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マイナ保険証とは?登録方法や、メリット・デメリット、使い方をわかりやすく解説!

マイナ保険証とは?登録方法や、メリット・デメリット、使い方をわかりやすく解説!
  • 2025年9月25日

  • この記事はこんな方におススメ!
  • マイナ保険証とは何かを知りたい方
  • マイナ保険証を使うか検討している方

マイナ保険証は、マイナンバーカードを健康保険証として利用する仕組みです。この記事では、マイナ保険証の概要やメリット・デメリット、登録方法、使い方をわかりやすく解説します。

目次

マイナ保険証とは?

医療機関や薬局で受付をする際に、マイナ保険証を持っているか確認されることがふえています。しかし、「まだ手続きをしていない」「そもそもマイナ保険証とは何かよくわからない」という人も多いでしょう。まずは、マイナ保険証の概要と、マイナンバーカードとの違いについてみていきましょう。

マイナ保険証の概要

マイナ保険証とは、健康保険証として利用登録されたマイナンバーカードのことです。
医療機関や薬局に設置されている顔認証付きカードリーダーなどで登録すると、その場で健康保険証として利用できます。令和7年(2025年)3月末現在、マイナンバーカード保有者の8割以上が利用登録を完了しています。
顔認証付きカードリーダーを利用することで、より正確な本人確認や過去の医療情報提供の同意などが可能になるため、より良い医療を受けられます。

マイナ保険証とマイナンバーカードの違い

マイナンバーカードは、個人番号が記載された顔写真付きのICカードです。本人確認やさまざまな行政手続きなどで利用できます。一方、マイナ保険証は、マイナンバーカードに健康保険証の機能を追加したものです。
新しいカードが別途発行されるわけではなく、健康保険証として利用登録がされているかどうかに違いがあります。

マイナ保険証利用時の注意点

マイナ保険証を利用する際は、マイナンバーカード本体の有効期限と、電子証明書の有効期限に注意が必要です。
マイナンバーカード本体の有効期限は、発行時から10年(18歳未満は5年)までです。更新時には、本人が住民登録のある市区町村窓口にいくか、代理人が手続きをします。
一方、電子証明書とは、ログインした人が間違いなく本人であることを証明するものです。マイナンバーカードの電子証明書の有効期限は、年齢問わず発行日から5年までとなっています。
マイナンバーカードを健康保険証として利用するには電子証明書が必要になるため、有効期限が切れる前に更新手続きをする必要があります。有効期限の2~3ヵ月前に有効期限通知書が郵送されるため、届いたら内容を確認のうえ、速やかに市区町村窓口で更新手続きを行いましょう。通知書が届いていなくても、有効期限の3ヵ月前から更新手続きは可能です。
医療機関や薬局に設置されている顔認証付きカードリーダーでも、有効期限の3ヵ月前から、電子証明書の有効期限のアラートが表示されます。
有効期限満了日が属する月の末日から3ヵ月間は、引き続きマイナ保険証で受診できます。ただし、医療資格情報の提供のみで、診療情報や薬剤情報などは提供されなくなります。3ヵ月間経過後はマイナ保険証が利用できなくなるため、速やかに再発行の手続きを行いましょう。
なお、マイナ保険証の再発行手続きを行わず、有効な保険証もない場合は、3ヵ月以内に資格確認証が交付されます。その資格確認証を使用して、引き続き医療を受けることが可能です。
マイナ保険証は電子証明書の更新手続きを忘れずに

従来の健康保険証の廃止はいつから?

国はマイナ保険証の利用を促進していますが、従来の健康保険証は今後も使い続けられるのでしょうか。従来の健康保険証の取り扱いと、マイナ保険証を持っていない場合の対処法について紹介します。

従来の健康保険証の発行はすでに停止

令和6年(2024年)12月2日以降、従来の健康保険証の新規発行は停止されており、マイナ保険証を基本とする仕組みに移行されています。
ただし、令和6年12月2日時点で有効な従来の健康保険証は、最長1年間は引き続き使用可能です。有効期限が令和7年(2025年)12月1日より前に切れる場合や、転職や転居などで保険者の移動が生じた場合は、その時点まで使用できます。

マイナ保険証を持っていない人はどうすれば良い?

マイナ保険証を持っていない人には、従来の健康保険証の有効期限内に資格確認証が無償で交付されます。資格確認証の取得に申請は不要です。医療機関や薬局の窓口で資格確認証を提示すれば、従来と同じように保険診療を受けられます。
なお、後期高齢者医療費制度の被保険者については、マイナ保険証の保有状況にかかわらず、資格確認証が無償かつ申請不要で交付されます。こちらは、令和8年(2026年)7月末までの暫定的な運用です。

マイナ保険証のメリット・デメリット

マイナ保険証のメリット・デメリット
マイナ保険証は、従来の健康保険証に比べて利便性が大きく向上しています。その一方で、利用する際は注意すべき点もあります。ここでは、マイナ保険証のメリット・デメリットを見ていきましょう。

メリット1)データの一元化でより良い医療が受けられる

受診時や調剤時にマイナ保険証を利用して受付し、情報提供に同意すると、過去に処方された薬の情報や特定検診の結果が医師・薬剤師に共有されます。初めて受診する医療機関・薬局でも、患者本人が覚えていない情報を医師や薬剤師が確認できるため、より良い医療を受けることが可能です。
また、マイナポータルにログインすれば、自身の過去の診療情報や薬剤情報などを確認できます。
マイナポータルとは、マイナンバーカードを利用してオンラインでさまざまな行政手続きができる、政府運営のWebサイトです。

メリット2)手続きなしで高額療養費制度を利用できる

高額療養費制度とは、1ヵ月間(1日から月末まで)に医療機関や薬局の窓口で支払う医療費が高額になったときに、一定の金額(自己負担限度額)を超えた分があとから払い戻される制度です。
あらかじめ医療費が高額になることがわかっている場合は、健康保険組合などに申請して「限度額適用認定証」を発行してもらえば、窓口で支払う金額は自己負担限度額までとなります。ただし、急な病気やケガで入院・手術が必要になった場合は認定証の発行が間に合わず、一時的に高額な自己負担が発生するかもしれません。
しかし、マイナ保険証を利用すれば、窓口で限度額適用認定証を提示しなくても自動的に高額療養費制度が適用され、自己負担限度額を超えた額の支払いが不要になります。ただし、オンライン資格確認を導入している医療機関や薬局である必要があるため注意しましょう。

メリット3)確定申告時にカンタンに医療費控除の手続きができる

医療費控除とは、1年間(1月1日から12月31日まで)に自身や家族のために支払った医療費が一定額を超える場合に受けられる所得控除です。所得金額から一定額を差し引くことができるため、所得税や住民税の負担が軽減されます。
医療費控除を受けるには、医療費の領収書などから「医療費の明細書」を作成し、確定申告の際に添付する必要があります。
しかし、マイナ保険証を利用し、マイナポータルからe-Taxに連携するとカンタンに医療費控除の手続きができます。
具体的には、医療費控除に使用する医療費通知情報をマイナポータル経由で取得し、確定申告書を作成する際に自動で入力できるようになります。そのため、医療費の領収書の管理・保管、データ入力の手間を省くことが可能です。

メリット4)医療現場で働く人の負担を軽減できる

マイナ保険証を利用することは、医療現場で働く人の負担軽減にもつながります。
これまで、医療機関や薬局では、患者の過去の健診情報や薬の飲み合わせなどを都度確認する必要がありました。また、健康保険証を目視して資格情報を確認し、システムに手入力するなどの対応も行っていました。
しかし、マイナ保険証を利用して情報提供に同意すれば、過去の処方薬や特定検診などの情報が医師・薬剤師にスムーズに共有されるため、業務が効率化され、事務負担が軽減されます。

メリット5)転職や引っ越し、結婚した際に新たに発行する必要がない

従来の健康保険証の場合、転職や引っ越し、結婚などで住所や氏名に変更があった場合は、新しい保険証を発行してもらう必要がありました。しかし、マイナ保険証であれば新しい健康保険証への切り替えは不要です。これまでと同じように、マイナンバーカードを健康保険証として利用できます。
ただし、加入中の健康保険組合や市区町村への届出は必要です。手続き方法の詳細については、健康保険組合や市区町村にご確認ください。

デメリット1)有効期限があり、更新手続きが必要

先述のとおり、マイナンバーカード本体の有効期限は、発行時から10年(18歳未満は5年)、電子証明書は5年です。
マイナ保険証として利用するには電子証明書が必要になるため、有効期限が切れる前に更新手続きを行う必要があります。早めに市区町村の窓口で更新手続きを行いましょう。

デメリット2)紛失すると再発行に時間がかかる

マイナンバーカード(マイナ保険証)を紛失した場合、マイナンバー機能停止の手続きと、警察へ遺失届・盗難届の提出が必要となります。
その後、市区町村の窓口で再発行の手続きを行ってください。通常は、申請から再発行まで約1ヵ月かかります。
令和6年(2024年)12月2日から、緊急時には再発行までの期間が短縮される「特急発行・交付制度」が開始されましたが、その場合も最短で原則1週間かかります。
また、マイナンバーカードが再発行されるまでの間に保険診療を受けるには、従来の健康保険証または資格確認書を提示しなくてはなりません。資格確認書を利用する場合は、加入中の健康保険組合に発行申請を行いましょう。
もし提示できない場合は、医療費を一旦全額自己負担したうえで、後日加入中の健康保険組合に還付申請を行う必要があります。

デメリット3)対応していない医療機関では使えない

令和5年(2023年)4月1日より、保険医療機関・薬局ではマイナ保険証を利用できるオンライン資格確認のシステム導入が原則義務付けされています。そのため、ほとんどの医療機関・薬局ではマイナ保険証が利用可能です。
ただし、マイナ保険証に対応していない医療機関も一部存在します。マイナ保険証が利用できない医療機関や薬局を利用する際は、従来の健康保険証や資格確認書を提示する必要があります。また、マイナポータルの資格情報画面とマイナンバーカードを一緒に提示することで、保険診療を受けることも可能です。

デメリット4)システム不具合の際は使えない

マイナ保険証を読み取るシステムに不具合が生じた場合、一時的にマイナ保険証が利用できなくなります。また、停電などの天災、マイナンバーカードのICチップの破損などが原因でマイナ保険証が使えなくなる可能性もあります。
マイナ保険証で受付ができない場合は、「従来の健康保険証や資格確認書を提示する」「マイナポータルの資格情報画面とマイナンバーカードを一緒に提示する」などの方法で資格確認を受ける必要があります。
マイナ保険証のメリット・デメリット

マイナ保険証の登録方法と使い方

従来の健康保険証からマイナ保険証へ切り替える場合は、以下の3ステップが必要になります。

  1. マイナンバーカードを申請して作成する
  2. 健康保険証として利用登録を行う
  3. 医療機関・薬局で保険証として使用する

マイナ保険証の登録方法と使い方について、くわしく確認していきましょう。

STEP1)マイナンバーカードを申請して作成する

まだマイナンバーカードを持っていない場合は、申請してマイナンバーカードを作成します。申請には、市区町村から通知カードと一緒に送付された交付申請書が必要です。交付申請書が手元にない場合は、市区町村の窓口で再発行の手続きを行いましょう。
マイナンバーカードの申請方法はスマートフォン、パソコン、郵便、証明用写真機の4つです。たとえば、スマートフォンによる申請の手順は以下のとおりです。

  1. スマートフォンで顔写真を撮影する
  2. スマートフォンで交付申請書のQRコードを読み取る
  3. 申請用Webサイトでメールアドレスを登録する
  4. 申請者専用Webサイトにアクセスし、顔写真の登録と必要事項の入力を行う
  5. 申請完了

申請から約1ヵ月で市区町村から交付通知書が届きます。必要書類を持参し、交付場所でマイナンバーカードを受け取りましょう。必要書類や交付場所は、交付通知書に記載されています。

STEP2)健康保険証として利用登録を行う

マイナンバーカードを作成したら、健康保険証として利用するための登録を行います。利用登録は、医療機関や薬局の受付に設置されている顔認証付きカードリーダーでカンタンに行うことができます。カードリーダーにマイナンバーカードを入れて、顔認証または4桁の暗証番号入力で本人確認のうえ、登録を完了するとマイナ保険証の利用が可能になります。
また、マイナポータルのログイン後画面や全国のセブン銀行ATMから申請する方法もあります。自分に合った方法でマイナ保険証の利用登録を行いましょう。
マイナ保険証の登録方法

STEP3)医療機関・薬局で保険証として使用する

医療機関や薬局でマイナ保険証を利用する際は、以下の手順で受付を行います。

  1. 受付にある顔認証付きカードリーダーにマイナンバーカードを置く
  2. 顔認証または暗証番号入力で本人確認を行う
  3. 画面の案内に沿って情報提供の可否を選択する
  4. カードリーダーからマイナンバーカードを取り出す(受付完了)

顔認証付きカードリーダーには複数の種類があるため、医療機関や薬局によって表示画面が異なる可能性がありますが、基本的な流れは同じです。
顔認証での本人確認は、カードリーダーの表示画面の枠に顔が収まるようにすると自動的に撮影されます。暗証番号の場合は、カード申請時に設定した4桁の番号を入力します。連続して間違えると、不正防止のためロックがかかるので注意が必要です。
また、情報提供に同意すると、医師・薬剤師に過去の健康医療情報が共有されます。

一度登録したマイナ保険証の登録を解除するには

マイナ保険証の利用登録は任意の手続きであるため、登録を解除することも可能です。利用登録を解除する場合は、加入する保険者に解除の申請を行います。会社員であれば協会けんぽや健康保険組合、自営業者など国民健康保険に加入している人は市区町村が申請先となります。
利用登録が解除されるまでは1~2ヵ月ほどかかります。利用登録が解除されたかどうかは、マイナポータルのログイン後画面で確認できます。解除後に再登録を希望する場合は、一度登録が解除されたあとにマイナポータルなどから手続きが可能です。

まとめ

便利で使いやすいマイナ保険証
健康保険証はマイナ保険証を基本とする仕組みへ移行し、すでに従来の健康保険証は新規発行が停止されています。現在はほとんどの医療機関・薬局でマイナ保険証を利用することが可能です。
マイナ保険証で受付をすれば、過去の処方薬や特定検診の結果などが医師・薬剤師に共有されるため、より良い医療を受けられます。また、「手続きなしで高額療養費制度が適用される」「医療費控除の必要書類が自動作成できる」など、従来の健康保険証に比べて利便性が大きく向上したのもメリットです。
さらに、マイナ保険証のスマートフォンへの搭載対応も進められています。令和7年(2025年)9月以降は、スマートフォンでマイナ保険証が使えるようになる予定です。
マイナ保険証の利用登録は、マイナンバーカードを医療機関・薬局に持っていくだけでカンタンに行えます。メリット・デメリットを比較したうえで、マイナ保険証を利用するか検討してみましょう。
\もしものために、そなえませんか?/
執筆者:大西 勝士(おおにし かつし)
執筆者保有資格:日本ファイナンシャル・プランナーズ協会認定 AFP認定者、2級ファイナンシャル・プランニング技能士
※記事内の情報は更新時点のものです。最新情報は別途ホームページ等でご確認ください。
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