【初心者向け】資産運用におけるおすすめ商品は?基礎知識やコツも解説

更新日:2024年1月23日
資産運用とはなにか?なぜ注目されているのか?
資産運用とは、お金を効率的に増やしていくことを指します。ぱっとイメージされるのは株式や投資信託への「投資」かもしれませんが、資産運用は投資だけではありません。大きく考えれば、預貯金での貯蓄も資産運用の一つに数えられます。
近年、投資が注目されているのは、低金利でお金が増えにくいためでしょう。預貯金でお金を預けておくだけではお金がなかなか増えないため、投資でお金を増やしたいと考える方が多いのだと考えられます。
貯蓄はおもにお金を蓄えることを指し、商品としては預貯金などの安全性が高い商品が選ばれるでしょう。
投資は利益の獲得を重視して資産を投じることを指し、商品としては債券や株式、投資信託などが一般的です。この他に、不動産やFXなども挙げられます。
資産運用に関する商品はたくさんありますが、自分のライフステージや意向に合ったものを選ぶとよいでしょう。
場合によっては投資ではなく、貯蓄が必要な方もいるはずです。まずは、自分が持っているお金と今後かかるであろうお金を把握してみましょう。
資産運用を始める前に知っておきたい基礎知識

リターンとリスク
運用にかかる費用
買うとき | 保有中 | 売るとき | |
---|---|---|---|
株式 | 売買手数料 | 原則なし (※1) |
売買手数料 |
投資信託 | 販売手数料 | 信託報酬など | 信託財産留保額 (※2) |
※1.口座の管理料がかかるケースがある
※2.発生しない銘柄もある
コストは基本的に低く抑えるようにしましょう。資産運用に回せるお金が増えるため、同じリターンならコストが低いほうが大きな利益となります。
例えば、投資信託を100万円分買うときの実質的な運用額は、販売手数料が1.1%なら約98.9万円、3.3%なら約96.7万円です。リターンが10%の場合、前者は約9.9万円の利益を得られますが、後者は約9.7万円の利益しか得られません。
ただし、コストだけで資産運用が決まるわけではありません。コストは資産運用の一つの要素ですが、コストに対してどれくらいのリターンが得られるのか、どのようなリスクがあるのか、総合的に判断しましょう。
運用期間
資産運用には短期で利益を狙いに行く方法もありますが、基本的には長期運用を心がけましょう。「複利(ふくり)」を考慮すれば、運用期間が長いほどリターンが大きくなります。
複利は得られた利益を再投資し、運用額を大きくし続ける方法です。例えば、リターン10%の商品に100万円投資すると最初の利益は10万円ですが、再投資して運用額を110万円とすれば次回の利益が11万円に増えます。同じリターンなら、利益が年々増えていくことが複利のメリットです。
累積利益 | 1年あたりの利益 | |
---|---|---|
1年目 | 10万円 | 10万円 |
5年目 | 61.1万円 | 12.2万円 |
10年目 | 159.4万円 | 15.9万円 |
15年目 | 317.7万円 | 21.2万円 |
20年目 | 572.7万円 | 28.6万円 |
※「累積利益」は少数2位を四捨五入
※「1年あたりの利益」は累積利益の単純平均かつ少数2位を四捨五入
※税金や手数料等は考慮していません
リスクを抑えたい場合も、長期運用が向いているでしょう。値動きは短期的に大きく動いても、長期的には変動幅が落ち着く傾向があるといわれているためです。
まとめると、長期運用はリターンを大きくし、かつリスクを抑える効果が期待できます。そのため、運用期間を長く取れる若い世代には、時間を味方につけてリスクを抑えられる長期運用をおすすめします。
初心者におすすめの資産運用4選

個人向け国債
債券とは、国や企業などが、資金を投資家などから調達するために発行する有価証券を指します。そのうち、国が発行する債券を「国債」、企業が発行する債券を「社債」、個人向けに発行される国債を「個人向け国債」といいます。
個人向け国債を買うことで国にお金を貸し、その利息収入を得る仕組みです。債券は発行者が破綻するリスクがありますが、国債ならその可能性は低いと言えるでしょう。
個人向け国債は、発行から1年経てば元本割れせずに中途換金できます。1年程度の短期間で現金化する選択肢を残したい方に向いているでしょう。
ただし、中途換金は直近1年分の利息が差し引かれるため、ちょうど1年で換金するとお金が増えません。
個人向け国債のリターンは低めです。2021年に発行された個人向け国債の金利は、年率0.05~0.09%(税引前)にとどまりました(変動10年は初回利率)。これは、100万円で1年あたり500~900円の利息となる計算です。
参考:財務省 個人向け国債 発行額の推移
実は、この水準でも預金金利よりは高めです。日本銀行によると、定期預金金利の平均は年率0.002~0.003%となっています(2022年1月26日時点)。この場合、税金を考慮せずに100万円でも年に20~30円の利息しか受け取れません。
個人向け国債の金利は最低でも0.05%を下回らないため、預金よりは高いリターンが期待できるでしょう。
参考:日本銀行金融機構局 預金種類別店頭表示金利の平均年利率等について(2022年1月26日)
とはいえ、リスクの大きい商品と比べるとリターンはやはり低めです。個人向け国債は、少しずつでもお金を増やしたい方に向いているでしょう。
外貨預金
外貨預金は円預金と異なり、米ドルなどの外貨を預け入れる預金商品です。日本より金利が高い国の通貨を用いれば、円預金より高い金利でのリターンを得られるでしょう。
金利のほか、為替による利益も望めます。例えば、米ドルを1万ドル分預け入れる場合、1ドル=100円なら100万円が必要ですが、その後1ドル=110円に上昇すれば円に戻した場合、110万円となります。円安が進んだ際に資産を守ることができるでしょう。ただし、反対に円高が進んだときは損失の可能性があるため注意が必要です。なお、手数料等は考慮していません。
なお、外貨預金は預金保険制度(ペイオフ)の対象外です。ペイオフとは、金融機関が万が一、破綻したときに預金者一人あたり、元本1000万円までとその利息などが保護の対象となる制度です。
外貨預金には「預金」の言葉が入っていますが、普通預金や定期預金と違ってペイオフの対象にならないので、注意しましょう。
また、よく比較される商品に「FX」があります。FXは原則土日を除き24時間売買できるほか、自己資金の最大25倍までの取引が可能です(2022年2月8日時点)。例えば、100万円の自己資金があれば最大2,500万円分の取引ができます。
FXに取り組む場合は取引ルールやよりリアルタイムな世界情勢など、さまざまな知識が求められるため、外貨預金と違って初心者向きとは言い難いでしょう。
投資信託
不特定多数の投資家から資金を集め、投資の専門家(ファンドマネージャー)が株式や債券などで運用する商品です。直接の運用は専門家が担うほか、100円~1万円程度の少額から販売されているため初心者でも始めやすいでしょう。
REIT(リート)と呼ばれる、不動産に特化した投資信託もあります。オフィスビルやマンションといった実物の不動産で運用し、原則その利益の90%超を投資家に分配する商品です。通常は大金が必要な不動産投資も、REITなら少額で複数の物件に分散投資できるでしょう。
なお、投資信託は上述のとおり、販売手数料や信託報酬、信託財産留保額といったコストがかかります。銘柄ごとに異なるため事前に確認しておきましょう。
株式投資
タイプ別における金融商品の選び方
海外旅行が好きで為替をよく見る:外貨預金
ニュースで日経平均株価をよく見る:インデックス型投資信託
初めてなのでプロに任せて分散投資してほしい:バランス型投資信託
まとめ
資産運用とは、貯蓄や投資を使いこなし、お金を効率的に増やすことをいいます。さまざまな方法がありますが、自分のライフステージやリスク許容度に合わせて選ぶことが大切です。
投資する場合はできるだけ長期的に行うことで、複利によってリターンが得られやすいというメリットがあります。
ただし、資産運用を始めた後も、新聞やニュースなどで定期的に情報をチェックしましょう。
なお、今回は触れていませんが、資産運用は税制優遇制度を活用するとより効果的です。例えば、運用益が非課税となる「NISA」や「つみたてNISA」を活用すれば、非課税となる分、利益をより多く手元に残すことができるでしょう。
また、所得税などを減らす効果が期待できる、「iDeCo」や「生命保険」も効果的です。さまざまな制度を賢く活用して、自分に合った資産運用を始めてみましょう。
記事提供:トランス・コスモス株式会社
執筆者保有資格:2級ファイナンシャル・プランニング技能士
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