妊娠出産でもらえる・かかるお金はどれくらい?生まれる前に備えておこう
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2020.10.14
妊娠・出産は、男女関わらず私たちの人生の中で大きなイベントのひとつ。入院が必要になったり、生まれてきた赤ちゃんのために買い物をしたり、何かと出費も増えることでしょう。そこで、妊娠・出産でもらえるお金や、準備にかかる費用をチェック。今まさに妊娠中の人も、いつか赤ちゃんを迎えたい人も、ぜひ知っておきたい情報を整理していきます。
妊娠・出産にかかるお金は意外と少ない?
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妊婦健診の費用は「補助券」が使える
妊娠がわかったら、まずは産婦人科に行くという人が多いでしょう。無事に出産を迎えるまで、産婦人科には定期的に通うことになります。その際に発生する費用は、公費の補助を受けることができますよ。妊婦健診の望ましい回数については厚生労働省が次のような目安を示しており、この通りに病院に行くと14回は受診することになります。
- 妊娠初期~23週:4週間に1回
- 妊娠24~35週 :2週間に1回
- 妊娠36週~分娩:1週間に1回
妊娠がわかると、住んでいる市町村に妊娠を届け出て母子手帳をもらいます。妊婦健診のときに使える補助券は、この母子手帳とセットで受け取ることが多いようです。補助券は市町村ごとに発行されており、里帰り出産や引っ越し等で申請した市町村とは別の場所で産婦人科を受診するときは、手続きが必要なことも。詳しくは各市町村に問い合わせてみてくださいね。
出産費用は「出産育児一時金」で大幅に負担減
出産する際にかかる費用は、国から支給される「出産育児一時金」で大幅に負担を減らすことができます。
一般的に正常分娩でかかる費用の平均的な額は、およそ50万円(公益社団法人 国民健康保険中央会「正常分娩分の平均的な出産費用について(平成28年度)」参照)。一部の出産を除いて出産育児一時金は42万円支給されるので、平均的な額から計算すると自己負担額は10万円以内におさめられそうですね。
直接支払制度を導入している病院だと国から病院に直接一時金が渡るので、支払時の立て替えも不要に。退院の際は、総額から42万円を差し引いた差額のみを病院に支払えばよいということになります。
実際にかかった出産費用が42万円以下の場合でも、支給される出産育児一時金は変わりません。そのため、出産費用が40万円の場合は、後日、健康保険組合を通して差額の2万円を受け取ることができます。
働く妊婦さんの場合、出産のために会社を休んだときには出産手当金が支給されます(雇用形態や健保の種類によっては支給されない場合もあります)。産日の42日前(双子の場合は98日前)~出産の翌日以後56日までの間で、会社を休んだ期間が対象です。もらえる額は平均月収をもとに算出されるので、人によって異なります。
産後の生活に必要なお金は、人によりマチマチ
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出産で準備するものには、大きく分けてママ用のものと赤ちゃん用のものがあるでしょう。何をどこまで必要とするかは人によってマチマチですが、最低限必要なものを見ていきましょう。
まず必要となるのが、ママのマタニティグッズや入院中に必要となるグッズ。出産直後に必要となるお産用ナプキンや清浄綿は、病院の入院費に組み込まれていることもあるので、購入前に確認を。妊娠・出産を通して胸やお腹周りは大きく変化するため、ママ用の下着も必要となります。洗い替えも含め2~3枚あるといいですが、産前~授乳期を通して使えるデザインのものだと長く使えるので経済的です。
入院時に必要となるパジャマも、下着と同じように産前~授乳期を通して使えるデザインのものだと経済的で便利。ウエストがゴムで調整できるようになっていたり、授乳がしやすいように授乳口やボタンがついていたりするものだと、長く使いやすいですよ。値段は2,000円台からのものが多く、2~3枚あるといいでしょう。
金額の大きいものは、レンタルも検討を
初めての出産であれば、本当に必要な赤ちゃんグッズは何なのか見極めるのは難しいですよね。まずは、最低限必要となるものから準備を進めましょう。
赤ちゃんの服は短肌着や長肌着、ツーウェイオールといった服を2~3枚用意しておきます。おむつやおしりふきなどの消耗品は、好みのメーカーや赤ちゃんの成長具合を見極めるためにも出産前には少量準備しておけばOKでしょう。
赤ちゃん用品の中には、ベビーベッドやベビーカーなど数万円するものもあります。自家用車に赤ちゃんを乗せる場合、チャイルドシートも必須。すべてを一度に揃えるとなると、出費も大きくなりますよね。そんなときはレンタルも検討してみましょう。
レンタルなら、実際に使ってみて必要かどうかを判断することができます。ベビー用品のレンタルをしている会社の中には、レンタル期間が長ければ長いほど割引が受けられるところもあるようです。気に入ればそのまま使い続けることもできますし、不要なら返却すればOK。金額の大きな買い物をする前に、ぜひレンタルを有効活用してみてくださいね。
想定外!予期せぬ出費が必要になる場合も
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正常な分娩では、入院期間は6日ほどです(公益社団法人国民健康保険中央会「正常分娩分の平均的な出産費用について(平成28年度)」参照)。ただし妊娠中の経過によっては、出産前に長期の入院が必要となる場合もあります。
例えば、早産になりかけている「切迫早産」の場合。外来の診察で経過が良くならない場合は、入院して点滴などの治療が必要になることも。切迫早産で入院した場合の医療費には保険が適用されますが、症状によって退院までの日数はさまざま。長い場合は、出産を終えるまで退院できないということもあります。
入院費が高額となった場合は、高額療養費制度や限度額適用認定証の使用をお忘れなく。個人で加入している医療保険があれば、保険金が支払われることもあるので確認してみてくださいね。
また、働いている妊婦さんの場合、健康保険から給付される傷病手当金が支払われることもあります。申請には医師の意見書が必要となるので、詳しい手続きについては職場の担当者や自分が加入している健保に問い合わせてみましょう。
入院するときは室料も要確認
入院のときには、大部屋か個室かによって室料が変わってきます。個室の利用を希望する場合、大部屋の料金に上乗せして「差額ベッド代」がかかる場合もあるので、事前に確認しましょう。
出産前は大部屋の使用を希望していたけれど、赤ちゃんの泣き声が気になるのでやはり個室にしたい!という場合、基本的に差額ベッド代を請求されます。本人の希望に関わらず、産後の経過的に個室での治療が必要な場合は、差額ベッド代なしで入院できることもあります。
いずれにしても、産後はママの体調が不安定で説明をしっかり聞くことができないケースもあるので、事前に室料を確認しておくと安心です。
急にお金が必要となっても慌てない備えを
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ここまで解説してきた通り、妊娠・出産のときには予期せぬ医療費がかかってしまうこともあります。予想していなかった展開になっても慌てないよう、自分が加入している医療保険の保障内容を確認しておきましょう。
妊娠がわかった時点で医療保険に加入していない人は、妊娠中でも加入できる医療保険を検討してみましょう。医療保険に入っていれば“入院1日当たりいくら”といった入院給付金をもらうことができます。ただし、一般的に「自然分娩」と呼ばれるような出産で入院する場合、保険金の給付を受けられないこともあるのでご注意を。
帝王切開などで分娩した場合は保険適応となり、手術給付金が受け取れる場合もあります。何かと不安が多い入院や手術も、医療保険があればお金の面での不安を軽減できるかもしれませんね。
赤ちゃんを安心して迎えるためにしっかり備えよう
生まれてくる赤ちゃんのためにも、不安や心配なく暮らしていける環境を整えておきたいもの。だからこそお金は大切に使って、賢く準備を進めていきたいですね。妊娠や出産は、今あるライフスタイルを見直すよい機会となります。お金の使い方や貯め方も、ぜひ見直してみましょう。
執筆者:株式会社ZUU
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