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一般NISAとつみたてNISA、どっちがいいの?

一般NISAとつみたてNISA、どっちがいいの?
  • 2021年2月17日
  • 2023年12月29日
  1. 現行制度は、2024年1月以降に制度内容が大きく改正される予定です。
    本ページは2022年12月16日(金)「令和5年度の税制改正大綱」で公表された情報をもとに作成しております。今後変更となる可能性もございますので、予めご了承ください。
NISA制度に興味を持たれる方も多くなっていますが、NISAには現在、「一般NISA」だけでなく「つみたてNISA」という制度もあり、しかも開始後は各年それらのうちどちらか1つしか利用することができません。一体それぞれ、どの様な点が異なるのでしょうか。
また、2024年から新しいNISA制度に変わることが、2022年12月に金融庁から発表されました。現行のNISA制度を中心に、2024年から始まる新しいNISAについても紹介します。
  1. 便宜上NISAとつみたてNISAを区別するためNISAを一般NISAと表記します。
\2024年以降のNISA制度のポイント/

一般NISAとつみたてNISAの違い

NISA,つみたてNISA
(画像提供:metamorworks/stock.adobe.com)
一般NISAは2014年から開始された、税制優遇制度です。その後2018年につみたてNISAが制度化されました。どちらも、対象期間内における運用益が非課税(現在の税率では約20%)での運用が可能です。積立可能額や累積積立可能額、投資対象の幅など、制度としてのそれぞれの特徴を把握しましょう。

買付可能額

「一般NISA」の年間買付可能額は、120万円です。1年間につき、120万円の範囲内であれば、購入した対象商品の値上がり益や配当金等について、対象期間内において非課税での運用ができます。

これに対して、「つみたてNISA」の方は1年間につき累積40万円に至るまで、購入ができる制度です。

投資対象

「一般NISA」では投資信託やETFに加えて、上場株式を購入することもできます。ただし、買付可能額が年間120万円ですので、その金額を上回る株価の銘柄を買うことはできません。
「つみたてNISA」は、長期の積立・分散投資に適するという理念にもとづき金融庁所定の条件を満たすものとして届け出られた一定の投資信託・ETFのみが対象とされています(2020年12月23日時点において、193本の商品が対象)。

非課税投資期間

「一般NISA」は、買付をしてから5年間が非課税投資期間(非課税投資枠は5年間で最大600万円)となっています。「つみたてNISA」は買付可能額がNISAに比べて少ない反面、非課税投資期間は20年間(非課税投資枠は20年間で最大800万円)という長い年数が認められるもので、より長期間の投資を促す制度設計とされています。

拠出ルール

上記で述べてきたさまざまな違いはありますが、拠出ルールについては、一般NISAもつみたてNISAも基本的には共通しています。
すなわち、特定口座や一般口座とは異なる「NISA口座」の開設が必要となること、1人につき1口座のみしか持つことができず、買付可能額が余った場合に翌年へ繰り越しはできない、といった基本ルールは変わりません。
また、他の口座の利益との間で損益通算をしたり、年をまたいで損失を繰越控除することは、NISAもつみたてNISAも認められてはいないので共に注意が必要です。
\NISAで投資をはじめよう!/
三菱UFJ銀行のNISA・つみたてNISA
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ロールオーバー

一般NISAの場合、5年間の非課税投資期間中に売却せず保有していた商品は、特定口座や一般口座等の課税口座へ移行するか、あるいはその対象商品を翌年の非課税枠の範囲内で引き続き運用し続けること(ロールオーバー)が選択できました。
一方でつみたてNISAの場合はロールオーバーができず、売却するか、課税口座へ移行するか、選択する必要がありました。
しかし、2022年12月下旬に発表された令和5年度税制改正大綱のなかで、2024年から新しいNISA制度に変わるため、現行のNISA制度での購入した分は非課税期間満了後、2024年以降に設定される成長投資枠にロールオーバーができないようになることが分かりました。非課税期間満了後は、自動的に課税口座へ払い出しされるので、注意が必要です。
このとき、非課税期間に運用で得た利益に対して課税されることはありませんが、NISA口座から金融商品を払い出したあと、その金融商品が値上がりした場合は、得た利益に対して課税されます。
そのため、ロールオーバーをする予定だった人は、非課税期間が終了するまでに売却をするのかよく検討する必要があります。
悩ましい場合は、NISA口座を保有する金融機関の電話相談や来店予約を活用し、相談をしてみるといいかもしれません。

2024年から始まる新しいNISA制度とは

新しいNISA制度と現行のNISA制度の違いは、以下の通りです。
  現行 改定後
勘定の呼称 一般NISA つみたてNISA 成長投資枠 つみたて投資枠
制度期間 2014~2023年 2018~2042年 無期限
非課税期間 5年間 20年間 無期限
年間の投資上限額 120万円 40万円 240万円 120万円
非課税保有限度額
(総枠)
600万円 800万円 1,800万円
(内、成長投資枠の上限額は1,200万円)

各勘定の併用

各勘定の
併用

不可
対象商品 上場株式(*1)
株式投資信託
つみたてNISA専用ファンド
(株式投資信託)
上場株式(*1)、株式投資信託のうち一定の条件を満たすもの(*2) 不変
  • 三菱UFJ銀行では、上場株式のお取り扱いはありません
  • 次のすべての条件を満たすもの。①信託期間が20年以上または無期限であること②分配頻度が1ヵ月以下でないこと③ヘッジ目的以外のデリバティブが組み込まれていないこと
2023年までは、一般NISAかつみたてNISAかどちらかを選択する必要がありましたが、2024年から始まる新しいNISAでは、成長投資枠とつみたて投資枠の併用が可能になります。
非課税期間も無制限となり、年間の投資上限額も引き上げられるので、今まで毎年の投資上限額を使い切り、課税口座での投資をしていた方は2024年以降、NISAでの毎月の積立金額や一括での購入金額を見直してみるといいでしょう。
また、投資上限額内で運用をしていた方も、成長投資枠とつみたて投資枠の併用ができるようになったので、それぞれの枠で投資可能なファンドに分散をして投資をしてみたり、ボーナスなどで一括購入、毎月の収入でつみたてといったように組み合わせることを検討してもいいかもしれません。
現行のNISA制度で購入した分は、新しいNISAの非課税保有限度額(生涯枠)には組み込まれないので「来年から新しいNISAに変わるなら、来年から始めればいいや」ではなく、今年からNISA制度を活用することをおススメします。

一般NISAとつみたてNISAのメリット・デメリット

NISA,つみたてNISA
(画像提供:moonship/stock.adobe.com)

一般NISAのメリット

一般NISAは、非課税投資期間が短いですが、つみたてNISAに比べて買付可能額が大きいというメリットがあります。購入した商品が何倍にも増えることになったとしたら、その値上がり益全てが非課税になるわけですから、結果として得られる利益がとても大きくなる可能性があります。

ロールオーバーができるのも、NISAにしかない特徴の一つです。年間買付可能額120万円という枠を目いっぱい使って非課税口座での運用をし続けられるのは、NISAの大きなメリットと言えるでしょう。

また、NISAはつみたてNISAよりも、商品選択の幅が広いのが特徴です。つみたてNISAとは異なり、投資信託やETFだけでなく、個別銘柄での運用も可能となっています。

一般NISAのデメリット

デメリットとしては、非課税投資期間が5年間(ロールオーバーして10年)という短期間であることが何よりも留意されるべきこととなります。長期投資ではないので、よりシビアな運用が求められるとも言うことができます。

そして、商品の幅が広いというのは、ある意味デメリットと捉えることもできるでしょう。つみたてNISAのように金融庁が定める条件を満たしている、という制限がありませんので、色々な商品が混在しています。どの様な商品をどの様なタイミングで購入し、そして利益確定をするか、見極めるテクニックが求められることになるのです。

つみたてNISAのメリット

つみたてNISAについては長期・分散投資を目的とした金融庁の制度設計が如実に反映されており、非課税投資期間が20年と長くなっています。20年間コツコツと積立投資を続けていけば、市場が形成する波も平準化され、平均的に安定した利益を得られる可能性がとても高くなるはずです。
しかも、対象商品は長期・分散投資に適うべく金融庁の定める条件を満たしたものに限定されていますので、20年間の長期投資で積立を続けることさえできれば、自然と資産を形成できるでしょう。

つみたてNISAのデメリット

投資信託やETFの積立のみが対象となっており、株式の売買は含まれていませんので、個別銘柄で取引したい場合にはつみたてNISAは向いていません。

一般NISAとつみたてNISAどっちがいい?

NISA,つみたてNISA
(画像提供:tamayura39/stock.adobe.com)

一般NISAに向いている人

一般NISAは、5年という期間で利益をあげられる自信のある方に向いているでしょう。そうした意味では、一般NISAの方が上級者向きであると言ってもよいかもしれません。個別銘柄で勝負をしたい、という人も、一般NISAに向いていることとなります。
あるいは、高配当株を保有し配当金を非課税で受け取り続けたい、という目的の方にも、一般NISAは向いているはずです。年間120万円の上限内であれば、購入した銘柄から受け取る配当金も全て非課税となりますので、配当金というインカムゲインも大きなものとなります。

つみたてNISAに向いている人

長い時間をかけてじっくりコツコツと資産を形成していきたい、という考えの方は、つみたてNISAに向いている人です。

投資の経験や知識がまだ浅く、運用していくことに自信が持てない人は、まずつみたてNISAで投資の経験を積んでいくことからスタートしていくのでも良いと思います。

つみたてNISAは積立投資ですので、一度積立の設定をしておけば、基本的に放っておいても運用は続いていきます。商品の選定や売買に時間や気を取られることなく運用をしていきたい人には、つみたてNISAが向いているでしょう。

また、そもそも月々に投資に回せるお金が限られているという人であれば、無理をせずにつみたてNISAの非課税枠内で少額から積み立てていく方が、精神的な安心感も得られやすいかと思います。

特徴を把握し自分に合った選択を

以上で述べてきたように、一般NISAもつみたてNISAもそれぞれメリット・デメリットがありますが、同じ年に重複利用することはできない仕組みですので、それぞれの特徴を把握しながら自分に合った選択をしていくことが必要となります。
なお、2024年からはNISAは新しい制度に変わり、成長投資枠とつみたて投資枠の併用が可能になります。
現行のNISA制度で購入した分は、新しいNISAの非課税保有限度額(生涯枠)には組み込まれないので、非課税枠を最大限使うという意味では、後回しにせず今年からNISA制度を活用するといいでしょう。

執筆者:佐々木達憲

弁護士、AFP、相続診断士

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(2023年12月29日現在)