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30代から考えないと間に合わない!?定年退職後の老後資金

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30代から考えないと間に合わない!?定年退職後の老後資金
2021.3.1
なんとなく貯蓄はしているものの、定年退職後の老後資金に漠然とした不安を抱いている人も多いのではないでしょうか。理想のセカンドライフを送るためには、早期から計画的に準備しておくことが大切です。この記事では、資産形成を始めるタイミングや資産形成のポイントについて解説します。老後資金の備え方に悩んでいる人は、ぜひ参考にしてください。

人生100年時代――30代から定年退職後を考えるべき理由

老後,定年退職後
(画像提供:ink-drop/stock.adobe.com)
30代のうちから定年退職後の「老後資金」について考えるのは早いと感じる人もいるかもしれませんが、理想のライフプランを実現するためには、早期からの資産形成が大切です。
厚生労働省が公表した「簡易生命表の概況(2019年)」によると、男性の平均寿命は81.41歳、女性の平均寿命は87.45歳で、どちらも過去最高を更新しています。この平均寿命は年々伸びつつあり、今後も延びることが予想されます。
また少子高齢化が加速し、年金受給者の数が増えるのに対して年金保険料を負担する人の数が減れば、受け取れる年金額は少なくなることも予想されるでしょう。
2013年には年金受給開始年齢が60歳から65歳に引き上げられ、今後さらに引き上げられる可能性も……。こういった時代背景を踏まえると、「公的年金と退職金さえあれば老後は安泰」と考えることは難しそうです。
せっかくのセカンドライフを、お金に悩まされながら過ごすのは避けたいところ。定年退職後、余裕のある生活を送るためには、早いうちからの資産形成がカギです。30代から備えておくことで、さまざまなリスクに対応できるでしょう。

定年退職後にかかる生活費はいくら?

老後,定年退職後
(画像提供:mshin/stock.adobe.com)
「老後の生活費」といっても、具体的にどの程度のお金が必要なのかイメージしにくいですよね。老後に必要な最低限の生活費を統計データから見てみましょう。

老後の生活費の目安は月額22万円

生命保険文化センターが18~69歳の男女、約4,000人を対象に実施した「生活保障に関する調査(2019年)」によると、夫婦2人が老後生活を送る上で必要と考える「最低日常生活費」(=最低限の生活費)の平均は、月額約22万円という結果でした。これを65~85歳までの夫婦2人分の生活費で計算すると、最低でも約5,280万円(22万円×12ヵ月×20年)が必要となります。

豊かな老後を過ごすためには?

加えて、"ゆとりある老後"を送るための「最低日常生活費」以外に必要と考える金額の平均は、約14万円でした。この費用の使い道(複数回答)としては、「旅行やレジャー」が60.7%でもっとも多く、そのほかに「趣味や教養」が51.1%、「日常生活費の充実」が49.6%、「身内とのつきあい」が48.8%、「耐久消費財の買い替え」30.0%といった回答がありました。
このように、日常生活の充実にかかる費用を想定すると、余裕ある老後を過ごすためには、月36~40万円程度の生活費を確保できると安心と言えるでしょう(家賃や住宅ローンの有無、生活水準など各家庭の状況によって金額は異なりますので、1つの目安としてください)。
理想のセカンドライフをイメージし、最低限の生活費に加え、どの程度の上乗せ費用が必要かを考えてみましょう。

収入がなくなる老後に向けて、資産形成は早い時期から

老後,定年退職後
(画像提供:tanu/stock.adobe.com)
定年退職後に収入がなくなれば、退職金と公的年金でやりくりしなければなりません。

2020年度の公的年金の受給額(*)は、夫婦2人で毎月約22万円ですから、前出の調査と照らし合わせると最低限の生活費はまかなえることがわかります。

*夫婦2人分の老齢基礎年金を含む厚生年金の標準的な年金額

一方で、家具家電の買い替えや医療・介護費用などがかさんだときのために、退職金は手元に残しておく必要があるでしょう。定年後に働き続ける選択肢もありますが、収入が大幅に下がってしまうケースも少なくありません。このようなことを踏まえ、早い時期から老後に向けて資産形成を始めましょう。

スタートの差が老後に響く?

将来的な貯蓄額は、スタートの時期によって大きく変わってきます。たとえば、35歳から資産形成を始めたとすると、年金を受給するまで30年間貯蓄ができます。1ヵ月に10万円を積み立てたとすると、3,600万円(10万円×12ヵ月×30年)の貯蓄が可能です(利息などは考慮しません)。
これに対し、50歳から同じ金額で貯蓄を始めた場合には1,800万円(10万円×12ヵ月×15年)しか貯蓄できません。資産形成をスタートする時期が遅ければ遅いほど、目標貯蓄額を達成するための月々の負担も大きくなります。
老後の不安をなくすためには、1日でも早く貯蓄をスタートするのがよいと言えるでしょう。

なかなかお金が貯まらない人は「先取り貯蓄」を

貯蓄が苦手、思ったように貯蓄できないという人は、「先取り貯蓄」に取り組んでみましょう。「先取り貯蓄」とは、収入が入ったタイミングで一定額を別口座に移す貯蓄方法です。貯蓄分をあらかじめ差し引いた金額で生活することになるので、貯蓄分を使い込んでしまう心配がありません。
先取り貯蓄には、勤めている会社の「財形貯蓄制度」を利用する方法や、銀行の「自動つみたて定期預金」を利用する方法があります。自動でお金が貯蓄用口座に移動されるので、そのつど振り込む必要がなく、無理に意識しなくても貯蓄を続けられるでしょう。
口座に余ったお金を貯蓄に回そうとしても、思うように貯まらないケースが少なくありません。そんなときは、少額から「先取り貯蓄」を始めてみるといいでしょう。

貯蓄だけでなく投資も視野に入れよう

老後,定年退職後
(画像提供:olivier-le-moal/stock.adobe.com)
今は超低金利時代なので普通預金や定期預金では、なかなかお金が増えません。そこで投資をして「お金に働いてもらう」のも1つの選択肢です。
投資で老後に備えるなら、「つみたてNISA (ニーサ)」や「iDeCo(イデコ)」など税制優遇制度の活用を検討しましょう。このつみたてNISA やiDeCoは、長期・分散・積立が可能で、リスクを抑えつつ長期的な資産形成に取り組むための制度です。ここからは、それぞれの制度の特徴やポイントを解説します。

つみたてNISA(ニーサ)

つみたてNISAとは、一定の条件の中で毎年40万円までの投資で得た運用益が非課税になる「少額投資非課税制度」です。最長20年間適用されるため、最大800万円分を非課税で運用でき、長期投資に向いています。
投資対象は、国が定める基準に適合した長期・分散投資に適した投資信託です。投資信託は、1つの商品を保有するだけで、国内外の株式や債券など複数の資産に分散して投資ができる金融商品です。
月額1,000円など少額から積み立てられるため、初心者でもスタートしやすいといえるでしょう。また、積み立てたお金はいつでも引き出せるため、突然の出費にも対応できる自由度の高さも魅力です。
ただし、投資である以上、必ず利益が出るとは限りません。損をするリスクがあることも理解して余裕資金を投資しましょう。

iDeCo(イデコ)

iDeCoとは、掛け金を自分で運用しながら積み立てていく私的年金制度です。一定の条件において月額5,000円から積み立て可能で、積み立てたお金は、原則60歳以降に年金または一時金として受け取れます。公的年金だけでは不安な人は、iDeCoを活用して老後の収入源を確保しておくと安心です。
iDeCoには、税金に関する3つの優遇があります。
1つ目に、掛け金が全額所得控除の対象になることです。iDeCoに加入すると、毎年の年末調整や確定申告の際に、支払った掛け金を控除した上で所得税が計算されます。所得控除では、年収が高い人ほど節税効果が高くなる傾向があります。
2つ目に、運用利益が非課税になることです。通常、投資から得た利益などには20.315%の税金がかかりますが、iDeCoの運用利益には税金がかかりません。
3つ目に、「退職所得控除」「公的年金等控除」が適用されることです。そのため、年金の受け取り時にも、一定額までは税金がかかりません。
iDeCoでは、3つの税金の優遇により、効率的に資産を増やすことができるでしょう。ただし、積み立てNISAとは違い、60歳までは原則引き出しができません。そのため、掛け金の設定には十分注意しましょう。
また、こちらも必ず利益が出るとは限りません。損をするリスクがあることも理解して当面は使う予定のない余裕資金を投資しましょう。

早めの資産形成で豊かなセカンドライフを!

理想のセカンドライフを送るには、早期からの準備が肝心です。早いうちからコツコツと積み立てることで大きな資産を築き、将来の不安を払しょくすることにつながります。まずは資産形成に向けて、若いうちから着実な一歩を踏み出してみてください。

執筆者:水瀬理子

ファイナンシャル・プランナー

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