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【アンケート!】資産運用の利益確定のタイミングはいつ?

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【アンケート!】資産運用の利益確定のタイミングはいつ?
公開日:2022年8月29日
目標金額やお金の使用目的を決めずに行う資産運用で利益が出た場合、「どのタイミングで利益確定をすればよいのかわからない」と悩む方もいるかもしれません。
また、「長期投資が大事」という話を耳にしたことがあるけれど、実際利益が出た人たちが、どのような行動を取っているのか気になる方もいるでしょう。
今回は、資産運用で利益が出ている方、男女400名を対象に、利益を確定するタイミング等についてアンケート調査をしました。
また、「今さらだけど、長期投資ってどうして大切なの?」という方のために、ファイナンシャルプランナーが長期投資の重要性を解説します。
資産運用における利益確定のタイミングでお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
【調査概要】
  • インターネットでのアンケート
  • 男女400名
  • 2022年5月
【アンケート対象者の条件】
資産運用を行っており、アンケート回答時点で利益が出ている方

利益確定せずにお金が必要になるまで保有する方が多数派

それではさっそくアンケートの結果を見ていきましょう。
(グラフ1)現在利益が出ている金融商品を今後どのような方針で運用する予定ですか?
(グラフ2)前問で「利益が出ている商品をこのまま保有する」と答えた方に質問です。どれくらいの利益が出たら確定する予定ですか?
グラフ1については、2022年5月に、資産運用を行っており、アンケート回答時点で利益が出ている男女400名に、金融商品の今後の運用方針について尋ねた結果、「このまま保有する(57.1%)」が最も多くを占め、2番目が「特に決めていない(16.3%)」という結果になりました。
また、グラフ2のとおり、前問で「利益が出ている商品をこのまま保有する」と回答した方に、どれくらいの利益が出たら確定する予定か尋ねたところ、「利益でなく必要になったタイミングで確定する(29.4%)」が最も多くなりました
「必要になったタイミング」というのは、想定外の急な出費が発生したタイミングや、将来の結婚・子育て・引越し・自動車購入・老後等、ライフステージの変化でまとまったお金が必要になるタイミングだと考えられます。
2番目に多い回答は、「特に決めていない(25.8%)」のため、約半数の方は、利益を基準に確定のタイミングを決めていないと考えられます。

「利益確定後に価格が上昇して後悔した」というケースも

(グラフ3)過去に利益確定をして後悔をしたことはありますか?
(グラフ4)前問で「過去に損失経験がある」と答えた方に質問です。その理由を教えてください。
グラフ3のとおり、利益確定で後悔した経験が「ある」と回答した方が43.3%でした。後悔した経験のない方のほうが多い結果にはなったものの、後悔を経験した方も多くいるようです。
グラフ4のとおり、前問で、「過去に損失経験がある」と答えた方に対し、その理由について尋ねたところ、「確定後に価格が上昇し、もっと利益を拡大できたから(67.6%)」が最も多い結果になりました。
一般的に投資商品の価格は、相場の上昇や下落の影響を受けながら推移します。短期の資産運用では、利益と損失の振れ幅(=リスク)が大きくなりますが、中長期の資産運用においては収益が安定化して利益を得やすくなる傾向にあります。
「一時的に大きな利益がでている」と思ったときでも、長期投資の基本に立ち返り、むやみに利益確定をしないことが大切です。
それではここで、改めて長期投資のメリットについて確認していきましょう。

利益が出ていても「継続し続けること」が大切である理由

利益が出ていても「継続し続けること」が大切である理由
まずは、長期投資において利益が出ていても継続し続けることが大切である理由を3つ解説します。

複利効果が期待できるから

複利効果とは、資産運用で得た利益を元本にプラスし、再投資することで、利益に対して利益がつくことです。複利効果は資産運用の継続によって得られるため、利益確定によって投資を中断すると、複利効果を得られなくなってしまいます

長期投資で「収益の安定化」を図れるから

下記の表は、6資産(国内株式・国内債券・外国株式・外国債券・国内REIT・外国REIT)を均等の割合で、分散投資を行った場合の投資期間1年・5年・10年の3パターンにおける年率リターンを表したものです。
パターン①投資期間1年(最大リターン32.7%、最小リターン▲30.3%)
パターン①投資期間1年(最大リターン32.7%、最小リターン▲30.3%)
パターン②投資期間5年(最大リターン13.3%、最小リターン▲8.2%)
パターン②投資期間5年(最大リターン13.3%、最小リターン▲8.2%)
パターン③投資期間10年(最大リターン8.2%、最小リターン▲0.6%)
パターン③投資期間10年(最大リターン8.2%、最小リターン▲0.6%)
パターン①投資期間1年のグラフでは、リターンの最大値が32.7%、最小値が-30.3%です。一方、パターン③投資期間10年のグラフでは、リターンの最大値が8.2%、最小値が0.6%となり、投資期間1年の場合よりも、リスクが小さくなっていることがわかります。
このように、金融商品の長期保有には、リターンの安定性が期待できるのです。
三菱UFJアセットマネジメント株式会社作成のグラフを抜粋
  1. 6資産分散とは、国内株式・国内債券・外国株式・外国債券・国内リート・外国リート。6資産を均等割りし組み合わせたバランス型のモデル・ポートフォリオに投資したものとして算出しています。
  2. 本数値は、信頼できると思われる各種データに基づいて作成していますが、過去の実績を示すものであり、将来実現することを保証するものではありません。

投資にかかる費用を抑えられるから

資産運用で利益が出たとしても、投資にかかる費用が多ければ多いほど、手元に残る利益は少なくなります。
短期投資で売買を繰り返すと、取り引きを行うたびに手数料等の費用が発生するため、費用の負担を考慮しなくてはなりません。
また、利益が出ている金融商品を売却した場合は、売却するたびに約20%の税金が課されます。
長期投資は頻繁に売買を繰り返すことがないため、短期投資よりも購入や売却の際の手数料を抑えることが可能です。

長期投資が「つみたて」と相性がよい理由

長期投資が「つみたて」と相性がよい理由について見ていきましょう。

長期積立分散投資で「平均購入単価」が抑えやすくなるから

「つみたて」は毎月1万円といったように購入のタイミングを分散させる手法ですが、これによって平均購入単価、つまりは「買値」を抑制させる効果が期待できます。
この効果は、購入にかかる時間が長期になるほど大きくなるため、長期投資(保有)と合わせることで、より大きなリターンを期待できるでしょう。
投資信託を購入した場合の例(毎月10,000円ずつ運用商品に5回投資した場合)
上記は、毎月1万円ずつ運用商品に5回投資した結果を表したグラフです。
毎月同じ金額を分散投資することで、投資信託の価額が高いときは少ない口数、価額が低いときは多くの口数の購入する「ドルコスト平均法」を活用できます。
ドルコスト平均法による分散投資では、毎月同じ口数の投資信託を購入するよりも、平均購入単価(買値)を抑えることができるとされています。
次に、時間を分散させながら長期投資を行った場合の、シミュレーション結果を見てみましょう。
長期・積立・分散投資の効果(実績)
  • 金融庁ウェブサイト「つみたてNISAについて」(平成29年6月)
上のグラフは、20年間、国内や海外の株・債券等につみたて投資を行った場合のシミュレーション結果です。
B.国内の株・債券に半分ずつ投資では、38.0%(年平均1.9%)のリタ―ン
C.国内・先進国・新興国の株・債券に1/6ずつ投資では79.9%(年平均4.0%)のリターンとなっています。
2008年のリーマンショックで大きな下落があったとしても、トータルで見るとしっかり利益を出していることが分かります。
長期投資を行う際は、一度にすべてのお金を投資せず、時間を分散させてリスクを低減しましょう。
ここまで長期投資のメリットを確認してきましたが、長期投資は時間分散、すなわち「つみたて」との相性もよいのです。

まとめ

利益確定によってお金を得ることは、悪いことではありません。ただし、お金を使う予定が特にないなら、そのまま資産運用を継続しましょう
長期投資には、価格変動のブレを抑えやすいメリットがあるため、よく検討してから利益確定をしてください。
将来のためのお金を資産運用で備えるなら、資産のバランスを考慮しつつ、中長期的な運用を心がけましょう。

記事提供:トランス・コスモス株式会社

執筆者保有資格:2級ファイナンシャル・プランニング技能士

※記事内の情報は更新時点のものです。最新情報は別途ホームページ等でご確認ください。

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