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クレジットカードとどう違うの?デビットカードのメリット・デメリットを解説

クレジットカードとどう違うの?デビットカードのメリット・デメリットを解説
  • 2021年3月3日
  • 2023年7月27日
キャッシュレス決済の代表的なサービスといえばクレジットカードですが、より安心して使えることから注目されているのがデビットカードです。
この記事では、デビットカードとクレジットカードとの違いや、デビットカード独自のメリット・デメリットについてわかりやすく解説します。クレジットカードより使いすぎる心配がないデビットカードについて理解を深めましょう。

目次

デビットカードの利用者が増えている?

近年、利用者が増えていると言われるデビットカード。実際に、どれくらい利用が増えているのでしょうか?
日本銀行が国内の「決済」活動を把握するために必要な主要指標をまとめている「決済動向(2023年3月)」によると、2018年からデビットカードの発行枚数(発行残高)は年々増え続けており、2021年までの4年間で1,449万枚増加しています。
決済金額では2018年が1兆4,131億円なのに対し、2021年は2兆8,336億円となっており、この4年で約2倍に増加していることがわかります。決済件数も2018年は2億6,000万件でしたが、2021年には6億5,300万件となり約2.5倍も増えています。
三菱UFJ銀行が提供しているデビットカード「三菱UFJデビット」の件数を見てみると、会員数は2022年12月末時点で200万会員を突破し、2018年から2021年の4年間で1.5倍、決済金額は1.6倍、決済件数は2倍に増えました。
日本銀行が公表した決済動向も三菱UFJ銀行の件数も特に決済件数が大きく伸びていることがわかります。キャッシュレス決済の追い風で、デビットカードを日常生活に取り入れている人が増えているのでしょう。
デビットカードは即時決済でお金の管理がしやすいため、コンビニやスーパーなどの日々の細々としたお買い物に利用されることが増えたのかもしれません。
デビットカードを持っている人も、持っていない人も、デビットカードが一体どんなものか、あらためてチェックしてみましょう。
  • 日本銀行「決済動向 2023年3月」
    https://www.boj.or.jp/statistics/set/kess/release/2023/kess2303.pdf

デビットカードってどんなもの?

デビットカードはキャッシュレス決済のひとつで、手持ちの現金がなくても買い物などの支払いができます。使い方はクレジットカードと同じで、お店の会計時に提示したり、ネットショッピングの決済時にカード情報を入力したりすることで支払いが完了します。
デビットカードには、銀行のキャッシュカードがそのままデビットカードとして使える「J-Debit(ジェイデビット)」と、国際ブランド(Visa、JCB、Mastercard®など)付きの「ブランドデビット」の2種類があり、それぞれマークのある加盟店で利用することができます。
とくに国際ブランド付きのデビットカードは利用できるお店やサービスが多く、クレジットカードと同様に利用金額に応じてポイントを貯めることができるほか、ショッピング保険などが付帯しているのも魅力です。
なお、この記事では利用者が多くより幅広い用途で使えるブランドデビットについて解説します。

クレジットカードとどう違うの?

ここまでの特徴を見てみると、「クレジットカードと何が違うの?」と疑問に思う人も多いでしょう。ここからは、クレジットカードとデビットカードの違いについて解説します。

支払いのタイミング

利用した月の翌月以降に、利用代金が口座から引き落とされるクレジットカードとは異なり、デビットカードは支払いと同時に口座から引き落とされる仕組みです。また、引き落としの時点で口座の残高が足りなければ決済することができません。

支払い回数

引き落としの仕組みからもわかる通り、デビットカードの支払い回数は1回(一括)のみです。クレジットカードのような「分割払い」や「リボ払い」など、後払いや数回に分けた支払いはできません。

審査について

デビットカードには、クレジットカードのような与信審査がありません。金融機関によっては、所定の審査を必要とするケースもありますが、一般的には銀行口座があれば申し込みが可能です。

デビットカード4つのメリット

デビットカード4つのメリット
デビットカードには、以下のような4つのメリットがあります。

  1. 使い過ぎないから安心
  2. 原則与信審査なしだから高校生や専業主婦(夫)でも申し込める
  3. 即時引き落としだから家計管理がしやすい
  4. ポイントが貯まりおトク!さらに補償がついている場合も
では、それぞれのメリットを解説しましょう。

1.使い過ぎないから安心

デビットカードの支払いは口座からの即時引き落としで、支払い回数は1回のみです。口座の残高を超えて決済することはできないので、使い過ぎる心配がありません。また、分割払いやリボ払いはできないため、手数料が上乗せされて支払いの負担が重くなることもありません。
また多くのデビットカードでは、ショッピング保険や不正利用補償などが付帯されています。万が一、被害に遭った場合も規約にそって補償されるので、安心して利用できるでしょう。

2.原則与信審査なしだから高校生や専業主婦(夫)でも申し込める

デビットカードは原則審査なしで申し込める点は大きなメリットとなります。収入がない学生や主婦(夫)、職業や収入面で与信審査に不安のある人など幅広い人の申し込みが可能です。
またクレジットカードの申し込み条件は原則高校生を除く満18歳以上が一般的です。その一方で、デビットカードは中学生を除く満15歳もしくは満16歳から申し込みできます。
ただし、申し込みにはデビットカードを発行する本人名義の口座を持っている必要があります。子ども名義の口座を作ろうかと考えている人は、銀行口座を開設するタイミングでデビットカードも申し込み、毎月のおこづかい管理にデビットカードを利用することもできます。

3.即時引き落としだから家計管理がしやすい

デビットカードは利用と同時に口座からお金が引き落とされることから、現金と同じ感覚で利用できます。
クレジットカードは後払いのため、家計簿でお金を管理する際に「クレジットカードを利用したタイミングで記帳する」か「クレジットカード決済(翌月など)のタイミングで記帳する」かで悩んだことがある人も多いのではないでしょうか。
その点、デビットカードなら即時引き落としなので、家計簿に記帳するタイミングに悩むことはありません。現金と同じように管理できるため、毎月の支出や残高がわかりやすく、家計管理がしやすくなるでしょう。

4.ポイントが貯まりおトク!さらに補償がついている場合も

現金のように使いながら、ポイント還元や優待・特典を受けられるのもデビットカードのメリットです。
多くのデビットカードでは、クレジットカードのように利用した金額に応じて、自動キャッシュバックされたり、ポイントやマイルを貯めたりすることができます(還元率や利用特典はカードによって異なります)。
また前述の通り、ショッピング保険や不正利用補償がそなわっているケースも多く、カードによっては施設の利用特典や、飲食店で割引サービスを受けられる場合もあります。
これから銀行口座を開設してデビットカードを申し込む人は、ポイント還元や優待・特典を参考に使うカードを選んでもよいでしょう。

デビットカード4つのデメリット

デビットカードには多くのメリットがありますが、デメリットといえる部分もあるので注意が必要です。
デビットカードには以下のような4つのデメリットがあります。

  1. 分割払いやキャッシングができない
  2. ガソリンスタンドなど、使えない場所もある
  3. 年会費が発生することがある
  4. 不正利用の補償がクレジットカードほど手厚くない
では、それぞれのデメリットについて解説しましょう。

1.分割払いやキャッシングができない

デビットカードは、支払いと同時に口座から代金が引き落とされる一括払いしかできないため、分割払いやリボ払いを選択することはできません。
また、クレジットカードならキャッシング機能が付いているものがありますが、デビットカードにはキャッシング機能がありません。そのため、急に現金が必要になっても借り入れすることができないので注意しましょう。

2.ガソリンスタンドなど、使えない場所もある

さまざまな場面での支払いに利用できるデビットカードですが、利用できない支払いがあるので注意が必要です。たとえば、ガソリンスタンドや飛行機の機内販売、高速道路料金の支払いにデビットカードは利用できません。また、携帯電話の利用料金も大手キャリアではデビットカードでの支払いができますが、格安SIMの場合は使えないこともあるので、事前に確認しましょう。
ほかにも、ほとんどのデビットカードではETCカードが発行できません。ETCカードが必要なら、クレジットカードを利用しましょう。

3.年会費が発生することがある

多くのデビットカードでは年会費が無料です。ただし、一部のデビットカードでは初年度の年会費は無料になるが、2年目以降はデビットカードの利用がなければ年会費がかかるものがあります。また、年間の利用金額が規定よりも少ない場合に年会費がかかるケースもあります。
利用するデビットカードの年会費はどのような決まりになっているか、確認しておきましょう。

4.不正利用の補償がクレジットカードほど手厚くない

デビットカードはクレジットカードと同様に、不正利用補償が付いています。ただし、その補償額を比較すると、クレジットカードに比べてデビットカードは補償が手薄になる傾向があります。
手薄とはいえ、不正利用が発覚してカード発行会社へ届け出をした日から金融機関が規定で定めた期間(60日前もしくは30日前等)までさかのぼり、その日以降に発生した不正利用に対して補償が受けられます。補償額はカード発行会社によって異なりますが、一口座あたり年間100万円程度のところが多いです。
いずれにせよ、もし不正利用されたときは、すぐにカード発行会社と警察に届け出ましょう。ただし、故意または重大な過失による不正利用の場合は、補償が受けられないこともあるので注意が必要です。

まとめ

キャッシュレス決済が一般的になり、子どもへのマネー教育が注目されている現在、デビットカードを持つ人は増加し続けています。
クレジットカードでは、定期的に利用状況を確認するなど注意していないと、使い過ぎることがあるかもしれません。その点、デビットカードなら口座の残高以上に使い過ぎる心配がなく安心です。
これまでクレジットカードの利用で失敗したことがある人や、お金の管理がうまくいかない人、クレジットカードの利用に不安を感じている人は、デビットカードに切り替えてみるのもよいでしょう。
安心して利用でき、学生、主婦(夫)など幅広い人が申し込めるデビットカード。現金のように仕組みが明確で、生活費の残高もわかりやすく家計の管理にぴったりです。これから利用するキャッシュレス決済のひとつにデビットカードも加えてみてはいかがでしょうか。

執筆者:前佛 朋子(ぜんぶつ ともこ)

執筆者保有資格:日本ファイナンシャル・プランナーズ協会認定 CFP®認定者、1級ファイナンシャル・プランニング技能士

※記事内の情報は更新時点のものです。最新情報は別途ホームページ等でご確認ください。
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