つみたてNISA(積立NISA)を途中で引き出す方法は?タイミングやデメリットも解説!
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公開日:2022年10月11日
更新日:2023年12月27日
更新日:2023年12月27日
つみたてNISAは積み立てに特化した少額投資非課税制度で、最長で20年間、資産を非課税で運用できます。
基本的には長期運用を支援する制度ですが、途中で売却して資産を引き出すことも可能です。この記事ではつみたてNISAの引き出しをする方法、引き出すタイミング、途中で引き出す際のデメリットなどについて解説します。
つみたてNISAの引き出しをする方法について
引き出しはオンラインで可能
本記事において、つみたてNISAの「引き出し」とは、つみたてNISAで保有している資産を売却して現金化することを指します。
引き出しの手順として、まず保有している投資信託などを「売却」する必要があるのです。売却後、代金が金融機関の口座に入ってから、現金を引き出す流れです。売却手順は難しくなく、多くの金融機関ではインターネット上で完結します。
- 金融機関の口座にログインし、売却注文の画面を開く
- 積立中の商品から、売却したい商品を選択する
- 売却する口数(または金額)を入力
- 決定して完了
売却する投資信託の価格は、売却後に決まる点に注意が必要です。また、即日入金はされず、実際に現金を受け取れるまでは数日かかります。
全額を引き出す必要はない
つみたてNISAの資産を引き出す際は、投資信託の口数や金額を任意で設定できるので、資産をすべて一度に売却する必要はありません。複数の投資信託を積み立てている場合、どれかひとつを指定した売却もできます。
後述しますが、つみたてNISAは長期保有し、できるだけ売却しないほうが、資産を成長させられる可能性が高まります。短期の売却は、せっかくの資産の成長を止めることになるので注意が必要です。
もちろん、必要なときにいつでも売却できるのはつみたてNISAのメリットのひとつですが、資産形成の点では途中の引き出しは最小限にするのがおススメです。
つみたてNISAの途中解約の手数料は?
つみたてNISAの引き出し(売却)時に、手数料はかかりません。投資信託の商品によっては、「信託財産留保額」が必要になる場合があります。これは手数料とは少し異なり、投資信託を解約する際に、その投資信託に少しお金を残すというものです。ただし、つみたてNISAで信託財産留保額が設定されている投資信託であっても、0.3〜0.5%程度です。
つみたてNISAは、利益が出ていた際も税金がかかりません。少額投資非課税制度で、売却時の利益がいくらであろうと非課税で受け取れます。たとえば、利益が10万円あった場合、通常の投資では20.315%の税金がかかるので、手元に残るのは約8万円となります。これが、つみたてNISAでは10万円をそのまま受け取れるので、非常におトクというわけです。
つみたてNISAを引き出す際の注意点
引き出したいときに利益が出ているとは限らない
つみたてNISAの売却は、タイミングが重要とはいえ、明日の相場がどうなるかは誰にもわかりません。資金を使いたいタイミングで、利益が出ているとは限らないのです。そのため、使うタイミングをあらかじめ決めて、つみたてNISAを利用するのは難しいものがあります。
旅行や買い物など、多少時期をずらせるものなら、使いたいタイミングで損失が出ていても、再び相場が上昇して利益が出るまで待つこともできますが、教育費などはそうはいきません。使うタイミングが決まっている資金につみたてNISAを使うのなら、「使える場合は使う」ぐらいの心づもりで、余裕資金を別に用意していくのが賢明です。
売却注文日と約定日が異なる場合がある
前述のとおり、投資信託の価格は、売却ボタンを押した時点の価格ではない点にも、留意する必要があります。
投資信託の価格は「基準価額」といい、1日1回の更新です。投資信託の購入や売却が成立する日を「約定日」といいますが、売却金額は、この約定日の基準価額で確定します。約定日は売却の注文を出した日の当日、翌営業日、翌々営業日など商品によって違い、タイムラグがあります。
また、そもそも投資信託は当日の基準価額がわからない状況で取引が行われますので、約定日の基準価額は基本的に売却注文時と一致しません。
現金化に数日〜1週間かかる
売却の注文を出してから、約定して資金が口座に振り込まれるまでは、数日必要です。商品ごとに期間は異なりますが、売却の注文を出してから1週間程度は見ておくほうが良いでしょう。
明日必要なお金を、つみたてNISAの資金で用意することはできないという点を理解しておく必要があります。
解約すると複利効果はなくなる
つみたてNISAでは、運用する投資信託の分配金はそのまま再投資され、利益が利益を生む複利効果を期待できます。この複利効果は、長期で続けるほど大きくなるため、つみたてNISAでは長期投資を推奨しているのです。
短期で売却してしまうと運用効果を感じにくく、複利効果も手放すことになってしまいます。
つみたてNISAを引き出すおススメのタイミング
つみたてNISAは長期・分散・積立に特化した制度です。途中での売却は自由ですが、複利効果を活かすには、最長20年の非課税期間を最大限に利用するのがおススメです。
できれば途中での引き出しはあまり考えず、老後資金など遠い将来の資金として活用するのがベターです。子どもが生まれ、大学進学時の教育費として早くからつみたてNISAを使えば、長期運用は可能です。
ただ、使う段階で利益がでているとは限らないことを理解しておく必要があります。複利効果は弱まりますが、途中で利益の一部を売却して元本割れしない普通預金に入れておくなど、運用方針を決めておくと良いでしょう。
教育費は子どもの進路によって大きく変わります。つみたてNISAだけでなく、預金や学資保険など低利率でも元本割れのしない金融商品も並行して準備し、確実に動かせる資金を持つことも重要です。
まとめ
つみたてNISAの引き出しにあたって、売却はインターネット上で手続き可能で、複雑なステップはありません。ただし、売却の注文日と約定日にはタイムラグがあること、現金化までは数日〜1週間程度かかる点などに注意する必要があります。
つみたてNISAでの売却はいつでも自由に行えますが、使いたいタイミングで利益が出ているとは限りません。使うタイミングを最初から計画しておくのは難しく、途中での引き出しはあまり考えないほうが賢明です。
20年間の非課税期間を活かし、あくまでも長期保有で複利効果を得ながら資産を育て、老後資金など長期の目的で活用するのがおススメです。
執筆者:大上 ミカ(おおうえ みか)
執筆者保有資格:日本ファイナンシャル・プランナーズ協会認定 AFP認定者、2級ファイナンシャル・プランニング技能士
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投資信託をお申し込みの際は、次の点にご注意ください。
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- 組入れ有価証券等は、株式指標・金利等を原因とした値動きにより変動します。
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- NISA口座での損失は税制上ないものとされます。
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- 成長投資枠の対象商品は、NISA制度の目的(安定的な資産形成)に適した一定の投資信託に限られます。
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(2023年12月27日現在)