、出産にかかった費用を医療機関の窓口で支払う必要がなくなります。
また医療機関でかかった費用が42万円よりも少なかった場合は、申請すれば差額が支給されます。

育休中にもらえる「育児休業給付金」

産後、育児のために会社を休む間は「育児休業給付金」が給付されます。対象となるのは、雇用保険の被保険者で、原則として1歳未満の子どもを育てるために育休を取得した場合です。
雇用保険をかけていない働き方をしている妊婦さんは、対象外となってしまうので注意が必要です。支給される金額は、育休中の賃金の有無によっても異なります。

産後に受けられる制度もチェック

働く,妊婦,産前,産後,申請,制度,保険
(画像提供=ucchie79/stock.adobe.com)
産前産後休業や育児休業を取得する場合、健康保険と厚生年金の保険料が免除されます。休業取得中に被保険者が会社に申し出て、会社から日本年金機構に「育児休業等取得者申出書」が提出されることが必要です。
産前産後休業・育児休業ともに、休業を開始した月から終了予定日の翌日が属する月の前月までが免除期間。例えば4月15日~9月30日まで休業するなら、4月~9月までの保険料が免除されることになります。産休・育休を取得するなら、もらえるお金だけでなく免除になるお金もチェックしておきましょう。

父親も育児休業を取得できる

育児休業は、母親だけでなく父親も取得できます。父親が育休を取得しやすいよう、国もさまざまな策を打ち出しています。
「パパ休暇」と呼ばれる制度では、母親の産後8週間以内に父親が育休を取得すると、特別な事情がなくても、もう1度父親が育休を取得できます。育休期間は原則子どもが1歳を迎えるまでですが、両親ともに育休を取得すると1歳2ヵ月に達するまで延長できる「パパ・ママ育休プラス」という制度もあります。
なお、先ほど紹介した育児休業給付金は、もちろん母親だけでなく父親にも支給されます。

復職前に準備しておきたい母子のあれこれ

働く,妊婦,産前,産後,申請,制度,保険
(画像提供=chikala/stock.adobe.com)
小学校に入学前の子どもには「乳幼児医療費助成制度」が適応されるので、医療保険の対象となる医療費や薬代などの自己負担分が助成されます。入院となった場合も、費用の大部分は乳幼児医療費助成制度が適応されます。
ただし、「子どもがグズるので大部屋ではなく個室に入院したので、差額ベッド代が発生した」「職場と家と病院を夫婦が交代で行ったり来たりするので、タクシー代がかさんだ」など、子どもの入院だからこそかかる経費も。
こうした場合に備えて、職場復帰前に子ども用の医療保険に加入することを検討しておくといいでしょう。母親の復職後、子どもの体調不良のときにどのように対応するかも話し合っておくと安心です。

ファミリー・サポート・センターへの登録も

職場に復帰すると予定した時刻に帰れないことや、子どもの預け先から急な呼び出しがあってもすぐに迎えに行けないこともあるでしょう。夫婦2人で何とか予定を調整してやりくりしているという場合も多いですが、頼れる制度を活用するのもいいでしょう。

ファミリー・サポート・センター事業は、国が主導で行っている子育て支援事業の1つ。子育てを支援したい人や空き時間を有効に使いたいという地域の人と、子育てのサポートを受けたいパパ・ママをつないでくれる制度です。

保育園へのお迎えを頼んだり、仕事が遅くなる日に子どもを預かってもらったりとさまざまなサポートを受けられます。利用するには住んでいる市町村のセンターに登録が必要なので、復職前に済ませておくとよいでしょう。

妊婦さんや家族をサポートするシステムを知っておこう

仕事をしている女性も安心して妊娠・出産できるよう、そして母親も父親もしっかり育児ができるよう、サポートしてくれる制度がたくさんあります。とくに妊娠中は、体調や心境にいろいろな変化が起こるもの。無理なく過ごせるよう、わからないことは自治体の窓口や会社に相談してみてくださいね。使える制度はどんどん活用して、安心して赤ちゃんを迎えましょう。

執筆者:株式会社ZUU

※記事内の情報は更新時点のものです。最新情報は別途ホームページ等でご確認ください。

  • 本サイトの記事は情報提供を目的としており、商品申込等の勧誘目的で作成したものではありません。
  • また、一部、当行にて取り扱いのない商品に関する内容を含みますが、商標登録されている用語については、それぞれの企業等の登録商標として帰属します。
  • 記事の情報は当行が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その確実性を保証したものではありません。
  • 記事は外部有識者の方等にも執筆いただいておりますが、その内容は執筆者本人の見解等に基づくものであり、当行の見解等を示すものではありません。
  • なお、記事の内容は、予告なしに変更することがあります。

あわせて読みたい

人気記事ランキング

株式会社 三菱UFJ銀行
(2022年3月28日現在)